2013年5月10日・

鳥インフルエンザ、ヒト (75) WHO リスク評価 など

口蹄疫-中国 (10) チベット st. A, ウシ OIE 
Foot and mouth disease, China (People's Rep. of)、New strain of a listed disease、Follow-up report No. 2
PRO/AH> Foot & mouth disease - China (10): (Tibet) st. A, bovine, OIE
Archive Number: 20130510.1704885
情報源 OIE, WAHID、2013年5月10日。
感染開始時期 2013年4月12日
病原体 Foot and mouth disease virus、Serotype: A
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1: Jiesha village, Naidong, Shannan, Tibet
感染した種/個体数/感染数/死亡/廃棄/処分
ウシ Cattle / 25 / 11 / 0 / 25 / 0
ヒツジ Sheep / 28 / 0 / 0 / 28 / 0
ブタ Swine / 3 / 0 / 0 / 3 / 0

鳥インフルエンザ、ヒト (75) WHO リスク評価、疾患プロフィール
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (75): WHO risk assess. disease profile
Archive Number: 20130510.1704795
[1] WHO Risk Assessment
情報源 WHO, Human and Animal Interface, Risk Assessment Update、2013年5月10日。
中国政府当局 the China National Health and Family Planning Commission から WHO に対し、131人の鳥インフルエンザ感染確定患者confirmed cases of human infection with avian influenza A(H7N9) virus が報告されており、台湾当局 the Taipei Centers for Disease Control (Taipei CDC) も 1例を報告している。幅広い年齢層の男女から報告されているが、多くが中年以降の男性で占められている。32人が死亡し、他の患者も重症とされている。(江蘇省への旅行歴があった) 台湾の症例を含め、感染した患者は、安徽省 Anhui、福建省 Fujian、湖南省 Henan、湖南省 Hunan、江蘇省 Jiangsu、江西省 Jiangxi、山東省 Shandong、浙江省 Zhejiang と、北京 Beijing 並びに上海 Shanghai の両市から報告されている。このウイルスについては解明されていないことが数多く残されており、その中には、ウイルス感染循環のある保有動物の種、主要な曝露および伝播経路、ヒト及び動物間のウイルス感染の拡大範囲、などが含まれる。調査が続けられているが結論には至っていない。
そうした中、ヒトでの感染は、生きた家禽もしくは汚染された環境への曝露に関係すると見られている。その理由として:

- ヒトで確認されたウイルスと、動物及び環境 (生きた家禽の市場) で確認されたウイルスは、遺伝子学的に同じもの genetically similar だった。
- ヒトの感染例の多く (およそ 4人に 3人) で、動物、特にニワトリとの接触歴が報告されている。
- live bird markets の家禽でウイルスが確認されている。
- live animal markets の閉鎖後に患者数が減少した。ペットや野生のトリやほ乳類などの、他のウイルス保有種が存在する可能性もあるが、特定されていない。また、家族内発生 2 family clusters が報告されているが、ヒトからヒトへの持続的な感染が起きている証拠はない:
-  確定患者との接触者 (2000人超) について観察と検査を行ったが、感染はほとんど確認されなかった。
- 3月と4月に発生した 2万人を超えるインフルエンザ様疾患 influenza-like illness (ILI) の患者のうち、H7N9 が確認されたのは、わずか 6 人であり、軽症の感染例 milder cases of H7N9 infection が多数発生しているとは考えにくい。
同型鳥インフルエンザ the avian influenza A(H7N9) subtype のヒトへの感染が確認されたのは今回が初めてである。これまで、他の H7 亜型  influenza A(H7) viruses の感染が、家禽での感染流行発生に伴って散発性に発生している。少数の発生である、ヒトでの感染 The few A(H7) human infections の結果、軽い症状と結膜炎が発生し、例外として 1例の死亡があった。
ヒトから分離されたウイルス avian influenza A(H7N9) viruses の、遺伝子学ならびに検査上の特徴として:
- 複数の起源を持つ、一群のインフルエンザウイルス遺伝子 a group of influenza virus genes を包含する。
- レセプター alpha 2-6 receptors への親和性を高めるようなアミノ酸置換など、いくつかの遺伝子学的変化が見られ、他の鳥インフルエンザウイルスと比較して、H7N9 はヒトを含むほ乳類への強い感染力を有する可能性がある。
- 分離されたウイルスの中で遺伝子塩基配列の違いが認められることから、動物からヒトへのウイルスが複数回 ( 1回のみではなく) あったことが示唆されている。
- 遺伝子学上、ノイラミニダーゼ阻害薬 オセルタミビル oseltamivir とザナミビル zanamivir 感受性が期待できるが、抗ウイルス薬 アマンタジン amantadine とリマンタジン rimantadine への耐性が予想される。
- 分離されたウイルスのヘマグルチニン構造 haemagglutinin structure は、トリに対する低病原性を示している。家禽での重症疾患発生が報告されたことはない。このような症状の欠如により、H5N1 鳥インフルエンザ avian influenza A(H5N1) ほど容易にトリの間でのウイルス感染を感知することは難しい。

リスク評価
今回は、4月13日の評価に代わるもので ... The risk has not changed since the previous assessment.

感染発生地域において、さらにヒトの感染が増えるリスクは何か?

今回のアウトブレイク及びウイルスについて分かっていることは限られており、感染させた保有宿主や動物間での感染の範囲についても同様である。しかし、ヒトの H7N9 感染例のほとんどが動物または生きたトリを売る市場に関係している。新たな患者発生はあると考える必要がある。 H5N1 など他の鳥インフルエンザウイルス感染は季節により変化し、ヒトの感染者数が、夏季に減り冬季に多いパターンがある。H7N9 infections が同様の季節性パターンを取るかどうかについては、現時点では不明である。患者の多くが重症化している。

ヒトからヒトへの感染リスクは?

現時点で、ヒトからヒトへの持続的な感染が起きている証拠はない。しかし、2組の家族内発生では、家族内や医療現場などの患者間の濃厚接触がある場面での、限定的な human-to-human transmission が起きていた可能性がある。さらに、これらのウイルスにおいて、ほ乳類への適応を示唆する遺伝子変化が認められており、より適応が進むことが懸念されている。より多くの重症感染例の間でヒト-ヒト感染が持続して発生した場合、医療システムの負担が増すことにつながる。

旅行者による、国境を越えた H7N9 感染拡大のリスクは?

international spread が起きている証拠はない。有症もしくは無症候性の感染患者が他国を訪れ感染を拡大させる可能性があるが、持続的なヒト-ヒト感染の証拠がないことから、コミュニティ内でさらに感染が拡がることは考えにくい。もしも感染伝播性 transmissibility が強まった場合には、感染拡大の危険性も高まることになる。

WHO does not advise special screening at points of entry with regard to this event, nor does it currently recommend any travel or trade restrictions.

[2] ­­Case Monitoring
情報源 Emerg. Infect. Dis.、2013年5月8日。
原著タイトル Monitoring Avian Influenza A(H7N9) Virus through National Influenza-like Illness Surveillance, China.
要約 中国国内の10か所の地域で、3月4日から4月28日までの期間に、インフルエンザ様疾患の患者からの 20 739 specimens について avian influenza A(H7N9) virus testing が行われた: 6 (0.03 percent) が陽性となった。サブタイプの分類ができないインフルエンザ陽性検体 unsubtypeable influenza-positive specimens 数の増加は認められなかった ... 以下、H7N9 の発生状況、全国サーベイランスシステム the Chinese National Influenza-Like Illness Surveillance Network (CNISN) のデータ解析結果など、原文 [Google 翻訳] 参照願います。

ブルセラ症-オランダ LI serovar 2, wild boar, OIE 
Brucellosis (_Brucella suis_), Netherlands、1st occurrence of a listed disease
PRO/AH/EDR> Brucellosis, porcine - Netherlands: (LI), serovar 2, wild boar, OIE
Archive Number: 20130510.1704688
情報源  OIE, WAHID 2013; 26 (20)、2013年5月9日。
感染開始時期 2013年5月6日
病原体 _Brucella suis_ - biovar 2
新たな感染流行
Total outbreaks: 1
Outbreak Location: Limburg (Vaals en Margraten)
感染した種/個体数/感染数/死亡/廃棄/処分
Wild boar: _Suidae_ (_Sus scrofa_) / 30 / 2 / 0 / 0 / 2

シュマーレンベルグウイルス-欧州 (22) 状況、OIE トルコ 疑い
PRO/AH/EDR> Schmallenberg virus - Europe (22): status OIE, turkey susp.
Archive Number: 20130510.1704469
[1] OIE 本部で技術セミナー開催
情報源 Rosselkhoznadzor News [in Russian]、2013年5月8日。
7日、the International Epizootic Bureau [OIE] (Paris) 本部でシュマーレンベルグウイルスに関する技術セミナーが開催され、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンと欧州連合の各代表が出席した ...
[2] Antibodies to Schmallenberg virus in domestic livestock in Turkey.
情報源 Trop Anim Health Prod, May 2013 (Preview), Short communications, abstract、2013年5月9日。
要約 2011年後半に。トルコ the Middle Black Sea, West, and Southeast regions of Turkey からドイツに輸入された家畜の反芻動物で初めて報告された、新型オルトブニヤウイルス a new Orthobunyavirus である、シュマーレンベルグウイルス Schmallenberg virus (SBV) について、その抗体陽性域 the seroprevalence を後方視的に確認する目的で本研究がデザインされた。2006-2013 年のと畜場で採取されたスクリーニングのための血清検体を用いて、indirect enzyme-linked immunosorbent assay により調べられた。全体の陽性率 The overall seroprevalence は 335/1362 (24.5 percent) であり、ウシ ・ ヒツジ ・ ヤギ ・ 水牛 Anatolian water buffalo についてはそれぞれ 325/816 (39.8 percent), 5/307 (1.6 percent), 3/109 (2.8 percent), and 2/130 (1.5 percent) であった ...

結核-インド (02) MDR
PRO/EDR> Tuberculosis - India (02): MDR
Archive Number: 20130510.1703033
情報源 The Indian Express、2013年5月9日。
インドでは 1分に 1人が結核により亡くなっている。Chandigarh とその周辺地域も同じ状況にあり、多剤耐性結核 multidrug resistant tuberculosis (MDR-TB) の割合が 9 %に及んでいることが研究者 the doctors of PGIMER [Postgraduate Institute of Medical Education and Research, a medical and research institution located in Chandigarh, India] により明らかにされた ...