2011年9月10日-11日

麻疹 アイルランド、タンザニア、コロンビア、米国,ニュージーランド

● 麻疹 アイルランド、タンザニア、コロンビア、米国,ニュージーランド
PRO/EDR> Measles update 2011 (31)
Archive Number: 20110911.2766
[1] アイルランド (ダブリン)
 情報源 The Irish Independent、2011年9月8日
ダブリンDublin 市内北部の学校で、麻疹 Measles 感染の増加に伴いワクチン接種 "blitz" が行われている。多くの小学校の生徒に対して the MMR vaccine が勧められている。アイルランドでは2011年初以来135例の麻疹患者が報告されており、その70%以上が市内 the north inner [district] の患者だった
[2] タンザニア (ザンジバル)
 情報源 The Daily News、2011年9月10日
保健当局は9日、ザンジバルの島々 Zanzibar islands で麻疹感染が増加しているため、12日より2週間にわたって連日のワクチン接種キャンペーンを行うと発表した。これまでに Unguja and Pemba islands 両島で262例 (8月の70例から増加) の患者が確認されている。Pangawe, Kianga, Mtofaani, Magogoni, Welezo, and Kinuni on Unguja Island [the main island] において、最も感染が深刻である
[3] コロンビア Colombia
 - (Barranquilla)
 情報源 El Heraldo, Local [in Spanish]、2011年9月8日
Barranquilla の保健当局は8日、すでに4人の患者ともう1人の確定されていない麻疹感染が確認されているとして、市内での麻疹への注意喚起を行った。ブラジルから同じ宗教学校に入学した少女1名が、唯一のリンクとなっている。発端はこのブラジルからの生徒で、その後母親ときょうだいが発症し、4人目の患者は関係者ではないが、少女が通っていたのと同じ宗教学校の生徒だった。
 - (Atlantico & Bolivar)
 情報源 Caracol Radio [in Spanish]、2011年9月9日
保健省当局者は、4人目の麻疹患者が確認されたとして、注意を呼びかけている。[in the department of Atlantico] 複数の学校が、ワクチン接種のためのスタッフを拒否していることを、当局は懸念している。
[4] 米国 (Wisconsin):Witi-TV, Milwaukee 、2011年9月8日。
The Milwaukee Health Department は、8月に難民として同市に来た小児1名の麻疹感染を確認した。
[5] ニュージーランド:Voxy.co.nz、2011年9月6日
6日現在、the Auckland region で119例の麻疹感染が確認されている

● A 群連鎖球菌、猩紅熱 中国
PRO/EDR> Streptococcus group A, scarlet fever - China (12): (GD, HK, MO) 20110911.2765
 情報源 Macau Daily Times、2011年8月10日
9日までのマカオ Macau における猩紅熱 scarlet fever 患者は 87人に達し、2010年の 16例と比べ大きく増加した。当局の責任者は、"患者数は減少し、学校再開後も大きな増加は無く、死者の報告もない" と説明した ... 一方、香港 the HKSAR [Hong Kong Special Administrative Region] では、先週新学期が始まった後患者数が増加しており、2011年の患者は 1100人以上となっている ... 広東省 Guangdong province の患者数は 847例で、マカオや香港と状況は同じと説明されている

● インフルエンザ WHO
PRO/EDR> Influenza (53): WHO update 20110910.2758
WHO Influenza Update number 142
 情報源 World Health Organisation (WHO), Influenza update 142、2011年9月9日
温帯地方 北半球のほとんどの国が low or no influenza activity。米国で報告された、4例の swine influenza A(H3N2) virus 感染について ... 

● 日本脳炎など インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (14): (BI) 20110910.2757
[1] 州内で 190例
 情報源 India Express、2011年9月7日
Uttar Pradesh 州東部に続き、政府当局は現在ビハール Bihar 州での acute encephalitis syndrome (AES) cases 患者数急増に直面している。2011年の同州の患者数はすでに190例となり、主に Siwan and Gopalganj districts of Bihar であると、病院医師が述べた。州当局の清掃プログラムなどが行われたにもかかわらず、約 15% の患者数増加が認められている。全国で約1360例報告されている AES のうち、190例がビハール州からの報告で、毎年ビハール州とネパールからの患者を受け入れているが、今年はビハール州からの患者が40%増加した、と BRD medical college. の医師は述べた。
[Mod.TY- 日本脳炎の患者についての報告がないのは不思議 ... 国立ウイルス学研究所や、協力関係にあると見られる米国 CDC からの、AES の病原診断の情報を期待する]
[2] 2週間で 9人の小児が死亡
 情報源 Gulf Today、2011年9月7日
過去2週間に Bihar's Gaya district の9人の小児が、脳炎と見られる原因で死亡したことが、6日当局から発表された。36人が入院となり、うち9人が死亡した。小児患者らは、高熱のあと、意思障害と痙攣を起こしている。現地住民はこの原因不明の病気を "chamki ki bimari" と呼び、脳炎と同じ症状であると説明する。州保健当局の責任者は Gaya における脳炎による死者について感知していない。2ヶ月前に Muzaffarpur district で死亡した51人についても、未だに脳炎による死亡と認めていない。
[Mod.TY- FluTrackers では、インド保健家族福祉省 the Indian Ministry of Health and Family welfare が、8月23日現在の全国の cases of AES and Japanese encephalitis virus (JEV) infections の統計を出していることを明らかにしている。2011年の感染者数と死者はそれぞれ 3445 and 450 deaths. となっている。ビハール Bihar totals は 288 cases with 54 deaths、最も多い Assam Uttar Pradesh states はそれぞれ、 1189 cases with 228 deaths and 1071 cases with 150 deaths, で、日本脳炎 JEV infections 患者の割合は判らない]

● Q 熱 米国,アザラシ
PRO/AH/EDR> Q fever - USA (02): (AK) seals 20110911.2771
 情報源 Alaska Dispatch、2011年9月9日
2010年に St. Paul Island の northern fur seals アザラシが(Q 熱の原因となる)コクシエラ菌 _Coxiella burnetti_を保有していることが明らかとなり、研究者ら調査を開始した。
アザラシや他の海洋生物 (哺乳類) は発病するか? 住民らへの暴露の有無と、病原性は? 
アラスカ Alaska 州当局が、この細菌による州住民の感染例を報告したのはわずか1例のみで海外で感染したものだった。しかし、州内のコクシエラ感染の統計が取られ始めたのは2007年からで、これまで州内での発生が無かったとはいえない。同菌は、陸生生物や鳥類で発見されることが多く、アラスカ州では caribou, muskoxen, mountain goats, Dall sheep, wolves, and grizzly bears が検査の結果,陽性となっていた。野生動物で発見されているにもかかわらず、野生動物が発病したとの証拠はない ... 1980年代と1990年代の St. Paul and St. George Islands の住民の血液検体についても、コクシエラ菌抗体に関する検査が実施されることになっている。

● 旋回病、サケ科 米国
PRO/AH/EDR> Whirling disease, salmonids - USA (03): (UT) 20110911.2770
 情報源 Salt Lake Tribune、2011年9月8日
ユタ州野生動物資源局 The Utah Division of Wildlife Resources によると、ダム Flaming Gorge dam 下流の the upper Green Riverのニジマス rainbow trout 4匹で旋回病 the whirling disease の寄生虫が確認された。河川の魚類への影響は小さいと述べた
[Mod.TG- Whirling disease は、マスとサケ (salmonid) の仲間に感染する病気で、軟骨を障害することで、幼魚の直接の死因となったり、コントロール不能な旋回する泳ぎ方となり、捕食者から逃げられなくなったりエサを取れなくなったりする。_Myxobolus cerebralis_ という、微小な寄生虫が原因で起きる。米国へは1950年代に欧州から持ち込まれ、国内の多くの河川に広がった。25の州の野生の魚類と孵化場で発生が確認されている。一旦河川に感染が定着すると、排除できない]

● 肺炎、ヒツジ 米国
PRO/AH/EDR> Pneumonia, ovine - USA: (NV) bighorn sheep update 20110911.2768
 情報源 RGJ.com、2011年9月11日
the East Humboldt and Ruby Mountain ranges の bighorn sheep の群れの1つでは、2009-2010年冬の壊滅的な肺炎流行により 90%が死亡した。1992年に導入されたThe bighorns は、2009年には180頭になっていた。2008年に、 the Hays Canyon Range で約110頭が死亡したと見られている ... 2003年までに300頭に増えていたが、2004年に約1/3に当たる100頭が肺炎のため the Santa Rosa Mountains で死亡したことなど

● 流行性出血病、シカ科 米国(2件)
PRO/AH/EDR> Epizootic hemorrhagic disease, cervids - USA (05): (NY) 20110911.2767
 情報源 Read Me 、2011年9月7日
ニューヨーク州環境保存局 The New York State Department of Environmental Conservation (DEC) は、Clarkstown, Rockland County で過去2週間に約100頭の white-tailed deer が流行性出血病 epizootic hemorrhagic disease (EHD) により死亡して発見されたことを確認した。EHD は the family _Culicoides_ のヌカカ biting midge により伝播されるウイルス性疾患で、ヒトは感染しないしヌカカに刺されることもない
no-see-um or punkie とも呼ばれる

PRO/AH/EDR> Epizootic hemorrhagic disease, cervid - USA (04): (NJ) 20110911.2762
 情報源 NJ.com、2011年9月9日
ニュージャージー州野生動物当局 The NJ DEP's Division Fish and Wildlife は、8月以降、流行性出血病 epizootic hemorrhagic disease (EHD) によると見られる、シカの死亡や瀕死状態の報告を受けた。7頭の検査を行い、5頭で EHD が確認された。水路に沿った平坦な泥地に住む、ヌカカ midges の刺咬により伝播されるウイルス性疾患で、ヌカカの発生のある排水路などに限定して流行が起きる

● 腺疫、ウマ 米国
PRO/AH/EDR> Strangles, equine - USA: (MI) 20110911.2764
 情報源 Livingston Daily、2011年9月9日
the Brighton Recreation Area's riding stable の複数のウマが腺疫 equine strangles に感染し、4-6週間の検疫が行われる可能性がある

● 馬ヘルペスウイルス、ウマ 北米
PRO/AH/EDR> Equine herpesvirus, equine - North America (12): (MI) 20110911.2761
 情報源 Mlive.com、2011年9月10日
7日に行われた検査で、the 23-year-old mare が、馬ヘルペスウイルス equine herpesvirus-1 EHV-1 性髄膜脳症に感染していることが判明した。同ウイルスは、2011年5月と6月に、西部6州で13頭のウマを死亡させている ...
[Mod.TG- Equine herpesvirus (EHV-1) infection in horses は呼吸器疾患と神経疾患、流産、新生児死亡をもたらせる。神経疾患は equine herpes myeloencephalopathy (EHM) と呼ばれ、高い致死率につながる恐れがある。 EHV-1 は平均2-10日間の潜伏期間で容易に感染が広がる。ウイルスは7-10日間、あるいはそれ以上にわたって排出されるため、 confirmed positive EHM cases は21日間隔離される。感染したウマの症状として鼻漏、協調運動失調、後足の筋力低下 hindquarter weakness、横臥 recumbency、無気力、尿漏れ urine dribbling および尻尾の垂れ下がり diminished tail tone などがある。EHM positive のウマの予後は、重症度と横臥の期間に依存する。EHM に対する特異的治療法は無いため、補液、抗炎症薬、抗ウイルス薬、その他の支持療法が有用なこともある。現時点で神経型ウイルス the neurological strain of the virus に対する効能を示したワクチン EHV-1 equine vaccine はない]