2011年1月3日

鳥インフルエンザ、ヒト エジプト
クロストリジオイデス・ディフィシル オーストラリア

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (02): Egypt, 119th case, 40th death 
Archive Number: 20110103.0031
 情報源 : Egyptian Ministry of Health [in Arabic]、2011年1月3日
エジプト保健省報道官は Dakahlia province 在住の40歳の男性 1名が、鳥インフルエンザ bird flu [avian influenza A/(H5N1) virus infection] により死亡したと発表した。2006年の感染流行開始以来、エジプト国内の患者数は合計 119人となり、死者は 40人となった。2011年の初めての死亡例となった。
[Mod.CP- 次のようなコメントも寄せられている: "発症日、病悩期間、感染経路などの詳細についての情報が期待される。3週間で 6人の感染が公式発表された。"...]
地図 the governorates of Egypt, showing the location of Dakahlia

● インフルエンザ エジプト
PRO/AH/EDR> Influenza: Egypt 20110103.0029
 情報源 Daily News Egypt 、2010年1月3日
(鳥インフルエンザの患者についての情報のあと) 1272 cases of swine flu [influenza A/(H1N1) 2009 virus infection] -- causing 56 deaths -- が、エジプト国内で報告されている。2010年10月から再び発生が認められている。今後、発生率は減少すると見られている。死亡患者の80%に、喘息などの慢性基礎疾患や妊娠があったと説明されている...
[Mod.CP- The relative risk for humans of influenza virus infection in Egypt:
39 deaths over 5 years in the case of avian A/(H5N1) virus infection
compared with 56 deaths in less than 4 months in the case of (swine) influenza A/(H1N1) virus infection]

● 黄熱 ウガンダ、ワクチンの遅れ
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (02): Uganda (north) 20110103.0027
 情報源 AllAfrica, The Monitor report (Uganda) 、2011年1月3日
政府発表に反し、黄熱ワクチン the yellow fever [YF] vaccine の到着までにさらに2週間かかる見通しとなり、ウガンダ北部におけるワクチン一斉接種に、一層の遅れが生じることとなった。今回のワクチン不足は、同じくカメルーンでも黄熱対策が進められており、現在入手可能な 150万人分のワクチンを、2つの国で分け合わなければならないことに起因している。ワクチンの接種対象者は、 26地区の 250万人である。ここ数日間は新たな患者の発生はなく、入院中の患者らも回復して退院している。12月31日の時点で、入院中の患者は 23人だけとなったと、政府黄熱対策委員会の医師が説明した。 Abim, Agago, Lawo, Pader, Kitgum, Gulu, Arua, Kabong, Kotido, and Lira に感染が広がった黄熱により、48人が死亡し、190人の感染患者が発生した。直ちにワクチン接種を実施しなければ、およそ 300万人に感染の恐れがあると警告されている。黄熱は、メスの _Aedes_ mosquitoes (ヤブカ属) により伝播される、ウイルス性出血性疾患で、発熱、嘔吐、出血などの症状が見られる。腎不全や死に至ることもある。ウガンダで最後に黄熱が発生したのは 1972年である。
[Mod.TY- やっぱり、言ったとおり!ベクターコントロールも行うように]

● クロストリジオイデス・ディフィシル オーストラリア
PRO/EDR> Clostridium difficile, increased virulence - Australia: (N New South WalesS) 20110103.0025
 情報源 Yahoo! 7News, ABC News (Australian Broadcasting Corporation) report 、2010年12月28日
ニューサウスウェールズ州保健当局 New South Wales Health は、新たな検査により,欧州や北米の病院で多数の入院患者を死亡させている super bug の、同州初の感染患者が確認されたと発表した。当局は21人の患者に検査を行い、強毒性クロストリジオイデス・ディフィシル a virulent strain of _Clostridium difficile_ 菌が陽性になったと述べた。豪では2010年にメルボルン Melbourne で初めて同菌が確認されている。軽症または重症の下痢、発熱、腹痛などの症状が見られる ... シドニー northern Sydney [NS] では、数年前から散発性に確認されていたが、北半球と異なり、これまで重症例は確認されていないと、感染症アドバイザーの専門家が述べた。
[Mod.ML- ... 北米、日本、欧州で、再発率が高く、死亡率も高い 感染流行の原因となっている、North American pulsed-field gel type 1 (NAP1) または polymerase chain reaction [PCR] ribotype 027 と呼ばれる、 強毒性クロストリジオイデス・ディフィシル菌(the hypervirulent strain of _Clostridium difficile_ 1) に関する記事と考えられる。いくつかの研究では、ribotype 027 に重症化の証拠は確認できなかったとされている (参照)。the "Quebec strain" とも呼ばれる同菌については、ProMED-mailにおいてパース Perth や メルボルン Melbourne の症例が報告されている(20100529.1790 and 20100526.1752)]
detailed discussion of _C. difficile_ infection 20080207.0498

● 狂犬病 ロシア 2010年
PRO/AH/EDR> Rabies - Russia (02): (DN), canine, human exposure, 2010 20110103.0030
 情報源 : Riadagestan News Agency [in Russian]、2010年12月31日。
Rospotrebnadzor [the Federal Service for Customer Protection and Human Welfare] 当局が、2010年の11か月間に、ロシア国内で15人の狂犬病 Rabies 患者が発生したと発表したことが報じられた。2009年の患者数は11人だったことも明らかになった。増加の主な要因は、知識不足によるワクチン接種拒否や未完了とされている。2010年の Dagestan 唯一の狂犬病患者は、狂犬病の症状を発症し、首都 Makhachkala の病院を受診した、Kalmykia からの患者だった。もう1人の狂犬病の患者は、 the Yamalo-Nenets Autonomous Okrug への渡航歴のある、Dagestan 国民1人である。2人の感染源は、1匹の飼い犬だったことが確認されている。いずれの患者の場合も、攻撃したイヌは、まもなく死亡している...2010年、18 territories in Dagestan が、rabies high-risk areas に指定された。2009年より、8 territories 増加した。66.7%に家畜が関係し、16.7%が野良猫、11.1%が野生動物(オオカミ、キツネ)、5.6%が野犬によるものだった。

● 炭疽 インド 2002-2010
PRO/AH/EDR> Anthrax - India: (OR Orissa), human cases 2002-2010 20110103.0028
 情報源 Orissa Diary 、2011年1月2日。
Koraput District では、部族住民らへの周知不足と当局の怠慢から、炭疽 Anthrax 感染がひろがりつつある。過去 9年間に 439人が炭疽に感染し、45人が死亡した。1992年、Sarapalli of Bandhugan Block で初めての炭疽患者が 1名確認された。その後、Narayanpatna, Laxmipur, Dasmantpur, Baipariguda, Lamtaput, Semeliguda, Potangi, and Nandapur でも感染が確認され、多数の死者が発生した。しかし、当局はこれを見過ごしてきた[政府当局は9年超の期間中に、439人の炭疽感染と45人の死亡が発生したと報告している]。2002年は、42人の感染と 2人の死亡が確認されている。2003年には ... 2010年は、22人が感染したが死者はなかった。
[Mod.MHJ- オリッサ州 Orissa で報告された数字は以前と違っているが、内容は同じ。当局は、特に部族に関しては無視しがちに見える。炭疽菌に汚染された、oil cakes ( 油かす )などの飼料を与えられた家畜から発生している可能性もある]

● 口蹄疫 韓国
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - S. Korea: spread, vaccination 20110103.0032
[1] 接種地域の拡大決定
 情報源 Yonhap News via Korea Herald、2011年1月3日。
韓国政府当局は3日、foot-and-mouth disease [FMD 口蹄疫] 対策として、ワクチン接種の範囲を拡大して実施することを決めた....
[2] 公共施設の一時閉鎖
 情報源 Joongang Daily、2010年1月4日。
7 cities in Gyeonggi で多数の感染が発生していることから、Guri and Pocheon(Gyeonggi) では、劇場や屋外公共施設などの一時閉鎖が予定されている。

● タマネギの病気,Purple blotch & anthracnose インド
PRO/PL> Purple blotch & anthracnose, onion - India: (MH Maharashtra) 20110103.0024
70 percent of onion crop in Maharashtra damaged by disease
 情報源 The Hindu, Press Trust of India (PTI) report 、2010年12月30日。
季節はずれの降雨による病気で、マハーラーシュトラ Maharashtra 州では、2010年の the kharif ( 7月から11月まで ) のタマネギのおよそ 70%が損害を受けた。農業当局から、農家への予防策が示される予定となっている。適切な対応を怠れば、タマネギに 2つの病気 -- anthracnose and purple blotch -- が発生する恐れがあると警告されている。この主要農作物の 30%を生産する同州の、平坦なタマネギ栽培地が水浸しになり、広い範囲での被害につながっている。噴霧消毒も、降雨により洗い流されてしまっている...
[Mod.DHA- Purple blotch of onion の原因となる菌は、真菌の _Alternaria porri_.... Anthracnose of onion (also called smudge, twister) の原因菌は、真菌の _Glomerella cingulata_ or _Colletotrichum circinans_ である]