2012年8月29日

インフルエンザ ハイリスクの小児
狂犬病 スイス、米国から

● C 型肝炎 米国
PRO/EDR> Hepatitis C - USA (08): (KS) nosocomial
Archive Number: 20120829.1271371
 情報源 Foster's Daily Democrat、2012年8月29日
2010年にカンザス州北西部の病院 a northwest Kansas hospital で治療を受けた患者 3人が、検査の結果、C 型肝炎 Hepatitis C ウイルスが陽性であり、職場を転々とした医療技師 a traveling hospital technician が原因とされている、ニューハンプシャー州の集団感染 a cluster of cases in New Hampshire に関係する "closely related" ウイルスであることが判明した。2010年 5月から 9月までの期間に the Hays Medical Center's cardiac catheterization lab に勤務していた技師 1名により C 型肝炎ウイルスに曝露した可能性があるとして、州当局は 7月、400人以上に通知を行っている ...
関連項目(07): (NH) nosocomial 20120816.1247522

● インフルエンザ ハイリスクの小児
PRO/EDR> Influenza (78): high risk children 20120829.1271245
 情報源 Fox News, Associated Press report、2012年8月29日
the Centers for Disease Control and Prevention (CDC) 当局者は、神経学的な問題 neurologic disorders を有する小児がインフルエンザ Influenza に感染すると死亡するリスクが高くなるとして、注意を呼びかけている。 300例以上の the 2009 H1N1 pandemic に関連する死亡を調査した結果、60%に何らかの基礎疾患 an underlying condition が認められ、これらの患児の 2/3 が、脳性麻痺、知的障害、てんかんなどの神経学的異常を有していた。研究に当たった小児科医は、筋肉や肺の機能に問題があったり、咳や嚥下がうまくできないために気道の液体を除去できなかったりする小児にとって、インフルエンザは特に危険、と指摘している。

● 狂犬病 スイス、米国から
PRO/AH/EDR> Rabies - Switzerland: ex USA, bat, human 20120829.1270822
 投稿者 スイス・University of Berne、Prof Dr Reto Zanoni、2012年8月29日
Imported human rabies case in Switzerland
アラブ首長国連邦 the United Arab Emirates 領内で原因不明の進行性神経疾患を発症し、7月29日にスイスへ搬送された米国民 1名が狂犬病 Rabies と診断された。7月 5日に発症し、同 8日に Analgosedation [麻酔下鎮静] が実施されたが、中止後も持続性昏睡の状態が続いた。家族の了解を得て治療が中止され、7月31日に死亡した。8月8日の迅速蛍光焦点阻止検査 the rapid fluorescent focus inhibition test (RFFIT) で、高値の狂犬病抗体が確認されたことから狂犬病が疑われ、脳組織塗沫標本 brain smears の蛍光抗体検査 fluorescence antibody testing (FAT) で診断が確定された。狂犬病遺伝子 the N region coding sequence of the rabies genome から抽出された核酸の系統発生学的解析により、想定される感染源として、米国内のコウモリ (American bat rabies strain associated with the insectivorous bat _Tadarida brasiliensis_) への曝露 an unrecognized exposure が示唆された。この患者が米国内に滞在していたのは、 6月14日から18日までで、その後タイ、イラン(7月5日)、ドバイ(同8日)の順に移動していた。

● 病原大腸菌 EHEC 日本 O157
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - Japan (02): (HK) pickled cabbage, O157 20120829.1271010
[1] 情報源 The Yomiuri Shimbun、2012年8月22日
20日の時点で、北海道で起きた大腸菌による食中毒 a mass outbreak of _E. coli_ O157 food poisoning により、白菜の漬物を食べて、少なくとも 5人が死亡、110人が発病した
[2] 情報源 Bangkok Post、2012年8月19日
当局によると、北日本の北海道で10年ぶりの最悪の事態となっている大腸菌 _E. coli_ O157 による集団食中毒により、白菜の漬物を食べた、高齢女性を中心とした 7人が死亡した

● サルモネラ感染症米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis - USA (10): (Arkansas) prison, chicken salad 20120829.1270980
 投稿者 米・Arkansas Department of Health、Dirk Haselow, MD, PhD、2012年8月24日
20120824.1261257 に関し。
丸ごとの冷凍チキンの調理が不十分で、付着していたサルモネラ菌が死滅されなかった可能性が指摘されている。少なくとも 6 種類のサルモネラ菌 _Salmonella_ species (_S._ Anatum, _S._ Cerro, _S._ Newport, _S._ Mbandaka, _S._ Heidelberg, _S_. Braenderup) が検出されている ...
関連項目 (08): (Arkansas), prison, chicken salad susp 20120824.1261257

● 炭疽 南アフリカ
PRO/AH/EDR> Anthrax, wildlife - South Africa: Kruger NP 20120829.1271244
 情報源 IOL Scitech、2012年8月29日
クルーガー国立公園 the Kruger National Park 内で、炭疽感染流行 An outbreak of anthrax により 30 頭のアンテロープ Roan antelopes が死亡した

● ボツリヌス症 イスラエル、ウシ
PRO/AH> Botulism, bovine - Israel (03): (HZ) raw milk, type D, safety 20120829.1271101
 投稿者 英・Animal Health and Veterinary Laboratories Agency (AHVLA)、Robert Hogg BVSc, MVSc, MRCVS、2012年8月29日
20120823.1259805 に関し。
食品の細菌学的安全性諮問会議 the Advisory Committee on the Microbiological Safety of Food (ACMSF) の専門家グループは、英国内で、家きんの排泄物への曝露が一次的原因と見られる、ウシのボツリヌス感染事例 the incidence of bovine botulism の増加を受け、問題の調査を行った。ボツリヌスに感染した家畜から生産された食品の、市民への影響の評価を行い、 toxin types C and D が関係するボツリヌス症に関して、"臨床上ボツリヌス症が疑われるウシがいた群れの中で、健康と見られるウシの肉やミルクの出荷を制限する必要はなく、感染が確認された cases of confirmed or suspected botulism 群れの中の、健康と見られるウシを (食肉用に) と殺処分する事への制限も不要 "no requirement to restrict." との結論が示されている。
 
● ボツリヌス症 米国、鳥類
PRO/AH/EDR> Botulism, avian - USA (06): (MD Maryland) aquatic birds 20120829.1271009
 情報源 CapitalGazette.com、2012年8月25日
the Chesapeake Bay island の野生動物保護区 wildlife sanctuary である Poplar Island には、シギチドリ類から猛禽類に至るまで数百種類のトリが集まるが、その一部に、鳥ボツリヌス症 Avian botulism の被害が出ていることが、当局 the US Fish and Wildlife Services から報告されている

● ニューカッスル病 インド
PRO/AH/EDR> Newcastle disease - India: (UP) peacock, susp. 20120829.1270431
 情報源 Deccan Herald、2012年8月25日
ウッタルプラデシ Uttar Pradesh (UP) 州デリー Delhi 近郊の、The Bisrakh area in Greater Noida には、インドの国鳥であるクジャクが多数生息しているが、Patwadi village で 2週間に 30羽が死亡したと伝えられている ...
[Mod. PMB- ニューカッスルの流行 Newcastle outbreaks が起きている、the Thar desert から約 805km とそれほど遠くない]

● 流行性出血病 米国、シカ科
PRO/AH/EDR> Epizootic hemorrhagic disease, cervids - USA (10) 20120829.1269299
[1] Delaware
 情報源 The Republic, WDEL-AM/Associated Press (AP) report、2012年8月24日。
デラウェア州当局 Delaware wildlife officials は、シカの死亡の原因となっている昆虫が媒介する疾患の流行性出血病 epizootic hemorrhagic disease, or EHD を懸念していないが、環境保護当局 the Department of Natural Resources and Environmental Control [DNREC] は調査のため、住民からの報告を求めている。
[2] Ohio
 情報源 The News-Herald、2012年8月25日
オハイオ Ohio 州では、干ばつに伴う the drought-driven epizootic hemorrhagic disease (EHD) が再興し、Middlefield Township では 13 captive-raised deer が死亡した ...
[3] Illinois
 情報源 Chicago Tribune、2012年8月27日
北部の Cook County で、通常この地域では見られないウイルスにより多数のシカが死亡し、その数が 100頭に達している。Kane County でも新たに 2頭の感染が疑われている、と森林保全当局者が 24日に述べた

● ヘビの病気、Boid inclusion body disease 封入体疾患 米国、アレナウイルス
PRO> Boid inclusion body disease - USA: (CA) arenavirus 20120829.1268864
Scientists discover new type of virus responsible for a devastating disease in snakes
 情報源 EurekAlert、2012年8月24日
封入体疾患 inclusion body disease (IBD) と呼ばれている原因不明の病気の被害が、captive boa constrictors and pythons (ニシキヘビ) の間に拡がり、行動異常が発生する結果、死亡に至っている。水族館 the Steinhart Aquarium in San Francisco のヘビに発生している an outbreak of IBD を調査した研究者らは、ありふれているが死に至る可能性のあるこの疾患の原因が、ウイルス感染によるとの確かな証拠を発見し、予防や治療につながる可能性がある、と報告した。オンラインの科学雑誌 the online open-access journal of the American Society for Microbiology (the 14 Aug 2012 issue of mBio )に掲載された。