2011年3月17日

◎ 新型ブニヤウイルス疾患、ヒト-中国
マレーバレー脳炎・ロスリバー -オーストラリア

◎ 新型ブニヤウイルス疾患、ヒト-中国
PRO/EDR> Novel bunyavirus disease, human - China
Archive Number: 20110317.0853
 情報源 Xinhua、2011年3月17日。
中国の研究者らが、これまで知られていなかったダニが保有するウイルスを発見し(このウイルスにより)2010年9月に 6つの省の少なくとも 36人が死亡していたことがわかった。この内容は、16日発行の医学雑誌 the New England Journal of Medicine の最新号に掲載されている。このウイルス SFTSV (severe fever with thrombocytopenia syndrome bunyavirus) は、中国疾病対策センター the Chinese Center for Disease Control and Prevention (CDC) によって発見された。このウイルスに感染すると、発熱と多臓器不全が引き起こされる。このウイルスは、6つの省の 171人の患者で確認され、2010年9月までに 36人が死亡している。CDC の責任者によると、2009年 3月から 7月中旬までの間に、湖北省中部と河南省の農村部から、感染症の患者の報告があったが、当時は原因不明であった。発熱、血小板減少、消化器症状、白血球減少が主な症状で、当初は 30% という異常な致死率であったと説明された。山岳地域の農民らはダニの刺咬を受けることが多く、ダニは 5月から 7月に多く発生するという。
[Mod.TY- 原著 Fever with Thrombocytopenia Associated with a Novel Bunyavirus in China. The New England Journal of Medicine. 16 Mar 2011 (10.1056/NEJMoa1010095) から、重要な部分を引用すると;
"The 1st SFTSV (strain DBM) が、河南省の 42歳の男性 1名から検出された ... Partial sequences obtained from the 1st isolated virus strain DBM, and the complete genomes of 11 additional human isolates of SFTSV were determined. ... ウイルス strains DBM , HN6, and HB29 の L, M, and S segments の部分及び完全な遺伝子塩基配列に基づく系統樹 から、SFTSV は ブニヤウイルス属の原型 prototypic viruses of the 5 genera of Bunyaviridae であることが分かった ... SFTSV は、 the prototype of a 3rd group in the phlebovirus genus であることが示された。アミノ酸配列の相同性を比較することで、 SFTSV が the other phleboviruses と識別可能であることがより一層確かめられた ... RT-PCR によりSFTSV infection が確定診断され、急性期と回復期の血清検体のある、35人の患者の集団を選びだした。35人の患者はいずれも4倍以上の抗体価の上昇が認められた. ... The 1st patient, a 42-year-old male farmer は、39度以上の発熱、倦怠、結膜充血、下痢、腹痛、白血球減少、血小板減少、蛋白尿、血尿が認められた。これに続き、特有の症状を持つ、急性高熱に血小板減少を伴う患者が、次々と入院となった ... 2009年 6月から 9月までの間に、case definition for SFTS2 in Central and Northeast China に一致する入院患者 241人中、171人において、SFTS bunyavirus RNA, specific antiviral antibodies、あるいは両方が確認された。患者の内訳は、43 in Henan, 52 in Hubei, 93 in Shandong, 31 in Anhui, 11 in Jiangsu, and 11 in Liaoning provinces である。2010年は 5月から 7月までに、合計 148 of 154 laboratory-confirmed cases (96 percent) が発生した。患者の年齢は、39 から 83 歳の範囲で、75%にあたる 115人が 50歳以上で、発病前に、木が多く丘陵となっている地域に住み、農業を営む人がほとんど 150人 (97 %)だった"。
a novel tick-transmitted bunyavirus が、中国国内の広い地域のヒトに対して病原性を示すことは非常に興味深い。最終的にどの程度の範囲の地域で発生があるのか、またウイルスの見つかった the _Haemaphysalis longicornis_ ticks が実際にベクター competent vectors なのか?]

● マレーバレー脳炎・ロスリバー-オーストラリア (02)
PRO/AH/EDR> Murray Valley encephalitis/Ross River - Australia (02): (VI) 20110317.0852
 情報源 Geelong Advertiser、2011年3月18日。
the Barwon South Western region では、2011年のこれまでに52例の Ross River fever の患者が報告されている。一方、2010年にはこの地域での患者発生は報告されていない。当局 Barwon Health によると、これほど南の地域では通常 Ross River fever が報告されることはなく、発生は northern NSW and Queensland に限定されているという。生命に危険が及ぶことはないが、激しい関節痛が起きる可能性がある。特に the Murray River 沿いの地域で大きな変化があった。The Loddon/Mallee region では 233 cases があり、当局者は、夏の期間中の湿った天候が蚊族の大発生につながったとしている。The Grampians region ではこれまでに 244 cases、the Loddon/Mallee では 233 cases が確認されているが、いずれの地域にも sections along the Murray River が含まれている。過去の大流行の年として1993年と 1997年がある。住民 Residents along the Murray River に対しては 2月に、別の蚊族媒介性疾患で死亡する可能性のあるマレーバレー脳炎ウイルス Murray Valley encephalitis virus [Murray Valley] encephalitis [virus infection] への注意が呼びかけられた。Mildura, Robinvale, Kerang and Barmah のニワトリ sentinel chickens でウイルス感染が確認された。ビクトリア州北西部の男性の死亡について、Murray Valley encephalitis によるものとの疑いがもたれている [20110316.0841] 。検査の結果は陰性であったが "suspected case" とされている。the Murray and in rural areas of Victoria には13 flocks of sentinel chickens が配置されている。

● RS ウイルス Respiratory syncytial virus-カナダ
PRO/EDR> Respiratory syncytial virus - Canada: (NT) 20110317.0851
 情報源 CMAJ News、2011年3月16日。
Nunavut's 26 communities のおよそ半数で、RS ウイルス感染流行 outbreak of respiratory syncytial virus (RSV) infection が発生していると見られている。これらの地域の遠隔性がリスクファクターであると考えられている。小児科教授 professor of pediatrics at the University of Toronto in Ontario は次のように述べている : "最近発生した複数の死亡例が、RSV と無関係だとしたら非常な驚きである (間違いなく関係がある)" 。Nunavut 自治体当局は今すぐに、Inuit infants への universal antibody coverage (RS ウイルスを含む予防接種) を採用し、Nunavut's 26 communities の半数以上で起きた the outbreak の評価を行うべきだと主張した。RSV は、乳幼児の下気道感染症の主な原因ウイルスで、Nunavut は、世界中で最も RSV 発生率が高い。しかし、the territory's chief medical officer of health は、必要な乳児らのほとんどに治療が実施されているという。the territory では、未熟児や心肺に問題のある乳児らに対して、[ヒト化モノクローナル] 抗体の palivizumab を毎月注射することにより、 RSV は適切に対処されていると説明している。さらに、the onset of the RSV season に、満期産で産まれた、すべての6か月未満の乳児 Inuit infants に対して universal coverage を実施することはしない方針は、 an "internal review." に基づくものと反論している ... やや長文
[Mod.CP- ... bronchiolitis in infancy as a result of RSV infection の最も効果的な治療法は、the humanised monoclonal antibody Palivizumab である。報告にある Routine administration of Palivizumab to the entire infant population は実効性に乏しい。RSV は世界中で感染循環しており、Nunavut だけに特に毒性の強いウイルス株が蔓延している可能性もほとんどない]
参考文献 "Molecular Epidemiology and Evolution of Human Respiratory Syncytial Virus and Human Metapneumovirus," see R.G. Gaunt et al., PLoS ONE 6(3): e17427. 

● 鳥インフルエンザ、ヒト-バングラデシュ(2件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (28): Bangladesh (DA) 20110317.0847
Another human case of bird flu surfaces
 情報源 bdnews24.com、2011年3月17日。
首都の the Kamalapur area で、新たな鳥インフルエンザ感染 Avian influenza [A/H5N1 virus infection] の患者が発見された。同じ地域では、2日前にも13か月 [16か月とされていた] の女児の患者の H5N1 ウイルス感染が確認されている。16日の一斉調査 mopping up the area の中で、新たな患者が発見された。この調査は、13日に同地域で第1例目の患者が発見されたことを受け行われていた。当局者 The Institute of Epidemiology Disease Control and Research (IEDCR) director によると、31か月の男児のウイルス感染が、鼻・咽頭・血液からの検体の検査により確認された。男児の症状は発熱と咳の軽い症状であった。これ以前の症例との関連性は認められていない。2007年3月に家禽で初めての流行が確認されて以来、国内では3人の鳥インフルエンザウイルス感染が確認されている ... 当局者は、"国内で感染循環するウイルス the strain (clade 2.2) of H5N1 はより毒性が弱くヒトには感染しにくい "としながらも、"ヒトに感染しやすい、新たなウイルス another class (2.1) への変化に注意しなければならない " と付け加えた。2008年3月、初めてのヒトでの感染が生後15か月の男児で確認された。患児の母親がニワトリを処理した後に手を洗わずに子どもを抱き上げた。第2の患児の感染源については現在調査が行われているところである ... これらの患者は当局による extensive surveillance の結果確認できたが、バングラデシュのような資源の限られた国では、どこででも行えるものではない。現在28か所でサーベイランスが実施されており、このうち26か所が病院である。政府が14か所の資金を供出し、残りは米国 CDC の支援で運営されている ...
[Mod.CP- ... これらの症例は、特に集中して行われたサーベイランス a particularly comprehensive and sensitive surveillance system の結果同定されたものであり、ヒトへの病原性の低いウイルスが、バングラデシュ国内に蔓延している可能性がある]

PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (27): Bangladesh (DA) WHO 20110317.0844
Avian influenza situation in Bangladesh

 情報源 WHO Global Alert and Response (GAR)、2011年3月16日 FORTH
バングラデシュ人民共和国政府保健福祉省(The Ministry of Health and Family Welfare) は、鳥インフルエンザ A(H5N1) ウイルス感染患者1例を確認した。この症例は、ダッカ Kamalapur の 16か月の女児で、3月8日のインフルエンザ定点サーベイランスの際に、咳嗽と発熱を呈していたが、その後回復した ...
[Mod.CP20110315.0826 について WHO が公式確認した。バングラデシュにおいて確認されたヒトの鳥インフルエンザ (H5N1) 感染としては2例目である。以前は、2008年に同じ地域で16か月の症例が発生している。いずれも幼児で軽症であり、定期サーベイランスの中で確認された]

● ボツリヌス症-カナダ
PRO/EDR> Botulism - Canada (02): (BC British Columbia) alert, expanded recall 20110317.0846
 情報源 The Citizen、2011年3月11日。
The British Columbia Centre for Disease Control (BCCDC) は、ボツリヌス症 Botulism のおそれがあるとされ回収中の Jamnation Fine Foods の対象範囲を、すべてのジャムゼリー jam and jelly products に拡げた。当局は8日、Duncan の big box stores の屋外設置された various charity booths で販売されていた120 mL-sized jars 入りの Jamnation watermelon jelly を直ちに廃棄するよう、消費者に求めていた。この製品は、Huntingtons Research Foundation fundraiser として州全体でも販売されていた。
関連項目
Botulism - Canada: (BC) watermelon jelly, alert, recall 20110310.0776

● バナナの病気,Black sigatoka-マルティニーク
PRO/PL> Black sigatoka, banana - Martinique: 1st rep 20110317.0843
Black leaf streak disease lands in Martinique 

 情報源 ProMusa、2011年3月0日。
black sigatoka と呼ばれる病気が、カリブ海地方一帯に広がっている。マルティニークは、2010年9月に南西部で plantain の空気媒介性真菌感染が確認されるまでは、black leaf streak disease (BLSD) に関して数少ない清浄地域の島の1つだった。この疾患の発生については、the anamorph form of the pathogen および分子学的解析のいずれでも確認された ...
[Mod.DHA- Black sigatoka (BS), also known as black leaf streak は、真菌の _Mycosphaerella fijiensis_ を原因とし、species and hybrids of _Musa_ だけに感染する。世界中において BS は最も破壊的な leaf diseases of bananas である]