2015年9月23日

鳥インフルエンザ、ヒト バングラデシュ H9N2
腸管出血性大腸菌 (EHEC) 感染症 英国 O55

● 鳥インフルエンザ、ヒト バングラデシュ、H9N2
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (120): Bangladesh, H9N2
Archive Number: 20150923.3666519
 情報源 Outbreak News Today、2015年9月22日
保健当局が WHO に対し 9月、ヒトの鳥インフルエンザウイルス感染の 1例 a human infection with an avian influenza A(H9N2) virus についての報告を行った。2月に小児で確認されたもので、バングラデシュにおいて 2例目の患者となった (1st case in 2011)。3歳半のこの女児は、2月1日に軽い症状が現れたが、同 7日には回復している。患者の気道からの検体で、H9亜型鳥インフルエンザウイルス An influenza A(H9) virus が検出され、その後の検査で an influenza A(H9N2) virus であることが確認された。以前にバングラデシュで分離されたウイルス other A(H9N2) viruses と同じ similar ものだった。発症前の患児には家きんとの頻繁な接触があり、この中には病気のウズラも含まれていた。
バングラデシュでは、家きんの間に、鳥インフルエンザ A(H9N2) ウイルス循環があることが知られている。このウイルスは、アジアから中東全体の家きんでも循環しており、今後もヒトでの感染例や小集積が発生する可能性がある。ヒトからヒトに容易に感染することはなく、発症しても症状は軽いと考えられている; 従って、コミュニティ内での感染拡大の可能性や公衆衛生上の影響は小さいと見られている。
[Mod.LK- アジアおよび中東の、多種の鳥類において、鳥インフルエンザ Avian influenza subtype H9N2 は常在しており endemic、パンデミックの脅威を有するウイルスの発生 the genesis of H5N1, H7N9 and H10N8 に寄与している。バングラデシュで感染が拡がる H9N2 viruses は、おそらくはパキスタンの、HP H5N1 と共に循環する、高病原性鳥インフルエンザ highly pathogenic (HP) H7N3 viruses から、複数の遺伝子要素 gene segments を獲得している。H9N2 viruses の進化の速度は速く、宿主となるほ乳類での複製が可能となる変異を起こす。一部の分離株 H9N2 isolates は、ブタおよびヒトに交叉感染している。さらに近年、these H9N2 viruses は内部遺伝子 their internal genes を提供することにより、他のサブタイプのウイルスを進化させ、ヒトへの感染を可能にする事象が起きている。バングラデシュで初めてヒトの感染 The 1st human H9N2 infection が確認されたのは 2011年で、分子学上、鳥類のウイルス the then-circulating avian H9N2 viruses に近いものであった。The 2011 Bangladeshi H9N2 viruses は、the prototypical G1 lineage 由来の multiple H9N2 sublineages と、パキスタンで分離された HP- H7N3 ウイルスの間で、時を経て起きていた、複数の再集合事象を経て生まれたものである。このような H9N2 viruses の進化が続き、その変異が遺伝子内に蓄積されたことにより、バングラデシュのウイルス Bangladeshi H9N2 viruses と、周辺国で循環するウイルス other H9N2 lineages との相違が増し、バングラデシュ国内のニワトリやウズラで、新たな亜系統 a new H9N2 sublineage (ウイルス) が生み出される結果となった。鳥インフルエンザ H9N2 ウイルスのヒトの感染例は、1998年から1999年の間の中国、1999年 (2例)、2003年 (1例)、2007年 (1例)、および 2013年12月の香港を含め、数は限られている。2014年後半、中国以外で 2例の軽症例が報告された。2015年、エジプトで 3例の報告があった。軽症であることや、報告システムに問題のある国があるため、ヒトでの感染例の報告数は実際より少ないと考えられる。介入が行われない場合、幅広い宿主と様々な病原性を有する新クレード novel H9N2 clades の誕生は避けられず、公衆衛生上の大きな問題となる可能性がある ...]
出典 Genesis of avian influenza H9N2 in Bangladesh. Emerging Microbes and Infections (2014) 3, e88; doi:10.1038/emi.2014.84_ 2014 SSCC

● 腸管出血性大腸菌 (EHEC) 感染症 英国 O55
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - UK (06): (England) O55
Archive Number: 20150923.3655007
 情報源 BBC News、2015年9月18日
Dorset に関連する大腸菌感染により、4人目の子どもが入院し、新たに 3人の感染が確認されたことが、イングランド公衆衛生当局 Public Health England [PHE] により確認された。検査により、他の 27人が感染した the same O55 strain と確認されている。14日、大腸菌感染を原因とする重い腎臓病による、3人目の小児の入院が報告されていた。5月にも、他の 2人の小児が、この溶血性尿毒症症候群 haemolytic uraemic syndrome (HUS) により入院となっている。共通の感染源は確認されていないが、当局によると: "環境中に何らかの原因があることは間違いない There is definitely something in the environment。患者らに共通点や発病の理由はなく [? There is no rhyme or reason to the cases]、いずれも散発的な発生であり、ある特定の地域だけで起きている訳でもない"。Dorset の市民らに対しては、手の衛生遵守を特に気をつけるよう呼びかけられている。6月、患者が発生した家庭の周りにあった動物の糞で the O55 strain が検出されたが、それが、野生動物のものか家畜かは分かっていない ... Dorset においては、同細菌感染症の小集積について、2014年11月に調査され、2015年5月に新たなアウトブレイクがあり、6月にもさらに感染例が発生している。これまでに発生のあった地域は、Blandford, Portland, Bournemouth, and Poole であり、この他にも Dorset との関連が認められる、国内他地域での症例も確認されている。
[Mod.LL- 短期間に終息する多くの腸管出血性大腸菌のアウトブレイクと違い、今回の小規模流行 this small cluster of the unusual O55 serotype は、2014年7月以降、明らかな感染源が判明しないまま、くすぶり a "slow burn" 続けている。遺伝学的な比較により、分離された菌どうしの関連が明らかになるだろう。_E. coli_ O55:H7 は興味深いことに、病原大腸菌 O157の直接の祖先 a direct ancestor of _E. coli_ O157:H7 とされている (Derivation of _Escherichia coli_ O157:H7 from its O55:H7 precursor. PLoS One 2010; 5(1):e8700. doi: 10.1371/journal.pone.0008700 ... ]

● エボラ WHO
PRO/AH/EDR> Ebola update (110): WHO, susp. funding, research
Archive Number: 20150923.3666423
[1] WHO Ebola data and statistics (data through 20 Sep 2015)
[2] WHO situation report [data to 20 Sep 2015]
 厚労省検疫所 FORTH より。
要約
9月20日までの 1週間に、ギニアからエボラ出血熱確定患者 2人が報告された。ウイルスの感染伝播は、地理的にギニア西部とシエラレオネのいくつかの小さな地域に限定され、感染の流行は明らかに第 3期へ移行している ...
ギニアでは、14日間連続して確定患者ゼロの後、9月20日の週に、新たに確定患者 2人が報告された。患者は、首都コナクリのRatoma(ラトマ)地区からフォレカリアに移動した後に死亡した 10歳の少女と、コナクリの Dixinn 地区で検査陽性と確認された 24歳の女性で、2人の患者は 8月の終わりにエボラ出血熱で死亡した可能性の高い患者と疫学的に強い繋がりがあるものの、登録された接触者ではなかった。2人の確定患者から分析されたエボラウイルスの遺伝子配列を照合した調査結果からは、彼らはラトマの感染連鎖の一部であることが示唆されている。ギニアで現在(過去 21日間)、活動性が知られる唯一の感染連鎖である ...
[3] Ebola survivors suffer complications:The New Dawn、2015年9月23日
the Ebola outbreak 発生から 1年以上が経過し、リベリアではおよそ 4000人の死者が出た後、生存者たちは、激しい身体の痛み、視力障害、勃起不全、流・死産など、様々な健康上の問題を経験している。2014年に国内での発生が確認されて以来、女性や子どもを含め、およそ 3000人の生存者が記録されている。保健省の研究者 The Principal Investigator for the Ebola Natural History Study at the Ministry of Health によれば、一部の生存者らは、後遺症 (合併症) により職業を失ったという ...
[4] Suspected, vaccine, research, funding
21 Sep 2015 ガンビア: Measures to keep Ebola at bay intensify
18 Sep 2015 リベリア: 治療施設撤収 Cape Mount to decommission Ebola unit [The Ebola Treatment Unit (ETU) in Sinje, Garwula District in Grand Cape Mount County, will be decommissioned on 30 Sep 2015.]
23 Sep 2015 ウガンダ: Suspected Ebola case reported In Hoima District
[Hoima Regional Referral Hospital in Hoima district では、エボラが疑われる報告を受け、ハイテンションの状態にある。衛兵 a Bunyoro Kitara Kingdom royal guard, a UPDF Warrant Officer II, 1名が、Bombo army barracks での訓練から戻った後、エボラ様症状の a "mysterious illness" を発症し死亡した。同院医師はこの死亡の発生を認め、死亡した患者の妻を含む、他の 2名の患者を隔離したと説明した]
21 Sep 2015 米国 (TX): Ebola protection: Infectious disease isolation unit nearly complete in Katy
Non-governmental organization

23 Sep 2015: UN Ebola response now planned to continue into 2016
23 Sep 2015: Ebola-hit countries get public health emergency coordination centers
Technology, Research
23 Sep 2015: 16-year old girl wins Google Science Fair with project to detect Ebola
Vaccines
22 Sep 2015 ギニア: Guinea officials call on Canada to help expand Ebola vaccine program
Funding
関連項目 (109): WHO, semen test, PREVAIL, susp, funding, research 20150919.3657341

● ブルセラ症 オーストラリア
PRO/AH/EDR> Brucellosis, human - Australia: (NS) feral swine
Archive Number: 20150923.3666018
 情報源 Abc.net.au、2015年9月22日
ヒトからブタに感染するまれな細菌感染症の新たな患者発生を受け、the Upper Hunter Valley の野生ブタのハンターに注意が呼びかけられた。ブルセラ症 Brucellosis は世界中のよくある病気であるが、オーストラリアではまれで、ヒトの感染も少ない。動物の組織や血液との接触により、ヒトに感染することが多く、発熱や悪寒などのインフルエンザのような症状を起こす。
先週、ニューサウスウェールズ北部のブタハンター a northern New South Wales pig hunter が感染し、今年 [2015] 3例目の患者となった

● 胃腸炎 米国
PRO/AH/EDR> Gastroenteritis - USA (02): (TX) norovirus, Trinity University
Archive Number: 20150923.3666017
 情報源 KHOU.com、2015年9月23日
22日、Trinity University の数十名の学生の消化器病患者を発生させたのは、感染力の強いノロウイルス norovirus であったと発表された。保健当局 San Antonio Metro Health によると、数日以内に収まり、ノロウイルスは a 48-hour bug と考えられると述べた。先週、58名の学生がノロウイルスの症状を発症したのに続き、新たに 22人の学生からも電話や電子メールで、嘔吐、下痢などのノロウイルスの症状が報告され、合計 80名に達している ...

● 外来種蚊族 米国
PRO/AH/EDR> Invasive mosquito - USA (08): (CA)
Archive Number: 20150923.3666421
 情報源 Fox 5 News、2015年9月23日
the San Diego region において 14年間駆除されていた外来種の蚊族が Barrio Logan の定置トラップで捕獲されたことが 23日、環境当局 the county Department of Environmental Health から明らかにされた。ヒトスジシマカ The Asian tiger mosquito [_Aedes albopictus_] は、昨年 [2014] この地域で初めて確認されたもう 1種類の蚊族で、黄熱蚊 the yellow fever mosquito ともの呼ばれることもある、ネッタイシマカ_Aedes aegypti_ に似ている similar。いずれの蚊族も小型で、はっきりとした黒と白の模様があり、都市部や屋内を好み、日中に血を吸うことが多い。もともといる蚊族は多くの場合、日没や日の出の時間に吸血する ... この 1年半ほどの間に、ロサンジェルス郡内 communities in Los Angeles County で感染地域が拡大している ...
[Mod.TY- この数年間、カリフォルニア California 州各地で、ネッタイシマカ_Aedes aegypti_ が発見されている。1971年と 1987年にカリフォルニア州への侵入が確認され、駆除されている (20110914.2805)。2001年、2 northern and 4 southern counties of California で the Asian tiger mosquito が確認された。California からさらに米国東部や中部への波及は起きていないが、中国南部からの竹の飾り物 shipments of ornamental bamboo ("Lucky Bamboo") によって持ち込まれた。侵入の早期発見と対応策が、州全域への同種の分布拡大を阻止した [1]。2004年、southern California において、ヒトスジシマカ _Ae. albopictus_ も発見された (20040920.2598) が、駆除されている。ヒトスジシマカの繁殖場所は多様で、駆除は非常に困難な作業となる ... ]

● 流行性出血病 米国
PRO/AH/EDR> Epizootic hemorrhagic disease - USA: (IL) cervids, bovine
Archive Number: 20150923.3666422
 情報源 Thonline.com、2015年9月21日
シカ white-tailed deer の致死性疾患が、Jo Daviess County のウシの群れに発生した。2015年、イリノイ州自然資源当局 The Illinois Department of Natural Resources に対し、野生のシカの伝染性出血性疾患 suspected cases of epizootic hemorrhagic disease [EHD] in wild, white-tailed deer が疑われる、47件の報告があった 

● ブルータング フランス
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe (08): France, bovine, ovine, st. 8, vaccination, RFI
Archive Number: 20150923.3664984
[1] 情報源 Irish Farmers Journal、2015年9月21日
11日、フランス国内のヒツジ農場 1ヶ所で、今回のブルータングアウトブレイク the current bluetongue outbreak の第 1例目の感染が確認された。18頭の感染が確認され、フランス政府当局はより広範囲の獣医学的対策を行うこととなった ... 18頭はいずれも、国内中央部 in the heart of the country の主要酪農地域である、the Massif Central region で確認されている ...
[2] 情報源 The Cattle Site、2015年9月23日
フランス政府当局が現在使用可能なワクチンの量は、ウイルスの封じ込めに十分ではない "not enough" ことが、専門家 Head of Pirbright Institute's Vector-borne Viral Disease Programme により指摘されている。21日に配布された released 、A package of 1.3 million doses は、輸出用の家畜に使用される予定となっている ...

● 狂犬病 米国
PRO/AH/EDR> Rabies - USA (34): (WV) feline, poss. human exp.
Archive Number: 20150923.3665549
 情報源 WTOV9、2015年9月22日
Ohio County [West Virginia] では、1匹の仔猫が狂犬病 Rabies 検査で陽性となったことを受け、ペットの飼い主らに不安が広がっている。このネコが他のネコやヒトを感染させたのではないか、と懸念されている。保健当局によると、ある善良な市民が、道ばたにいた仔猫を the Long Run Hospital に連れて至ったところ、この仔猫がスタッフの 1人に噛みつき、その後死亡した。検査で狂犬病であることが確認された ...