2013年1月31日

マラリア ウガンダ
フィロウイルス バングラデシュ、オオコウモリ

● ラッサ熱 ナイジェリア
PRO/AH/EDR> Lassa fever - Nigeria (03): (PL) fatalities
Archive Number: 20130131.1524034
 情報源 English News, Xinhua 、2013年1月30日
中部で起きたラッサ熱感染流行 a recent outbreak of Lassa fever in Nigeria's middle-belt Plateau state により、30日に2人が死亡したことが、当局から発表された。女性 1名と男性 1名がそれぞれ、州が運営する病院 the state-run Jos University Teaching Hospital (JUTH) and Vom Christian Hospital での治療中に死亡した。 "2 other persons も現在 the Vom Christian Hospital で治療中であり、治療t treatment for Lassa fever によく反応している" と説明されている。 ... 2012年、 40 lives in 12 states が Lassa fever により奪われた。
関連項目 (02): (NA) fatal 20130128.1518329

● マラリア ウガンダ
PRO/EDR> Malaria - Uganda: (MD)
Archive Number: 20130131.1523957
 情報源 Daily Monitor、2013年1月31日
保健省 The Ministry of Health により、Mubende district で発生した原因不明の疾患はマラリア malaria であることが分かった。Kiryandongo Parish in Kisanda Village を中心に報告されていた。エボラ等 Ebola haemorrhagic fever and the Marburg virus である可能性は否定されている ... Mubende の豪雨の結果、マラリア The malaria outbreak が発生した、とされている ... 1月初旬に発生した今回の病気により、 5人が死亡し30人以上が入院となった。罹患すると、胸やけ heat around the chest や首の痒みが起こり、数時間後に嘔吐と鼻や口からの出血が起こった、とされている。
[Mod.EP-未治療のマラリアでは血小板が減少し、出血が起こることもまれではない。もしきちんとしたマラリアの治療が行われていたのであれば、薬剤耐性もしくは基準以下の薬剤の問題があることが示唆される]

● インフルエンザ 中国、重症度決定因子
PRO/AH/EDR> Influenza (12): (China) disease severity determinant
Archive Number: 20130131.1523890
 情報源 University of Oxford/Medical Research Council, press release、2013年1月29日。
中国の H1N1 swine flu [influenza A/(H1N1)pdm09] の患者の 69%に、遺伝子変異 The genetic variant rs12252-C が見つかった。研究者ら the University of Oxford and Beijing Capital Medical University は、中国人が H1N1 swine flu に罹りやすい理由が、A genetic variant であることを報告した。このことは、感染が重症化するリスクのあるグループを特定し、より治療の優先させることにつながる可能性がある

● ハンタウイルス カナダ、アルゼンチン(否定)
カナダ
PRO> Hantavirus update - Americas (06): Canada (BC)
Archive Number: 20130131.1523793
 情報源 CBC (Canadian Broadcasting Corporation) News、2013年1月28日
ブリティッシュコロンビアおよびユーコン州保健当局 Health officials from BC [British Columbia province] and Yukon は現在、ハンタウイルス hantavirus 感染による死亡患者の感染源調査のため、Atlin , BC に現地入りする。このまれな病気は通常、マウス deer mice [_Peromyscus maniculatus_] によって運ばれる。当局により、1月9日に the Whitehorse hospital において、急激な経過で死亡した45歳男性の死因が、同ウイルス感染であることが確認されている。州内の最も北部で確認されたハンタウイルス感染例である、と説明されている。1995年までは、Williams Lake が感染発生の北限であり、今回の例は the farthest north であることは間違いない" とのことである ...
[Mod.TY-Sin Nombre virus である可能性が高い ... カナダにおける Sporadic cases of hantavirus pulmonary syndrome は主に、the provinces of Manitoba, Saskatchewan, Alberta, and British Columbia で発生している (20060626.1777)]

アルゼンチン 否定
PRO/AH/EDR> Hantavirus update - Americas (05): Argentina (BA), NOT
Archive Number: 20130131.1523792
 情報源 PlusInformacion [in Spanish]、2013年1月30日
[La Plata, Buenos Aires province で 1月に報告された感染疑い例の1例 (20130126.1516152) に関する報告]
the suspected case of [a] hantavirus [infection] in Villa Elvira [La Plata] ではないことが確認された。市当局 Authorities of the La Plata Municipality Secretariat of Health and Social Medicine が、関連検査で可能性を否定された結果を受けて明らかにした。男性からの検体についての、ハンタウイルス hantavirus [infection] ならびにレプトスピラ症 leptospirosis の検査はいずれも陰性となった。the Journalism Faculty of the La Plata National University で教職以外の仕事を行っていたこの男性は、23日に重い病気に罹り、the San Vicente Hospital に入院後、24日に死亡した。男性の死因は、腸管感染症 a gastrointestinal infection によるものと見られている ...

● コレラ ザンビア、ウガンダ、タンザニア、マレーシア 
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update (08): Africa, Asia
Archive Number: 20130131.1522070
[1] コレラ - ザンビア Zambia
 - Zambia (Luapula Province):Times of Zambia、2013年1月30日。
Chipili District of Luapula Province で発生したコレラにより 4人が死亡した ...
 - Zambia (Central Province):Daily Mail、2013年1月30日。
Lukanga Swamps in Kapiri Mposhi において新たに 1名のコレラ患者が確認され、2012年 9月以来の Kapiri Mposhi and Kabwe における合計患者数は55人となった ...
[2] コレラ - ウガンダ Uganda (Nebbi District):New Vision (Uganda)、2013年1月30日。
Dei parish, Panyimur sub-county in Nebbi district の 6つの村でコレラ感染流行 A cholera epidemic が発生しており、赤十字 the Uganda Red Cross (URC) によれば、発生したのは 1月とされている ...
[3] コレラ - タンザニア Tanzania (Rukwa Region):AllAfrica, Tanzania Daily News report、2013年1月26日。
the Lake Rukwa Basin in Sumbawanga District 周辺で発生した流行により、これまでに 9人がコレラ感染により死亡し、300人が治療中である ...
[4] コレラ - マレーシア Malaysia (Sabah State):Borneo Post、2013年1月24日。
the Papar district [Sabah State, Borneo] において、1月に20人のコレラ感染が確認され、当局は市民に対し、個人の衛生管理と飲食物の安全確認を呼びかけている ...

◎ フィロウイルス バングラデシュ オオコウモリ

PRO/AH/EDR> Filoviruses - Bangladesh: fruit bats, susp. 
Archive Number: 20130131.1523666
 情報源 The New York Times、2013年1月28日。
原著 the Journal 'Emerging Infectious Diseases': Ebola Virus Antibodies in Fruit Bats, Bangladesh. Emerg Infect Dis2013; 19(2): 270-3. doi: 10.3201/eid1902.120524
Asian fruit bats で初めて the African Ebola virus [の抗体] が確認され、既知の範囲を超えたより広い地域に感染が拡大している可能性が示唆されている。出血熱の感染流行 outbreaks of hemorrhagic fever が必ず起きるという訳ではない、と研究者 the bat-hunting team at EcoHealth Alliance は説明している。
コウモリは、おいしいナツメヤシジュース tasty date palm sap を採取するために樹に取り付けられている容器から飲むことが知られている。Ebola virus とは関係しないが、バングラデシュにおける致死性のニパウイルス fatal outbreaks in Bangladesh of Nipah virus の発生が、コウモリの唾液、尿、糞に汚染されたジュースが原因であると考えられている。樹液の採取者らには、容器 their collecting jars に竹のカバーをしてコウモリを寄せ付けないようにすることが求められている。
今月の Emerging Infectious Diseases 掲載のこの報告の中で研究者らは、276 bats in 4 Bangladesh districts を捕獲したと述べ、"コウモリは洞窟に棲息するが、バングラデシュにはほとんど洞窟がなく、'Indiana Jones' に出てくるような古い廃墟の外側にかすみ網 mist nets を設置した" と説明している。 夕方にエサを取りにやってくるので、研究チームは、(網にかかった) コウモリの網をはずし、採血したり、唾液・尿・糞などの検体を採取後、解放したとされている。このうちの 5頭 -- すべて the _Rousettus leschenaultii_ species -- が、エボラウイルス the Zaire Ebola virus [Zaire ebolavirus] 抗体検査に反応した。
ウイルスそのものは検出されなかったため、遺伝学的解析 genetic sequencing を行うことはできず、the African strain との関係を明らかにすることはできなかった。非常に近い種のオオコウモリは、アフリカ、インド、中国にも生息しているが、それぞれの生息域 their territories が重なり合うことはなく、また長距離を移動することもない。したがって [発見された] ウイルスは、何千年も前の祖先 a bat ancestor species から保有されてきた可能性があるという。
類縁ウイルスである Ebola Reston [Reston ebolavirus that is, the related filovirus Reston virus] は、フィリピンのオオコウモリ Philippines fruit bats で確認され、ヒトでの病原性は確かめられていない。また、an "Ebola-like" virus [Lloviu virus] がスペインの食虫コウモリ insect-eating bats で発見されている。しかしバングラデシュのウイルスは Zaire ebolavirus と最も近い関係 closest to にある。エボラウイルス Ebola virus は初め、ゴリラのウイルス a gorilla virus だと考えられていた。それは、死亡したゴリラを食べたヒトに感染流行 human outbreaks が発生したためである。しかし研究者らは、自然界の保有宿主はコウモリであって、 コウモリの唾液や排泄物が付着したフルーツの摂取により、霊長類 primates が感染したと考えている。
[Mod.CP原著要約:エボラウイルスの地勢的分布 geographic range for Ebola virus を確認する目的で、276 bats in Bangladesh の調査を行ったところ、5 (3.5 percent) bats で抗体 antibodies against Ebola Zaire and Reston viruses が確認された; PCR によるウイルスの確認はできなかった。これらのコウモリがウイルスの保有宿主 a reservoir for Ebola or Ebola-like viruses であり、フィロウイルスがアジア大陸 mainland Asia にまで及んでいる可能性が考えられる ... フィロウイルスに関する説明 [The family _Filoviridae_ contains 2 genera: _Marburgvirus_, which contains Marburg virus (MARV), and _Ebolavirus_, which contains 4 viruses: Zaire ebolavirus (ZEBOV), Sudan ebolavirus, Reston virus (REBOV), and Cote d'Ivoire ebolavirus, and 2 tentative species (Bundibugyo ebolavirus and Lloviu virus) 、ほかヒトへの病原性など] ... 
自然界の保有宿主 natural reservoirs of filoviruses については、数十年間分からないままになっている。いくつかの報告から、Old World insectivorous bats (genera _Rhinolophus_ and _Miniopterus_) and frugivorous bats (family _Pteropodidae_) などのコウモリ bats (Order _Chiroptera_) が自然界の一次宿主 the primary natural hosts として示唆されている。オオコウモリ Fruit bats of the genus _Rousettus_ は、 filoviruses in Africa and Reston virus in the Philippines の a reservoir と考えられてきた。
Lloviu ebolavirus [more correctly Lioviu filovirus] は _Miniopterus schreibersii_ insectivorous bats from Spain で確認され、この種 [のコウモリ] に病原性を示すが、ヒトへの病原性は知られていない。
これらの研究から、viruses of the family _Filoviridae_ in chiropteran hosts は、広大であるが未だ詳細な記述のない地理的分布 geographic distribution を有していることが予想される。われわれは、南アジアでの地理的分布を確認する目的で、バングラデシュの コウモリ bats of several species で ebolavirus infection についてのスクリーニング調査を行った。この調査により、アジア大陸 mainland Asia の野生動物のエボラウイルス感染 evidence of ebolavirus infection を明らかにし、確認されている範囲を越える地域までフィロウイルスが広がっていることを示した。ザイールエボラウイルス ZEBOV だけが陽性となったことから、現在アジアで唯一確認されているレストンウイルス REBOV とは異なる an ebolavirus への曝露が示唆された。マールブルグウイルス MARV との交差反応 cross-reactivity については、両遺伝子間の核タンパク遺伝子 nucleoprotein genes of REBOV/ZEBOV and MARV の相同性がわずか 35 percent であることから、その可能性は低いと考えられる。ただし、共感染 co-infection with multiple filoviruses を除外することはできない。
本研究で確認された血清陽性率 Seroprevalence は他の研究結果と一致しているが、 _Rousettus_ spp. bats に関する他の研究では、より高い陽性率 (such as, 7-20 percent and 8 percent of _R. aegyptiacus_ bats seropositive for MARV and ZEBOV, respectively), and 5 (31 percent) of 16 _R. amplexicaudatus_ bats seropositive for REBOV が示されている。この違いは、ウイルスが新種である場合の特異性の低いアッセイ、採血量が少ないためのアーチファクト、バングラデシにおける _Rousettus_ spp. に比べより優位な保有宿主の存在、もしくはサンプル時期の違いなどが考えられる。 
_R. leschenaultii_ bats は広い生息域を有する (China to India); より詳しい生態や多様性についての研究によって、これらの種の人獣共通感染症の保有種としての役割がより深く理解されるだろう。
著者らの結論として: "コウモリの血清学的及びウイルス調査が、ウイルス宿主の同定に多くの示唆を与えることを指名した。過去の研究で、コウモリの糞からの ZEBOV nucleic acid について詳細に報告されている。我々もコウモリの糞の調査により、ウイルス排泄経路としての可能性を示し、コウモリからヒトへの曝露の経路を知る上で有用であった。 reservoir hosts からの ebolavirus 排泄が短い間隔で行われ、ウイルス血症と抗ウイルス価が逆相関 an inverse relationship することにより、血清検査陽性のコウモリで negative PCR results であったことを説明することができる。核酸 filovirus nucleic acid を検出できなかったことは、サンプルサイズが小さい、ウイルスの保有率が低い、あるいは使用した検査 a PCR がバングラデシュで感染循環する filoviruses に対して感受性が低いものであった、ことなどを反映したと考えられる。バングラデシュにおいて、ニパウイルス Nipah virus 感染流行が、コウモリの排泄物に汚染されたジュース date palm sap と関係し、恐らく _Pteropus giganteus_ bats コウモリだとされている。 _R. leschenaultii_ bats and other small fruit bat species は _Pteropus_ spp. bats の何倍も多く date palm trees に集まる。これらの結果は、 _R. leschenaultii_ bats は、保有するフィロウイルスや他の知られていないウイルスを感染伝播する可能性があることを示している。また、さらに詳しい生態学的調査や、ヤシの収穫期 periods of date palm harvesting に、コウモリとヒトとの接触を減らすことができる、低コストのバリア法の実施求められている。
" 出血熱ウイルスであるエボラウイルスは当初、ゴリラのウイルスの 1種と考えられていた。ヒトでの流行が、ゴリラの死体を摂取した人々に発生したためである。しかし、数々の証拠の蓄積により、コウモリが the natural reservoir であり、霊長類はコウモリによって汚染されたフルーツの摂取により感染した可能性が高いことが示されるようになった (Nipah virus_ 同様)。上記の研究により、ebola-like viruses、すなわち members of the virus family _Filoviridae_ は現在、コウモリが棲息する至る所に存在し、アフリカ大陸だけに限定されるのではないと考えられる。
最近 Airlangga University's Avian Influenza-zoonosis Research Center in Surabaya, East Java が実施した別の研究で、カリマンタン Kalimantan において、複数のオランウータン orangutans でのエボラウイルス感染の痕跡 evidence of ebolavirus が確認されている。2005年12月から2006年12月までの期間に、健康なオランウータン 353 healthy orangutans から採取された血液検体のうちの 65 serum samples の検査結果が陽性 positive for ebolavirus infection であった、と報告されている。The orangutan は Kalimantan and Sumatra だけで確認されている(Serological Evidence of Ebola Virus Infection in Indonesian Orangutans. PLoS ONE 7(7): e40740. doi:10.1371/journal.pone.0040740. Open access article]。
同様に、中国のコウモリに対して、an enzyme linked immunosorbent assay for ebolavirus using recombinant nucleocapsid protein による血清学的調査 a sero-surveillance study が実施され、32 of 843 bat sera samples でエボラウイルス抗体が、10 of 16 については western blot analysis で確定された (Serological evidence of ebolavirus infection in bats, China. Virol J. 2012; 13(9): 236)。
この種の研究においては分類学上の用語 taxonomic terminology が誤用されることが多い。these surveys において、感染性ウイルス Infectious virus が分離されたことはなく、血清学アッセイ the serological assays ではフィロウイルスを特定する specific for any particular filovirus strain (or virus species) ことはできない。
調査の結果から言えることは、広範囲のフィロウイルスに交差反応を示す抗体 broadly cross-reactive filovirus antibodies が、おそらく世界各地のコウモリで確認された、というのに過ぎない。 だからといって、この結果をもって、出血熱の原因となるフィロウイルス filoviruses が世界中に存在すると言うことにはならないのである]

● シュマーレンベルグウイルス 欧州
PRO/AH/EDR> Schmallenberg virus - Europe (11): int'l trade, semen, certification
Archive Number: 20130131.1524123
[1] Bull semen, Netherlands to Morocco
[2] Bull semen, Netherlands to Japan
[3] Bull semen, Netherlands to Peru
[4] Live breeding cattle, Netherlands to Turkey