2011年9月16日

類鼻疽-台湾,死亡

● B 型肝炎ウイルス-ウガンダ
PRO/EDR> Hepatitis B virus - Uganda: (TG, GL)  20110916.2826
Hepatitis B hits Kitgum and Gulu
 情報源 The New Vision (Uganda)、2011年9月15日。
危険なタイプの肝炎が Kitgum and Gulu で蔓延していることが議会で取り上げられた。Kitgum district の議員は St. Joseph's Hospital, Lacor で12人の B 型肝炎患者 hepatitis B が確認されており、患者らが Kitgum town council, Muchuni and Adelang の住民であると述べた ... 同議員は Acholi, Karamoja and Lango で発生していると見られると発言した ... Guluでも7人が死亡していると報告された。

● ハンタウイルス-チリ
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2011 - Americas (40): Chile 20110916.2825
[1] チリ (Aysen)
 情報源 Diario el Divisadero [in Spanish]、2011年9月15日。
Santiago の公衆衛生局は、先週末 [10-11 Sep 2011] に死亡した the Lago Verde の33歳の女性1名の検体が、ハンタウイルス Hantavirus 感染の検査で陽性だったと発表した。北部での家族との休暇から戻ったこの女性は、現地でハンタウイルスに感染した。the Aysen region で8人目の患者で、7月の注意喚起の後3人目の死者となったと当局は述べた。
[Mod.TY- The 15 Sep 2011 edition of Radio Santa Maria では、この女性が休暇中留守だった自宅の清掃中に感染したと見られると伝えている。おそらく Andes virus が関係しているだろう]
[2] チリ (Los Lagos)
 情報源 Radio Bio-Bio [in Spanish]、2011年9月5日。
現地保健当局 The Los Lagos health SEREMI の関係者は、the Cochamo community において新たに1例のハンタウイルス感染例が確認され、ここ数ヶ月間の鼠族の個体数増加が関係すると見られると述べた。the Valle El Frio area of the Cochamo community の63歳のこの男性は、ハンタウイルス感染による呼吸困難のため the Hospital Base of Puerto Montt 病院の集中治療室に入院となった。予断は許さない状態であるが、病状は安定している。検査により診断が確定されている。周辺地域では8例のハンタウイルス感染例が確認されている。
関連項目 20110822.2551

● 類鼻疽-台湾,死亡
PRO/EDR> Melioidosis, fatal - Taiwan: (KH, PT) 20110916.2822
 情報源 Focus Taiwan, Central News Agency (CNA) report、2011年9月15日。
台湾南部高雄 Kaohsiung で2011年初の類鼻疽 Melioidosis による死亡患者が報告されたことが、15日に当局 the Centers for Disease Control (CDC) から発表された。市民に対し、環境整備と汚染土壌や汚染水との直接の接触回避が呼びかけられている。 15日現在、全国で15人の感染が確定診断され、9人の感染が疑われている。患者の多くが Kaohsiung City [Kaohsiung Special Municipality] および Pingtung County [Taiwan Province] での感染例であると説明されている。類鼻疽により死亡した2人のうちの1人は Zuoying District in Kaohsiung 在住の69歳の糖尿病患者で、もう1人は Nanzih District の61歳の慢性疾患の患者で、やはり類鼻疽による死亡が疑われている。土壌や水中から原因菌が確認されている、と当局者が述べた。ヒトからヒトへの感染は非常にまれである。潜伏期間は2日から数年に及ぶこともあり、皮膚潰瘍、肺炎、菌血症などの症状が見られると説明した。
[Mod.LL- Melioidosis は土や水に直接触れる人々に感染することが多く、糖尿病(主要なリスク因子)、腎臓病、肝硬変、サラセミア thalassemia、アルコール依存症、免疫療法患者、慢性閉塞性肺疾患、膿疱性線維症、kava (慢性肝疾患に関係する、the pepper family の薬草の1種) の過剰摂取者などの基礎疾患を持つものが多い。ただし HIV infection が重症化するとの明確な証拠はない。すべての年齢に発生するが、40-50歳代での発生が最も多く、女性より男性に多い]

● 狂犬病-ノルウェー・スバールバル、ホッキョクギツネ
PRO/AH/EDR> Rabies, arctic fox - Norway (02): Svalbard 20110916.2828
Rabies found in foxes in Svalbard
 情報源 Press release, Norwegian Food Safety Authority [Norwegian machine-transl.]、2011年9月16日。
スバールバル Svalbard [12-16 Sep 2011] でイヌに殺された1頭のホッキョクギツネ arctic fox が、狂犬病 Rabies に感染していたことを、国立獣医学研究所 The National Veterinary Institute が確認した。このキツネには行動異常が見られたため検査が行われた。別の1頭のキツネとトナカイ reindeer 1頭の検査も行われている。スバールバルで動物の狂犬病が確認されるようになったのは1980年以降のことで、最も新しい事例は2011年の1月である。ノルウェー本土には狂犬病の発生は無く、ペットと旅行する際のワクチン接種は重要である。狂犬病は、動物からヒトに感染する人獣共通感染症で、北極圏ではときおりキツネの感染が発生する。すべての哺乳類に感染の可能性があるが、その頻度は種により異なる。感染した動物の唾液や死体に大量のウイルスが含まれていて、皮膚、粘膜のキズや摂食により感染する。動物の種によって症状が異なるが、行動の異常が見られることが多い。野生動物では行動が大胆になり less shy、家畜は攻撃性を増すことがある。後にマヒ状態となる。

● Usutu ウイルス-ドイツ,鳥類
PRO/AH/EDR> Usutu virus - Germany (02): birds, conf. 20110916.2827
Usutu virus in 4 dead blackbirds from the Mannheim area confirmed
 情報源 Ministerial press release, State of Baden-Wurttemberg, Germany [in German]、2011年9月15日。
" Baden-Wuerttemberg 初の Usutu virus 感染が,マンハイム Mannheim 市と Dossenheim in the Rhein-Neckar-Kreisin で死亡して発見された4 羽の鳥類 blackbirds で確定診断された" と当局 the department of Animal Health Ministry responsible for Rural Affairs and Consumer Protection and the Ministry of Labour and Social Order, Family, Women and Senior citizens が5日公表した。the Friedrich-Loeffler-Institute on the island of Riems において、4 of the Baden-Wuerttemberg samples からウイルスが検出された。2010年に the Rhine-Neckar region の蚊族からウイルスが確認されたばかりだった。"このウイルスが環境中に存在することが明らかになったが、これまで欧州においてはヒトの感染例は only sporadic cases であり、症状も軽微であったことから、過度に心配する必要は無い" と説明されている。The Usutu virus (USUV) は蚊族媒介性の熱帯のウイルスの1種で、基本的に blackbirds などの野鳥に感染する。2001 年に初めてオーストリアで発生が確認された時には鳥類が大量に死亡した。その後はアフリカだけで確認されている。オーストリアでの発生後、野鳥の間でウイルスへの免疫が成立したことが知られている。今回の発見は14日に the Hessian Birkenau で死亡して発見された1羽の dead blackbird からである。
[Mod.AS- アフリカ以外で初めてUSUV が確認されたのは2001年のウィーン Vienna で、 blackbirds (_Turdus merula_) および great gray owls (_Strix nebulosa_) が死亡した。2002年にもオーストリア国内で USUV の感染循環が続き、中欧内のトリ-蚊族感染サイクル内で越冬したことが示された。より最近では、ハンガリー、スイス、イタリア、スペインの鳥類や蚊族の USUV-specific RNA もしくは抗原が確認されている。2009年夏に、イタリアの2人の免疫不全患者の USUV-related illness が報告された。2002年には、英国内の野鳥で抗体が確認されている]
関連項目
Usutu virus - Germany: mosquito isolate, birds susp. 20110913.2792

● ニンジンの病気,Purple lea-スペイン
PRO/PL> Purple leaf, carrot - Europe: 1st rep, (Spain) 20110916.2824
New data on quarantine pests and pests of the EPPO Alert List 
 情報源 European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 8/2011/177、2011年8月0日。
2008年及び2009年、スペイン各地 (Alicante, Segovia, and Valladolid) の商業用ニンジン carrots (_Daucus carota_) 栽培地域で、 _Spiroplasma citri_ の発生が確認された。感染した植物は、葉が巻いて黄色や紫色に変色し、芽の成長が止まり stunting of shoots 、 tap root, and formation of bunchy, fibrous secondary roots などの症状が認められる。米国ワシントン Washington 州から 'carrot purple leaf' が報告されていたが、欧州内のニンジンで _S. citri_ が確認されたのは今回が初めて。
[Mod.DHA- _Spiroplasma citri_ は、南北アメリカ、ニュージーランド、地中海の一部で citrus stubborn disease (CSD; also called little leaf) の原因として報告されていた。CSD の症状には stunting of trees, misshapen fruit, rosetting and distortion of leaves, off-season flowering などがあり、深刻な損失の危険性がある。このほかの作物でも carrot purple leaf and horseradish brittle root diseases などの被害を発生させる]

● 野兎病、ネコ科-米国
PRO/AH/EDR> Tularemia, feline - USA: (IL) 20110916.2823
 情報源 The News-Gazette、2011年9月14日。
Savoy の2軒で飼われていた3匹のネコが、検査の結果野兎病 "rabbit fever" 陽性であることが判明した。イリノイ Illinoi 州ではこれまであまり確認されたことがなかった。現地当局 The Champaign-Urbana Public Health District によると、これらのネコの感染がイリノイ獣医医大学で確認されたのは7月と9月であった