2011年2月17日

◎ A 群連鎖球菌、猩紅熱-英国

● インフルエンザ 米国
PRO/EDR> Influenza (15): USA update
Archive Number: 20110217.0523
Update: Influenza Activity -- United States, 3 Oct 2010 to 5 Feb 2011
 情報源 MMWR Weekly 2011 / 60(06);175-181、2011年2月18日。
the beginning of the 2010-11 influenza season (3 Oct 2010) 以降の、米国内のインフルエンザ Influenza 活動性を要約する。2010年12月前半までは低調であったが、12月中旬から活動性が高まり、2月前半まで維持されている。Influenza B, 2009 influenza A (H1N1), and influenza A (H3N2) viruses の全てが検出されており、そのほとんどが、現行ワクチン the 2010-11 vaccine に含有されるウイルス株と、抗原性が同一 antigenically similar であった ... 
以下、ウイルス学的サーベイランス、外来患者の疾病サーベイランス、州ごとのインフルエンザ活動状況、インフルエンザ関連入院、肺炎とインフルエンザ関連死亡、同小児死亡、抗原性の特徴、新型インフルエンザ A ウイルス、抗ウイルス薬耐性、編集部注 にわけて記載。

● 麻疹-オーストラリア 輸入例
PRO/EDR> Measles - Australia: (VA Victoria) imported, alert 20110217.0522
 情報源 Herald Sun、201年2月17日。
ビクトリア Victoria 州で再び、麻疹 Measles 患者数の発生があり、保健当局は市民にワクチンの接種状況を確認するよう呼びかけている。2011年のはじめの6週間で15人の麻疹患者が報告されている。半数以上が海外で感染した。8人が海外で感染してオーストラリアに帰国した患者で、ほか7人の患者はこれら帰国した感染者との接触があったとみられると、当局者が説明した。麻疹に感染した患者のうち、生後8か月から66歳までの6人が入院となった。
[Mod.CP- 今回の流行発生は、豪国内の MMR ワクチン接種の達成率が不十分であることを露呈した。オーストラリアから麻疹常在国への旅行者は、自分自身と帰国後に他者への感染を起こさないよう、しっかりとワクチン接種歴を確認する必要がある]
地図 the states of Australia

◎ A 群連鎖球菌、猩紅熱-英国
PRO/EDR> Streptococcus, group A, scarlet fever - UK (Guernsey) 20110217.0521
[1] 学童3人の感染
 情報源 St Martin's AC Mini's Website、2011年2月7日。
7日、この2週間に Guernsey の学童3人の猩紅熱 scarlet fever 患者が確認されたとの報告があった。
[2] 6人の感染を確認
 情報源 Island FM、2011年2月15日。
Guernsey において、6例の猩紅熱患者が確認されているが、重症例はなく心配する必要はないと、当局者が述べた。潜伏期間は1-2日と短いと説明されている ...
[3] 患者およそ20人
 情報源 The Guernsey Press、2011年2月15日。
島内の数校で、およそ20人が猩紅熱の感染と確定されたり疑われたりしている。14日、教育当局者がこのように述べたが、ほとんどの学校では感染は確認されていない ...
[Mod.JWー Scarlet fever は、chains を形成するグラム陽性球菌で A 群連鎖球菌ともよばれる化膿性連鎖球球菌 _Streptococcus pyogenes_, also known as group A streptococcus (GAS) による感染症で、連鎖球菌性咽頭炎に併発して起きることが多いが、他の部位の連鎖球菌感染症に関係する場合もある。 _S. pyogenes_ が産生する  erythrogenic exotoxin の1種が特徴的な the red rash を引き起こす。咽頭炎の発生が最も多い年齢は5歳から15歳までの学童期の、冬から春にかけての時期であり、接触の多い密集環境で発生しやすい。患者の気道飛沫物による、Person-to-person spread による感染拡大が最も多い。まれではあるが、汚染された食品による感染拡例も存在する。(NEJM) GAS による咽頭痛や皮膚感染のある人は感染を伝播しやすく:無症候性の保菌者の感染力はこれより弱い。過去に the community 内で GAS sore throat or scarlet fever の発生があった場合には、感染の可能性が高くなる。曝露から発症するまでの潜伏期間は、通常1-2日と短い。典型的な症状としては、発熱、咽頭痛、と初期には白く見える舌病変で発症する。(舌は)赤く目立つ舌乳頭を伴う、光沢を帯びた赤色に変化した、苺舌 "strawberry" tongue と呼ばれる所見が認められるようになり、12-48時間後に発疹が出現する。発疹は最初、頚部や胸部に現れることが多く、次第に全身に広がり、皮膚の皺 skin folds の部分に強く見られ、 Pastia lines と呼ばれる。発疹は、触ると "sandpapery ( ザラザラしている )" と形容される。顔面は紅潮し、口周囲は蒼白となる。発疹は1週間以上持続することがあり、その後、手掌、指先、つま先、そけい部などの落屑が認められる。診断は臨床診断で行われる。血液培養が陽性となることはまれであるが、咽頭の培養または迅速検査で GAS が検出される。猩紅熱の合併症として、限局性咽頭感染の、周辺リンパ節、後咽頭組織、中耳、副鼻腔への拡大や、急性リウマチ熱 acute rheumatic fever (ARF) や連鎖球菌感染後糸球体腎炎 post-streptococcal glomerulonephritis などのように、免疫反応が関与するような疾患を発症することがある。まれではあるが、血中の GAS により、髄膜炎、化膿性関節炎、心内膜炎などが起こることもある。scarlet fever の治療は、咽頭炎 GAS pharyngitis の治療と変わりはなく、10日間の経口 penicillin, erythromycin, or clindamycin もしくは1回の penicillin G benzathine の筋肉内注射が用いられる。適切な抗生物質による治療が行われれば、合併症がおきることはほとんどない: GAS pharyngitis の 発症から9日以内 に penicillin therapy が開始されれば、ARF の発生率は減少する ; ARF と違い、antimicrobial therapy によって、acute post-streptococcal glomerulonephritis の発生は予防できない 。GAS による咽頭炎を早期に診断し治療することが、group A streptococcal infections の拡大防止策として重要である。抗生物質服用から24時間後には、患者は感染力を有しなくなっている]

● 原因不明の疾患、ラクダ-インド
PRO/AH/EDR> Undiagnosed disease, camel - India: (RJ) RFI 20110217.0524
 情報源 Downtoearth.org (Science and environment fortnightly, India)、2011年2月17日。
2年前から village camel fair に参加していた、およそ60km 離れた Rajasthan 州 Bikaner から連れてこられた1頭のラクダが、肺炎、発熱、粘液性鼻汁による病気のため、参加できなくなった。この地域だけでなく、州全体にこの病気 contagious disease が発生している ...

● トマトの病気,Tomato chlorotic dwarf viroid-世界各国
PRO/PL> Tomato chlorotic dwarf viroid - multicountry: 1st reps 20110217.0519
[1] トマト-メキシコ (Mexico City)
1st report of _Tomato chlorotic dwarf viroid_ in Mexico

[2] トマト-フランス (Bretagne)
1st report of _Tomato chlorotic dwarf viroid_ in France

[3] ペチュニア Petunia -スロベニア
1st detection of _Tomato chlorotic dwarf viroid_ in Petunia in Slovenia

 情報源(共通) European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 1/2011/008、2011年1月