2011年10月2日

麻疹 (34) スイス(高い摂取率での流行)ECDC
マラリア-南スーダン

● 麻疹 (34)
PRO/EDR> Measles update 2011 (34)
Archive Number: 20111002.2973
[1] 英国 (Kent)
 情報源 BBC News、2011年9月30日。
保健当局 The HPA [Health Protection Agency] によると、 Kent で2011年の7月までに発生した麻疹 Measles 感染者数は、2010年の6例の10倍以上となる62例に達し、主な患者は小児と若年成人だった。多くがワクチンを受けていない、大学などの学校の生徒間での集団発生だった
[2] スイス (2003 - 2010)
Measles in Geneva between 2003 and 2010: persistence of measles outbreaks despite high immunisation coverage
 情報源 Eurosurveillance, Volume 16, Issue 39 、2011年9月30日。
高い予防接種率 high immunisation coverage にもかかわらず、2003年から2010年にかけて the canton of Geneva で複数の麻疹感染流行が発生し、161 reported cases (52 in 2003, 16 in 2005 and 93 in 2007-2010) が報告された。患者は主に 10-14 year-old children in 2003 (31 percent) と20歳以上の成人 in 2005 (75 percent) and 2007-2010 (39 percent) だった。遺伝型に多様性 the diversity of the genotypes (D8, D6, D5, D4 and G3) が認められたことにより、他の canton などからの輸入患者が複数例あったことが確かめられている。流行年により、家庭内 (54 percent) と学校内 (22 percent) in 2003や、病院内 (71 percent) と家庭内 (29 percent) in 2005、あるいは家庭内 (55 percent) と学校内 (26 percent) in 2007-2010,での感染伝播が中心だった。感染した患者の中でワクチンを接種されていたのはそれぞれ6% in 2003, 27 percent in 2005 and 2 percent in 2007-2010 で、2回の接種を完了していた感染患者はいなかった
Between 2003 and 2008 の、特に the 2nd dose の measles vaccine coverage は、生後28か月では 23 percentage 上がって 91.7 percent、5-6歳の接種では27%上がって 92.3%、13-14歳では 19 points 上がって 86 percent に改善していた。
国際基準として接種率が高いものの,麻疹根絶には不十分な状況下であったことから,サーベイランス等 efficient surveillance and early control measures により感染流行の発生を抑え,teenagers and young adults の Catch-up vaccination を強化することが望まれる。
[3] エクアドル (Ambato)
 情報源 EL Universo [in Spanish]、2011年9月27日。
9月26日、疫学当局者 The National Director of Epidemiology が合計8人の麻疹感染が確定診断され、うち2人が "African genotype" [i.e. B-3 genotype;] による感染であることが確認されたと明らかにした。小児1名の肺炎による死亡が疑われている,the outbreak in the parish of Quisapincha in Ambato に関する会見で明らかにされた。欧州を発生源とする海外からの感染流行で、Quisapincha を訪れた商業団体により導入されたと説明されている
[Mod.CP- Ambato は Andean valley of Ecuador 中部の都市で the province of Tungurahua の州都であり、海抜2577 meters に位置する。
以下に、Elcomercio.com [in Spanish] からの抜粋を提示する; 
 "Quisapincha Parish は Tungurahua の中で最も古い先住民族の村の1つであり、州都からわずか30分足らずの場所にありながらその開発は Ambato より遅れている。この10年間に、セーターなどの製造業により Quisapincha である程度の開発が進んだ。また the Ambato-Pinilo-Ambatillo-Quisapincha road が舗装され、the Parque Provincial de la Familia が建造されたことで商業的な観光事業も大幅に増加した。
Quisapincha では近年の麻疹感染流行が大きな問題となっている。Hospital Docente Ambato (Ambato Teaching Hospital) の支援があるものの治療の改善に至っていない]
[4] 米国 (CDC - India update)
 情報源 dalje.com, a UPI report、2011年9月30日。
米国 the Centers for Disease Control and Prevention (CDC) からの報告によると,2008年に世界中でおよそ16万4000人が麻疹感染により死亡し、73万3000人が感染した。Morbidity and Mortality Weekly Report 掲載のこの報告によると、2008年の死亡患者の77%が東南アジアで発生し、死者の多くがインドで発生していた。"インドにおける麻疹による死亡を減少させることが the global goal of 95 percent reduction in measles deaths by 2015(2000年比)に最も重要である" とされている。"全ての小児に対して2回の麻疹ワクチン接種を行うことが、麻疹による死亡減少のための重要なステップであるが、インドは最近まで1回のみの接種を行う数少ない国の1つであった."
[5] オーストラリア (update)
 情報源 Medical Observer、2011年9月26日。
2011年のオーストラリアでは、2010年と比較して麻疹感染の患者が約2倍に増加したと当局者 the National Centre for Immunisation が説明した。若年成人のワクチン接種率の低さが要因であり、この集団は海外旅行する確率が高く、一部のコミュニティ内でのワクチン接種の落ち込みが認められている。9月までに136例の麻疹感染が報告されているが、2010年は70例だった。約61% (82 individuals) がワクチンを受けていなかった ... ワクチンの接種が1回だけだった the 1970s and '80s 生まれのオーストラリア人は接種率が低く、海外旅行を好むことから、懸念材料となっている
[6] ニュージーランド New Zealand
 - 最新状況:Scoop Health、2011年9月27日。
オークランド保健当局 Auckland Regional Public Health Service は、9月23日以降に新たに11例の麻疹感染を報告する。9月27日現在の累積患者数は、5月30日以降に確定診断された症例179例となった
 - (機内での感染): The Dominion Post via stuff.co、2011年9月30日。
ビクトリア州大学 Victoria University の19歳の学生1名が、9月にオークランド Auckland からウェリントン Wellington に向かう国内線のフライトの中で麻疹に感染した
 - (Waikato):stuff.oc 、2011年9月30日。
保健当局 Waikato health authorities は地域内の不十分なワクチン接種率のため、麻疹感染拡大は不可避だとしている。7-31歳の24人の麻疹感染が確認されている

● 食中毒-タイ
PRO/MBDS> Food poisoning - Thailand: Chai Nat, RFI 20111002.2972
 情報源 National News Bureau of Thailand Public Relations Department、2011年10月2日。
被災者100人が、提供された料理を食べて嘔吐や下痢などの重い食中毒に苦しんでいる可能性があると報告された。公衆衛生省によると Chai Nat province の10箇所の臨時の診療所で診察を受け病院に搬送された。寄付されたインスタントラーメン、チャーハンなどの食品を食べた洪水の被害者らが発病した。

● ダニ媒介性脳炎-オーストリア
PRO/AH/EDR> Tick-borne encephalitis - Austria (04) 20111002.2971
Tick-borne encephalitis prevalence in Austria
 投稿者 TravelMedCenter Leonding ・ Martin Haditsch, MD, PhD、2011年10月1日。
スウェーデンで述べられたことはオーストリアにも当てはまる。以前は年間50-60例(100以下)であったダニ媒介性脳炎の患者が、9月29日の時点ですでに100例を超えた。
関連項目 Austria (03) risk 20110712.2105

● 日本脳炎など-インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (23): (BI) 20111002.2970
 情報源 Xinhua News Agency、2011年10月1日。
インド北部のビハール Bihar 州で、6月以来100人以上の小児が脳炎と見られる病気で死亡した。過去7週間に Bihar's Gaya districtでは少なくとも51人の小児が死亡した。多くは、極貧のカーストの子どもらであった。州都 Patna から約 100km離れた Anugrah Narain Medical College and Hospital in Gaya で死亡した。高熱の後に、意識不明や痙攣状態となったと報告されている 

● マラリア-南スーダン
PRO/EDR> Malaria - South Sudan : (Unity) 20111002.2968
 情報源 Sudan Tribune、2011年9月30日。
Unity state の保健当局によると、最近増えているマラリア Malaria 感染により、10人が死亡した。入院患者の80%がマラリアに感染していると医師らは話している。多くの住民が、マラリア感染に対する予防に無関心であるが、市民らは当局の対応の欠如を指摘する
[Mod.EP- 南スーダンを含むスーダンに関する報告 Efficacy of chloroquine and sulfadoxine/pyrimethamine mono- and combined therapy against falciparum malaria in Sudan. East Mediterr Health J. 2007; 13(1): 25-34 の中で、南スーダンの小児マラリア患者の80%がクロロキン chloroquine による治療が不成功に終わり、sulfadoxine/pyrimethamine による治療の4.4%が失敗し、2剤の併用による改善は見られなかったと記載されている。2010年の報告 (Descriptive study on the efficacy of artemether-lumefantrine in the treatment of uncomplicated _Plasmodium falciparum_ malaria in Sudan. Eur J Clin Pharmacol. 2010; 66(3):
231-7) では、Artemisinin をベースとした治療が効果的であったことが示された。結果、WHO から、政府は artemisinin-based combination therapy (ACT) に変更するよう推奨されている]

● サイクロスポーラ症-米国
PRO> Cyclosporiasis - USA (02): background 20111002.2967
20111001.2960 に関し。
 情報源 GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network)、2011年10月2日。
ジョージア Georgia 州で感染流行が発生したが、Cyclospora_ は米国内で報告される寄生虫性腸管感染症として最も少ない。

● 狂犬病-ボリビア
PRO/AH/EDR> Rabies - Bolivia (07): (CB) canine, human exp. 20111002.2969
 情報源 FM Bolivia, El Diario report [in Spanish]、2011年9月30日。
コチャバンバ Cochabamba 州では、1日のうちに4例のイヌの狂犬病 Rabies 感染が報告された。the Avenida Petrolera area の 2例と、the Tiquipaya municipality と the Maica area の各1例だった。the Avenida Petrolera (the Cercado municipality) の1頭に飼い主が襲われている