インフルエンザ H3N2v 病原性と感染伝播性
● プリオン病 (04)
PRO/AH/EDR> Prion Disease update 2012 (04)
Archive Number: 20120407.1093352
[1] 英国 UK: National CJD Surveillance Unit -- monthly statistics
情報源 UK National CJD Surveillance Unit, monthly statistics、2012年4月2日。
the total number of definite or probable vCJD cases (dead and alive) remains 176 (変更なし)2012年のこれまで vCJD iCJD とも 0
[2] Atypical BSE -- スイス Switzerland:Mad cow strain found in Switzerland
情報源 World Radio Switzerland、2012年3月12日。
獣医学当局 The Federal Veterinary Office による監視プログラム活動の中で、ベルン the canton of Bern において、狂牛病 one case of mad cow disease が確認された。当局によると、従来の型 a classical case of BSE ではなく、非定型病原体 an atypical strain による感染とされている。すなわち、2005年に禁止された一部の動物飼料による感染、ではない事を意味する。2006年にスイスに輸入されたウシだった。2007年以降、今回発生するまで、国内で BSE の発生はなかった ...
[3] Mutation and selection of prions
情報源 Prions. PLoS Pathog 8(3): e1002582. doi:10.1371/journal.ppat.1002582 (2012)、2012年3月29日。
導入
プリオン病、あるいは伝染性海綿状脳症 transmissible spongiform encephalopathies (TSEs) は、ヒト、ウシ、ヒツジ、シカなどのいくつかの種に自然発生するとともに、この他の種にも実験的に伝播させることが可能である。典型的な潜伏期間は、ヒトでは40年以上と比較的長期である; しかし発症後は、ホスト蛋白の異常な配座異性体 abnormal conformers PrP の蓄積を伴う神経変性の結果、死亡までの期間は1年以内と短期間であることが多い。
自然感染の多くは経口的に起きており、このような例として、パプアニューギニアのフォレ Fore の人々の間で、食人習慣に伴って発生する the kuru epidemic ; 20世紀末に英国で発生した牛海綿状脳症 the bovine spongiform encephalopathy (BSE) は汚染された肉骨粉飼料をウシに与えたことが原因; 現在米国内19州のシカ科動物に発生する慢性消耗性疾患 the current epizootic of chronic wasting disease などがある。
若い人への BSE prions 伝播により、新たな疾患 variant Creutzfeldt-Jakob disease (vCJD) の限定的な小集積が、ほぼ英国内だけで発生した。散発性のプリオン病は、ヒト (sCJD) やウシ (atypical BSE) の間で低い頻度で起きており、発症例の体内で自然発生したプリオン spontaneous generation of prions が原因だと考えられている。
最後に、家族内発生型のプリオン病については PRNP 遺伝子の突然変異 a variety of different, dominant mutations in the PRNP gene が関係し、このような家系はまれであるが浸透率は非常に高い。
以下、プリオンの複製、種類 Prion Strains、種の壁、プリオンの進化、結語、参考資料。
[Mod.CP-[1] 2011年、英国内で vCJD は5例発生したのに対し、2012年の第一4半期の発生数は0、[2] スイス国内で the typical (atypical の間違い?) BSE strain が発見されたことの意義は不明、[3] プリオンの変異と選択に関する論文 The PLoS paper は、プリオンが薬剤耐性を獲得する可能性があるとの発見が創薬に与える影響が大きいことから、全面的に見直されてきた。PrPSc を狙った薬剤は、複数の薬剤を併用したり、PrPC 同志を結合させたり安定化させたりする作用を持たせたりする、ことが必要になる可能性がある。また、少なくとも動物において、PrPC 切断? ablation が必ずしも治癒につながることが確認されていない事を考えると、合成抑制を目的とした薬剤開発の効果に期待が持たれる。現時点で治療に有用な薬剤はないが、詳細なプリオンの分子生物学的洞察により、新たなアプローチへの道が開かれるかも知れない]
● インフルエンザ (25) H3N2v 病原性と感染伝播性
以下、プリオンの複製、種類 Prion Strains、種の壁、プリオンの進化、結語、参考資料。
[Mod.CP-[1] 2011年、英国内で vCJD は5例発生したのに対し、2012年の第一4半期の発生数は0、[2] スイス国内で the typical (atypical の間違い?) BSE strain が発見されたことの意義は不明、[3] プリオンの変異と選択に関する論文 The PLoS paper は、プリオンが薬剤耐性を獲得する可能性があるとの発見が創薬に与える影響が大きいことから、全面的に見直されてきた。PrPSc を狙った薬剤は、複数の薬剤を併用したり、PrPC 同志を結合させたり安定化させたりする作用を持たせたりする、ことが必要になる可能性がある。また、少なくとも動物において、PrPC 切断? ablation が必ずしも治癒につながることが確認されていない事を考えると、合成抑制を目的とした薬剤開発の効果に期待が持たれる。現時点で治療に有用な薬剤はないが、詳細なプリオンの分子生物学的洞察により、新たなアプローチへの道が開かれるかも知れない]
● インフルエンザ (25) H3N2v 病原性と感染伝播性
PRO/AH> Influenza (25): H3N2v, pathogenesis & transmission 20120407.1093271
No increased virulence in novel H3N2 viruses, related swine strains
情報源 CIDRAP News、2012年4月6日。
米国の研究者らが、昨年 (2011年) 米国内で確認された12例のヒト感染例のうちの1例から分離された新型再集合 H3N2 インフルエンザウイルス (H3N2v) と、ブタから分離された関連する複数の H3N2 ウイルスのいずれについても、病原性が強まったとの証拠は得られなかった、と述べた。昨年の夏と秋に確認されたこの12例の H3N2v infections は、パンデミックウイルス the pandemic 2009 H1N1 (pH1N1) virus の遺伝子 the M (matrix) gene を含んだブタ由来 H3N2 strains による感染だった。the Journal of Virology [see Abstract below] の報告の中で、内部遺伝子の三重 (トリプル) 再集合によるブタ H3N2 ウイルス swine H3N2 viruses with triple-reassortant internal genes (H3N2-TRIG) は、1998年以降、米国内に広くまん延している、と述べられている。パンデミックウイルス the pH1N1 virus がヒトからブタに感染した結果、pH1N1 を構成する遺伝子の一部を含む再集合 H3N2 ウイルスが生まれ、著者らはこれを rH3N2p と名付けた。2009年から2011年の間にブタから分離された H3N2 ウイルスの遺伝子を解析したところ、米国内のブタの間に、種類の異なる rH3N2p genotypes が存在し、いずれも pH1N1 の the M gene を含んでいることが分かった。研究チームは、1件のヒトのウイルス a human H3N2v isolate と、2件のブタから分離された H3N2 ウイルス two swine H3N2 isolates -- an H3N2-TRIG、および1件の an rH3N2p について、病原性、感染伝播性、遺伝学的並びに抗原性特性の比較を行った。その結果、ブタにおいて、the H3N2v and rH3N2p viruses は、(それらが新興する) 背景となった the background H3N2-TRIG strain と比べ、病原性 virulent 増加の証拠は認められず、することはなく、感染のあったブタのほとんどが軽い症状を示したことが判った。著者らはまた、最近分離された rH3N2p isolates の一部は、the human H3N2v strain とともに、別の遺伝的クラスター (separate genetic cluster) を形成している可能性がある点を指摘している。これらの得られた知見は、インフルエンザ A ウイルスがヒトと動物の間を容易に往き来し、ブタが再集合ウイルスを生み出す役割を果たしていることの、新たな証拠として加わったと述べている。H3N2 ウイルスを引き続き注視することが、進化とブタとヒトの集団免疫からの逸脱の評価にとって不可欠である、と結論づけられている。
原著 Pathogenicity and transmission in pigs of the novel A(H3N2)v influenza virus isolated from humans and characterization of swine H3N2 viruses isolated in 2010-2011. J.Virol., online ahead of publication
要約
No increased virulence in novel H3N2 viruses, related swine strains
情報源 CIDRAP News、2012年4月6日。
米国の研究者らが、昨年 (2011年) 米国内で確認された12例のヒト感染例のうちの1例から分離された新型再集合 H3N2 インフルエンザウイルス (H3N2v) と、ブタから分離された関連する複数の H3N2 ウイルスのいずれについても、病原性が強まったとの証拠は得られなかった、と述べた。昨年の夏と秋に確認されたこの12例の H3N2v infections は、パンデミックウイルス the pandemic 2009 H1N1 (pH1N1) virus の遺伝子 the M (matrix) gene を含んだブタ由来 H3N2 strains による感染だった。the Journal of Virology [see Abstract below] の報告の中で、内部遺伝子の三重 (トリプル) 再集合によるブタ H3N2 ウイルス swine H3N2 viruses with triple-reassortant internal genes (H3N2-TRIG) は、1998年以降、米国内に広くまん延している、と述べられている。パンデミックウイルス the pH1N1 virus がヒトからブタに感染した結果、pH1N1 を構成する遺伝子の一部を含む再集合 H3N2 ウイルスが生まれ、著者らはこれを rH3N2p と名付けた。2009年から2011年の間にブタから分離された H3N2 ウイルスの遺伝子を解析したところ、米国内のブタの間に、種類の異なる rH3N2p genotypes が存在し、いずれも pH1N1 の the M gene を含んでいることが分かった。研究チームは、1件のヒトのウイルス a human H3N2v isolate と、2件のブタから分離された H3N2 ウイルス two swine H3N2 isolates -- an H3N2-TRIG、および1件の an rH3N2p について、病原性、感染伝播性、遺伝学的並びに抗原性特性の比較を行った。その結果、ブタにおいて、the H3N2v and rH3N2p viruses は、(それらが新興する) 背景となった the background H3N2-TRIG strain と比べ、病原性 virulent 増加の証拠は認められず、することはなく、感染のあったブタのほとんどが軽い症状を示したことが判った。著者らはまた、最近分離された rH3N2p isolates の一部は、the human H3N2v strain とともに、別の遺伝的クラスター (separate genetic cluster) を形成している可能性がある点を指摘している。これらの得られた知見は、インフルエンザ A ウイルスがヒトと動物の間を容易に往き来し、ブタが再集合ウイルスを生み出す役割を果たしていることの、新たな証拠として加わったと述べている。H3N2 ウイルスを引き続き注視することが、進化とブタとヒトの集団免疫からの逸脱の評価にとって不可欠である、と結論づけられている。
原著 Pathogenicity and transmission in pigs of the novel A(H3N2)v influenza virus isolated from humans and characterization of swine H3N2 viruses isolated in 2010-2011. J.Virol., online ahead of publication
要約
"トリプル再集合を持つ豚インフルエンザウイルス [Swine influenza virus (SIV) H3N2 with triple reassorted internal genes (TRIG)] は、1988年以降、米国の動物にまん延した状態 enzootic となっている。 the 2009 pandemic H1N1 (pH1N1) virus が米国のブタに感染伝播し、endemic SIV との再集合の結果、the novel H3N2 genotypes (rH3N2p) などの再集合ウイルスが新興した。2011年7月から12月までの間に、12人の the pandemic matrix (pM) gene (A(H3N2)v) を含んだブタ由来 swine-lineage H3N2 ウイルス感染が確認された。本研究で塩基配列解析を行った 2009-2011年にブタから分離された H3N2 ウイルスと、他の塩基配列が決定されている入手可能な H3N2 ウイルスの全ゲノム解析により、2009年以降の米国内ブタの間に、6種類の異なる rH3N2p genotypes が存在することが判明した。all rH3N2p genotypes には the pM gene が含まれているとの共通の特徴が認められたが、ブタの集団において優位性を持つ、特定の genotype は確認されなかった。a human A(H3N2)v isolate and two swine H3N2 isolates, H3N2-TRIG and rH3N2p について、病原性、伝播性、遺伝学上、および抗原性の特性を比較した。Our _in vivo_ study では、A(H3N2)v or rH3N2p viruses が、endemic H3N2-TRIG virus に比べ、毒性が高まったとの証拠は得られなかった。 cluster IV H3N2-TRIG and rH3N2p viruses 抗体の、A(H3N2)v に対する交差反応性 cross-reactivity は、他の other cluster IV H3N2-TRIG and rH3N2p viruses に対する交差反応性より減弱していた。ヘマグルチニン遺伝子 the haemagglutinin gene の解析により、rH3N2p and A(H3N2)v は、cluster IV of H3N2-TRIG の関連ウイルスであると考えられたが、最近分離された rH3N2p isolates の一部は、ヒトから分離された the human isolates of A(H3N2)v とともに、別のクラスター a separate cluster を形成すると考えられた ...
● インフルエンザ (24) -米国
PRO/EDR> Influenza (24): USA (Pacific NW)
Archive Number: 20120406.1092588
Influenza in Previously Vaccinated Children (USA Pacific Northwest)
投稿者 Delta County Memorial Hospital・James M. Wilson V, M.D.、2012年4月5日。
2-3週間前から、the Pacific NW の都市部にある大きな1つの病院を受診するインフルエンザInfluenza 陽性の小児患者が急増している。多くの患者が、2011年9月にワクチンを接種されていた。
Archive Number: 20120406.1092588
Influenza in Previously Vaccinated Children (USA Pacific Northwest)
投稿者 Delta County Memorial Hospital・James M. Wilson V, M.D.、2012年4月5日。
2-3週間前から、the Pacific NW の都市部にある大きな1つの病院を受診するインフルエンザInfluenza 陽性の小児患者が急増している。多くの患者が、2011年9月にワクチンを接種されていた。
(想像の範囲だが) 1.集団免疫の低下 (the predominant type A influenza circulating is H3N2 in the Pacific NW) A/H3N2 に対する中等度の vaccine drift probability を予想していた 2. still significant levels of circulating A/H1N1 (2009) in the Pacific NW 3. A/H3N2-variant 発生の可能性など。
関連情報 the Eurosurveillance Weekly influenza surveillance overview -- 5 Apr 2012
● 鳥インフルエンザ、ヒト (43) -カンボジア WHO
● リーシュマニア症-パナマ
● 鳥インフルエンザ、ヒト (43) -カンボジア WHO
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (43): Cambodia (KC) WHO 20120406.1092386
Avian influenza situation in Cambodia - update
情報源 WHO Global Alert and Response (GAR), Disease Outbreak News、2012年4月5日 FORTH より。
4月5日に公表されたWHOの情報によると、カンボジアで、新たに鳥インフルエンザA(H5N1)患者1例が報告された。患者は、コンポンチュナン(Kampong Chhnang )州に住む6歳の女児で、2012年3月22日に発症した。村で初期治療を受けた後、3月28日にプノンペンの病院に入院したが、3月30日に死亡した。患者は発症前に病気の鳥や死亡した鳥との接触があったことが報告された。カンボジアでは、2005年から現在までに20例の患者が確認され、そのうち18例が死亡している。
関連項目 20120403.1089377
Avian influenza situation in Cambodia - update
情報源 WHO Global Alert and Response (GAR), Disease Outbreak News、2012年4月5日 FORTH より。
4月5日に公表されたWHOの情報によると、カンボジアで、新たに鳥インフルエンザA(H5N1)患者1例が報告された。患者は、コンポンチュナン(Kampong Chhnang )州に住む6歳の女児で、2012年3月22日に発症した。村で初期治療を受けた後、3月28日にプノンペンの病院に入院したが、3月30日に死亡した。患者は発症前に病気の鳥や死亡した鳥との接触があったことが報告された。カンボジアでは、2005年から現在までに20例の患者が確認され、そのうち18例が死亡している。
関連項目 20120403.1089377
PRO/AH> Leishmaniasis - Panama: (CA) background 20120406.1092601
Background data on Leishmaniasis in Panama
情報源 Gideon Online、2012年4月6日。
発生地域: 多くは西部- Bocas del Toro, Cocle, Colon, Chiriqui and Panama Provinces. ハイリスクであるのは、小児や森林地域への新たな入植者
病原体 Leishmania mexicana amazonensis and L. braziliensis panamanensis
- L. colombiensis
- L. naiffi has been identified in sand flies the region of the Canal Zone
保有動物、ベクター、1984年の流行など。
関連項目 20120405.1091621
Background data on Leishmaniasis in Panama
情報源 Gideon Online、2012年4月6日。
発生地域: 多くは西部- Bocas del Toro, Cocle, Colon, Chiriqui and Panama Provinces. ハイリスクであるのは、小児や森林地域への新たな入植者
病原体 Leishmania mexicana amazonensis and L. braziliensis panamanensis
- L. colombiensis
- L. naiffi has been identified in sand flies the region of the Canal Zone
保有動物、ベクター、1984年の流行など。
関連項目 20120405.1091621
● 犬ジステンパー 米国、アライグマ
PRO/AH/EDR> Canine distemper, wildlife - USA (08): (TX), raccoon
Archive Number: 20120406.1092821
Pet Owners Warned After Distemper Outbreak in Raccoons
情報源 5NBCDFW.com 5月31日
A deadly disease is spreading throughout the raccoon population in Dallas, and wildlife experts warn your pets could be at risk.
● White nose syndrome-北米
● Beak and feather disease-ニュージーランド、インコ
PRO/AH/EDR> White nose syndrome, bats - North America (12): (MO Missouri) 1st conf. 20120406.1092785
White-nose fungus confirmed in Missouri bats
情報源 stltoday.com、2012年4月2日。
ミズーリ Missouri 州で初めて確認された
White-nose fungus confirmed in Missouri bats
情報源 stltoday.com、2012年4月2日。
ミズーリ Missouri 州で初めて確認された
● Beak and feather disease-ニュージーランド、インコ
PRO/AH/EDR> Beak and feather disease - New Zealand: kakariki parakeet 20120406.1092778
Researchers study spread of parrot disease
情報源 Radio New Zealand、2012年3月30日。
オークランド動物園 Auckland Zoo の研究者らは、原産種のインコ native parrots に感染し、全国的に感染が拡大しつつあるウイルスの調査を行っている。2008年に kakariki parrots (_Cyanoramphus_ sp.) で発見された Beak and feather disease が、2012年に初めて南島 the South Island でも見つかった
Researchers study spread of parrot disease
情報源 Radio New Zealand、2012年3月30日。
オークランド動物園 Auckland Zoo の研究者らは、原産種のインコ native parrots に感染し、全国的に感染が拡大しつつあるウイルスの調査を行っている。2008年に kakariki parrots (_Cyanoramphus_ sp.) で発見された Beak and feather disease が、2012年に初めて南島 the South Island でも見つかった