2011年9月10日-13日

A型肝炎 エストニア
◎ Usutu virus ドイツ: 蚊族からの分離

● A型肝炎 エストニア
PRO/EDR> Hepatitis A - Estonia: (VD), alert 20110913.2790
 情報源 ERR News、2011年9月12日
Hepatitis-A Outbreak Puts Viljandi Officials on Alert
A 型肝炎 Hepatitis A のワクチン接種により、通常、20年間ウイルス感染に対する免疫が継続する。エストニアで12日現在、41例の患者が確認されており、うち29人は Viljandi County の患者であった ... 2月に海外への旅行による第1例目の患者が確認された。ところが、8月25日以降、患者数が急増し、全国で28人の患者が報告され、うち25人が the town of Viljandi の住民だった。当局によると、潜伏期間が50日あるため、影響の範囲についての評価には時間を要する ... エストニアではこの数年間、A型肝炎感染の患者の発生は抑えられており、患者の大部分が海外での感染だった: 10 cases in 2007, 13 in 2008, 19 in 2009 and 6 in 2010 。最後に大規模な感染流行が発生したのは、1993年の Someru で、飲料水汚染による患者が 614人発生した。

● デング熱/デング出血熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2011 (37)
Archive Number: 20110913.2795
.[1] タイ
 情報源 National News Bureau of Thailand (NNT), Public Relations Department、2011年9月4日。
全国で約4万人がデング熱 Dengue に感染しておりうち27人が死亡した。The Central region の患者が最も多く、次いで the North, the Northeast, and the South の順となっている。Surin province においては7か月間で 1921人が感染したが、死者は出ていない。 Buri Ram has 948 patients, Chaiyaphum 499, Nakhon Ratchasima 429, and Surin 45 となっている
[Mod.TY- Situation of dengue infection in Thailand, between 1 Jan 2011 and 29 Aug 2011, によると、全国で合計 44 330 cases and 34 deaths が報告されている。人口10万人当たり 69.78 の発生で、致死率 case fatality rate (CFR) は 0.08 percent.となっている; 19 095 cases and no deaths were due to dengue fever (DF)、24 354 cases and 7 deaths were due to dengue hemorrhagic fever (DHF)、881 cases and 27 deaths were due to dengue shock syndrome (DSS)。このうち、 zone 14 (Buri Ram, Chaiyaphum, Nakhon Ratchasima, Surin).で報告されているのは、 4167 cases and 1 death である
provinces in zone 14 during the 1st 8 months of 2011:
Province / cases (deaths)
Buri Ram / 1097 (0)
Chaiyaphum / 616 (0)
Nakhon Ratchasima / 1443 (0)
Surin / 1011 (1)  ]
地図 Thailand's provinces
[2] メキシコ (Veracruz state ). 11 Sep 2011. 2 deaths from DHF in the state. only 24 cases of dengue (2010/ 269 infected patients)
[3] コスタリカ Costa Rica [in Spanish]
 - (Limon province ). 9 Sep 2011. 州内 5000 [dengue] cases、 9週間で70%の増加
 - (Limon province). 8 Sep 2011. 州内 2006 dengue fever cases、2010年同期の2倍
[Mod.TY- はじめの報告 (5000 cases) には all Health Care provider networks から保健省に報告された患者数が含まれているが,2006 cases は the Social Security Health Provider Network だけの報告となっている]
[4] ブラジル Brazil [in Portuguese]
 -  (Rio de Janeiro , RJ state). 9 Sep 2011. 1月から6月までに 85 人が死亡
 -  (Ceara state). 11 Sep 2011. epidemic in Ceara [state]. 27 618 cases in Fortaleza.
 - (Minas Gerais state). 5 Sep 2011. 州内初の dengue virus serotype 4 患者、 54 588 dengue cases
[5] パラグアイ 7 Sep 2011. [in Spanish,] 5月中旬以降、全国で 2250 confirmed dengue cases and 3467 reported cases
[6] アンティグアバーブーダ Antigua and Barbuda. 11 Sep 2011. これまでの the class 2 [virus type] から、新たに the type 4 dengue fever [virus] が報告されている
[7] バハマ 7 Sep 2011. 10 cases of DHF in the Bahamas, 3500 dengue fever cases
[8] 台湾 7 Sep 2011. 国内で確定診断された dengue reached 113. 主に Kaohsiung City's Lingya District、一部は Kaohsiung's Sinsing District and Cianjien District など。
[9] パキスタン Pakistan
 - (Punjab province ). 9 Sep 2011. 東部のパンジャブ Punjab 州で少なくとも 11 人 (州都 Lahore) が死亡、Lahore の患者数は 2042
 - (Lahore, Punjab province). 9 Sep 2011. 州都 Lahore で10人死亡,ほか 2256 others 感染
 - (Islamabad and national). 10 Sep 2011. 全国で疑い2708、確定2413 。イスラマバード Islamabad 28 confirmed cases、2170 in Punjab, 26 in Rawalpindi, 176 in Sindh, 8 in KP [Khyber-Pakhtunkhwa, formerly North-West Frontier], and 5 in AJK [Azad Jammu and Kashmir] ...
 - (Islamabad and Rawalpindi ). 12 Sep 2011. the Punjab province だけで1か月間に 3000人以上
 - (Rawalpindi). 6 Sep 2011. 合計 125 dengue fever cases (Rawalpindi city の3病院)
 - (Sindh province). 10 Sep 2011. 9日間で 29人,2010年からの患者は 190例
[10] インド India 
 - The IDSP [Integrated Disease Surveillance Project]to August 2011 : 患者数の多い7州(State / Cases / Fatalities)
Gujarat / 288 / 0
Karnataka / 206 / 3
Kerala / 733 / 4
Maharashtra / 223 / 2
Orissa / 876 / 23
Punjab / 274 / 0
Tamil Nadu / 868 / 2
Total / 3853 / 39
 - (Orissa state). 6 Sep 2011. 死者が26 人、合計 1253 /3357 samplesの検査が陽性
- India (Delhi). 6 Sep 2011. Dengue cases in the city reached the 92 mark
[11] スリランカ  7 Sep 2011. 2日現在の死者 124 人、5日現在の患者数 17 105 dengue cases 。最も多かったのは、the Colombo district の 6688 and 59 deaths で、The Colombo Municipal Council area では 2211 DHF cases and 23 deaths が記録された。

● レプトスピラ症 スリランカ(2件)
PRO/AH/EDR> Leptospirosis, fatal - Sri Lanka (02): (NW) 20110913.2785
 情報源 The Daily Mirror、2011年9月12日。
rat fever [レプトスピラ症 leptospirosis] 発生の報告を受け、the Maradankulama Tank に近づくことが制限されている (Chilaw 地域保健当局による) 。1人の死亡と数人の住民の感染が伝えられている。深刻な干ばつが発生し、人々が水や lotus stem を取るためにタンクに近づいたと報告されている。
[Mod.ML- スリランカには、現地で 'tanks' と呼ばれる、多数の人造貯水池が張り巡らされている。これは、主に農業用水と飲料水用に、土地に降った雨を集めて貯めて置く古代からの伝統の一環として行われてきたが、沐浴や儀式にも使われている]

PRO/AH> Leptospirosis, fatal - Sri Lanka (03): (NW) background 20110913.2794
20110913.2785 に関し。
 情報源 GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network) 、2011年9月13日。
スリランカでの初めての報告は、1953年に Moneragala, Ampara, Matara, Balle and the Northwestern province.を中心に発生。水田やサトウキビ畑の労働者で最も感染リスクが高かった。2006年以降に急増。有熱患者の13.5%、急性発熱性疾患の24.3-27.1%、ウシの20.3%、げっ歯類の17.5%で、血清検査陽性との各種報告あり。

● 日本脳炎など インド(2件)
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (16): (BI) 20110913.2793
 情報源 IBN Live、2011年9月13日
Encephalitis claims 24 lives in Bihar
新たに3人の小児が死亡し、過去3週間のビハール Bihar 州内の日本脳炎 Japanese encephalitis による死者が24人に増えた。the Anugrah Narayan Sinha Medical College-cum-Hospital 内で3人の小児が死亡した。小児25人を含む、合計84人が現在この病院で治療を受けている。血液検査により、日本脳炎であることが確認されている。患者の多くが Gaya, Aurangabad and Nawada districts of Bihar and Chatra district of Jharkhand の各地域の患者である。
[Mod.TY- Gaya における日本脳炎による死者が、11日の16人から、わずか2日後に 25人に増加した。すべて JE virus 感染による患者であり、これまでインド北東部から報告されている、原因が特定されていない the acute encephalitis syndrome については言及されていない。また、ワクチン接種状況についても情報がない]

PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (15): (BI) 20110912.2774
 情報源 Hindustan Times 、2011年9月11日
日本脳炎 Japanese encephalitis (JE) [virus] が Gaya と周辺地域で発生し、過去3週間で16人の小児が死亡した
[Mod.TY- すべての患者が日本脳炎によるとされ "acute encephalitis syndrome" に関する記載はない。JE ワクチンの接種状況についても書かれていない]

● 腸炎ビブリオ Vibrio parahaemolyticus 米国
PRO/AH/EDR> Vibrio parahaemolyticus, oysters - USA (02): (CA) 20110913.2786
 情報源 KION、2011年9月9日
保健当局 The Monterey County Health Department は、カキを生あるいは半生 (軽く蒸す、マリネ、Rockefeller などの調理法) で食べないよう呼びかけている。自然界に発生するビブリオ菌_Vibrio parahaemolyticus_, の増殖に好適な水温となる夏の間、この菌による病気が報告されている。生ガキの摂取によるこの病気によって、多くの一般の人々は生命の危険にさらされることはない。水様下痢、腹痛、嘔気、嘔吐、発熱、悪寒などの症状が見られる。当局によると、12から24時間の潜伏期間で発生し、7日間以上症状が続くことはない。
貝殻の付いたもの
 -口を開けているものは捨てる
 -ボイルで口を開けた後、さらに3-5分間ボイルする(スチームでは4-9分間)
 -調理しても口を開かないものは捨てる
殻なし
 -縁が丸まるまで、少なくとも3分以上、ボイル(煮る)
 -191度で3分以上フライ
 -熱源から8cmで3分以上焼く(網焼き)
 -232度で10分以上 bake する

● アメーバ性髄膜脳炎 米国
PRO/EDR> Amebic meningoencephalitis - USA (03): (KS) 20110913.2784
 情報源 Kansas Department of Health and Environment news release、2011年9月9日
Local and state health officials investigating probable primary amoebic meningoencephalitis (PAM) death
淡水中に生息するアメーバ _Naegleria fowleri_ が原因の、原発性アメーバ性髄膜脳炎 primary amoebic meningoencephalitis (PAM) による Sedgwick County の住民1名の死亡について州及び地域保健当局に報告された。湖 Winfield City Lake (Cowley County)において遊泳中に感染したと見られている。The Centers for Disease Control and Prevention [CDC] は患者検体から _N. fowleri_ を検出した。
カンザス Kansas 州で_N. fowleri_ による PAM の患者が発生するのは、今回が初めてである
参考文献1 
Identification of _Naegleria fowleri_ in domestic water sources by nested PCR. Appl Environ Microbiol. 2003; 69(10): 5864-9; 家庭内のバスルームやキッチンの排水パイプからの19検体中17検体で、_N. fowleri_ 陽性 (by PCR)
参考文献2 
Survey of _Naegleria_ from Taiwan recreational waters using culture enrichment combined with PCR. Acta Trop. 2011; 119(2-1): 114-8; 台湾において、処理されていない家庭水の28.6%、河川水 stream water の14.7%、湧水 spring water の6.5%で_Naegleria_ を確認

● 大腸菌 VTEC non-O157 米国
PRO/AH/EDR> E. coli VTEC non-O157 - USA: new regulatory ban on beef
Archive Number: 20110913.2796
 情報源 msnbc.com、2011年9月12日
新たな規制法令 the new regulations により、死亡につながる恐れのある "the big 6" [Known as Shiga toxin-producing _Escherichia coli_; O26, O111, O103, O121, O45, and O145] が 1つの大腸菌 のグループとしてまとめられ、これまでよく知られていたひき肉の食中毒に関連して発生することが多い _E. coli_ O157:H7 と同じ扱いの集合グループ adulterants として分類されることとなった。2012年春より食品安全規制当局は、これらの大腸菌についての検査を開始し、菌に汚染された肉の販売は違法となる
[Mod.LL- 牛ひき肉が関連する non-O157 enterohemorrhagic _E. coli_ (EHEC) 感染伝播防止が一歩前進したと考えられる]
[Mod.TG- 悪い方向に向かう可能性も秘められている。自然発生するこれらの菌によって、ヒトにおいても、無症候性や気づかれない感染が起きている。今回の方針により、牛肉価格が大きく上昇する恐れがある]

● インフルエンザ 米国,ブタ由来 H3N2 再集合ウイルス
PRO/AH> Influenza (54): (PA) swine-origin H3N2 reassortant, comment 20110913.2789
 投稿者 Praecipio International、James M. Wilson V, MD、2011年9月12日
20110906.2723 に関し。
... 公衆衛生上の潜在性脅威に着目する検査学的サーベイランスと、重大性の検証 the "so what"/verification of significance に重点を置くイベントベースのサーベイランスには、作業の相違があることを指摘しておきたい。その違ったサーベイランスを橋渡しする方法の発見する必要がある。

● 麻疹 アイルランド、タンザニア、コロンビア、米国,ニュージーランド
PRO/EDR> Measles update 2011 (31)
Archive Number: 20110911.2766
[1] アイルランド (ダブリン)
 情報源 The Irish Independent、2011年9月8日
ダブリンDublin 市内北部の学校で、麻疹 Measles 感染の増加に伴いワクチン接種 "blitz" が行われている。多くの小学校の生徒に対して the MMR vaccine が勧められている。アイルランドでは2011年初以来135例の麻疹患者が報告されており、その70%以上が市内 the north inner [district] の患者だった
[2] タンザニア (ザンジバル)
 情報源 The Daily News、2011年9月10日
保健当局は9日、ザンジバルの島々 Zanzibar islands で麻疹感染が増加しているため、12日より2週間にわたって連日のワクチン接種キャンペーンを行うと発表した。これまでに Unguja and Pemba islands 両島で262例 (8月の70例から増加) の患者が確認されている。Pangawe, Kianga, Mtofaani, Magogoni, Welezo, and Kinuni on Unguja Island [the main island] において、最も感染が深刻である
[3] コロンビア Colombia
 - (Barranquilla)
 情報源 El Heraldo, Local [in Spanish]、2011年9月8日
Barranquilla の保健当局は8日、すでに4人の患者ともう1人の確定されていない麻疹感染が確認されているとして、市内での麻疹への注意喚起を行った。ブラジルから同じ宗教学校に入学した少女1名が、唯一のリンクとなっている。発端はこのブラジルからの生徒で、その後母親ときょうだいが発症し、4人目の患者は関係者ではないが、少女が通っていたのと同じ宗教学校の生徒だった。
 - (Atlantico & Bolivar)
 情報源 Caracol Radio [in Spanish]、2011年9月9日
保健省当局者は、4人目の麻疹患者が確認されたとして、注意を呼びかけている。[in the department of Atlantico] 複数の学校が、ワクチン接種のためのスタッフを拒否していることを、当局は懸念している。
[4] 米国 (Wisconsin):Witi-TV, Milwaukee 、2011年9月8日。
The Milwaukee Health Department は、8月に難民として同市に来た小児1名の麻疹感染を確認した。
[5] ニュージーランド:Voxy.co.nz、2011年9月6日
6日現在、the Auckland region で119例の麻疹感染が確認されている

● A 群連鎖球菌、猩紅熱 中国
PRO/EDR> Streptococcus group A, scarlet fever - China (12): (GD, HK, MO) 20110911.2765
 情報源 Macau Daily Times、2011年8月10日
9日までのマカオ Macau における猩紅熱 scarlet fever 患者は 87人に達し、2010年の 16例と比べ大きく増加した。当局の責任者は、"患者数は減少し、学校再開後も大きな増加は無く、死者の報告もない" と説明した ... 一方、香港 the HKSAR [Hong Kong Special Administrative Region] では、先週新学期が始まった後患者数が増加しており、2011年の患者は 1100人以上となっている ... 広東省 Guangdong province の患者数は 847例で、マカオや香港と状況は同じと説明されている

● インフルエンザ WHO
PRO/EDR> Influenza (53): WHO update 20110910.2758
WHO Influenza Update number 142
 情報源 World Health Organisation (WHO), Influenza update 142、2011年9月9日
温帯地方 北半球のほとんどの国が low or no influenza activity。米国で報告された、4例の swine influenza A(H3N2) virus 感染について ... 

● 日本脳炎など インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (14): (BI) 20110910.2757
[1] 州内で 190例
 情報源 India Express、2011年9月7日
Uttar Pradesh 州東部に続き、政府当局は現在ビハール Bihar 州での acute encephalitis syndrome (AES) cases 患者数急増に直面している。2011年の同州の患者数はすでに190例となり、主に Siwan and Gopalganj districts of Bihar であると、病院医師が述べた。州当局の清掃プログラムなどが行われたにもかかわらず、約 15% の患者数増加が認められている。全国で約1360例報告されている AES のうち、190例がビハール州からの報告で、毎年ビハール州とネパールからの患者を受け入れているが、今年はビハール州からの患者が40%増加した、と BRD medical college. の医師は述べた。
[Mod.TY- 日本脳炎の患者についての報告がないのは不思議 ... 国立ウイルス学研究所や、協力関係にあると見られる米国 CDC からの、AES の病原診断の情報を期待する]
[2] 2週間で 9人の小児が死亡
 情報源 Gulf Today、2011年9月7日
過去2週間に Bihar's Gaya district の9人の小児が、脳炎と見られる原因で死亡したことが、6日当局から発表された。36人が入院となり、うち9人が死亡した。小児患者らは、高熱のあと、意思障害と痙攣を起こしている。現地住民はこの原因不明の病気を "chamki ki bimari" と呼び、脳炎と同じ症状であると説明する。州保健当局の責任者は Gaya における脳炎による死者について感知していない。2ヶ月前に Muzaffarpur district で死亡した51人についても、未だに脳炎による死亡と認めていない。
[Mod.TY- FluTrackers では、インド保健家族福祉省 the Indian Ministry of Health and Family welfare が、8月23日現在の全国の cases of AES and Japanese encephalitis virus (JEV) infections の統計を出していることを明らかにしている。2011年の感染者数と死者はそれぞれ 3445 and 450 deaths. となっている。ビハール Bihar totals は 288 cases with 54 deaths、最も多い Assam Uttar Pradesh states はそれぞれ、 1189 cases with 228 deaths and 1071 cases with 150 deaths, で、日本脳炎 JEV infections 患者の割合は判らない]

◎ Usutu virus ドイツ: 蚊族からの分離、鳥類の感染疑い

PRO/AH/EDR> Usutu virus - Germany: mosquito isolate, birds susp. 20110913.2792
[1] Dead blackbirdsExperts suspect virus
 情報源 Wormser Zeitung [German]、2011年9月9日
the Rhine-Neckar region において死亡して発見される blackbirds クロドリ? の数が増加している。Waldsee の蚊族の専門家 KABS [Local Action Group to fight mosquitoes] は、アフリカ由来のウイルスによるものと見ている。"スタッフが地域内の蚊族で African Usutu virus を確認している" と話し、発見されたのは1匹だけであるが、蚊族から鳥類へのウイルス感染伝播があったと考えられると述べた。すでにオーストリアでは、2001年と2002年に Usutu virus による blackbirds の死亡数増加が確認されている。イタリアとハンガリーでも blackbirds が死亡することが多いこの鳥類の疾患 (Usutu virus) の、小規模流行 minor outbreaks of bird disease が発生している。しかしヒトへの影響は比較的少なく harmless、まれなケースで微熱が起きる程度である。 鳥類から吸った血液を体内に保有するブヨ the _Culex pipiens_ (Common Gnat) で Usutu virus が確認されただけでは、ウイルスと black birds の死亡との関連を決定付けるのに十分ではなく、死亡した鳥類からウイルスが検出されなければならない。研究者は、死亡した鳥類を発見したら冷蔵庫 cooler に保管した上で、専門家に連絡してほしいと呼びかけている。
[2] Short Report: Isolation of Usutu Virus in Germany Am. J. Trop. Med. Hyg., 85(3), 2011, pp. 551-553
 情報源 American Journal of Tropical Medisine & Hygiene, September 2011、2011年9月12日 (subscription required for full text).
要約
Usutu virus (USUV) は2001年にオーストリアで初めて確認された蚊族媒介性フラビウイルスの1種で、野鳥の死亡原因となっている。ドイツ国内で2009年と2010年に捕獲された蚊族のメス 70 378 female mosquitoes について USUV のアッセイを行ったところ、唯一、2010年8月にドイツ・ Weinheim で捕獲された one pool of _Culex pipiens pipiens_ から細胞培養によりウイルスが分離された。続いて行われた系統発生学的解析により、ドイツで分離された USUV strain と,2004年に死鳥 a dead blackbird から検出されたオーストリアの a USUV strain との間に、密接な関連性が認められた。
[Mod.AS- 以下は、上記論文の background and discussion passages である: 
Usutu virus (USUV) は節足動物媒介性の一本鎖 single-stranded RNA virus で,フラビウイルス科日本脳炎ウイルスグループ the Japanese encephalitis virus group に分類され、1959年に初めて南アフリカ・ Ndumu, Natal の蚊族 _Culex neavei_ mosquitoes で発見された。ベクターは ornithophilic mosquitoes of the genera Culex, Coquillettidia, Mansonia and Culiseta である。USUV の主要な保有宿主は野鳥で、新たな地域での発生に渡り鳥が重要な役目を果たしている。アフリカ以外では2001年にオーストリアのウィーン Vienna で鳥類 blackbirds (_Turdus merula_) and great gray owls (_Strix nebulosa_) の死亡に関係した。2002年にもオーストリアでの感染循環が継続していることから、中欧の地域内での鳥類-蚊族間の感染サイクルにより越冬したことが判明した。さらに最近になって、ハンガリー、スイス、イタリア、スペインでも、鳥類もしくは蚊族で USUV-specific RNA or antigen が確認されている。2009年夏、イタリアで免疫不全患者2名の発病 USUV-related illness が報告された。患者発生があったものの、USUV のヒトへの病原性に関してはさらに詳しい調査が必要である。2002年、英国内で捕獲された healthy birds の血清検体についての大規模解析で、相当数の検体から USUV に対する特異抗体が検出された。さらに、孵化から8-9ヵ月後までにわたって行われたニワトリの調査で、血清抗体陽転 seroconversion to USUV が確認された。またドイツで 2002年から 2005年までの間に捕獲された野鳥の血清検体でも、USUV に対する中和抗体が確認されている。この間に英国とドイツでの顕著な鳥類の個体数減少は認められていないが、ドイツ国内の蚊族において USUV が感染循環しているか、また natural vectors of USUV in Germany は何かについては答えが得られていない。われわれの研究により、ドイツ南西部における新興 the potentially emerging USUV が示唆された。このウイルスは、南アフリカからではなく、オーストリアからドイツに感染が拡大した可能性が高。(以前)ドイツの野鳥で中和抗体が確認されたことはあったが、ドイツでのウイルスの確認は初めてである。2009年と 2010年に死亡した鳥類の明らかな増加は確認されていないため、循環するウイルスの感染拡大が低調、もしくは病原性が低いことが示唆されるが、イタリアでは蚊族での感染率が低いにもかかわらず2人の USUV 関連疾患の患者が報告されている。USUV strain 1477 が確認されたのは the upper Rhine valley の小都市 Weinheim の a pool of _Cx. pipiens pipiens_ mosquitoes で、この唯一の trapping site は典型的な都市環境 urban ecosystem にあった。このような都市環境下では、農村部 agro-ecosystems や森林と比較して blackbirds と _Cx. pipiens pipiens_ mosquitoes がより近接して生息する。このため、他の trapping sites でウイルスが確認されなかったと考えられる。
結論として、2009年にドイツ国内で複数種のアルボウイルスが新たに確認され、その後1種類については2010年にも感染循環が継続していた。ドイツ国内のアルボウイルスについて蚊族を対象とするサーベイランスを実施することは、ウイルスの活動性や分布に関するデータが得られる点で公衆衛生上重要である。 ドイツ南西部の USUV の医学的意義を評価するため、さらに調査を続ける]

● 炭疽 米国,イラン(2件)
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, 2001 - USA (05): possible chronic symptoms 20110913.2788
Health problems linger for survivors of the anthrax attacks
 情報源 phillyBurbs.com, Calkins Media, Inc、2011年9月11日。
9/11の後に発生した、炭疽菌 Anthrax テロ攻撃で17人が生還してから10年、彼らの健康状態に関する情報はほとんどない。しかし、the National Institute of Health は黙々と 7人の the those survivors の健康について監視を続けている

PRO/AH/EDR> Anthrax, wildlife - Iran: north, susp., RFI 20110912.2780
 情報源 Iran Press News [trans.]、2011年9月12日。
テヘラン Tehran の新聞で 12日、Isfahan and Khorasan の野生動物で炭疽 the "anthrax" の発生が確認されたが、当局の関心は環境保護であり、獣医学当局には死亡に関する情報は入っていないと報じた。Qmyshlv 平原で10頭のシカの死体が発見されたほか、North Khorasan Sarygl Wildlife Park の30頭のヒツジの死体と Vmyshhay Zdhast park の1頭の子羊の死体が発見されている。The Department of Departmental Protection の当局者は、Sharbvan disease (炭疽) 以外の死因もあり、診断は確定されていないと述べた

● 原因不明の大量死、魚類 イスラエル
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, fish - Israel: (HM), RFI 20110913.2791
 情報源 Walla News [Hebrew]、2011年9月12日
Netanya mystery: hundreds of dead fish found on beach
Netanya 近郊の South Poleg にある the Israel Nature and Parks Authority の海岸の砂浜で、大量の魚の死体が発見されている。当局は、感染症による死亡の可能性の有無について調査を行っている ... 死んだ魚は紅海の原産種である rabbitfish _Siganus luridus_ で、スエズ運河 the Suez Canal を通って地中海にも生息するようになり、主にサンゴ礁で見られる。検査により水質汚染やウイルスが調べられている。

● 狂犬病 ボリビア,中国(2件)
PRO/AH/EDR> Rabies - Bolivia (06): canine 20110912.2779
 情報源 FM Bolivia [in Spanish]、2011年9月11日
Oruro では、3万頭以上の野犬が路上を徘徊しており、毎日10件のイヌ咬傷が起きている。検査により確定診断されたイヌの狂犬病は10件あり、市民に注意が呼びかけられている。同時に、管理もワクチン接種も行われていない、3万頭以上の野犬の間での感染伝播の防止対策も試みられている。8月に最新のワクチン接種が行われ、the Oruro jurisdiction 内の約 83498頭のうち、53854頭に予防接種が行われた ... 2001年にはイヌ咬傷の件数が915件であったのに対し、2005年に 1065件、2010年には 1598件に増加した。

PRO/AH> Rabies - China (05): Shanghai, canine, human, comment 20110912.2778
 投稿者 米・Los Angeles County Department of Public Health、Dr. Emily Beeler, DVM, MPH、2011年9月12日
A comment on: Re: 20110909.2752 
当局が、イヌの咬傷後10日間の検疫 10-day quarantine observation of the dog を積極的に行えば、より多くの人命が救われる。野犬の場合はこの期間隔離して観察し、飼い犬は自宅もしくは周囲で観察を行ってもよい。もし10日間、イヌの食欲 (すなわち嚥下機能) や警戒心に変化がなければ、受傷者は暴露後接種 rabies post-exposure prophylaxis (PEP) を行う必要が無くなる。このような隔離にコストはかからない。過去の実験結果から、感染したイヌからのウイルスの排出は、発病前 5日以内に限られることが分かっている。観察期間中にイヌが発病した場合には期間を短縮し、理想的にはその時点でイヌの狂犬病検査を行う。検査が行えない場合は、念のため受傷者に PEP を行えばよい。このようにすれば、生物学的製剤 (である狂犬病ワクチン) を、真に必要な人のために取っておくことが可能になる。狂犬病に関していえば、ヒトの健康を守るためには、イヌの健康に注目することが重要である。the Compendium of Animal Rabies Prevention and Control, 2011 には : "狂犬病に感染したイヌ、ネコ、フェレットの唾液中に狂犬病ウイルスが排出されるのは、発病後と、発病前のわずか数日間に過ぎない。狂犬病のワクチン接種の有無に関わらず、曝露から10日間は、健康なイヌ、ネコ、フェレットを隔離し毎日観察すること " とある。

● ウエストナイルウイルス ギリシャ
PRO/AH/EDR> West Nile virus - Eurasia (10): Greece 20110912.2775
 投稿者 ギリシャ・Aristotle University of Thessaloniki、Anna Papa、2011年9月12日
20110825.2595 に関し。
急性期の患者の血清から WNV lineage 2 sequences が検出されている。遺伝子の解析結果 Sequences of the NS3 gene は2010年の イエカ_Culex_ 蚊族や献血者のものと一致し、 the Hungarian WNV strain と同じものと考えられる。

● Q 熱 米国,アザラシ
PRO/AH/EDR> Q fever - USA (02): (AK) seals 20110911.2771
 情報源 Alaska Dispatch、2011年9月9日
2010年に St. Paul Island の northern fur seals アザラシが(Q 熱の原因となる)コクシエラ菌 _Coxiella burnetti_を保有していることが明らかとなり、研究者ら調査を開始した。
アザラシや他の海洋生物 (哺乳類) は発病するか? 住民らへの暴露の有無と、病原性は? 
アラスカ Alaska 州当局が、この細菌による州住民の感染例を報告したのはわずか1例のみで海外で感染したものだった。しかし、州内のコクシエラ感染の統計が取られ始めたのは2007年からで、これまで州内での発生が無かったとはいえない。同菌は、陸生生物や鳥類で発見されることが多く、アラスカ州では caribou, muskoxen, mountain goats, Dall sheep, wolves, and grizzly bears が検査の結果,陽性となっていた。野生動物で発見されているにもかかわらず、野生動物が発病したとの証拠はない ... 1980年代と1990年代の St. Paul and St. George Islands の住民の血液検体についても、コクシエラ菌抗体に関する検査が実施されることになっている。

● 旋回病、サケ科 米国
PRO/AH/EDR> Whirling disease, salmonids - USA (03): (UT) 20110911.2770
 情報源 Salt Lake Tribune、2011年9月8日
ユタ州野生動物資源局 The Utah Division of Wildlife Resources によると、ダム Flaming Gorge dam 下流の the upper Green Riverのニジマス rainbow trout 4匹で旋回病 the whirling disease の寄生虫が確認された。河川の魚類への影響は小さいと述べた
[Mod.TG- Whirling disease は、マスとサケ (salmonid) の仲間に感染する病気で、軟骨を障害することで、幼魚の直接の死因となったり、コントロール不能な旋回する泳ぎ方となり、捕食者から逃げられなくなったりエサを取れなくなったりする。_Myxobolus cerebralis_ という、微小な寄生虫が原因で起きる。米国へは1950年代に欧州から持ち込まれ、国内の多くの河川に広がった。25の州の野生の魚類と孵化場で発生が確認されている。一旦河川に感染が定着すると、排除できない]

● 肺炎、ヒツジ 米国
PRO/AH/EDR> Pneumonia, ovine - USA: (NV) bighorn sheep update 20110911.2768
 情報源 RGJ.com、2011年9月11日
the East Humboldt and Ruby Mountain ranges の bighorn sheep の群れの1つでは、2009-2010年冬の壊滅的な肺炎流行により 90%が死亡した。1992年に導入されたThe bighorns は、2009年には180頭になっていた。2008年に、 the Hays Canyon Range で約110頭が死亡したと見られている ... 2003年までに300頭に増えていたが、2004年に約1/3に当たる100頭が肺炎のため the Santa Rosa Mountains で死亡したことなど

● 流行性出血病、シカ科 米国(2件)
PRO/AH/EDR> Epizootic hemorrhagic disease, cervids - USA (05): (NY) 20110911.2767
 情報源 Read Me 、2011年9月7日
ニューヨーク州環境保存局 The New York State Department of Environmental Conservation (DEC) は、Clarkstown, Rockland County で過去2週間に約100頭の white-tailed deer が流行性出血病 epizootic hemorrhagic disease (EHD) により死亡して発見されたことを確認した。EHD は the family _Culicoides_ のヌカカ biting midge により伝播されるウイルス性疾患で、ヒトは感染しないしヌカカに刺されることもない
no-see-um or punkie とも呼ばれる

PRO/AH/EDR> Epizootic hemorrhagic disease, cervid - USA (04): (NJ) 20110911.2762
 情報源 NJ.com、2011年9月9日
ニュージャージー州野生動物当局 The NJ DEP's Division Fish and Wildlife は、8月以降、流行性出血病 epizootic hemorrhagic disease (EHD) によると見られる、シカの死亡や瀕死状態の報告を受けた。7頭の検査を行い、5頭で EHD が確認された。水路に沿った平坦な泥地に住む、ヌカカ midges の刺咬により伝播されるウイルス性疾患で、ヌカカの発生のある排水路などに限定して流行が起きる

● 腺疫、ウマ 米国
PRO/AH/EDR> Strangles, equine - USA: (MI) 20110911.2764
 情報源 Livingston Daily、2011年9月9日
the Brighton Recreation Area's riding stable の複数のウマが腺疫 equine strangles に感染し、4-6週間の検疫が行われる可能性がある

● 馬ヘルペスウイルス、ウマ 北米
PRO/AH/EDR> Equine herpesvirus, equine - North America (12): (MI) 20110911.2761
 情報源 Mlive.com、2011年9月10日
7日に行われた検査で、the 23-year-old mare が、馬ヘルペスウイルス equine herpesvirus-1 EHV-1 性髄膜脳症に感染していることが判明した。同ウイルスは、2011年5月と6月に、西部6州で13頭のウマを死亡させている ...
[Mod.TG- Equine herpesvirus (EHV-1) infection in horses は呼吸器疾患と神経疾患、流産、新生児死亡をもたらせる。神経疾患は equine herpes myeloencephalopathy (EHM) と呼ばれ、高い致死率につながる恐れがある。 EHV-1 は平均2-10日間の潜伏期間で容易に感染が広がる。ウイルスは7-10日間、あるいはそれ以上にわたって排出されるため、 confirmed positive EHM cases は21日間隔離される。感染したウマの症状として鼻漏、協調運動失調、後足の筋力低下 hindquarter weakness、横臥 recumbency、無気力、尿漏れ urine dribbling および尻尾の垂れ下がり diminished tail tone などがある。EHM positive のウマの予後は、重症度と横臥の期間に依存する。EHM に対する特異的治療法は無いため、補液、抗炎症薬、抗ウイルス薬、その他の支持療法が有用なこともある。現時点で神経型ウイルス the neurological strain of the virus に対する効能を示したワクチン EHV-1 equine vaccine はない]