2010年11月24日

鳥インフルエンザ 家禽か渡り鳥か (06) : アジア

● インフルエンザ(15)WHO
PRO/EDR> Influenza (15): WHO update
Archive Number: 20101124.4243
 情報源 WHO Global Alert and Response (GAR) 11月22日

● ハンタウイルス-チリ
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2010 - Americas (38): Chile 20101124.4232
 情報源 Canaldenoticias.cl [in Spanish]、2010年11月23日。
今週末に the Collipulli Hospital で死亡した若年患者について、ハンタウイルス Hantavirus 感染が疑われている。保健当局は、検査結果未到のため確認できないとしている。死亡したのは 23歳の女性で、Colipulli 近郊の the San Andres rural area に幼い 2人の子どもと暮らしていた。
[Mod.TY-この地域におけるハンタウイルス肺症候群の原因ウイルス the hantavirus responsible for HPS [hantavirus pulmonary syndrome] は Andes virus と考えられる]
地図 Collipulli is part of the Malleco Province in the Araucanía Region in southern Chile

● Fowl pox 鶏痘、鳥類-ニュージーランド: ペンギン
PRO/AH> Fowl pox, avian - New Zealand: penguin 20101124.4233
Avian diphtheria hits yellow-eyed penguins
 情報源 Otago Daily Times、2010年11月24日。
Otago Peninsula 南部の yellow-eyed penguins に avian diphtheria の流行が発生している。ヒナが孵化したばかりの大事な時期に発生したもので、当局による保護が必要とされている。
[Mod.TG- Fowl pox (avian diphtheria, pox, canker) は、世界中のあらゆる年齢のあらゆる鳥類に発生する。 avian pox viruses の感染が原因である。Pox viruses は、single, linear, double stranded DNA viruses で all species and age の家禽の慢性疾患の原因となる。蚊族の刺咬や、キズ、目などへの機械的なウイルス伝播が主な感染経路で、野鳥がウイルスの保有宿主となっている。潜伏期間は 4-10日間で、2種類の病型が知られている; the cutaneous (dry) or diphtheritic (wet)]
写真 yellow-eyed penguins

● 鳥インフルエンザ 家禽か渡り鳥か (06) : アジア
PRO/AH> Avian influenza, poultry vs migratory birds (06): Asia 20101124.4231
Satellite tracking suggests wild birds may spread H5N1 in Asia
 情報源 CIDRAP News, FAO、2010年11月22日。
衛星を使ってアジア地域の野鳥を追跡した結果、H5N1 鳥インフルエンザは、春の北帰行の際に、インドやチベットからモンゴルにもたらされることが示唆されることが、国連機関 the United Nations Food and Agriculture Organization (FAO) からの最近の報告により明らかになった。16日の FAO AIDE News において、2005年に 6000羽以上の野鳥が鳥インフルエンザにより死亡した、中国の青海湖 China's Qinghai Lake にたびたび現れる水禽を追跡した結果、この結論に至ったと述べられている。この大流行のあと、FAO と米国の地勢調査機関が、11か国で 525羽の水禽に GPS transmitters を装着し、その移動を追跡した。青海湖で死亡したトリの半数近くが、bar-headed geese であった。調査の結果、青海湖でタグをつけられた bar-headed geese のほとんどが、チベットのラサ the Lhasa region of Tibet もしくは インドで冬を過ごしていた。H5N1 のアウトブレイクが発生していたその地域で家禽と接触しており、ウイルスが家禽から野鳥に感染伝播したものと FAO は見ている。もしそうであるなら、中アジア飛行路 the Central Asian Flyway の東側にいる野生の水禽が、毎年春に the Qinghai-Tibetan plateau を北方及び東方に超えて、H5N1 高病原性鳥インフルエンザをモンゴルに運んでいたことになる、と記事に書かれている。最も興味深いのは、毎春、渡りの経路の北側の終着点で、野鳥のアウトブレイク発生が繰り返されるというパターンは、ほかの渡りの経路では見られない点で、このことが、野鳥が果たす鳥インフルエンザの疫学上の役割を理解することを難しくしている、とも説明されている。FAO の図によると、モンゴルで初めて H5N1のアウトブレイクが報告されたのは 2005年 8月のことであり、最新の流行は 2010年 5月に発生している。OIE は、2006年と 2009年にもモンゴルで H5N1が流行したと報告しており、いずれも野鳥での発生であった ...