2011年7月9日

トリパノソーマ症-アンゴラ
レプトスピラ症-インド
チクングニア熱 -フランス

● トリパノソーマ症-アンゴラ
PRO/AH/EDR> Trypanosomiasis - Angola
Archive Number: 20110709.2081
Sleeping sickness reported in Luanda
 情報源 Angola Press、2011年7月7日。
2011年上半期に、国内に6か所の常在地域 -- Malanje, Uije, Kwanza Norte, Kwanza Sul, Bengo, and Zaire で76人の睡眠病患者が発生している。政府当局によると、220か所の診断センターで検査を受けた32000人の中で確認された。6月に6つの派遣チームが活動を開始し、新たに7人が睡眠病と診断された。同チームは the districts of Calculation and Kahango (Bengo), San Pedro of Kilembe and the municipality of Lucala (Kwanza Norte), Kizemga (Malanje) Kimari and Lukunga (Uije) and NPAL and Lufico (Zaire) で活動を行った。3月に開始されたツェツェバエ対策は8月に終了する予定で、仕掛けられた 6518 traps により 1 341 072 flies が捕獲された。fumigation and spraying も同時に行われた。
[Mod.EP- Trypanosomosis はアフリカ大陸全体の約1/3を占め、900万平方kmにおよぶ 37 sub-Saharan countries において、ヒトにも動物にも感染する病気である。6000万人と5000万頭の家畜がリスクに曝されている。現在5万-7万人が感染していると見られている。毎年 African trypanosomosis により約300万頭の cattle が死亡し、3500万頭分の trypanocidal drugs が使用されている]

● レプトスピラ症-インド
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - India: (KA,KL) 20110709.2079
[1] 患者1名、感染検査の結果陽性
 情報源 The Times of India、2011年7月7日。
the [Belgaum] district で初めてとなる、レプトスピラ症 Leptospirosis と診断された患者が報告された。Mamadapur village in Chikkodi taluk [a town in the Belgaum district] の患者1名が、感染検査の結果陽性となった。
[2] 患者11人
 情報源 ibnlive.in、2011年7月8日。
ケララ州内のレプトスピラ症 rat fever [leptospirosis] 患者数が増加している。5日現在の患者数が11人と報告されている。当局は、濁った水で洗い物をしたり水浴びをしたりしない (against washing and bathing)、動物の世話や農作業時には手袋や靴下を着用する、などの注意を呼びかけている ...
[Mod.ML- Leptospirosis は _Leptospira_ 菌による人獣共通感染症で、数百種類(serovars)あるスピロヘータ the spirochete _Leptospira interrogans に慢性感染した動物の尿に汚染された(塩水でない)淡水、湿った土、植生に曝露することで感染する。通常、齧歯類、イヌ、ウシ、ブタなどが保有宿主となる。ヒトが感染すると、3-14日間の潜伏期間後に発病する。特徴的な臨床症状がないため、検査によらなければ確定診断することはできない。今回のケララ州の症例については、11人のうちの、いずれかの患者で確定診断がなされているのかの記載が欠けている。世界中から報告があり、豪雨の後の洪水に引き続き発生することが多い。Karnataka およびその南の Kerala 州は、インド南西岸部沿岸地域に位置する。6月1日頃にはじまる南西の夏のモンスーンの影響を受ける。Karnataka 州は、サトウキビの栽培の盛んな地域で、Leptospirosis の感染が canefield rats によって広がることから、別名 canecutter's disease or sugar cane fever とも呼ばれている。患者が、sugar cane field worker であったかどうかはわからない。曝露がある場合の感染予防策として、経口で Doxycycline 200 mg を1回(もしくは、曝露が長期間続く場合は、週1回)の服用が行われてきた。しかし、その臨床効果については、臨床治験によって結果が異なっている。以下、20110224.0605 参照]

● チクングニア熱 -フランス
PRO/EDR> Chikungunya (17): France, clarification 20110709.2076
[1] 投稿者 仏・Institut Pasteur、Dr Marc Grandadam 、2011年7月8日。
20110708-2062 において、フランス領内 the French department のデング熱およびチクングニア熱の2種類のアルボウイルス発生のリスクに関する、最近更新されたサーベイランスシステムの最新状況が掲載されている。そこにあるとおり、the 2011 surveillance campaign の開始以降に、サーベイランス対象地域内で報告されたチクングニア熱の確定患者は1名のみであり、同感染例の感染源が特定されていないため、地域内感染の可能性が言及されている。最近われわれは、コンゴ共和国から帰国したチクングニア熱フランス国内への輸入感染例について報告を行っている。 (20110617.2011) 2010年にフランス国内のチクングニア熱感染が発生したが、同年10月以降、新たな国内感染例は報告されていない。ベクター対策により、少なくとも一定地域内においては、2010年に始まった国内の感染循環 the local transmission cycle は一旦断ち切られたのではないだろうか。
[2] 投稿者 仏・French Institute for Public Health Surveillance (InVS)、Dr Yvan Souares、2011年7月8日。
Chikungunya and dengue viruses (respectively CHIKV and DENV) are tropical arboviruses NOT currently circulating in Metropolitan France. 

● クンジンウイルス、ウマ-オーストラリア
PRO/AH> Kunjin virus, equine - Australia (02) 20110709.2078
 情報源 ABC.net.au、2011年7月8日。
[Mod.TG- ウェブサイトにあるビデオを書き出したものである]
少なくとも3か所の州で、the mysterious Kunjin virus の数例の感染例が報告されている