2011年9月9日

マラリア ガイアナ

● マラリア ガイアナ
PRO/EDR> Malaria - Guyana
Archive Number: 20110909.2753
[1] Guyana coast at risk of malaria resurgence
 情報源 The Medical News、2011年9月9日
気候変動による気温上昇と雨量の増加に伴い、人口が密集する沿岸部で再び発生する恐れがあるため、ガイアナ政府当局はマラリア Malaria 感染の拡大防止に取り組んでいる。マラリア患者の大半が the small South American country の北西部で発生しているが、近年、東部と南部の内陸部や沿岸部でも報告されるようになった。6月の国連機関 the U.N. Economic Commission for Latin America and the Caribbean (UNECLAC) からの報告によると、2006年から2010年にかけて、降雨量と気温が上昇するたびに、マラリア患者が増加した(1mmあるいは1℃ごとに、11人の増加) ...
[2] 情報源 Alert Net、2011年9月7日
前半は [1]と同内容。1990年代前半から the Caribbean Community (CARICOM) の加盟国であるガイアナは、蚊帳の使用、マラリア薬教育、医療従事者のトレーニングを通じ、年間のマラリア患者数を 92000人から約 1万人にまで減少させる成功を収めていた。1950年代から 1960年代にかけて行われた、殺虫剤 DDT (dichlorodiphenyltrichloroethane) キャンペーンにより、北東部沿岸の人口密集地域では、蚊族が媒介するこの疾患が根絶されていた ... 気候変動の他、経済活動として短期労働者が金鉱山 (Cuyuni-Mazaruni 西部、Omai など) に入ることも、患者数増加につながっていることなど

● 狂犬病 中国
PRO/AH/EDR> Rabies - China (04): (Shanghai), canine, human 20110909.2752
 情報源 China Daily 、2011年9月9日
Rabies deaths on the rise in Shanghai
2011年の 8か月間に(上海)市内で 9人が狂犬病 Rabies により死亡した。昨年同時期の死者は1名だった。上海市当局は8日、イヌ咬傷によるリスクについて市民に注意を促した。上半期に2010年同期を40%以上うわ回る4万人以上が、イヌによる咬傷のため疾病センターを受診した。郊外における野犬や未登録のイヌによる咬傷がほとんどで、咬傷を受けた人の85%が上海に市民登録していなかった

● 手足口病 ベトナム WHO
PRO/EDR> Hand, foot & mouth disease - Viet Nam (08): WHO 20110909.2749
 情報源 World Health Organisation (WHO), West Pacific Region,: Representative Office in Viet Nam、2011年9月7日
Hand Foot and Mouth Disease in Viet Nam
ベトナム保健省 The Ministry of Health (MOH) は手足口病 Hand, foot & mouth disease の発生状況を注視している。1月から9月4日までに98人が死亡し、42763人の感染が確定診断されている。死者の3/4が、3歳以下の小児だった。

◎ リステリア症-米国

PRO/EDR> Listeriosis, fatal - USA (02): (CO) 20110909.2746
 情報源 The Denver Post、2011年9月7日
週末 [3-5 Sep 2011] に3例のリステリア症 Listeriosis 患者が報告され、8月1日以降の患者数は合計 13人となった。Adams, Arapahoe, Boulder, Denver, Douglas,El Paso, Jefferson, Larimer, and Weld counties の各郡から報告されている。8月には2人が死亡した。先の6月の流行では2人が感染による死亡と診断されている。最新の流行の感染源は現在調査が行われており、患者間に明らかな関連性は見つかっていない。コロラド Colorado 州では年平均10人のリステリア症患者が発生する。州当局は調理が不十分なホットドック、肉のスプレッド、ソフトチーズ、スモークフィッシュなどの摂取の際は、十分注意するよう改めて呼びかけた。リステリア症の症状は、発熱、筋肉痛、下痢、頭痛、頸部項直、意識障害、痙攣などえ、妊娠女性で問題となることが多い。抗生物質により治療可能であるが、一部の患者は治療したにもかかわらず死に至る。免疫が低下した状態では、感染リスクが高くなり、健康人に感染することはまれである。this outbreak の患者の多くが30歳から90歳までで、特に高齢女性が多い。
[Mod.ML- the June 2011 outbreak of listeriosis in Colorado (20110605.1719) では、Hispanic or Latino heritage の3人の患者のうちの2人が死亡し、チーズ soft Mexican-style cheeses からの感染が疑われている。患者間の関連性が確認されないとされる現行の流行について genotyping of patient isolates が行われ、一致すれば共通の感染源が示唆される。
"リステリア症の原因菌 _Listeria monocytogenes_ は自然界に広く存在し,土壌、水中、貯蔵された牧草、生野菜、生肉、家禽、ミルク (殺菌済み[***]、生とも)、ソフトチーズ、台所と、多くの動物の消化管内から検出される。動物とは、ウシ、ヒツジ、ヒトや甲殻類 crustaceans、魚類、魚介類、ダニ、昆虫などである。ヒトの感染の多くが食品関連で発生するが、経胎盤もしくは経産道感染による母子垂直感染や、獣医師や農業従事者の皮膚感染も起きる。食品の汚染は、生野菜のように土壌や肥料からの汚染や、感染したウシの生のミルクなどのように、自然界で発生するほか、調理などで汚染されることもある。この病原体は、冷蔵庫内温度でも増殖可能であるため、冷蔵されていたミルクや肉、野菜によってリステリア症が発生しても、おかしくはない。生のミルクと生ミルクによるチーズ (such as, brie, camembert, and Mexican soft cheeses)、コールスロー、パテ pate、 deli meats、ホットドッグなどが感染源となってきた。分離されたリステリア菌 Listeria_ spp が DNA identification techniques で、感染源とされる食品の菌と一致すれば、犯人と分かる" *** _L. monocytogenes_ は熱に強いことが報告されており、殺菌処理の有効性への懸念が示されている (The effect of pasteurization on _Listeria monocytogenes_. Can J Microbiol 1958; 4(1): 55-61; abstract)。1983年の an outbreak of listeriosis では、pasteurized whole or 2 percent milk が感染源として示唆されている (Pasteurized milk as a vehicle of infection in an outbreak of listeriosis. N Engl J Med 1985; 312(7): 404-7)。ミルク製造工場での殺菌処理に落ち度はなかった上、全米700か所以上の製乳工場から殺菌処理済ミルクの 2% から、培養検査で_L. monocytogenes_ を中心とする、リステリア菌が検出されている。しかし、米国 CDC は数々の研究結果から、標準的なミルクの殺菌処理によりリステリア菌 _L. monocytogenes_ は不活化されるため、上記の報告にあるような殺菌処理済ミルクからの菌検出の原因は不適切な処理または処理後の汚染によるとしている (MMWR)]

● ブルセラ症 ウガンダ
PRO/AH/EDR> Brucellosis, animal, human - Uganda: (RR), RFI 20110909.2751
 情報源 AllAfrica、2011年9月8日
Legislators Issue Alert On Cattle Disease
議会 Members of Parliament (MPs) は 7日、国内各地でブルセラ症流行 outbreak [see commentary] of brucellosis が起きたことへの注意喚起を行った。特に Mbarara District の議員は、ウシからヒトに感染するこの病気への懸念を強め、政府の支援を求めている。生の製品によりウシからヒトに感染するため、時期を逸することなくワクチンを接種するよう訴えた。細菌の _Brucella melitensis_ に感染したウシやヤギなどからの、未殺菌ミルク、ghee 、チーズなどの摂取が原因となる。また、ヒトの不妊や流産の原因にもなると説明した ...
[Mod.AS- この記事にはいくつか不正確な記述が見受けられる。まず、現状は "outbreak" ではなく、継続的な憂慮すべき状況が増悪した結果である。ウシの病原菌として _B. melitensis_ が挙げられている; ウシに最も関係が深いのは _B. abortus_ である。_B. abortus_ (ウシに多い) も _B.melitensis_ (ヤギに多いがウシにも感染) もともに、ウガンダ国内に定着 endemic し、人獣共通感染 zoonotic の状態にある。Mbarara -- 国内で最も重要な酪農地帯 -- で以前に行われた調査でも,ブルセラ症 brucellosis が広く蔓延し、ウシの群れの 55.6 %、個体ごとで 15.8 %、群単位では (最大?) ­90 %に感染が広がっていた。 ウガンダ政府当局からの OIE へ報告 (2005-2010) には、the brucellosis の発生件数やワクチン接種状況などの情報は記載されていない]

● 炭疽 イタリア,スロベニア・否定(2件)
PRO/AH/EDR> Anthrax, livestock - Italy: (Southern Italy) 20110909.2750
 投稿者 伊・Istituto zooprophilattico Sperimentale della Puglia della Basilicata、Antonio Fasanella、2011年9月9日
Campania と Basilicata に挟まれた地域 (South Italy) で、5件の炭疽 Anthrax 感染流行が報告されている。うち3件がウシで、ヒツジとウマが各1件である。ヒトの感染はない。genotype the isolated strains を行っている。

PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - Slovenia (02): (NE) NOT 20110909.2748
Cattle not infected with anthrax; all measures therefore terminated
 情報源 RTV SLO [in Slovenian]、2011年9月8日
Vitanje 市で現地獣医師が5日に炭疽と診断したウシ1頭について、新たに行われた検査は逆の結果と判明した。このウシのいた農場への措置が解除された。

● 鳥インフルエンザ インド OIE
PRO/AH/EDR> Avian influenza (57): India (Assam) new outbreak, OIE 20110909.2747
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2011; 24(36)、2011年9月8日
Highly pathogenic avian influenza, India immediate notification
感染開始時期 2011年8月29日
前回流行時期 2011年7月4日
原因ウイルス highly pathogenic avian influenza virus Serotype: H5N1 
新たな感染流行
発生地  Bhamondanga Pt-1, Agomoni, Dhuburi, Assam 農村
感染した種 Species / 個体数 / 症例数 / 死亡数
Birds / 34 313 / 1436 / 1436
Affected population: 庭先飼育の家禽

● コーヒーの病気,Thread blight インド
PRO/PL> Thread blight, coffee - India: (KA) 20110909.2745
 情報源 The Hindu Business Line、2011年9月6日
Continuous rain leads to berry drop in coffee
the Karnataka Planters Association (KPA) によると、コーヒー栽培地域では、8月の最後の10日間に降り続いた雨により、アラビカ arabica 種の実が落下したうえ、black rot が発生する、二重のトラブルに見舞われている。さらに、カリウムを基本とする肥料が不足していることも、落果の原因となっている。Black rot (koleroga) は、高湿環境で発生しやすい
[Mod.DHA- 真菌の _Corticium koleroga_ (previously _Pellicularia koleroga_, _Ceratobasidium noxium_) は、コーヒーのほか、柑橘類や henna などの熱帯や亜熱帯の植物の thread blight (also called black rot) の原因となる]

● アメリカ腐狙病、養蜂 ニュージーランド
PRO/AH/EDR> American foul brood, apiary - New Zealand: (HB) 20110909.2744
 情報源 Radio New Zealand News、2011年9月6日
Outbreak of bacterial disease in Hawke's Bay hives
養蜂協会長 The Hawke's Bay Beekeepers は、地域内の深刻な腐蛆病流行 significant outbreak of American foul brood disease 発生に関して、農業当局 the Ministry of Agriculture and Forestry [MAF] による無責任な養蜂業者の告発 (公表? prosecute) が必要との見解を示した。ニュージーランドで1877年に初めて確認されたこの細菌性疾患は、ハチの子の病気 the brood diseases の中で最も広い範囲で発生があり、危険である。Napier の南部郊外の the Waiohiki area で発生した流行により、 30 hives が焼却処分に追い込まれた。問題は、当局が一切 prosecute しようとしないことで、2010年にある養蜂家が、5から7か所で死滅したハチの群れ(巣箱) dead hives を発見したが、 prosecute されなかった。春に hives の死滅が確認されたことは、何ヶ月も American foul brood に感染していたことを意味する。感染発生箇所から数kmの範囲内の、感染のない巣箱にも影響が出る可能性があるとしている。
[Mod.TG- American foul brood (AFB) は、幼虫段階 the larval stage のミツバチ _Apis mellifera_ や他の_Apis_ spp に感染する病気で、これらの種が飼育されている世界中の地域で発生が確認されている。病原菌 _Paenibacillus larvae_ はグラム陽性細菌で、感染した幼虫の体内で10億個以上の芽胞を産生する。先端が丸く、直線あるいは時に曲がった桿菌で、サイズはまちまち (幅 0.5 micron 長さは 1.5 から 6 micron) である ... 感染は、 nurse bees もしくは幼虫の細胞内に残る芽胞により伝播される。孵化から53時間以上経過した幼虫には感染しない]