2011年9月26日-28日

ロタウイルス デンマーク
鳥インフルエンザ、ヒト  哺乳類における感染伝播

● ロタウイルス デンマーク
PRO/AH/EDR> Rotavirus - Denmark: zoonotic transmission
Archive Number: 20110928.2935
 情報源 CIDRAP News、2011年9月27日
Zoonotic rotavirus transmission may have occurred in Denmark
デンマーク国内で、2006年に成人2名の動物のウイルス株と関係のあるまれな型のロタウイルスへの感染が発生し、人獣共通感染が疑われたと27日に Epidemiology and Infection. [registration required] での報告で明らかになった。
G8P[14] というこのウイルス株が確認されたのは同じ地域に住む患者2名で、この2名から分離されたウイルス株の the VP7, VP4, VP6, and NSP4 genes の核酸塩基配列が一致した identical 。さらに系統発生学的解析により、ウシとヤギに由来するロタウイルスに非常に近縁のウイルスであることが示された。 著者らは "動物のロタウイルスとの高い遺伝学的相関性と非典型的な疫学上の特徴から、これらのヒトに感染したウイルス human G8P[14] strains は、直接的な人獣感染伝播 direct zoonotic transmission events によるものであることが示唆される" まれな例としている。
原著要約
"Group A rotaviruses はヒト及び多くの動物に感染する。In July 2006 に,まれなロタウイルス rotavirus strain with G8P[14] specificity がデンマークの同じ地域に住む2人の下痢症患者の便検体から検出された。分離されたウイルスの核酸塩基配列分析 Nucleotide sequences of the VP7, VP4, VP6, and NSP4 genes が一致した。系統発生学的解析により、2つの Danish G8P[14] strains は、主にウシとヤギに由来する動物のロタウイルスに分類された。 The high genetic relatedness to animal rotaviruses と the atypical epidemiological features から、これらのウイルス human G8P[14] strains が direct zoonotic transmission events.を介して感染したことが示唆された"

● 鳥インフルエンザ、ヒト
PRO/AH> Avian influenza, human (59): transmission in mammals 20110926.2921
 情報源 New Scientist, issue 2831、2011年9月26日
H5N1 鳥インフルエンザ [avian A/H5N1 influenza virus] によりヒトが死亡することもあるが、ヒトの間での感染伝播が容易ではないため大流行にいたることはなかった。しかしその状況が変化するかもしれない: たった2本の遺伝子の変異 5 mutations により,哺乳類 [フェレット ferrets] 間での感染が可能となることが実験で確かめられた。しかも、変異があるにもかかわらずこのウイルスの [フェレットにおける] 致死性は同じだった。"このウイルスは、季節性インフルエンザと同じくらい効率的に感染伝播した" と the Erasmus Medical Centre (ロッテルダム Rotterdam、オランダ) の研究者 Ron Fouchier は報告した。"このことは、H5N1 ウイルスがヒトにおける重症化の原因となる能力を有しながら、感染伝播を可能にする変化が起こりうることを明らかにした"と1996年にウイルス免疫学の研究でノーベル賞を受賞した Peter Doherty は述べた。H5N1ウイルスは東アジアの家きんで発生し、2004年以降ユーラシア全体に感染が拡大している ... 
今のところ、哺乳類の間で感染が広がりやすいウイルス株はないが、数百万羽の鳥類と共に、ヒトやネコ、ブタでも感染が確認されている。そのようなウイルスの実験的な作成の試みは成功しておらず、一部のウイルス学者は、H5N1ウイルスが(哺乳類に)感染しやすくなることはないと述べていた。
しかし Fouchier's team の実験はこれとは反対の結果となった。最初に鳥インフルエンザを哺乳類に馴化させるとされている変異 H5N1 3 mutations を生じさせたところ,インフルエンザウイルスに対してヒトと同じ反応を示すフェレットはこのタイプのウイルスにより死亡した。しかしフェレット間で感染伝播は起きなかった。次にある動物に対し,より病原体の馴化を進める標準的な方法として,発病したフェレットから分離したウイルスの別のフェレットへの感染実験を行った。10回の厳格な封じ込め stringent containment による操作(他のウイルス感染を起こさせないの意 ?) を繰り返したところ、離れた他のケージのフェレットに感染し死亡させる H5N1 strain がこのフェレットから排泄された。この操作過程で多数の新たな変異が生まれたが、2つの変異については,すべてのフェレットで認められたこの2つの変化と前述の3つの変異をあわせ少なくとも5つの変異が、ウイルスの airborne に必要であることが示唆されたとし、今後この5つだけの変異を持つH5N1ウイルスについて調べることにしている。これらの変異は全て鳥類のH5N1において別個に確認されていた。もし別々に発生しているのであれば、同時に発生することもありえると述べている。香港大学のウイルス学研究者は、このことはヒトの間で感染伝播する transmissible H5N1 ウイルスが、ブタなどの哺乳類を経ることなく、すでに(これらの変異を持つウイルスが循環する)鳥類において発生する可能性があることを意味すると解説する。
H5N1 の哺乳類への馴化に懐疑的な Mount Sinai Medical Center の専門家は、"フェレットはヒトではなく、H5N1 は長い間感染循環している" にもかかわらず、ヒトへの感染が可能なウイルスには変異することはなかったとして、これらの説明を受け入れていない。鳥インフルエンザがどのようにして 1918年のパンデミックウイルスに変化したかについて研究を行っている the US National Institutes of Health の研究者は、"馴化したことがないことをもって、馴化出来ないとは言えない" との意見を述べた ...
[Mod.CP- ... ヒトにおける感染伝播を容易にするのに必要なのは、わずかな変異であることは確かなようだが、自然界でそのような結果に至るためには、適切な淘汰のプレッシャーが必要となる]

● 水銀中毒 米国
PRO/EDR> Mercury poisoning, face cream - USA: (TX) 20110928.2930
 情報源 El Paso Times、2011年9月26日
Mexican beauty cream linked to 6 El Paso mercury poisoning cases
しわやしみが取れると謳っている、メキシコ製の美容クリームに関し、26日に現地当局 the El Paso Department of Public Health から注意が呼びかけられている。テキサス Texas 州で44人水銀中毒患者が発生し米国内での販売が禁止されている "Crema Aguamary"とほとんど同じ "Crema Antiedad y Desmanchadora" というアンチエイジングクリームの使用者6人の水銀中毒が El Paso から報告されている。the Food and Drug Administration は、この種の製品に含まれる水銀の濃度を 1ppm (part per million) 以下に制限しているが、メキシコから輸入されたこのクリームには最大で 130 000 parts per million の水銀が含まれていた。水銀は安価で、高価な chemical peel と同じ作用を持つが、記憶喪失、激しい痛み、腎不全などの重い副作用や死亡の可能性がある。"水銀により皮膚熱傷を負うことで、無理やり皮膚が再生される" と当局者が説明した

● 狂犬病 ロシア,フィリピン(2件)
ロシア
PRO/AH> Rabies - Worldwide 20110928.2938
 情報源 ALL NEWS/Itar-tass.com、2011年9月28日
Over 55,000 people die of rabies in the world every year
世界中で毎年55000人以上が狂犬病 Rabies により死亡し、1000万人以上がそのための治療を受けている。感染症によるヒトの死亡原因の第10位にランクされ、150カ国以上から報告されている。28日に行われた the World Health Organization (WHO) study for the World Anti-Rabies Action Day で公表された。ロシアではこの40年間に、毎年4から22例の発生が報告されてきた。
 "動物による咬傷の結果、毎年 250,000 から 450,000 人が医療を受けた," と 当局 Rospotrebnadzor (Federal Service for Supervision of Consumers Protection and Welfare) が報告した。"近年は、動物における狂犬病の発生状況の影響で、事態は悪化している。野生動物での流行が表面化し、対策に難渋している ... 都市部での公共サービスが不十分なことを背景に、放置される動物の頭数も増加している," と専門家が述べている。飼育動物と肉食の野生動物の双方から、ヒトは狂犬病に感染する。感染性の唾液との接触や、(イヌ、ネコ、キツネ、アライグマ [コウモリ] などによる)咬傷、擦過傷を受けて感染が起きる。適時に行われる、抗狂犬病免疫グロブリン注射と予防接種が、感染リスクのある人への唯一の治療法となっている。ロシア連邦内で使用されているワクチンは非常に有効性が高く、WHO の基準を全て満たしたものである。"国内の狂犬病感染者はすべて、予防接種 anti-rabies course を全く受けなかったり、何らかの理由で最後まで行わなかった人に限られている,"と説明されている。

フィリピン 
PRO/AH/EDR> Rabies - Philippines (04): (WV) canine, human 20110926.2920
 情報源 Philippine Information Agency (PIA) press release、2011年9月25日
Western Visayas の保健当局 The Department of Health (DOH) 管内で、1月から8月までに、5件: 2 were in Iloilo, 2 in Capiz, and 1 in Aklan の狂犬病 Rabies 感染による死亡が発生した。過去2年間、この地域 Region 6 は狂犬病発生トップ10から外れていた

● マラリア インド,ギリシャ(2件)
インド
PRO/EDR> Malaria - India (17): (GJ) 20110928.2937
 情報源 Times of India、2011年9月26日
熱帯熱マラリア  Malaria  _P. falciparum_ を含むマラリアに感染した州内の患者数が増加している。わずか2週間で、州内各地の当局により8228人のマラリア感染が確定診断された。熱帯熱マラリアの患者は2625人に達した。最多の患者数が記録された Surat and Ahmedabad の両市内には蚊族が高密度に発生しており、Surat では 1274 cases、Ahmedabad では 1020 cases が記録された。現在部族地域の Dahod で829人の感染が発生し新たに問題となりつつある。州内の合計患者数が38828人に増えた。

ギリシャ
PRO> Malaria, P. vivax - Greece (05): autochthonous, comment
Archive Number: 20110927.2928
 投稿者 ルーマニア・Corneliu Petru Popescu、2011年9月26日
Further information concerning the 2nd patient diagnosed in Romania
2例目の患者は入院の2ヶ月前から症状があったが、ルーマニアに帰国するまで医療機関を受診しなかった。ギリシャでオレンジの収穫の仕事をしていた。パキスタンなど、多くの国々の人々が同じ農場で働いていた、とこの男性患者が述べている。

● ムンプス 米国
PRO/EDR> Mumps - USA: (IL) university students
Archive Number: 20110928.2936
 情報源 Herald-Whig、2011年9月27日
Mumps outbreak reported on QU campus
保健当局 The Adams County Health Department (ACHD) および大学当局 Quincy University (QU) は、キャンパス内で複数のムンプス Mumps(流行性耳下腺炎)感染者が発生したことを明らかにし、生徒らに対して、ムンプスに関する情報とワクチン接種の機会を提供している、と述べた。患者数は10人未満と見込まれている

● ポリオ
PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (14): Afghanistan, Pakistan, Nigeria, Chad, China 20110928.2934
 情報源 Global Polio Eradication Initiative、2011年9月28日
9月27日現在:
全患者数 2011 / 2010年同期/ Total in 2010
世界全体: 410 / 682 / 1249
 - 常在地域: 153 / 120 / 232
 - 非常在国: 257 / 562 / 1117
各国別報告
 - アフガニスタン 新たに Badghis province において、WPV1の患者1名
 - ナイジェリア 3 WPV1 and one wild poliovirus type 3 (WPV3)
 - パキスタン 新たに2人(WPV1s from Balochistan and Khyber Pakhtunkhwa - KP)
 - チャド WPV1s from Ouaddai and Tandjile
 - 中国 One new case (WPV1)

● 炭疽 カザフスタン
PRO/AH/EDR> Anthrax, human - Kazakhstan (02): (EK), conf. 20110928.2933
 情報源 Gazeta.KZ, KazTAG (Kazakh Telegraph Agency) report [in Russian]、2011年9月27日
Makanchi 村 (Urdzharsky district of East Kazakhstan) に検疫体制が布かれている。Makanchi の18人と Semey の1人が、炭疽 Anthrax に暴露した疑いがもたれている。炭疽の感染源は特定されていない。 22日、Makanchi の45歳男性1名が炭疽感染の疑いで入院となり、26日に検査で確定されている。

● 原因不明の消耗性疾患 中国,AIDS 恐怖症
PRO> Undiagnosed debilitating illness - China (03): AIDS phobia 20110927.2927
[1] Studies solve mystery of 'HIV-negative AIDS'
 情報源 China Daily、2011年5月7日
"HIV 陰性AIDS" であると言い張っていた60人について、AIDS は否定されたが,48人に他の病原体が見つかった。3月31日から5月3日までの期間に行われた調査で、男性52人を含む平均年齢34.2歳の60人の患者らが3ヶ月から10年間にわたって症状に苦しんでいた。病原体が確認された48人は、33人が epidermolysis bullosa 陽性であったのを始め、12 positive for _Chlamydia trachomatis_ (CT), 9 for _Ureaplasma urealyticum_ (UU), 7 for _Neisseria gonorrhoeae_ (NG), 8 for cytomegalovirus [infection] and one for herpes simplex virus [infection]. と言う結果だった ...
[2] No new virus found in China 'HIV-negative AIDS' group: ministry
 情報源 Xinhua News Agency、2011年5月10日
関連項目
Undiagnosed debilitating illness - China (02) 20110409.1108

● 腸炎ビブリオ 米国
PRO/AH/EDR> Vibrio parahaemolyticus, oysters - USA (04): (WA) expanded alert 20110927.2924
 情報源 Los Angeles Times、2011年9月26日
米政府当局 The USA FDA は26日、8月30日から9月19日までの間にワシントン州 Washington State's Hood Canal Area 4 で採取されたカキを摂取しないよう、注意を呼びかけた。これらのカキにビブリオ菌 _Vibrio parahaemolyticus_ 汚染の疑いがあり、これまでにこのカキを食べた5人が発病した集団発生の原因と見られている。問題となっているカキは、23州に出荷されている: Alaska, Arizona, California, Colorado, Connecticut, Florida, Hawaii, Illinois, Indiana, Maryland, Minnesota, Mississippi, Missouri, New Jersey, New York, North Carolina, Oregon, Ohio, Pennsylvania, Texas, Virginia, Utah, and Washington。また、中国、インドネシア、タイ、台湾にも出荷されている。

● 黄熱 ウガンダ
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (19): Uganda ex southern Sudan, Sudan
Archive Number: 20110926.2922
[1] ウガンダ 南スーダンから
 情報源 Afriquinfos [in French]、2011年9月26日
WHO およびウガンダ保健省により、ウガンダ北部における黄熱感染流行 yellow fever [YF] epidemic が確認された。保健相は取材に対し、感染拡大への予防措置が行われることになっていると述べた。WHO 担当者は、南スーダン共和国からの輸入例で Palabek, Kitgum district [Uganda] において確認されたと述べた。黄熱に感染していたのは the state of Eastern Equatoria [Republic of Southern Sudan] の首都 Torit から来たウガンダ人である。"男性は予防接種歴がなく、南スーダンで感染したもので、全ての黄熱患者はきちんと診断されている" と説明されている。WHO によると世界中で年間約20万人が黄熱に感染し3万人が死亡している。
[Mod.TY- 今回の患者および次項の患者らの検査による確定は重要で、肝炎の原因はほかにも多数あるからである。また患者がいた南スーダンの地域に黄熱ウイルスのベクター蚊が存在するのかを知ることも重要である。サーベイランスは不可欠である]
[2] スーダン
 情報源 All Africa、2011年9月15日
North Darfur の難民キャンプ Zamzam and Abushok refugee camps の住民らが、幼児を中心として蔓延している黄熱への不安を口にしている。病院の医師らにより the North Darfur camps における黄熱と下痢症患者の増加が確認されているが、the Zamzam camp で黄熱患者と登録されている患者 registered cases は4人にとどまっていると強調した。"診断確定のために患者らの血液検体を送付しており、医師らが派遣される計画である" と疫学担当のこの医師が述べた
[Mod.TY- 2週間近く前の情報である。15日以降新たな感染は報告されていない。YF cases がいないのか、極端に少ないか、YF の診断が間違っていたかのいずれかである。 20051223.3665 にスーダンの YF virus vectors についての記述がある: 
 "the 1940 outbreak においては、ネッタイシマカ _Aedes (Stegomyia) aegypti_ が果たした役割は小さく、一方 _Aedes (Fredwardsius) vittatus_ and _Aedes (Diceromyia) furcifer/taylori_ (多分、ずっと後ででてくる _Ae. (Dic.) cordellieri_ も含まれているのだと思われる) が多くの感染伝播を担っていたと考えられている。多くの水溜りが存在し蚊族の発生があったことと、キャンプの住民の多くがワクチンを接種されていなかった可能性が高い]

● Fireblight、仁果類 アルジェリア
PRO/PL> Fireblight, pome fruit - Algeria (02): 1st rep. 20110928.2939
 情報源 Le Soir d'Algerie [in French]、2011年9月25日
Bacteria destroyed orchards
"fireblight (火傷病)"と呼ばれる細菌による病気が the province of Tipasa の1000ha の pear と900 ha のリンゴと500 ha の medlar の果樹栽培農地に被害を与えている。2010年4月に初めて発生し,pear の品種の 'santa maria' が最も感染しやすく、果樹の80%が壊滅した ...
[Mod.DHA- Fireblight は細菌の _Erwinia amylovora_ を原因として発生し、世界中の pome fruit trees にとって最も壊滅的な疾患の1つである。 pear, quince, and apple の多くの品種が感染するが、品種 cultivars. によりその程度が異なっている。the _Rosaceae_ のメンバーだけに感染し、その中でも感染するのは主に the sub-family _Maloideae_ (synonym _Pomoideae_) であるが、cultivated rose and bramble varieties などでの感染も確認されており、 140 species from 40 genera. を超える品種に及ぶ]

● White nose syndrome、コウモリ 北米
PRO/AH> White nose syndrome, bats - North America (07): USGS report, comment 20110928.2932
 投稿者 米・National Fish and Wildlife Forensics Lab 、Tabitha Viner, DVM DACVP、2011年9月27日
20110924.2887 に関し。
投稿にはコウモリが WNS [white nose syndrome] を拡散させる1番のベクター the primary vector となっていることの記述がない。常時閉鎖されているため、人が近づくことができない caves and mines において、 WNS 関連死亡が起きていることからも明らかである。モニター監視によりヒトの出入りがなかったことが確かめられている洞窟でも、_Geomyces destructans_ が確認されている。欧州から米国など長距離の移動 jump には、ヒトや物体の関与が強く疑われるがコウモリの関与も否定できない。

● インフルエンザ 米国,イヌ
PRO/AH/EDR> Influenza, canine - USA (02): (TX) 20110928.2931
 情報源 DVM Newsmagazine、2011年9月26日
San Antonio veterinary hospital, kennel battle canine influenza outbreak
Huebner Oaks Veterinary Hospital の獣医師は、犬インフルエンザ流行 recent outbreak of canine influenza について、これまでに約30頭の H3N8 canine influenza を確認したほか、60頭についても感染を疑っている、と述べた
関連項目 20110921.2863

● 伝染性潰瘍症候群、魚類 オーストラリア
PRO/AH/EDR> Epizootic ulcerative synd., fish - Australia (02): (QL) human susp. 20110927.2926
 情報源 The Sunday Mail (QL)、2011年9月25日
Gladstone Harbour の環境が破壊されているとして警鐘を鳴らしている職業漁師らは、当局が指示を出す数ヶ月前から、この湾内では弱って目が見えない潰瘍のある魚類が引き揚げられていると主張している ... 12人の漁師らが、魚類の取り扱いにより体調を崩したと報告している。5日間の入院となった Tannum Sands operator の1人は、足が赤く腫れ、39℃の発熱があったと述べた
[Mod.PMB- Red spot disease [Epizotic Ulcerative Syndrome は重症度の高い ulcerative disease で100種類を超す淡水や汽水の魚類に感染する。真菌の _Aphanomyces invadans_ の感染が原因となる]

● 炭疽 インド
PRO/AH/EDR> Anthrax, elephant - India: (KL) susp. 20110927.2929
 情報源 IBN Live, Express News Service, The New Indian Express、2011年9月26日
the Periyar Tiger Reserve において、炭疽 Anthrax が原因として疑われるような不自然な死に方をしたゾウ1頭が発見され、感染流行の発生が懸念されている。検体について詳細な検査が実施されている
[Mod.MHJ- 数十年も前からインドの野生のゾウの炭疽感染が知られているが、幸いそれほど多くない]

● 狂犬病 ノルウェー,スバールバル
PRO/AH/EDR> Rabies, arctic fox - Norway (03): Svalbard, reindeer 20110927.2925
 情報源 Norwegian Food Safety Authority (Mattilsynet) News、2011年9月26日
スバールバル Svalbard archipelago において、狂犬病 Rabies 感染流行が発生している。これまで、トナカイ reindeers 2頭と、ホッキョクギツネ arctic fox 1頭の、計3頭が狂犬病と診断されている

● 東部ウマ脳炎 米国
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis - USA (15): (VT) emu 20110927.2923
 情報源 Vermont Digger (VTD), Vermont Department of Health press release, 23 Sep 2011、2011年9月25日
バーモント Vermont 州の保健当局 The Vermont Department of Health ならびに農業食品市場 the Vermont Agency of Agriculture, Food and Markets の各当局は23日、Brandon のエミュー1頭の東部ウマ脳炎 eastern equine encephalitis (EEE) 感染が確認されたことを明らかにした。バーモント州内で、生きた動物の EEE virus が確認されるのは初めてで、ヒトでの感染は報告されたことがない。動物とヒトでの EEE 感染は、州境を挟んだ他の州やのカナダ・ケベック Quebec 州で報告されている。2010年に、州内のシカとムースの検体検査で陽性となったことがある

● 豚繁殖呼吸器障害症候群 アジア
PRO/AH/EDR> Porcine reprod. & resp. syndrome - Asia: update 20110926.2919
 情報源 Emerging Infectious Diseases、2011年9月26日
原著  Highly pathogenic porcine reproductive and respiratory syndrome virus, Asia [letter]. Emerg Infect Dis [serial on the Internet]. 2011 Sep; 17(9): 1782-4. DOI: 10.3201/eid1709.110411
近年、新型で感染力の強い豚繁殖呼吸器障害症候群ウイルス porcine reproductive and respiratory syndrome virus (PRRSV) が、東南アジアのブタの間に急速に感染拡大している。このウイルスは、2006年に中国とベトナムで初めて確認された。感染が発生しているのは、ブータン、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、シンガポールで、東及び北アジアでは、韓国とロシアでも報告されている。 [上記URL サイトに地図あり] 大規模商業的飼育施設のみならず、庭先飼育の場でも発生し、世界的な養豚産業にとって、また食の安全上、深刻な問題となっている。2011年2月、モンゴル ・ ウランバートル Ulaanbaatar の獣医学当局 the Veterinary and Animal Breeding Agency が、PRRS 感染流行の発生を確認した。日本、北朝鮮、インドネシア、ほかアジア太平洋地域の国々とっても、感染発生の危険性がある

● ダイズ脈管壊死ウイルス 米国
PRO/PL> Soybean vein necrosis virus - USA: update 20110926.2918
[1] A new disease of soybeans
 情報源 Farms.com, Penn State University report、2011年9月21日
[ペンシルベニア Pennsylvania 州において] 2011年、既知のダイズウイルスの感染では説明不可能な症状が確認された。 Soybean Vein Necrosis Virus (SVNV) と呼ばれる、比較的新しいウイルス感染の症状ではないか、と見られている。2008年にテネシー Tennessee とアーカンソー Arkansas 州で発見され、その後、ニューヨーク New York やデラウェア Delaware、メリーランド Maryland などでも確認されている ...
[2] Soybean vein necrosis virus in Delaware, Maryland, and Virginia
 情報源 University of Delaware, Weekly Crop Update、2011年9月16日
12日の週、Soybean vein necrosis virus 感染が確認された
[3] May be new virus on soybeans
 情報源 Carroll County Times, Ag Today report、2011年9月10日
[メリーランド Maryland 州にとって] 新種のダイズのウイルスが発生した可能性があり、確認はされていないが、 soybean vein necrosis virus.による症状と見られている ...