2012年5月20日

脳嚢虫症 世界各国 てんかん

● 脳嚢虫症 世界各国 てんかん
PRO/AH/EDR> Cysticercosis, epilepsy - world 20120520.1138747
 情報源 Discover Magazine (June 2012 issue; published online May 15, 2012)、2012年5月15日
The Hidden Epidemic: Tapeworms Living Inside People's Brains
the National Institutes of Health in Bethesda, Maryland において、Theodore Nash 医師が 1年間に診察する患者は数十人にすぎないが、その少なさを補うほどの強烈な症状の患者である。一部の患者は昏睡に陥ったり、半側の麻痺を生じたり、まっすぐ歩けなかったりすることもある。視力喪失、脳脊髄液の不足、発語障害、はげしい痙攣発作などの症状が見られることもある。これらの症状を示す患者らは、脳 MRI 検査で同じ原因が見つかる。それは 1ないし複数の白色の塊で、腫瘍と思われるかも知れないが、それはサナダムシ tapeworm の迷入による腫瘤である。この脳内の腫瘤は、一般にサナダムシを語るときのイメージとは異なっている。消化管内で 6m以上にもなる成虫は、生活環の中の 1ステージであり、成長するまでの長い間を大型のシスト (嚢) 内で幼虫として過ごす。このようなシストがヒトの脳内に形成されることがあり、neurocysticercosis と呼ばれる疾患の原因となる。この医師によると、米国内で 1500-2000人の患者がいると見られており、世界中では、最低でも500万例の同疾患によるてんかんの患者が存在するとしている ... 
1980年代半ばに開発された praziquantel が、脳内の tapeworm larvae 駆除治療の第一選択薬となり、広く使用されるようになったが、免疫反応を惹起し脳浮腫を起こしてしまうため、長年研究が重ねられ、免疫を抑制する他の薬剤と同薬剤を組み合わせた、より改善された治療法が開発されている。しかし、理想的な治療法には至っておらず、長期間の痙攣の原因となったり、ステロイドなどの副作用が問題となる

● 百日咳 アルゼンチン
PRO/EDR> Pertussis - Argentina (02) 20120520.1137183
 情報源 : La Voz [machine trans.,]、2012年5月15日
ワクチンで予防可能であるにもかかわらず、百日咳 whooping cough が再興し、小児の主な死亡原因の1つとなっている。百日咳菌 _Bordetella pertussis_ (whooping cough) の犠牲者の多くは、6ヶ月未満の乳児である .... 4月30日までに、検査により597人の感染が確認されている。2011年同期の患者は315例で、90%近い増加となっている

● サルモネラ感染症 世界各国、米国(パラチフス)(3件)
PRO/AH/EDR> Salmonellosis - International: human, dog & cat food recall 20120520.1138960
[1] Feline cases/expanded recall:Christian Science Monitor、2012年5月20日
サルモネラ菌汚染が疑われ、4月6日から回収が始まった “Diamond Naturals” dry dog food だけでなく、ネコの感染リスクも明らかとなったことから、Diamond Pet Foods は回収の範囲を拡げている
Affected brands manufactured by Diamond Pet Foods are:
 -Chicken Soup for the Pet Lover’s Soul
 -Country Value
 -Diamond
 -Diamond Naturals
 -Premium Edge
[2] ヒト、イヌの感染 米国、カナダ
 情報源 eFoodAlert 、2012年5月16日
11日の最新の報告によると、感染流行に関係する、米国内の _Salmonella_ Infantis infections 患者は15人で、カナダ国内でも1人が感染し、5人が入院となっている
[3] 海外への流通
 情報源 eFoodAlert
the Diamond Pet Foods recalls に関し解決すべき大きな問題の1つは、米国、プエルトリコ、カナダ以外に、世界中のどこに製品が販売されたかである ... 読者からの情報によると、リコール対象の Taste of the Wild pet food は、フランスとアイルランド両国で販売されている ... Taste of the Wild dry pet food が流通している可能性のある国 (日本では Pacific Sales & Import, Inc. による販売となっている)

PRO/AH/EDR> Salmonella, dog food - USA : recall 20120520.1139205
 情報源 Seattle Times、2012年5月19日
Update: Another dog food added to recall list
Diamond Pet Foods 社は、サルモネラ菌汚染の疑いがあるとして、新たに1種類のドッグフードの自主回収を開始した ...
The latest recall -- of Diamond Naturals Small Breed Adult Dog Lamb & Rice Formula dry dog food -- covers the following production codes and best-before dates: ... 
[Mod.TG- ... 人獣共通感染におけるイヌとネコの役割; 健康なイヌやネコでサルモネラ菌_Salmonella_ spp が検出される割合はそれぞれ、最大で36%および18%とされる。イヌやネコでは、感染後非常に長期にわたり糞便中や唾液中にサルモネラ菌を排出する傾向があり、従って、舐められることによっても感染する危険性がある。ドッグフードやイヌ用の玩具も、イヌとヒト双方にとっての感染源となる。"reverse zoonosis" によって、ヒトからイヌに感染する場合もある]

PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Paratyphi B - USA (06): (NC) tempeh source 20120520.1138961
 情報源 Asheville (NC) Citizen-Times、2012年5月19日
Buncombe County http://healthmap.org/r/2iHP において3か月間にわたって続いているサルモネラ症感染流行の患者数は、さらに増加しているが、保健当局は週ごとの新規患者発生数は減少しつつあるとしている。18日現在の患者数は83例で、このうち62人が Buncombe County の住民だった。郡内の患者は1週間で59例から62例に増加した ... 2月初めに農業当局により、Tempeh Online of Rockville, MD が、Smiling Hara Tempeh 社に販売したstarter culture の成分の1つから、 Paratyphi B と呼ばれるサルモネラ菌の1種が検出されている
関連項目 (05) 20120511.1129950

● 麻疹
PRO/EDR> Measles update 2012 (21) 20120520.1139063
[1] アイルランド Ireland (Munster) Measles outbreak in West Cork
 情報源 West Cork Times、2012年5月14日
当局 The HSE [Health Service Executive] South は West Cork で発生した麻疹感染流行に関し、小児のワクチン接種を確認するよう注意を呼びかけている。25例の感染が報告されている。年初3か月間は患者報告はなかった ...
[2] Ireland (Munster) Fear measles outbreak may spread to younger children
 情報源 Irish Examiner、2012年5月17日
the West Cork outbreak の患者数が31人に達した。患者の多くが、ワクチンを接種されていない18歳以下の小児である
[3] ウクライナ Ukraine European Football Championship in Ukraine enhances risk of measles outbreak
 情報源 Novosti aktialno i interesno [In Russian]、2012年5月19日
6月 8日から 7月 1日まで行われる 14回欧州サッカーチャンピオンシップ the 14th European Football Championship in Ukraine [and Poland] 後に、麻疹感染流行の発生が予想されている
[Mod.CP-インドから輸入されたワクチンに問題があり、2008年以降麻疹ワクチンの接種が中断 [20110322.0898] されたままとなっている] 。
[4] パキスタン Pakistan (North Waziristan) Measles outbreak kills 12 children in Pakistan
 情報源 NaharMet, Agence France Presse report、2012年5月12日
[5] パキスタン Measles outbreak linked to conflict
 情報源 IRIN、2012年5月16日
Pakistan's North Waziristan's tribal agency において発生した麻疹感染流行により 小児 12人と成人1人が死亡した。兵士と軍との対立 (によるワクチン接種活動妨害) が直接の原因であると、専門家らは指摘している

● NDM 保有桿菌 カナダ
PRO/EDR> PRO/EDR>NDM carrying bacilli – Canada: (Alberta) nosocomial, fatal 20120520.1138608
[1] 情報源 edmontonjournal.com、2012年5月18日
Royal Alexandra Hospital の1名の患者の死亡は、病気の旅行者により Edmonton に持ち込まれた、抗生物質が無効な細菌の感染が原因である、と保健当局 Alberta Health Services は見ている
[2] 情報源 CBC News Edmonton、2012年5月18日
アルバータ州保健当局 Alberta Health Services [AHS] は、the Royal Alexandra Hospital で患者1名が死亡した原因が抗生物質耐性菌であり、他の4人の患者に感染が拡がっていると見ている

● ブルセラ症 ベルギー、ウシ
PRO/AH/EDR> Brucellosis, bovine - Belgium: (NA) B. abortus, B. suis serovar 2 20120520.1139015
 情報源 Belgian Food Agency (AFSCA) [Dutch]、2012年5月16日
獣医学当局 The Centre for veterinary and agrochemical research (CODA) により、the province Namen [Namur] のウシで5番目のブルセラ症流行 brucellosis outbreak が確認された。_Brucella suis_ biovar 2 が原因とされている。以前の流行 The previous 4 outbreaks の原因は _B. abortus_ であった