2012年5月21日-22日

コレラ ソマリア、ガーナ、ジンバブエ、インド

● コレラ ソマリア、ガーナ、ジンバブエ、インド
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2012 (17): Africa, Asia
Archive Number: 20120522.1141036
[1] ソマリア Somalia:Press TV、2012年5月21日。
国連機関によると、ソマリア Somalia の首都モガディシュMogadishu と中南部で、衛生環境の悪化によるコレラ感染流行が発生している。The United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA) は、4月9日から5月6日までに、南部および中部でコレラ感染が疑われる患者が増加していることを報告していた。南部の Banadir region では、777例のうちの 49%の患者が報告されている。
[2] ガーナ Ghana (Western Region):My Joy Online、2012年5月19日。
The Jomoro District、Ghana の保健当局者は、Elubo で発生したコレラ感染流行に対する治療薬の支援を求めている。5月12日の33例から、17日には110例に増加した。
[3] ジンバブエ Zimbabwe (Masvingo Province):Voice of America 、2012年5月17日。
ジンバブエ Zimbabwe 南西部 Masvingo province の当局者は、砂糖の生産地である Chiredzi でコレラ感染流行が発生し、14日以降2人が死亡、約100人の患者が確認されていることを明らかに下。深刻な水不足が原因とされている .... 2008年から深刻なコレラ感染流行に苦しんでおり、2010年までに4293人以上が死亡している。
[4] インド India (Maharashtra):IBN Live 、2012年5月5日。
高齢者2名が死亡し、50人以上の入院患者が発生している Kalamb town について、当局はコレラ感染流行の発生を疑っていた。検査で確認されたことを受け、地域の感染予防活動が開始された。使用されている水道管は、老朽化により漏れや汚染が起きている

● 百日咳-米国 (09)
PRO/EDR> Pertussis - USA (09) 20120522.1137174

● 口蹄疫-パレスチナ OIE
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Middle East: Palest Auth (GZ), st SAT-2, OIE 20120522.1141316
Foot and mouth disease, Palestinian Auton. Territories、Follow-up report No. 1
 情報源 OIE WAHID interface, Weekly Disease Information 25 (20)、2012年5月13日。
感染開始時期 2012年4月9日 New strain of a listed disease
原因ウイルス Foot and mouth disease virus、Serotype: SAT 2
新たな感染流行 There are no new outbreaks in this report

● バベシア症-オーストラリア、ウシ
PRO/AH/EDR> Babesiosis, bovine - Australia: (NS) susp., RFI 20120522.1140444
 情報源 The Land、2012年5月21日。
州北部のダニ熱 tick fever outbreak の発生の懸念が、5月に Quirindi の農場1か所の 22頭のウシが死亡したことで的中した。4月中旬の Grafton での6頭の死亡に続く事例で、毎年60-80頭が感染する cattle tick cases は珍しいものではないが、特に the Tamworth region においてダニ熱だけが流行することは珍しい
 
● 原因不明の大量死、アンテロープ-カザフスタン
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, saiga antelope - Kazakhstan 20120522.1141175
 情報源 Eurasianet.org、2012年5月22日。
Central Asian antelopes [saiga antelope, _Saiga tatarica_] 500頭以上が死亡しているのが発見された。国内で最も北にある Kostanay region で543頭の死体が発見された、との非常事態省の発表が報じられている。508頭がメスで、31頭が子どもだった。死亡原因の調査が続けられている。カザフスタンの草原のほか、ウズベキスタン、トルクメニスタン、モンゴル、ロシアにも生息しているが、絶滅危惧種 Critically Endangered by the International Union for Conservation of Nature Red List に分類されている。カザフスタンは、世界中で saigas の数が最も多いが、1970年代に100万頭を超えていたものが、減少している。
[Mod. PMB- 口蹄疫やパスツレラ症 pasteurellosis などで、これまでにも何回も大量死が発生している in Kazakhstan: 1955, 1956, 1958, 1967, 1969, 1974, 1981, 1984, 1988, 2010 and 2011。出産後の豊かな牧草地への移動後、反芻機能に問題が生じた可能性がある]

● シュマーレンベルグウイルス-欧州(2件)
PRO/AH/EDR> Schmallenberg virus - Europe (42): genetic reassortment 20120522.1140819
Genetic reassortment between Sathuperi and Shamonda viruses of the genus _Orthobunyavirus_ in nature: implications for their genetic relationship to Schmallenberg virus
 情報源 Archives of Virology 2012, DOI: 10.1007/s00705-012-1341-8O, Rapid Communication、2012年5月22日。
要約
最近北欧の反芻動物において、Schmallenberg virus [SBV] による奇形の発生が流行しているため、関連するオルソブニヤウイルスの遺伝学特性を分析し、その関係性を明らかにするための研究を行った。 Sathuperi, Shamonda and Douglas viruses (SATV, SHAV and DOUV) の3つのRNA セグメントの塩基配列を解析したところ、the M RNA segment of SATV and DOUV は、 SBV の同じ部分と、高い割合で相同姓 high degree of sequence identity を有していた。しかし、 the S and L RNA segments は SHAV と相当近い関係にあった。the 3 genomic RNA segments の系統発生学的解析 Phylogenetic analysis により、SBV は、the M RNA segment from SATV and the S and L RNA segments from SHAV 各部の再集合 reassortant によるウイルスであることが示唆された。

PRO/AH/EDR> Schmallenberg virus - Europe (41): serosurvey, vector 20120521.1139793
[1] Seroprevalence of Schmallenberg Virus Antibodies among Dairy Cattle, the Netherlands, Winter 2011-2012
 情報源 EID Journal, Ahead of Print/In Press, Vol. 18, No. 7、2012年5月20日。
要約 シュマーレンベルグウイルス Schmallenberg virus (SBV) の感染により反芻動物に先天奇形が生じる。感染疑い例の報告だけでは、実際の感染率より低く見積もられる可能性があるため、オランダの乳用牛の過去の SBV への曝露を調べる目的で、血清学調査 seroprevalence study を実施した。2011年11月から2012年1月までの期間に、合計 1123 serum samples 検体をウシから採取し、ウイルス中和反応による、SBV に対する抗体検査を行ったところ; 抗体陽性率 72.5 % だった。オランダの中部から東部にかけての地域は、北部および南部に比べ、Seroprevalence が有意に高かった。加えて、感染が確認されていたウシとヒツジの群れ (2 SBV-infected dairy herds and 2 SBV-infected sheep herds) では、高率 (70-100 percent) の集団内陽性率 within-herd seroprevalence が確認された。年齢による抗体陽性率のばらつき age-specific prevalence of antibodies against SBV の違いは認められず、SBV の国内への侵入が新しいものであることが示唆された。
[2] Letter: Culicoids as Vectors of Schmallenberg Virus
 情報源 CDC、EID Journal Ahead of Print / In Press、 Vol. 18, No. 7、2012年5月20日。
2011年10月にデンマークで捕獲されたイエカ culicoids の、SBV RNA の保有を確認し、ベクター vectors for this agent である可能性が高いことを報告する

● 原因不明の疾患、ウォンバット-オーストラリア
PRO/AH/EDR> Undiagnosed disease, wombat - Australia (04): (SA) 20120522.1140445
 投稿者 豪・The University of Adelaide、Lucy Woolford BSc BVMS (Hons) PhD MACVSc DACVP、2012年5月21日。
Murraylands Southern Hairy Nosed wombats の病気は、主に慢性の高度の栄養不足による、多因子疾患であると考える。この地域は、自生する草や常に食料となるものが極端に少ない状態が続いている。 主な植物として _Carrichtera annua_, _Asophodelus fistulosus_, _Marrubium vulgare_, and _Heliotropium europaeum_ に被われている。

● 鳥ポックス (鳥類の痘瘡)-米国
PRO/AH/EDR> Avian pox - USA (02): (PA) eagle 20120521.1139926
 情報源 GoErie.com、2012年5月18日。
エリー湖東岸 Erie's east side で15日に1羽のオスのイーグルが捕獲され、リハビリセンター the Tamarack Wildlife Rehabilitation and Education Center in Saegertown で、鳥ポックスウイルス感染の治療を受けている。the area of East 10th Street and Downing Avenue の1軒の家の屋根にいるところを、州当局者 Pennsylvania Game Commission officers により救出された。けがはなかったものの、重症の鳥ポックス avian pox 感染 の状態にあった ...
[Mod.PMB- Avian pox は進行の遅いトリの疾患で、複数の異なるアビポックスウイルス several different strains of avipoxvirus の感染が原因となる。高地の gamebirds、海洋鳥類 marine birds、スズメ目 Passeriformes およびオウム目 Psittaciformes を含む世界中の多くの種類のトリに感染するが、猛禽類 birds of prey の感染は一般的でない。2つの病型を示すが、皮膚感染 the cutaneous (see picture of the lesions) が最も一般的で、エサを取れなくなり衰弱する。ジフテリア型 the diphtheritic form は、口部と咽頭粘膜に黄色斑が発生する]

● 菜種の病気、根こぶ病-オーストラリア
PRO/PL> Clubroot, oilseed rape - Australia: 1st rep. (WA) 20120521.1139354
[1] 1st report, Australia
 情報源 Plant Disease 、2012年4月0日。
原著 First report of club root caused by _Plasmodiophora brassicae_ Woronin on canola in Australia. Plant Disease (2012) 96; DOI: 10.1094/PDIS-11-11-1006-PDN
[2] 対応策
 投稿者 南ア・University of KwaZulu-Natal、Professor Mark Laing、2012年5月3日。
いずれも原文参照願います。
[Mod.DHA- Clubroot of _Brassicaceae_ は真菌の _Plasmodiophora brassicae_ を原因とする、土壌媒介性疾患 destructive soilborne disease であり、oilseed rape (_Brassica napus_; "canola" refers to a group of specific varieties) ナタネ、cabbages キャぺツ、 turnip カブをはじめ、ほとんど全てのcultivated members of the family に感染する]

● 犬ジステンパー-米国
PRO> Canine distemper, wildlife - USA (10): (OR) fox 20120521.1139679
 情報源 Mail Tribune、2012年5月17日。
専門家 Wildlife biologists による、現地のキツネの間の犬ジステンパー流行 outbreak of canine distemper 調査が行われている。当局は、ペットへのワクチン接種を呼びかけている。この1か月間にウイルス感染が確認されたのは、Ashland で死亡して発見された2頭の gray foxes と、同じく south Medford の1頭だった ...

● 原因不明の疾患、トウモロコシ-ケニア
PRO/PL> Undiagnosed disease, maize - Kenya (03): (RV) update 20120521.1139355
 情報源 Reliefweb, Kenya Daily Nation report 、2012年5月17日。
農業相は、the South Rift で発生中のトウモロコシの病気が、食の安全の脅威となる可能性があることを示唆した。国内の穀倉 grain basket である同地域では、ほとんどの農家で被害が出ており、トウモロコシの 30-40%の収穫が失われている。国内外での検査で、主に真菌とウイルスが原因であることが判明した、と説明されている ...