2011年9月8日

◎ ヒストプラズマ症-英国: ウガンダから

● B 型肝炎-インド
PRO/EDR> Hepatitis B - India: (KA Kerala) Kochi city, RFI
Archive Number: 20110908.2739
 情報源 The Times of India、2011年9月7日。
Aluva and Paravoor districts から、6日新たに 8人の B 型肝炎 Hepatitis B の患者が報告された。感染流行は the Ernakulam district の他の地域にも広がり、当局は感染拡大防止策を実施しているものの、新たな患者発生により、その効果は疑問視されている。 Kothamangalam [another town located in an eastern part of Ernakulam district] でも、各地で感染患者の報告があり、当局は医療施設などの設置を開始した ...
[Mod.CP- B 型肝炎ウイルスの感染経路やどのような対策が実施されているのか、分からない]

◎ ヒストプラズマ症-英国: ウガンダから
PRO/EDR> Histoplasmosis, researchers - UK: ex Uganda, alert 20110908.2738
 投稿者 英・Royal Liverpool University Hospital、Dr Lucy Cottle、2011年9月7日。
ウガンダでの生物学野外調査 biology field trip 後に、急性肺ヒストプラズマ症 acute pulmonary histoplasmosis と診断された英国在住の 22歳女性の患者について報告する。患者は6月19日から 7月20日までの 1か月、コンゴとの国境に近いウガンダ西部 [Kabarole district] Fort Portal 近郊の熱帯雨林で、昆虫、霊長類およびコウモリについての調査を行っていた。最終週に一度だけ、同僚の学生とともにコウモリが多数生息する中空の樹木に登っている。7月24日からのカナダ旅行中、8月1日にインフルエンザ様症状を発症し、乾いた咳や軽い労作性の息切れを感じるようになった。カナダで撮影された胸部 X 線検査で、び慢性粒状影 diffuse, miliary shadowing が認められた。誘発喀痰検査の AFB 染色は陰性だった。8月22日に英国に帰国後も、労作性呼吸困難と胸痛は治まらなかった。Blackpool Victoria Hospital で再度診察を受けたところ、room air での酸素濃度が 93%、胸部レントゲン検査ではび慢性結節性陰影が残存し、右葉に壁の薄い空洞形成が疑われた。肺ヒストプラズマ症の疑いで Tropical and Infectious Disease Unit at the Royal Liverpool University Hospital に紹介され、血清学的検査で確定診断された。ウガンダを訪れたこのグループの 24人のうち、ほか8人がそれぞれの国(英国でもう 1人と、オーストリア、スイス、オランダ、スウェーデン、ポーランド、南アフリカ、マダガスカルの各 1人) でヒストプラズマ症と診断された。8人はいずれも the bat-infested tree に登り、同じリスク因子への曝露を共有していた。この 9人以外に、このグループの 10人目の患者として、オランダ人 1名がケニアへの旅行中に粟粒結核と診断されている。報告した患者については the GeoSentinel Surveillance site への報告を行った。患者は治療を必要とせず自然に回復した。
[Mod.LL- Medscape より;
"_Histoplasma capsulatum_ は二形性真菌 dimorphic fungus の1種で、周囲の温度 ambient temperatures により菌糸状 mycelial のままとどまったり、哺乳類の体温で酵母 yeast として成長したりする。感染によりヒストプラズマ症 histoplasmosis が発生する。 histoplasmosis の病原真菌は世界中の温帯地方で確認されているが、米国内では the Ohio, Missouri, and Mississippi River valleys の各州に常在する。世界的に見ると北中米・東欧南欧・アフリカの一部地域・東アジア・オーストラリアなどの河川渓谷 river valleys に多く見られる。endemic for histoplasmosis の地域の土壌は、菌糸の生育に好適な、高濃度の有機物質を含む酸性湿性環境を与えている。コウモリや鳥類の生息する地域に近い場所で、高感染性土壌が確認される。鳥類は真菌に感染することがあるが、感染伝播は起こらない: しかし、鳥類の排泄物が土壌に混じると菌糸の発育培地が富栄養化される。一方、コウモリは感染することもあり、また排泄物を介して histoplasmosis を感染伝播させることもできる。土壌の汚染により数年以上感染性が持続することもある。汚染土壌を掘り返す建設や再開発事業に伴ってアウトブレイク が発生してきた。加えて常在地域への旅行でも、数百mも飛散する airborne spores による感染リスクがある。感染した人の大部分 (約 90%) は無症状である。発病は免疫不全や大量に吸入した場合に多い。細胞性免疫に問題がある場合、治癒した肉芽腫 healed granulomas に潜伏し、再発することがある。 発病は曝露から3-14日後に発生し、発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、腹痛、悪寒などが多く見られる症状であり、大抵は自然治癒する。大量に曝露した場合、び慢性肺病変により重症呼吸困難をきたすことがある。患者の5-6%に関節痛と皮膚病変を認めるが女性に多い。5-10%に肺門および縦隔リンパ節腫大が認められる。咳、血痰、呼吸困難、胸痛などが見られることもあり、気道や循環への圧迫の程度による。傍気管への浸潤により、気管および気管支が圧迫され、咳や呼吸困難が生じる。"
アフリカヒストプラズマ症 African histoplasmosis は、真菌の _Histoplasma capsulatum_ var. _duboisii_ を原因とする全身感染症で、わずかな例外を除けば、アフリカ大陸中央部で発生し、西及び中央アフリカの特にナイジェリア、セネガル、コンゴ民主共和国、アンゴラに最も多い。The _duboisii_ variety は _H. capsulatum_ var. _capsulatum_ の平均2倍の大きさの酵母細胞を持つ。the _duboisii_ variant は概して、初期の肺病変よりも皮膚・骨・リンパ節への播種病変で気づかれることが多い。 2つの variants の播種は免疫が抑制された場合に起こりやすい]

● 炭疽-ザンビア
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, hippopotamus - Zambia (03): (EP) 20110908.2737
 情報源 AllAfrica, Times of Zambia report、2011年9月8日。
Chama District (Eastern Province) の炭疽 Anthrax 感染が疑われる患者数が、120人から278人に増えたことが、8月29日に保健省から発表された。現地 Eastern Province の医療当局者は7日,Chama において炭疽感染が直接関与した死者は5人であると述べた。地区内で炭疽により90頭以上のカバが死亡している。患者らはカバの肉に触ったり食べたりして感染したことが分かった。当局は Chama と周辺地域の住民に対し、感染拡大を防ぐため、狩猟で得た肉 game meat を食べないよう呼びかけている
[Mod.MHJ- カバの感染が止まらない限り、ヒトの感染は続くだろう]

● 小反芻獣疫-イスラエル OIE
PRO/AH/EDR> Peste des petits ruminants - Israel: (HA) OIE, RFI 20110908.2742
Peste des petits ruminants, Israel Immediate notification 
 情報源 OIE-WAHID Weekly Disease Information Vol. 24 - No. 36、2011年9月7日。
感染開始時期 2011年8月28日
前回流行時期 2006年2月
原因ウイルス  Peste des petits ruminants [PPR] virus
新たな感染流行
発生地 HAIFA (UMM AL-FAHM, Hadera)
感染した種/頭数/ 感染数 / 死亡 / Destroyed/ Slaughtered
ヒツジ Sheep / 54 / 13 / 5 / 0 / 0
アウトブレイクの原因 違法な生きた動物の持ち込みなど

● 大量死、鳥類-ロシア、ボツリヌス症
PRO/AH/EDR> Die-off, avian - Russia (02): (KX) wild bird, botulism 20110908.2736
Mass bird mortality in a popular Siberian lake due to lethal toxin
 情報源 Komsomolskaya Pravda [in Russian]、2011年9月5日。
人気リゾートの Lake Tagar [Minusinsk district, Krasnoyarsk krai territory] で、2週間に約600羽のダックが死亡した。獣医学当局者は原因究明を急いでいる。1年前にも同じ9月に同じ場所で大量死が発生し、約2000羽のダックが被害を受けたが、原因不明のままである。今回専門家らにより、湖内の植物の有機的腐敗によりボツリヌス菌 _Clostridium botulinum_ が発生していたことが判明した。
参考情報 avian botulism 20100709.2294

● パラミクソウイルス、ハト-オーストラリア
PRO/AH/EDR> Paramyxovirus, pigeons - Australia: (VI) 20110908.2735
[1] 6つの群れのハトの80-90%が死亡した
 情報源 Adelaide Now、2011年9月7日。
South Australian (SA) の家禽飼育業者らは、中国で発見されたのと同じ新種の家きんのウイルスの発生による影響を懸念している。The avian paramyxovirus がオーストラリアで初めて発生し、広い範囲のハトで被害が発生している。当局はハト愛好家ら pigeon fanciers に対し,ウイルス感染の拡大防止のため飛行させないよう求めている ... the avian paramyxovirus は家きんのニューカッスル病 Newcastle disease と類似し、Australia ではこれまで報告されたことがなかった。Victoria 州北西部 the Shepparton district とメルボルン Melbourne でレース用とショーを含む6つの群れのハトの80-90%が死亡した ...
[2] オーストラリアでの確認はこれが初めて
 情報源 The Age、2011年9月6日。
ヒトにも感染する可能性のある、まれなウイルス A type of avian paramyxovirus により、ビクトリア州のハトが大量に死亡した。オーストラリアでの確認はこれが初めてであった ... ヒトの感染では軽症で短期間の結膜炎やインフルエンザ様症状しか起こさない、と説明されている
[3] 商用家禽にワクチン接種
 情報源 ABC News (Australian Broadcasting Corporation)、2011年9月7日。
ハトを死亡させるウイルスの感染が、他の鳥類に波及する可能性が出ているため、ビクトリア州政府当局は検疫体制をとる事になった。商用家禽業者らは、ワクチン接種を行った ...
[4] 同内容
 情報源 Xinhua News Agency、2011年9月6日。
[Mod.TG- Pigeon paramyxovirus type 1 (PPMV-1) は Newcastle disease virus (NDV), に非常に近い関係にあるウイルスで、同じ _Paramyxoviridae_ 科に分類され、 paramyxovirus type 1 と呼ばれる同じ serotype に含まれている。抗体刺激に対する抗原性のはっきりした違いで、両者を鑑別することは可能である。1970年代後半に中東のハトから初めて分離された PPMV-1 は、その後北アフリカ中に広がり、1981年にイタリアから報告され世界中に広まった。PPMV-1 はハト pigeons, ドバト doves や観賞用の鳥類でも確認されている。PPMV-1 はニワトリからハトへの感染伝播が繰り返された結果生じた a variant form of NDV of chickens である可能性が指摘されている]