2012年6月23日-24日

Lone Star Tick 米国、ダニ刺咬と肉アレルギーの関連性 J Allerg Clin Immunol.

● Lone Star Tick 米国
PRO/EDR> Lone Star Tick - USA: link to meat allergy 20120623.1178567
 情報源 KRMG 、2012年6月22日
バージニア州大学 the University of Virginia の研究者らが、肉アレルギーとダニ刺咬との間に高い関連性が認められたと発表した。哺乳類の肉に対するアレルギーが確認されている患者の 90%以上に、ダニ刺咬既往が認められた。どのような機序によるものかは、今回の研究では明らかにされなかった。さまざまなダニがアレルギーの原因となっていたが、複数の研究から、the Lone Star tick に特にその傾向が認められることが示されている。ダニが多く発生しその大部分が Lone Star ticks であるオクラホマ Oklahoma 州にとっては悪い知らせである
原著 The relevance of tick bites to the production of IgE antibodies to the mammalian oligosaccharide galactose-α-1,3-galactose. J Allerg Clin Immunol. 2011;127: 1286-1293
要約
2009年、the galactose-alpha-1,3-galactose (alpha-gal) に対する抗 IgE 抗体による、赤肉に対する新型遅延アナフィラキシーについて報告を行ない、患者らはそれまで肉アレルギーが認められなかったことから、成人期の何らかの曝露により IgE 抗体が刺激されたことが示唆されていた .... 米国内で IgE specific for alpha-gal の、おそらく唯一の原因が、ダニ刺咬であることが示された

● 炭疽(5件)
バングラデシュ
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, livestock - Bangladesh 20120624.1179188
 情報源 The Financial Express, Bangladesh、2012年6月24日
Panchil and Ultadab villages (the Shahzadpur upazila in Sirajganj district) において、6日間に 26人の炭疽 Anthrax 感染患者が確認され、感染者は合計 67人に達した。 炭疽菌に汚染された、病気のウシとヤギ a sick bullock and a sick goat 各 1頭の肉を食べ、感染したと伝えられている。それぞれ、Panchil Baza と Ultadab village で処分されていた .

デンマーク
PRO/AH/EDR> Anthrax, human - Denmark: German heroin associated RFI 20120623.1178659
 投稿者 英 ・ University Hospital Bristol NHS Foundation Trust、Robert Spencer, MB,BS,MSc,FRCPath、2012年6月22日
Jutland (Denmark) に、3週間前にドイツでヘロインを購入した、69歳の注射用薬物常習者 injection drug user (IDU) の、皮膚炭疽 cutaneous anthrax が疑われる患者がいると聞いている。さらに、 genotyping により、 the 2 German strains of _Bacillus anthracis_ に最も近いとされているらしい。

PRO/AH/EDR> Anthrax, human - Denmark (02): NOT 20120624.1179204
 投稿者 丁 ・ State Epidemiologist for Denmark、Kare Molbak、2012年6月24日
20120623.1178659に関し。
炭疽感染が確定されているわけではなく、連鎖球菌感染と見られている。ヘロインの出所についても、ドイツとは関連付けられておらず、コペンハーゲン Copenhagen で購入されたものと考えられている。したがって、"Danish link" to the 2 German cases が確認されたわけではない。

南スーダン
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - South Sudan: (CE) suspected, RFI 20120623.1178671
 情報源 Oye Times、2012年6月23日
Disease Scare: Cattle Quarantined In Yei County
感染したウシの肉を食べたと見られる1人が死亡、ほかの3人も入院となっていることから騒ぎとなっている。

ジョージア
PRO/AH/EDR> Anthrax, human - Georgia (02) 20120623.1178670
 情報源 FoxNews.com、2012年6月22日
Georgia sees more anthrax cases
2012年、ジョージア Georgia で少なくとも30人が炭疽 Anthrax に感染し、22日医療当局 Georgia's Center for Infectious Diseases は対策を強化することを明らかにした。年末までに、59例だった 2011年とほぼ同数に達すると予想している、と述べた。2010年の28例と比べ、大幅な増加である
[Mod.MHJ- 2011年ジョージアの患者数は81例で死者1例であり、2012年は先週の時点で、上記の30例ではなく、41例となっている]
関連項目 20120615.1169757

● 麻疹
PRO/EDR> Measles update 2012 (25) 20120624.1179133
[1] 英国 UK (England):The St. Helens Reporter、2012年6月20日
the St. Helens area の10人の、1980年代以来の麻疹感染発生。
[2] 赤道ギニア Equatorial Guinea:Guinea Equatorial [in Spanish]、2012年6月23日。
4月に実施されたワクチン the last measles vaccination campaign 後も、首都 Malabo district [on the northern coast of Bioko Island] で数件の流行が報告されたため、新たな接種キャンペーンが計画された。
[Mod.CP- 最も新しい感染流行は2008年11月に発生している。今回の流行では死者は報告されていない]
 * the Republic of Equatorial Guinea has 2 parts: a Continental Region (Rio Muni), including several small offshore islands including Corisco, Elobey Grande and Elobey Chico; and an insular region containing Annobon island and Bioko island (formerly Fernando Po), where the capital Malabo is situated.
[3] フィリピン Philippines (Cebu):PhilSTAR、2012年6月16日。
セブ Cebu province の 4か所の町で流行発生。
[4] オーストラリア Australia (Queensland):The Satellite、2012年6月20日。
患者は減少傾向

● ビブリオ・バルニフィカス感染症 中国
PRO/EDR> Vibrio vulnificus, fatal - China (02): (HK) 20120623.1178668
 情報源 Hong Kong Department of Health、2012年6月20日
保健当局 The Centre for Health Protection (CHP) of the Department of Health は、死亡した2例のビブリオ・バルニフィカス感染症 _Vibrio vulnificus_ infection の患者の調査を行っており、うち1例は壊死性筋膜炎 necrotising fasciitis (flesh-eating disease 人食いバクテリア) を発症した。ビブリオ菌 _V. vulnificus_ による壊死性筋膜炎の患者は、持病のあった深センShenzhen 在住の 48歳男性で、6月16日に発熱、両下肢の痛みと腫れを訴え、17日に救急室 the Accident and Emergency Department of Pok Oi Hospital を受診した後、同日 Tuen Mun Hospital へ搬送された。壊死性筋膜炎の診断で両下肢が切断されたが、さらに状態が悪化し、19日に死亡した。血液培養のほか、組織や創部の擦過検体からも _V. vulnificus_ が検出された。もう1人の患者は、元朗 Yuen Long 在住の慢性疾患のある 61歳男性で、6月16日に発熱し、17日に意識不明となった。 Pok Oi Hospital に同日入院となったが、状態が悪化し、118日に死亡した。血液検体から _V. vulnificus_ が検出されると共に、当局の調査 CHP's investigation で、生のエビ raw mantis shrimp の摂取が確認された
参考項目 20120531.1150595

● サルモネラ感染症 スペイン (パラチフス) 、米国(2件)
スペイン
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Paratyphi B - Spain: (PV), pet turtles 20120623.1175800
 情報源 Eurosurveillance, Volume 17, Issue 25、2012年6月21日
スペイン北東部 Bizkaia (a territory of the Basque Country、人口約 215万人) の公衆衛生当局は、2010年 9月から 2011年 10月までの期間に、14 cases of _S._ Paratyphi B infection (incidence rate: 0.65/100 000 inhabitants) の報告を受けた。スペイン国内のサルモネラ感染症 Salmonella serotypes で最も多いのは Enteritidis and Typhimurium であり、 _S._ Paratyphi B biovar Java は 1.4~ 2.1 % の unusual serotype であるため、 the risk factors に関する研究を開始した .... 聞き取り調査で、the only common factor は、水生のカメ aquatic turtles だった

米国 
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Bareilly - USA (11): tuna, 2nd serotype 20120623.1178586
 情報源 CDC 、2012年6月21日
サルモネラ感染症流行 the outbreak strains of _Salmonella [enterica_ serotypes] Bareilly and Nchanga による患者は、新たな 74例を加え、27の州の合計 390人となった
関連項目 (10): tuna, 2nd st 20120518.1137105

● クリミア・コンゴ出血熱 インド
PRO/EDR> Crimean-Congo hem. fever - India: (GJ) nosocomial 20120623.1178585
 情報源 NDTV, Press Trust of India、2012年6月22日
Doctor dies of Crimean-Congo haemorrhagic fever after contracting the virus from patient
Ahmedabad のクリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo Haemorrhagic Fever (CCHF) により、22日に原因不明の出血熱患者の治療に当たっていた the V S Hospital のレジデントの医師 1人死亡した .... 20日に治療中の患者の吐血を顔面に浴び、翌日から高熱、激しい頭痛、金属性の味覚異常を感じ、直ちに搬送されたが22日に死亡した、と病院関係者が説明した
参考項目 20110123.0285

● 病原大腸菌 ECHC 米国 O145 CDC
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - USA (18): O145 20120623.1178568
 情報源 CDC 、2012年6月22日。
6つの州の合計 15人: Alabama (2), California (1), Florida (1), Georgia (5), Louisiana (5), and Tennessee (1) が、大腸菌 the outbreak strain of enterohemorrhagic _E. coli_ O145 infection に感染している。4月21日に発症したルイジアナ Louisiana 州の1名が追加された ....
関連項目 (17): O145, CDC 20120611.1163976

● インフルエンザ WHO
PRO/EDR> Influenza (48): WHO update 20120623.1178498
[1] Influenza update 162
 情報源 World Health Organisation (WHO), Surveillance and Monitoring, Updates、2012年6月22日
largely finished in the temperate countries of the northern hemisphere ; some persistent low level influenza transmission in eastern Europe and northern China.
- Full version Epidemiological influenza surveillance update 
[2] Global activity
 情報源 WHO Influenza, Laboratory confirmed data from the Global Influenza Surveillance and Response System (GISRS) 。2012年6月22日

● ボツリヌス症 米国
PRO/EDR> Botulism - USA (08): (CA) carrot juice, risk, recall 20120624.1178972
 情報源 US Food and Drug Administration (FDA) Recalls, Market Withdrawals, & Safety Alerts、2012年6月22日
Healthy Choice Island Blends, Inc. 社 (Los Angeles, California) は、全てのサイズの Liquid Gold Carrot Juice に、ボツリヌス菌 _Clostridium botulinum_ による汚染の疑いがあるとして、回収を開始した .... これまでのところ、同製品による発病は報告されていない。 Liquid Gold Carrot Juice はカリフォルニア California 州内に流通と卸売り販売されていた (with UPC Code 7 63213 00130)。

● 狂犬病 米国、アライグマ
PRO/AH/EDR> Rabies - USA (12): (AL) raccoon, human exposure 20120624.1179212
 情報源 Alabama Blog、2012年6月22日
ウォーカー郡 Walker County 郊外の家族が、ボルドウィン郡の小屋の屋根裏 Baldwin County attic で 2匹のアライグマの赤ちゃんを見つけ、このうちの 1匹が狂犬病 Rabies に感染していることを知らずに自宅に連れ帰った。20人以上が狂犬病のアライグマと接触し、ワクチンを接種された

● 鳥インフルエンザ メキシコ H7 亜型
PRO/AH/EDR> Avian influenza (39): Mexico (JA), poultry, H7, quarantine 20120624.1178714
 情報源 El Universal [in Spanish]、2012年6月21日
当局 The National Service of Agro Alimentary Health, Safety, and Quality (スペイン語の頭文字 SENASICA) は、Tepatitlan and Acatic (Jalisco State) の 3か所の農場で、H7 亜型鳥インフルエンザウイルスによる感染が確認された、と報告した

● コイヘルペスウイルス 米国
PRO/AH/EDR> Koi herpesvirus disease - USA: (MO) 20120624.1178973
 情報源 Fox 4 News, Kansas City、2012年6月20日
Blue Springs Lake [Missouri] で 5月、大量の故意が死亡した原因が、the koi herpesvirus (KHV) であったことが判明した。the Jackson County にある同湖のコイの約 75%に当たる 1万 6千匹近くが死亡した

● 大量死、魚類 カナダ
PRO/AH/EDR> Die-off, fish - Canada: (SK) columnaris, susp. 20120624.1178962
 情報源 The Moose Jaw Times Herald、2012年6月19日
Buffalo Pound Lake [Saskatchewan] で魚類の大量死が発生している。原因は明らかになっていないが、当局 Canadian Co-operative Wildlife Health Centre (CCWHC) regional director Trent Bollinger は、現時点で、ヒトやペットへの影響はないとの見方を示している .... 最も多く被害を受けているのは yellow perch (_Perca flavescens_) で、columnaris disease の原因となる細菌の感染が最も疑われている
[Mod. PMB- Columnaris disease は、グラム陰性細菌の _Flavobacterium columnare_ の感染が原因である]

● ボツリヌス症 米国、鳥類
PRO/AH/EDR> Botulism, avian - USA (02): (HI) 20120624.1178706
 情報源 Hawaii 24/7、2012年6月22日
Avian botulism kills 67 birds on Maui, claims over 300 birds on Kauai earlier in the year
湿地生物学者らは、当局 the Department of Land and Natural Resources' Division of Forestry and Wildlife (DOFAW) より、マウイ Maui におけるボツリヌス avian botulism outbreak 発生の報告を受けている。Kanaha Pond Wildlife Sanctuary (Kahului) において、 1週間で 67羽の鳥類の死亡が確認されている。死亡した中には、Hawaiian stilt, Hawaiian coot, and Hawaiian ducks of adult and juvenile stages なもが含まれていた。巣の中で成鳥が死亡すれば、タマゴの中のトリも失われてしまうことにつながる。多くの湿地内で、botulinum toxin が産生され、感染した鳥類により新たな湿地に持ち込まれてしまうことから、管理者や市民らが弱ったトリを発見し隔離する対策が重要である
参考項目 20120430.1117985

● ブルセラ症 ベルギー
PRO/AH/EDR> Brucellosis, porcine - Belgium: serovar 2, wild boar 20120623.1178499
 情報源 BMC Veterinary Research 2012, 8:80 doi:10.1186/1746-6148-8-80 、2012年6月18日
A survey of brucellosis in wild boar in Belgium
背景 欧州ではイノシシの間でブルセラ症 Brucellosis が繰り返し報告されている。ベルギー国内の疫学的状況を明らかにする目的で、野生動物の血液培養および PCR 検査を行った .... 結果 南部の野生のイノシシの間でブルセラ症が蔓延し、10年間で抗体陽性率の上昇 seroprevalences が認められており、野外で飼育されているブタへの波及リスクも高まっている