2012年11月4日-5日

プリオン病 Emerging Infectious Diseases、PLoS
 
● プリオン病
PRO/AH/EDR> Prion disease update 2012 (10) 
Archive Number: 20121105.1392691
[1] 英国 K: situation as of 5 Nov 2012
 情報源 National Archives, National CJD Surveillance Unit, CJD, Monthly Statistics、2012年11月5日
The number of deaths due to definite or probable vCJD in the UK as of Mon 5 Nov 2012 remains 176. ...
[Mod.CP-2011 年は 5 new cases of vCJD が診断されたが、2012年のこれまでの 10ヶ月間は報告されていない ... ]
[2] Constant transmission properties
 情報源 Emerging Infectious Diseases、2012年9月9日
原著タイトル onstant transmission properties of variant Creutzfeldt-Jakob disease in 5 countries. Emerg Infect Dis. 2012 Oct; 18(10): 1574-9. doi: 10.3201/eid1810.120792
要約 
"Variant Creutzfeldt-Jakob disease (vCJD) はこれまでに 12カ国から報告されている。地域的な感染源に関わらずregardless of geographic origin. 、単一の共通する病原体 a common strain of agent が全ての患者 all vCJD cases の原因となっているとの仮説を立て、これを証明するために、フランス、オランダ、イタリア、米国のヒトの患者 human vCJD case-patients からの脳検体を 、菌株タイピングパネル[?] の野生のラット strain-typing panels of wild-type mice に接種した。マウスの、臨床症状、神経病理学的変化、glycoform profile について観察を行った; 結果について、英国の 2 reference vCJD cases と比較検討した。実験に使われた、それぞれのサンプルについて、マウスへの伝播 Transmission が確認され、マウス系統 mouse lines により発症までの平均潜伏期間に差が見られたものの、non-UK and UK cases に違いは認められなかった。これらの結果は、a single strain of infectious agent が all vCJD infections の病原体であるとの仮説を支持するものであった。しかし、incubation times に違いが見られたことから、症例間の菌株特性の真の相違を確認するには、さらにマウスの継代 further subpassage を行うことが必要と考えられた" ... 以下、原文参照願います。
[3] sCJD: differential diagnosis
 情報源 Archives of Neurology、2012年9月24日
原著タイトル Differential Diagnosis of Jakob-Creutzfeldt Disease. Arch Neurol. 2012 Sep 24:1-5. doi: 10.1001/archneurol.2013.79. [Epub ahead of print]
要約
目的: 
sporadic Jakob-Creutzfeldt disease (sCJD) の患者について、経過中に間違って診断された例を同定し、正しい診断が下されるまでにどの科の医師が診察を行い、どの段階で正しい診断が下されたのか、を明らかにする。
...
結果: 
診断の時期 Diagnosis of sCJD はかなり遅れていた quite delayed 。急速に進行する認知症 dementia がある場合、神経変性、自己免疫、感染症、中毒/代謝が原因であることが疑われる患者であっても、鑑別疾患として sCJD を入れ、脳 RI diffusion brain magnetic resonance imaging などの必要な診断検査を検討すべきである。プライマリケアと神経内科医らは、training in sCJD diagnosis の改善が必要である。
[4] Prions, zinc uptake, and disease
Mad cow protein linked to memory
 情報源 MSN News、2012年10月17日
クロイトフェルツヤコブ病 ad cow disease [variant Creutzfeldt-Jakob disease] の主な原因として疑われている脳内のタンパクが、学習や記憶に重要な役割を果たしていることが、研究で示された。プリオンタンパク Prion protein は脳内の亜鉛 zinc levels を、細胞による吸収を助けることで制御していることが分かった。このミネラルは神経シグナル伝達 nerve signalling に重要な役目を果たしていると考えられているが、細胞間の過剰な蓄積が Alzheimer's and Parkinson's diseases に関係するとされてきた ...
[5] Transmission of prions by crows?
 情報源 PLoS (Public Library of Science) ONE、2012年10月26日
原著タイトル: Prion Remains Infectious after Passage through Digestive System of American Crows (_Corvus brachyrhynchos_) PLoS One. 2012;7(10):e45774. doi: 10.1371/journal.pone.0045774. Epub 2012 Oct 17
要約 
カラス American crows (_Corvus brachyrhynchos_) などの鳥類の掃除人 Avian scavengers が、慢性消耗性疾患 chronic wasting disease、スクレイピー Scrapie、狂牛病 bovine spongiform encephalopathy などの transmissible spongiform encephalopathy (TSE) diseases の病原体 infectious agents (prions プリオン) を伝播している可能性がある。 プリオン RML-strain scrapie prions を含むエサを強制的に与えた 20 American crows の糞 fecal extracts をマウスに接種したところ、全てのマウスに、深刻な神経障害が認められ、プリオン検査も陽性となった ...

● デング熱 アジア、南北アメリカ(2件)
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2012 (57): Asia 20121105.1392687
 - Delhi area. 4 Nov 2012. Dengue 1135 cases; deaths 2. Increasing.
 - Bihar state. 2 Nov 2012. Dengue 250 cases; deaths 3. Affected districts: Bhagalpur (conf.) 152; Patna 67 cases.
 - Bokaro, Jharkhand state. 3 Nov 2012. Dengue 80 cases; deaths 4. Increasing.
 - Haridwar district, Uttarakhand state. 31 Oct 2012. Dengue (conf.) 58 cases. Increasing.
 - Maharashtra state. 1 Nov 2012. Dengue (conf.) 931 cases; deaths 34; Pune area since August 2012, 440 cases; deaths 5. Increasing.
 - Chandigarh area, Haryana/Punjab states. 26 Oct 2012. Dengue 347 cases; deaths, 5. Increasing.
 - Noida, Uttar Pradesh state. 27 Oct 2012. Dengue 151 cases; Increase.
地図 India 

PRO/EDR> Dengue/DHF update 2012 (56): Americas 20121105.1391404

● マールブルグ病 ウガンダ CDC
PRO/AH/EDR> Marburg virus disease - Uganda (09): travel advice, CDC 20121105.1392660
[1] CDC issues travel notice for Uganda due to Marburg outbreak
 情報源 Examiner.com、2012年11月4日
[2] Travel notice -- Uganda
 情報源 Centers for Disease Control and Prevention (CDC) Travelers' Health、2012年11月5日

● 真菌感染 米国
PRO/EDR> Fungal infection, contaminated drug - USA (10)
Archive Number: 20121104.1390341
[1] Current CDC statistics
 情報源 CDC、2012年11月2日。
Status: Ongoing Investigation
Infection: Fungal
Facility Type: Outpatient Setting
Case Count: 404
States: 19
Deaths: 29
[2] CDC Health Alert: Bacterial Contamination
 情報源 CDC Health Alert Network、2012年11月1日。
複数の州で発生中の真菌性髄膜炎および他の感染症の outbreak について現在行われている調査の中で、the CDC and the FDA は the New England Compounding Center (NECC、Framingham, MA.) の医薬品についての検査を継続して実施している。 NECC は今回の真菌性髄膜炎等の集団感染 the current outbreak of fungal meningitis に関係すると見られる注射用ステロイド薬を製造し、現在回収を行っている会社であり、 CDC and FDA は本日 [11月1日]、開栓されていないベータメサゾン betamethasone and cardioplegia solution のバイアルに、複数の細菌 several _Bacillus_ species and closely related bacterial organisms が混入していることを検査で確認されたことを明らかにした。これらの製剤は、10月6日に NECC が回収を行っていた。これらの環境中にありふれている細菌が、ヒトに感染症を起こすことはまれである;細菌が混入した経緯は明らかになっていない。CDC には、これらの製品に関連する _Bacillus_ or closely related organisms による、検査で確定された感染患者の報告は入っていない ... 
Medication / Lot number / Microbial contamination
Betamethasone / 08202012@141 / _Paenibacillus _pabuli/amolyticus_, _Bacillus idriensis_, _B. flexus_, _B. simplex_, _Lysinibacillus sp_.
Betamethasone / 07032012@22 / _Bacillus niabensis_, _B. circulans_
Betamethasone / 07302012@52 / _Bacillus lentus_, _B. circulans_
Cardioplegia solution / 09242012@55 / _Bacillus halmapalus_, _Brevibacillus choshinensis_
[3] CDC Health Alert Network: Additional Recalls
 情報源 CDC Health Alert Network、2012年10月31日。
10月31日、the FDA は Ameridose 社が、すでに流通段階にある消費期限内の医薬品の自主回収を行っている。同社の本社は Westborough, MA にあり、すでに真菌性髄膜炎等との関連のある注射用薬を回収中の the New England Compounding Center (NECC) と同一の複数の経営者を持つ。the recalled Ameridose products による被害の報告は入っていないが、FDA による同社への調査で、衛生管理等に問題がある可能性が指摘されている ...
関連項目 (09) 20121024.1361638

● 新型コロナウイルス サウジアラビア
PRO/AH/EDR> Novel coronavirus - Saudi Arabia (15): new case 20121104.1391285
 投稿者 サウジアラビア ・ Alfaisal University、Ziad A Memish, MD, FRCP(Can), FRCP(Edin), FRCP(Lond), FACP、2011年11月4日
入院患者のうちの 1人が、novel Coronavirus (nCoV) による肺炎であることが確定診断された。先に報告されている 2人の患者との疫学的関連性は確認されていない。入院時にインフルエンザウイルスを含め、通常の呼吸器疾患の病原体についての評価が行われた。全ての検査が陰性であったため、追加の検体が採取され、保健省検査機関および an international reference centre に照会が行われた。いずれの labs からも、陽性 RT-PCR positive results for nCoV upE target の結果が報告された ...
関連項目 (14): KSA MOH 20121022.1358297

● 病原大腸菌 EHEC 米国 O157
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - USA (36): (NY) O157, spinach 20121104.1390274
[1] NY でホウレンソウを食べた 16人が発症
 情報源 eFoodAlert、2012年11月2日
ニューヨーク New York State で 16人が、大腸菌 _E. coli_ O157:H7 infections に感染し、Wegmans Organic Spinach and Spring Mix を食べたことが原因と見られている。この商品は Wegmans by State Garden, Inc. (Chelsea, MA) が販売していた。患者の多くは western New York State の住民で、4人が入院となり、3人はすでに退院している ... 検査の結果、病気の発生に関係しているのは、消費期限が10月23日のものに限られていた; が、同社は全ての日付の商品を売り場から撤去した。同社製 Organic Spinach and Spring Mix は、14 Oct 2012 and 1 Nov 2012 の期間に、New York, Pennsylvania, New Jersey, Virginia, Maryland, and Massachusetts の各州の同店舗 the produce department において、5 oz and 11 oz clam shell packages として販売されていた ...
[2] 消費期限 10月23日付、Wegmans Organic Spinach and Spring Mix
 情報源 Wegmans.com、2012年11月4日
Wegmans Food Markets, Inc. は、大腸菌 _E. coli_ O157:H7.による汚染の可能性があるため、14 Oct 2012 and 1 Nov 2012 の期間中に、the produce department of its stores in New York, Pennsylvania, New Jersey, Virginia, Maryland, and Massachusetts で販売された、約 31 000 lbs. のホウレンソウ (Wegmans Organic Spinach and Spring Mix sold in 5 oz. (UPC 77890 16437) and 11 oz. (UPC 77890 16411) clam shell packages) の回収を行なっている。有機栽培のホウレンソウと spring mix をミックスした同製品は、下痢症やしばしば血便を伴う病気に関係する、大腸菌 _E. coli_ O157:H7 に感染した、ニューヨーク州の 16人の患者発生に関係している。これらの症状は、菌に曝露後約 3日後に発症することが多いが、その期間は1-9日間に及ぶこともある ... この商品は、State Garden, Inc. (Chelsea, Massachusetts) から Wegmans に納入されたものである。検査では、報告された疾患と関係したのは a use-by-date of 23 Oct 2012 の商品のみだったが、念のため、11月9日期限のものも含め、全ての商品を店頭から撤去し、Shopper Club card により購入した全ての消費者に電話連絡を行っている。

● 赤潮 米国
PRO/AH/EDR> Red tide, wild birds - USA: (FL Florida) 20121105.1392156
 情報源 NBC2、2012年10月24日
沿岸部 Southwest Florida's beaches の赤潮の発生により、The Clinic for the Rehabilitation of Animals (CROW) に多数の患者が運び込まれている。獣医師らが赤潮の被害を受けた患者の対応に追われている。ウ cormorants を中心に現在 about 1/2 a dozen の患者を受け入れている。ここ Sanibel で発見された sanderling [トリの種類] 1羽だったが、今はほとんど cormorants となっている、と説明した。有毒藻 toxic algae の摂取で死亡した魚類を食べた鳥類が、神経症状を発症している...

● イネの病気、Blast disease ナイジェリア
Outbreak of rice blast reported in parts of Kaduna
PRO/PL> Blast disease, rice - Nigeria: (KD) 20121105.1391776
 情報源 Leadership Newspaper, News Agency of Nigeria (NAN) report、2012年11月3日
The Kaduna State Government は、州内各地で utbreak of rice blast の発生が報告されていることを懸念している。

● ヘンドラウイルス オーストラリア ワクチン
PRO/AH/EDR> Hendra virus, equine - Australia (12): (QL) vaccine 20121104.1390394
[1] QL のウマが感染
 情報源 Weekly Times Now、2012年11月3日
クイーンズランド州 a far north Queensland property で安楽死した 1頭のウマの Hendra virus 感染が確認された ...
[2] 2012年末までにワクチン実用化の見込み
 情報源 The Chronicle.com、2012年10月31日
2012年末までに実用化の目途がついたヘンドラウイルス用ワクチンにより、恐ろしいウマの病気への不安が解消される見込みである ...
[3] ヒトへの感染伝播も回避できると期待
 情報源 New Scientist、2012年11月2日
ヘンドラウイルス The deadly Hendra virus にとって、ついに強敵が現れたかもしれない。オーストラリアで、ウマに使用可能なワクチンが登場した。ウマので感染による死亡を防止し、ヒトへの感染伝播も回避されることが期待される ...