2012年5月1日

◎ 狂犬病、ヘビ咬症-インド 

● ハンタウイルス-米国、ブラジル
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2012 - Americas (14) USA, Brazil
Archive Number:  20120501.1119924
[1] 米国 USA (Cascade County, Montana)
 情報源 KPAX、2012年4月18日。
モンタナ州公衆衛生当局 The Montana Department of Public Health and Human Services が、2012年の Cascade County で 2人目の住民のハンタウイルス肺症候群 Hantavirus Pulmonary Syndrome (HPS) の患者を確認した。州内では 2012年の 4例目となった。1993年以降、州内で報告されている 35例のうちの 1人である。モンタナ州では例年、1年間に 1ないし2人の患者が報告されている ... やや長文。
[2] ブラジル Brazil (Uberaba, Minas Gerais]
 情報源 Correio [in Portuguese]、2012年4月28日。
Uberaba , Minas Gerais で 2例のハンタウイルス感染患者が確認された。22歳と18歳の2人の若年者が感染により、3月と4月に死亡した。
[Mod.TY- この地域では以前にもハンタウイルス感染が報告されていた。2009年に6例の感染が、当局 The Regional Directorate of Health (GRA) により確認され、うち2例が死亡している。同局は2010年、14例を確認し、50%の患者が死亡した (20110115.0170)。Minas Gerais state で致死性感染を起こすハンタウイルスは複数有るが、この記事では報告されていない。 20080223.07412 では、 Mato Grosso 州で感染循環のあるハンタウイルスとして、以下を挙げている: Laguna Negra (the _Calomys callosus_ rodent host)、 Castelo dos Sonhos (found in Para state but without a known host there)。Mato Grosso 州の野外調査で、齧歯類の _Oligoryzomys moojeni_ が、 the Castelo dos Sonhos virus の保有宿主であることが確認されている。ブラジルのハンタウイルスに関する brief description として 20080702.2020 の情報があり、その中で Anajatuba virus がブラジルの HPS (hantavirus pulmonary syndrome) の病原ウイルスである可能性が示唆されており、その保有宿主は _Oligoryzomys fornesi_ である。Araraquara virus infection も HPS in Brazil の原因となり、保有宿主は _Necromys [Bolomys] lasiurus_ である。ブラジル北部において、新たに HPS に関係することが判明したハンタウイルスの、遺伝学的特徴や血清学的にな可能性が示唆される宿主について: Vector Borne Zoonotic Dis 5(1): 11-9; abstract ]

● 結核-インド
PRO> Tuberculosis, TDR - India (05): (MH) fatal 20120501.1119816
 情報源 The Asian Age、2012年4月30日。
国立結核研究所 The National Tuberculosis Institute (NTI), Bangalore は、8人の患者の検体についての再検査で、既知の抗結核薬 TB drugs (1st and 2nd line) 全てに耐性のある結核菌であるとの Hinduja Hospital's study を検証した。2012年1月6日、同院は12例の完全薬剤耐性 totally drug resistant (TDR) TB cases を発表した。この呼称を WHO は認めていない ... このうち8例の検体が送付された ...

● B 型肝炎-インド
PRO/EDR> Hepatitis B - India: (KA) 20120501.1119759
Hepatitis-B cases on the rise in Pathanamthitta villages
 情報源 The Hindu、2012年4月30日。
Pramadom, Mallasserry, Thengumkavu and surrounding villages における B型肝炎 Hepatitis B 感染例の増加が問題となっている。過去3か月間に、ELISA 検査により9例の感染が確認されており、このほか抗原カード検査で30例が陽性となった

◎ 狂犬病,毒ヘビ咬症-インド
PRO/AH/EDR> Rabies - India: (WB) 20120501.1119730
[1] West Bengal leads in snakebite and rabies deaths
 情報源 IBN Liven, Press Trust of India (PTI)、2012年4月29日。
西ベンガル West Bengal 州は昨年 [2011年]、ヘビ咬症と狂犬病 Rabies による死者が最も多い地域だった。全国のヘビ咬症と狂犬病による死者はそれぞれ 1440人と 223人だったが、西ベンガル州内の死者は 380人と 73人だった。 (ヘビ咬症については、以下、Orissa 296、258 in Andhra Pradesh and 119 in Madhya Pradesh、58 in Maharashtra and 50 in Uttar Pradesh, while Karnataka reported 49 and Gujarat 48 such deaths and Himachal Pradesh 40 and another 39 in Tamil Nadu と続く) 
狂犬病による死者数は、West Bengal 州に続き、Andhra Pradesh with 45 deaths、24 in Orissa and 21 in Tamil Nadu, besides 18 in Karnataka, 17 in Delhi and 16 in Gujarat となっている。Delhi では3例のヘビ咬症による死亡も報告されている ...
[2] Rabies Deaths in India
 投稿者 印・Blue Cross of India、S. Chinny Krishna、2012年5月1日。
... WHO の試算では、1992年から2002年の間の (狂犬病による) 死者は年間2万人で横ばいとされているのとは別の問題として、保健当局 the Union Minister for Health and Family Welfare の数値は、実態により近い現場で働く人々の大多数の見解である。狂犬病の死者は 223人で、一方、ヘビ咬症による死者は 1440人である。Tamil Nadu 州の 21人という数字は、どの報告とも一致している。
[Mod.CP- 世界中の多くの地域で毒ヘビ Venomous snakes (咬症) は発生しており、最も生息数が多い熱帯の農村部では特に公衆衛生の脅威となっている。世界で 3000種以上いるヘビのうち、およそ600種が有毒 venomous で、医学上重要であるのは 200種以上とされる。ヘビ咬症による envenoming [蛇毒の注入?] のリスクは、熱帯農村部の多くの住民にとって日常的に遭遇する公衆衛生上のリスクである。このような地域では、snakebite envenoming は、農業や狩猟関係者にとってありふれた職業上の傷害であり、重要な社会経済的影響を持つ。熱帯地方で一般的である戸のない住居の床で寝る習慣も、夜間のヘビによる攻撃に身を曝すことにつながっている。全体的に女性、子ども、農民らに、最も犠牲者が多い。身体が小さい子どもは、成人より深刻な影響を受けやすい。ヘビ抗毒素免疫グロブリン Snake antivenom immunoglobulins (antivenoms) が、ヘビ咬症による envenoming に対する唯一の治療である。抗毒素により the snakebite envenomings effects によるほとんどの影響を予防したり回復させたりすることが可能であり、死亡や有害事象を最小限とするために重要な役割を果たしている。各地域の重要な毒蛇に関する WHO のデータベースや写真による資料、治療用の抗毒素薬等の閲覧が可能である (WHO)。抗毒素の生産には危険を伴い、生きた動物を使用しなければならない。製造上の問題 The complexity として、とりわけ高力価血漿 (抗毒素免疫グロブリンの元) 産生のために適切な混合ヘビ毒 snake venom mixtures を用意する重要性、生産業者の減少、途上国の脆弱な生産体制などが、アフリカ、アジア、中東、南米における、有効な抗毒素の入手の障害となっている。その結果として、インドにおけるヘビ咬症による死亡率の高さは理解可能であるが、狂犬病ウイルス感染による致死率の高さについては、そうではない。強力かつ有効な、細胞由来の抗狂犬病ワクチンと免疫グロブリンが使用でき、曝露後すぐに接種することで完全な防御を得ることができるからである。さらに、狂犬病ウイルスのベクターは、主に都会の野犬で、様々な駆除や対応策も存在する]

● シュマレンベルグウイルス-オランダ
PRO/AH> Schmallenberg virus - Europe (36): Netherlands, no human infection 20120501.1119639
Serosurvey to assess zoonotic transmission of Schmallenberg virus in farmers and veterinarians in The Netherlands
 投稿者 蘭・National Institute for Public Health and the Environment、Chantal Reusken, PhD、2012年5月1日。
要約
SBV-infected farms の労働者、付近の住民及び獣医師ら、合計301人についてウイルス中和検査 virus neutralization test による SBV 抗体検査を行ったが、全て陰性であった。対照として行った、感染動物からの血清検体では、高レベルの抗体が確認されている ...

● BSE-米国
PRO/AH> BSE, bovine - USA (04): (CA) 20120501.1119136
[1] California BSE prion comes with a different twist
 情報源 Nature News Blog、2012年4月27日。
[2] 情報源 Science News、2012年4月30日。

● スクレイピー-カナダ、ヒツジ
PRO/AH/EDR> Scrapie - Canada: (ON Ontario) ovine 20120501.1119135
Scrapie confirmed at quarantined sheep farm
 情報源 Canadian Food Inspection Agency (CFIA)、2012年4月27日。
食品監視塔局 The Canadian Food Inspection Agency (CFIA) は、Eastern Ontario 州の隔絶されたヒツジの群れ a quarantined sheep flock でスクレイピーを確認した。最近この農場で死亡したヒツジ1頭の感染が確認された