2011年7月31日

グラム陰性桿菌、多剤耐性-パナマ、オランダ
破傷風-米国

● ハンタウイルス-米国、チリ
PRO/AH/EDR> Hantavirus update - Americas (33): USA, Chile
Archive Number: 20110731.2306
[1] 米国 (Washington State)
 情報源 KIMATY、2011年7月21日。
the Washington State Department of Health (DOH) and the Centers for Disease Control and Prevention (CDC) から、現地当局 The Yakima Health District (YHD) に対し、7月初旬に死亡した Yakima County の50歳代男性1名の死因は、ハンタウイルス Hantavirus 感染であることが確認されたと報告された。Washington State でのハンタウイルス感染による死亡は、2009年以来で、2011年の初めての患者である
[2] 米国 (New Mexico)
 情報源 News West 9 、2011年7月25日。
McKinley County の23歳の男性1名が、ハンタウイルス肺症候群 hantavirus pulmonary syndrome.により死亡したことが、州当局者から明らかにされた。The New Mexico Health Department は25日、2011年に州内で報告されたハンタウイルス感染患者は、4人であると述べた。
[3] チリ (Aysen)
 情報源 El Diario de Aysen [in Spanish]、2011年7月28日。
保健当局者は27日、Aysen と Chacabuco, との間にある、the El Saldo area, で、71歳の女性1名が、数日間、複雑な臨床症状を呈した末に病院内で死亡したと発表した。ハンタウイルス感染が疑われ、検査が行われている 

● 麻疹 英国、ウクライナ、アンゴラ、コンゴ DR、米国、NZ
PRO/EDR> Measles update 2011 (25) 20110731.2304
[1] 英国 (Susse)
 情報源 The Argus 、2011年7月28日。
2011年、73人が麻疹 Measles と確定診断されており、これは2010年1年間の患者数の10倍以上に当たる。大規模な麻疹流行のある地域への旅行によりウイルスに感染したと見られている。当局は、フランス、イタリア、ブルガリアへの夏の旅行者らに対し、予防策をとるよう呼びかけている。Brighton and Hove で16人、East Sussex で40人、West Sussex. で17人の患者が確認されているが、すべての患者に検査が行われているわけではないので、実際にはさらに患者数が多いと見られている。2009年にも、100人以上の患者が発生した感染流行を経験している Brighton and Hove, は、the South East の中でもMMR ワクチン measles, mumps and rubella [vaccine] 接種率が最も低い地域の1つである
地図 the counties of England
[2] ウクライナ (Western)
 情報源 Komsomolskaya Pravda [in Russian]、2011年7月29日。
7月末にウクライナ保健省報道官は、Lutsk 村 [Lutsky region] において、10人の麻疹患者が確認されたと報告した。7人が14歳未満の小児、1人がティーンエージャーで、2人が成人だった ... 2009年の the Volynsk oblast の感染流行では、およそ1000人が麻疹に感染した。ウクライナでは、2009年に国際団体の資金協力により、麻疹ワクチンの一斉接種キャンペーンが行われた。しかし、Krsnyarks で数人の成人の死亡が発生したことから、ワクチンの品質への不安が広がり、回収後、廃棄された。このため、国民の半数以上が、接種を受けていない状態のままとなっている。
地図 Lutky, in Volynska Oblast 
[3] アンゴラ (KS)
 情報源 allAfrica.com、2011年7月26日。
地区内のワクチン接種が行われたことで、Amboim 市(Kwanza Sul province) の保健当局に報告された、2011年の第2四半期に麻疹患者が38例減少した。病院に入院して麻疹の治療を受けた患者が40例から、わずか2例に減少した。
地図 Amboim is a coastal city in Angola with a population of 65 000 
[4] コンゴ民主共和国 DR
 情報源 France 24, Agence France-Presse report 、2011年7月25日。
コンゴ民主共和国 the Democratic Republic of Congo [Congo DR] 内の、2011年1月以降の麻疹感染流行による小児の死者は1145人であることが、25日、国連機関 the UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA) から報告された ... コンゴ DR では、コレラやポリオとの闘いも続いている。
[Mod.CP- UN News Centre press release: "2011年5月から、Katanga, Kasai Occidental, Bas-Congo, Equateur, and Orientale provinces.の、310万の小児へのワクチン接種を行った。"]
[5] 米国 USA
 - (IN Indiana):The Journal Gazette 、2011年7月29日。
州内北東部の2郡で、14人の麻疹患者が確定診断された
 - (PA Pennsylvania):Fox 43 wpn 、2011年7月29日。
Berks, Bucks, Delaware and Lehigh counties. の各郡で1人ずつの麻疹患者に曝露した可能性について、州当局は市民に注意を呼びかけている
 - (PA):The Mercury 、2011年7月28日。
The Montgomery County Health Department は、ナイジェリアを旅行した住民1名が麻疹に感染していたとして、接触者の調査を開始した
[6] ニュージーランド New Zealand
 - (Auckland):Voxy News Engine 、2011年7月25日。
The Auckland Regional Public Health Service は、25日現在、the Auckland region における麻疹患者が、76 confirmed cases of measles に達する可能性があると述べた ...
 - (Auckland):Times online 、2011年7月28日。
Auckland において、90人の麻疹感染が確認されている ...
 - (Waikato):Yahoo News New Zealand 、2011年7月28日。
the Waikato の麻疹感染流行は、発生の多い地域が Te Awamutu and surrounding communities. に移行しつつあると見られている。多数の若年者の患者の感染源は分かっていない。
[Mod.- Radio new Zealand は the Waikato District Health Board (DHB) が 9-10人の Te Awamutu College の学生の患者を報告していると伝えた]

● グラム陰性桿菌、多剤耐性-パナマ、オランダ
PRO/EDR> Gram negative bacilli, multidrug resistance - Panama, Netherlands 20110731.2303
[1] 約 50人の KPC 患者
 情報源 prensa-latina.cu [in Spanish]、2011年7月28日。
パナマの Vice-Director of Healthcare Facilities によると、約 50人の患者が多剤耐性のカルバペネマーゼ産生肺炎桿菌 carbapenemase-producing _Klebsiella pneumoniae_ (KPC) に感染し、このうち30%が死亡していることが分かった。2ヶ月前に、the Metropolitan Hospital Complex,の集中治療室に入院となった患者らの間で発生したが、現在は鎮静化しつつあると説明し、国外からの1ないし数人の患者によって持ち込まれたとの見方を示した
[2] _Klebsiella_ Oxa-48 に27人が感染
 情報源 Spanish.china.org.cn [in Spanish]、2011年7月26日。
多剤耐性菌であるクレブシエラ _Klebsiella_ Oxa-48 により、6月1日以降オランダ国内で27人が死亡した可能性があることが、 Maastad Hospital in Rotterdam の報道官から公表された。27人の患者から同菌が検出されたことが、必ずしも死亡の原因であることを意味するわけではない、と付け加えた
[Mod.ML- CDC: Guidance for control of infections with carbapenem-resistant or carbapenemase-producing _Enterobacteriaceae_ in acute care facilities. MMWR 2009; 58: 256-60. ]

● 破傷風-米国
PRO/EDR> Tetanus - USA: (MI) 20110731.2301
[1] これまでに3人の感染が確認されている
 情報源 The Detroit News、2011年7月28日。
ミシガン Michigan 州南東部で3人が破傷風 Tetanus と診断されたことが、28日に保健当局 the Department of Community Health から発表された。3人はそれぞれ Detroit, Oakland and Wayne counties の各郡の患者である。別名 "lock jaw" とも呼ばれる破傷風は、土壌中のありふれた細菌(による疾患)で、土や唾液などに汚染されたキズから侵入する。感染すると物が飲み込みにくくなり、 呼吸困難や筋肉のけいれんなどにいたり、治療されない場合は死亡することもある。当局は10歳代や成人はジフテリアと百日咳の予防にもなる the Tdap vaccine を接種し、10年ごとに追加接種を受けるよう勧めている ... 2008年1人、2010年は2人で、2007年と2009年の患者は0人だった。
[2] [1]と同じ内容
 情報源 Clickondetroit.com、2011年7月28日。

● 蚊族、輸入-イタリア
PRO/AH/EDR> Mosquito, imported - Italy: (BL) 20110731.2305
 投稿者 Francesca Russo、2011年7月31日。
外来種の蚊族 _Aedes koreicus_ が、イタリア国内ではじめて北部 Belluno province の小さな町で確認された。この蚊族は、欧州では2008年にベルギーに持ち込まれ定着してしまった (Arrival and acclimatisation of the exotic mosquito species _Aedes koreicus_ in Belgium, Europe. 94-96 in Coosemans et al. Mosquito vectors of disease: spatial biodiversity, drivers of change, and risk. Final Report. Brussels: Belgian Science Policy 2009 131 pp)。2か所の私有地の庭のマンホール1か所と小さな水入れ、および墓地から、当局の定期検査でボウフラが採取された。ボウフラと研究機関で羽化した成虫は、形態学的に _Aedes koreicus_ と確認され、PCR で確かめられた。地域内定着化の有無と導入された経路について、調査が行われている。米国及び欧州への導入 (_Aedes albopictus_ and _A. japonicus_) の経験から、古タイヤや植物が主な侵入経路と考えられている。この種の蚊族は、韓国、日本、中国やロシア東部の在来種であり、日本脳炎ウイルスや_Dirofilaria immitis_ (dog heartworm) のベクターとなる。

● 鼻疽、ウマ-シリア
PRO/AH/EDR> Glanders, equine - Syria: RFI 20110731.2302
[Mod.AS- 2010年5月に、バーレーンは、シリア及びクウェートから持ち込まれた潜伏期のウマによると考えられる、国内馬での鼻疽感染流行を OIE に報告している(20100510.1527)。最近、レバノンの鼻疽感染流行が、シリアのダマスクス Damascus のブリーダーからの感染馬に由来すると主張されている(20110730.2295)。以下は、その関連情報]
[1] Introduction (pages 3-4 out of 53)
 情報源 27th Jena Symposium "Horse-Orphan infectious diseases," Friedrich-Loeffler-Institute (FLI), Federal Research Institute for Animal Health, Branch Jena. A Pictorial Guide on Equine Glanders 、2010年11月4日。
[2] OIE
 情報源 OIE press release 、2010年10月13日。