◎ A 群連鎖球菌、猩紅熱-英国

A群連鎖球菌感染の症状と,抗生物質による治療

PRO/EDR> Streptococcus, group A, scarlet fever - UK (Guernsey) 20110217.0521
[Mod.JWー 猩紅熱 Scarlet fever は、chains を形成するグラム陽性球菌で A 群連鎖球菌ともよばれる化膿性連鎖球球菌 _Streptococcus pyogenes_, also known as group A streptococcus (GAS) による感染症で、連鎖球菌性咽頭炎に併発して起きることが多いが、他の部位の連鎖球菌感染症に関係する場合もある。 _S. pyogenes_ が産生するトキシン  erythrogenic exotoxin の1種が、特徴的な the red rash を引き起こす。咽頭炎の発生が最も多い年齢は5歳から15歳までの学童期の、冬から春にかけての時期であり、接触の多い密集環境で発生しやすい。患者の気道飛沫物によるヒト-ヒト感染による拡大が最も多い。まれではあるが、汚染された食品による感染拡例も存在する。 (NEJM) GAS による咽頭痛や皮膚感染のある人は感染を伝播しやすく:無症候性の保菌者の感染力はこれより弱い 。過去に the community 内で GAS sore throat or scarlet fever の発生があった場合には、感染の可能性が高くなる。曝露から発症するまでの潜伏期間は通常1-2日と短い。典型的な症状として発熱、咽頭痛と初期には白く見える舌病変で発症する。(舌は)赤く目立つ舌乳頭を伴う光沢を帯びた赤色に変化した、苺舌 "strawberry" tongue と呼ばれる所見が認められるようになり、12-48時間後に発疹が出現する。発疹は最初、頚部や胸部に現れることが多く、次第に全身に広がり、皮膚の皺 skin folds の部分に強く見られ Pastia lines と呼ばれる。発疹は触ると "sandpapery (ザラザラ)" と形容される。顔面は紅潮し、口周囲は蒼白となる。発疹は1週間以上持続することがあり、その後、手掌、指先、つま先、そけい部などの落屑が認められる。診断は臨床診断で行われる。血液培養が陽性となることはまれであるが、咽頭の培養または迅速検査で GAS が検出される。猩紅熱の合併症として、限局性咽頭感染の周辺リンパ節、後咽頭組織、中耳、副鼻腔への拡大や、急性リウマチ熱 acute rheumatic fever (ARF) や連鎖球菌感染後糸球体腎炎 post-streptococcal glomerulonephritis などのように免疫反応が関与するような疾患を発症することがある。まれではあるが、血中の GAS により髄膜炎、化膿性関節炎、心内膜炎などが起こることもある。scarlet fever の治療は咽頭炎 GAS pharyngitis の治療と変わりはなく、10日間の経口 penicillin, erythromycin, or clindamycin もしくは1回の penicillin G benzathine の筋肉内注射が用いられる。適切な抗生物質による治療が行われれば、合併症がおきることはほとんどない: GAS pharyngitis の発症から9日以内に penicillin therapy が開始されれば、ARF の発生率は減少する ; ARF と違い、antimicrobial therapy によって acute post-streptococcal glomerulonephritis の発生は予防できない。GAS による咽頭炎を早期に診断し治療することが group A streptococcal infections の拡大防止策として重要である。抗生物質服用24時間後には、患者は感染力を有しなくなっている]