2015年7月6日

レプトスピラ症-印
狂犬病-ベトナム (02)
ボツリヌス症-アルジェリア (02) 肉ペースト
サルモネラ症-米 (06) レストラン
ジフテリア-南アフリカ (02) 死亡
エボラウイルス疾患-コンゴDR (02) 否定
アメーバ性髄膜脳炎,原発性-米 CA
MERS-CoV (88)-フィリピン 中東から,韓国,サウジアラビア RFI
ラッサ熱-ナイジェリア (06)

レプトスピラ症-印 MH 死亡,洪水
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - India (MH) fatal, flooding
Archive Number: 20150706.3489806
情報源 The Times of India、2015年7月5日。
ムンバイ Mumbai で降雨と洪水により都市機能が麻痺してから10日後,レプトスピラ症 leptospirosis が大発生し,7月初めからの 4日間で2人が死亡,ほか 15人の患者が確認されている。

狂犬病-ベトナム (02) LO イヌ,ヒト
PRO/AH/EDR> Rabies - Viet Nam (02): (LO) canine, human
Archive Number: 20150706.3489699
情報源 Viet Nam News、2015年7月6日。
北部山岳地帯 The northern mountainous province of Lao Cai では,ペットのイヌやネコの狂犬病への注意が呼びかけられている。5月後半からの熱波が続く中,省内各地から 152人が狂犬病の暴露後接種のため医療機関を受診し,2人の死者が発生した。各年齢層の患者がいる中,大部分が若年層の患者となっている。6月4日から 7月3日までの短期間に,およそ 62人が,イヌやネコによる咬傷や擦過傷のため,狂犬病ワクチンを接種されていた。イヌから狂犬病に感染し死亡した 2人は,Trung Chai Commune in Sa Pa District の26歳と,Sa Pa Commune in the same district の12歳だった。狂犬病の知識が広く行き渡っていなかったため,咬傷後にワクチンを受けていなかった ...

ボツリヌス症-アルジェリア (02) BT 肉ペースト
PRO/EDR> Botulism - Algeria (02): (BT) meat paste
Archive Number: 20150706.3489698
情報源 Barf Blog、2015年7月5日。
ボツリヌス菌毒素が混入した肉ペースト botulism toxin-containing meat paste により,少なくとも 2人が死亡し,ほか8人に健康被害が発生した。Batna で3日,2人目の患者が心肺障害が発生し死亡した。 Khenchla の小児に続く 2人目の死亡となった ... 痛んだミートペースト rotten meat paste (cachir) を摂取したことが原因と見られているが,the Pasteur Institute of Algiers による細菌学的検査の結果は判明していない。the provinces of Batna and Khenchela で販売されていた cachir 1トンと chicken paste 329kgが廃棄された。

サルモネラ症-米 (06) NC レストラン
PRO/AH/EDR> Salmonellosis - USA (06): (NC) restaurant
Archive Number: 20150706.3489193
情報源 Food Safety News、2015年7月1日。
1日に発表された最新情報によると,ノースカロライナ州保健当局 the North Carolina Department of Health and Human Services は,バーベキューレストラン the Tarheel Q barbecue restaurant in Lexington, NC に関連する,248 人の下痢症患者と1人の死亡を確認している。
以下の情報が公表されている:
- 248 人は 19 North Carolina counties and 5 states に分布;
- 州内の患者の72%が residents of Davidson County and Davie County;
- 検査により,the BBQ sample およびアウトブレイク初期の患者から,サルモネラ菌 _Salmonella_ species    ,serogroup Typhimurium が検出。 ...

ジフテリア-南アフリカ (02) NL 死亡
Update on the diphtheria outbreak in KwaZulu-Natal Province, South Africa, 2015
PRO/EDR> Diphtheria - South Africa (02): (NL) fatal
Archive Number: 20150706.3489148
投稿者 南ア・Head, Division of Public Health Surveillance and Response,Prof Lucille Blumberg、2015年7月6日。
1 May 2015 の投稿 [20150501.3333702] 後の最新情報として, 新たな患者と死者について報告する。今日までに,2 (eThekwini and Ugu) districts in KwaZulu-Natal Province から新たなジフテリア患者 diphtheria case-patients の報告があった。いずれも人口密度の高い,都市及び都市近郊地域である。6日時点で合計 15人のジフテリア患者 (うち 11人で,トキシン産生性 が確認 laboratory-confirmed as toxin producing ) が報告され,このうち4人が死亡。ジフテリア菌が確定診断された患者 laboratory-confirmed toxigenic _Corynebacterium diphtheriae_ のうちの無症候性キャリアの6人は,4人のジフテリア患者との接触者の中から発見された。患者の年齢は4から41歳で,ワクチンの接種歴が確認できた6人中,4人の発症した患者 case-patients は,年齢に応じたワクチン接種状況の更新が行われていなかった。日本政府の好意により提供された,ジフテリアトキシン抗毒素による治療 Diphtheria antitoxin treatment (DAT) が用意され,発症した患者6人に対する投与が行われている。濃厚接触者に対する抗生物質提供とワクチンの追加接種キャンペーン等の対応策を実施した。さらに,分離菌の分子学的解析を行っている。最後にジフテリア疑いの患者が確認されたのは6月12日で,3週間が経過した。引き続き,注意深く,新たな患者に対するサーベイランスを行う。今回のアウトブレイクが発生する以前に,南アフリカで最後に検査で確定診断された患者が報告されたのは2010年2月で,この患者は死亡している。2013年8月に臨床診断の1例が報告されており,この患者は生存中である。いずれも小児の患者だった。
 [Mod.LL CDC  からの引用,原文参照願います]

エボラウイルス疾患-コンゴDR (02) BN 否定
Suspected Congo Ebola victims test negative for the virus
PRO/AH/EDR> Ebola virus disease - Congo DR (02): (BN) NOT
Archive Number: 20150706.3488956
情報源 Yahoo News, Reuters report 、2015年7月5日。
保健相が 4日,体調を崩しエボラ感染が疑われていた 6人のハンターの,エボラウイルス検査が陰性であったことを明らかにした。政府及び WHO は,首都の北東約270kmで起きたエボラ感染が疑われる流行の調査を行った。ハンターらが,弱っていたアンテロープを射殺してその肉を食べた後,下痢,嘔吐,血尿などのエボラ類似の症状を発症した。このうち4人が死亡した ...
関連項目  Congo DR: (BN) susp, RFI 20150702.3480760

アメーバ性髄膜脳炎,原発性-米 CA
PRO/EDR> Amebic meningoencephalitis, primary - USA: (CA)
Archive Number: 20150706.3488234
情報源 Forbes、2015年7月3日。
Inyo County, California カリフォルニア州の 21歳女性が死亡し,アメーバ _Naegleria fowleri_ がふたたびニュースに登場することとなった。全米で過去 10年間に,同アメーバに感染した患者はわずか35人しかいない。50年間に 128人が死亡し,生存者はたった 3人である。一方,カラチ Karachi, Pakistan で最近起きた集団発生では,数週間で 8人目の犠牲者が発生している。この寄生虫は淡水に生息し,多くの場合,湖,特に水温の高い南部で遊泳中に感染する。アリゾナ Arizona 州の自宅の子供用プール,プール用滑り台,生後8か月の乳児の潜水儀礼 a full-submersion baptism ceremony などによる感染例がある。あるいは清潔でない水道水を使った,慢性副鼻腔炎の治療や宗教上の儀礼としてよく行われる鼻洗浄が感染につながった例もある。鼻洗浄 Neti pots により相次いで患者が発生したことから,食品医薬品局 the Food and Drug Administration が,生理食塩水による鼻洗浄に清潔な水を使用するよう,注意喚起した。 Naegleria が混じった水を飲用しても感染することはなく,ヒトからヒトへの感染も起こらない。汚染された水を鼻から吸い込んだ時にだけ,感染する。ヒトに感染するアメーバには,このほかに2種類あるある。Acanthamoeba は,コンタクトレンズ装用者の重症眼感染症 (keratitis 角膜炎) と関連することが多い。2007年の大流行は,レンズ用液自体の汚染ではなく,使用中の汚染が原因と考えられている。もう1種類は _Balamuthia mandrillaris_ で,同じく脳炎の原因となる。鼻や皮膚の傷から侵入する可能性がある。

MERS-CoV (88)-フィリピン 中東から,韓国,サウジアラビア RFI
PRO/AH/EDR> MERS-CoV (88): Philippines ex Middle East, South Korea, Saudi Arabia, RFI
Archive Number: 20150706.3488115
[1] フィリピン ex Middle East - media report, RFI
DOH: foreigner tests positive for MERS
情報源 ABS-CBN News、2015年7月6日。
保健当局 The Department of Health が 6日,最近フィリピンに入国した,中東からの外国人が,MERS-CoV 検査で陽性となったことを明らかにした。この36歳の外国人患者は,2日にMERS-CoV感染の症状があり,4日,the Research Institute for Tropical Medicine に入院となった。4日に行われた検査で,午後5時に検査結果が陽性と判明した。患者のウイルス量 viral load は低く,回復の可能性があると述べた。患者と接触のあった1人が,MERS 感染の症状を発症し隔離されている ...
 [Mod. MPP -フィリピンで MERS-CoV infection が確認されるのは今回で2例目となる。いずれも中東からフィリピンへの渡航が確認されている。1人目は 2015年1月に,サウジアラビアからフィリピンに帰国した,フィリピン人の看護師だった (20150212.3160052)。今回のあらたかな感染例について,他の報道では, フィリピンへの到着日が,発症の13日前の,6月19日とされている。より詳しい情報や,MERS 様症状が見られた接触者に関する新たな情報が望まれる。その後の持続感染が起きなかった,1月の1例目のような比較的良好な経過であってほしい]
[2] 韓国, 0 new cases, 0 new deaths - MOH 6 Jul 2015
情報源 South Korea MOH [in Korean]、2015年7月6日。
As of 6 Jul 2015 there have been a total of:
186 laboratory-confirmed cases of MERS-CoV infection, including 33 deaths, 117 recoveries, and 36 currently under treatment.
24時間以内に発生した患者:
0 newly confirmed cases
0 newly reported deaths, and
1 newly reported recovery.
 [Mod. MPP -No news is good news.... 確かに感染伝播のペースは落ちてきているが,次の[3]の記事内容が正確であるならばなおのこと,感染が収まったと結論するのは早すぎる]
[3] 韓国, case no. 186 transmission - media report, RFI
S Korean woman has MERS -- a week after quarantine over
情報源 The Straits Times、2015年7月6日。
韓国内で最新の患者の感染 The latest Middle East respiratory syndrome ([MERS-CoV]) infection は,隔離から解放された1週間後の女性に発生し,保健当局が女性の感染経路を調査中である。4日にMERSと診断されたのは,50歳のがん患者で,国内で186例目となった。この女性は,6月12日に感染した55歳のMERS患者の妻で,(夫は) 7月2日に完治し退院している。夫の感染が明らかになってから,14日間この女性は隔離されていた。しかし,2日になって女性には初期症状の発熱が認められた。夫から隔離されてから21日後のことで,一方,MERS の潜伏期間は最大で14日と考えられている。女性は,彼女の夫から感染した可能性が高く,女性が受けていたがん治療が免疫低下を引き起こしたため,症状の発現が遅れた,と the MERS special response team の医師は説明している。以前も同じように発症時期が遅れた症例があったが,当局は,推定されている潜伏期間が誤っているとの証拠はない,との立場を変えていない。この女性は,発症する 3日前の 6月29日に,がん治療のため Samsung Medical Centre in Gangnam district, southern Seoul に通院しており,あるいはそこで感染した可能性もある。医師は,186例目のこの患者が,医療スタッフからMERS-CoV に感染した可能性はないと信じている ... スタッフあるいは他の患者から感染した可能性を調査するが,現時点でその可能性は低い,と話している。もしこの説明が正しければ,この女性は,国内で発生した 186人の MERS cases の半数近くの感染に関わる the Samsung hospital において感染した,91人目の患者ということになる。5日で,死者数の33人からの増加が,5日連続で認められないこととなった。
[4] サウジアラビア 0 new cases, 0 new deaths - MOH 5 Jul 2015
情報源  Saudi Arabia Ministry of Health、2015年7月5日。
As of 5 Jul 2015, there have been a total of:
1045 laboratory-confirmed cases of MERS-CoV including 460 deaths, 578 recoveries, and 7 currently active cases.
24時間に新たに発生した患者:
0 newly confirmed cases
0 newly reported fatalities and
0 newly reported recoveries
関連項目 (87): South Korea, Saudi Arabia 20150705.3486383

ラッサ熱-ナイジェリア (06)
PRO/AH/EDR> Lassa Fever - Nigeria (06)
Archive Number: 20150706.3487792
情報源 Nigeria Centre for Disease Control, Nigeria Federal Ministry of Health 5(25) [edited; not yet posted on the Ministry website]、2015年6月26日。
第25週 [week ending 27 Jun 2015], 10例のラッサ熱患者と死者1例 Lassa fever cases が報告されている。2014年同期は,19 cases and no deaths であった。今年の累積患者総数 total Lassa fever cases between weeks 1-25 in 2015 は156例で,昨年同期は 786 cases であった7.
州名 / 確定例 / 死亡例
Bauchi 3 / 3 / 1
Borno 5 / 0 / 0
Edo 113 / 5 / 3
Gombe 2 / 0 / 0
Kogi 2 / 0 / 0
Kwara 2/ 0 / 0
Nasarawa 2 / 0 / 0
Ondo 1 / 1 / 0
Plateau 22 / 0 / 1
Taraba 4 / 0 / 0
地図
[Mod.TY -前回報告 (week 19, ending 16 May 2015) では,Edo, Gombe, Kwara and Plateau の各州で発生数増加が報告されていた。 20150228.3199551 のコメントにあるように: "Lassa fever virus [LFV] はナイジェリアに痴呆感染しており,多乳房マウス multi-mammate mice (_Mastomys_ spp.) が宿主齧歯類となっている。国内全36州のうち23州で深刻な問題となっている."。適切な感染防護を行わずにウイルス血症の患者の血液に接触することで,ヒトからヒトに感染し,病院内で,複数の感染が起きている。20130131.1524034 では Mod.CP が以下の点を指摘している : "ナイジェリアなど,ラッサ熱が痴呆感染するアフリカ諸国において,有病率及び致死率の大きな要因となっている。通常ラッサ熱は80%の感染者で,軽症の感染症または無症状となるが,残る20%の患者において,重症の多臓器疾患となる。まれに感染流行に関係することがあり,その際の致死率が50%に達する。予防ワクチンや特異的治療法はない。抗ウイルス薬のリバビリン ribavirin がラッサ熱患者に用いられ,良好な結果が得られている"。ラッサ熱ウイルスは,アレナウイルス科 the family _Arenaviridae_ に属し,急性出血熱を起こす。保有宿主である齧歯類の排泄物で汚染された,食品や家庭用品から,ヒトに感染する。 写真 _Mastomys_ mice ]