2016年2月16日

ジカウイルス 小頭症 NEJM、眼への影響 JAMA

● ラッサ熱 ナイジェリア
PRO/AH/EDR> Lassa fever - West Africa (06): Nigeria
Archive Number: 20160216.4024752
 情報源 Daily Trust,2016年2月14日
州政府 Ogun state government が14日,ラッサ熱 Lassa fever による州内で初めての死亡患者の発生を明らかにした。別の1人の感染が確認されたばかりだった。服薬を完了する前に死亡したと説明されている。"死亡した女性は,ラッサ熱患者治療の指定医療施設である the isolation unit of OSUTH [Ogun State University Teaching Hospital,州立大学病院] に入院していた ... 葬儀に参加し接触のあった Nasarawa state 在住の父親ら親族の追跡が行われており,121人の一次接触者の中に,発病したものは居ない。(もう1人の) 2例目の患者が確認されたのは11日で,北中部の Kogi から Abeokuta に入っており,28-30歳の妊娠12週の女性だとの情報がある。治療に反応している

● ジカウイルス 小頭症、眼への影響
PRO/EDR> Zika virus (07): update
Archive Number: 20160216.4023810
[1] ブラジル,小頭症
 情報源 ABC News,2016年2月7日
ブラジル北東部で生まれた10万人以上の新生児についての4年間の調査で,これまで知られていなかった小頭症のパターンが存在することが明らかになった。小頭症は必ずしも新たに起きている現象とは限らず,ジカウイルス Zika virus が原因であることに疑問を投げかけている ...
the Brazilian state of Paraiba で過去4年以上にわたる,10万人以上の新生児についての先天性心疾患の調査で,1万6000人あまりについては,身長,体重,頭囲なども計測されていた。the official sites で公表されている小頭症発生数である,年間3-4例程度と予想していたが,診断基準にもよるが,2-8 % の新生児が小頭症に分類されたと述べ,これは州内で年平均2000から4000人と,予想の1000倍に当たる数字となったとしている。2012年と2013年についても調べたところ,春と夏にピークがあり,新聞で報道されているのはすべて最近のことばかりだが,北東部で一番多く発生したピークは実は2014年だった。ただこの研究者は,何かが違っていて,2015年春夏の小頭症発生増加は,その小ささという点で,より懸念すべきものかもしれないと述べている。症状の重い,小頭症の重症例については,2015年後半に最も増加したのは間違いないとしている。海外の小頭症に関する報告は,児頭が小さいことに注目が集まっているが,小頭症単独で発生することはあまりない。通常は,心臓や四肢の欠損 defects などの先天異常のある症候群の一部として認められる。同医師は,小頭症児(の増加)に連動した心臓の異常の増加は認められなかったとしている。
[2] スロベニアの小頭症,ブラジルから
Microcephaly Slovenia ex Brazil
 情報源 New England Journal of Medicine DOI: 10.1056/NEJMoa160065,2016年2月10日
原著タイトル Zika virus associated with microcephaly.
"ブラジル北東部で,妊娠第Ⅰ期末にジカウイルス ZIKV に感染したとみられる女性での,同ウイルス垂直感染例について報告する。
"In mid-October 2015,生来健康な25歳の欧州女性が,胎児の奇形を疑われ,スロベニアの大学病院周産期部 the Department of Perinatology at the University Medical Center in Ljubljana, Slovenia を受診した。2013年12月以降,リオグランデドノルテ Rio Grande do Norte 州都 Natal でボランティアとして働いていた。2015年2月末に妊娠が成立した。妊娠13週に高熱を発症し,その後筋骨格系と眼窩後部の激しい痛み,全身のかゆみと発疹 maculopapular rash を生じた。コミュニティ内でジカ熱が流行していたため,同ウイルス感染が疑われたが,ウイルス学的診断検査は行われなかった。14週および20週に実施された超音波検査では胎児の成長および解剖学的な異常は認められなかった。
"妊娠28週の時に欧州に戻り,妊娠32週に超音波検査が行われ,羊水量や石灰化のある胎盤の厚さは正常であるが,子宮内発育遅延があり,小頭症,中等度脳室拡大,小脳径 ? a transcerebellar diameter の短縮が認められた。脳構造は不明瞭で,脳内各所に多数の石灰化が確認された。
"妊娠32週に医学的妊娠中絶 Medical termination of the pregnancy が行われ,唯一の形態学的異常 the only morphologic anomaly は著明な小頭症 the prominent microcephaly のみであった。
"剖検および神経病理学的所見。電子顕微鏡検査で,脳組織内にウイルス様粒子確認。
"微生物学的検査 RT-PCR assay により ZIKV が確認できたのは,胎児脳組織検体のみであり,すべての剖検による組織検体に PCR assay を行ったが,他のフラビウイルス,すなわちデング,黄熱,ウエストナイル,ダニ媒介性脳炎,と,チクングニア,リンパ球性絨毛髄膜炎 lymphocytic choriomeningitis, サイトメガロ,風疹,水痘,単純ヘルペス,パルボB19,エンテロウイルス,トキソプラズマ _Toxoplasma gondii_ については陰性だった。
[3] 眼に対する影響 Ocular effects
 情報源 JAMA Opthalmology published online doi:10.1001/jamaophthalmol.2016.0267,2016年2月9日。
原著タイトル Ocular findings in infants with microcephaly associated with presumed Zika virus congenital infection in Salvador, Brazil.JAMA Opthalmology published online doi:10.1001/jamaophthalmol.2016.0267
"目的 Salvador, Bahia, Brazil で子宮内感染があったと思われる小頭症児の眼所見の評価
"設定 ある三次病院において,先天性ジカ熱感染があると考えられる,頭囲32 cm 以下の小頭症の児29人について調査した。期間は between 1-21 Dec 2015.
"結果 ZIKV関連の眼病変 Ocular abnormalities:
29 mothers のうち,23 (79 per cent) について,妊娠中の感染が疑われ suspected ZIKV infection signs and symptoms during pregnancy,18 人は the 1st trimester, 4 人は the 2nd trimester, 1人は the 3rd trimester の感染だった。新生児 the 29 infants (58 eyes) の検査で,17 eyes (29 per cent) of 10 children (35 per cent) に異常 ocular abnormalities を認めた。異常 ocular lesions があった児10人中7人が,両眼に異常が認められた。最も多い異常は,網膜および脈絡網膜萎縮の焦点性色素斑点 focal pigment mottling of the retina and chorioretinal atrophy in 11 of the 17 eyes with abnormalities (65 per cent), followed by 視神経異常 optic nerve abnormalities in 8 eyes (47 per cent), 両側虹彩欠損 bilateral iris coloboma in one patient (2 eyes [12 per cent]), and レンズ亜脱臼 lens subluxation in one eye (6 per cent) だった。
"結語 presumed ZIKV exposure による先天感染は,視力障害のおそれのある所見 bilateral macular and perimacular lesions as well as optic nerve abnormalities に関係していた。
[4] コロンビア・ベネズエラ,ギラン・バレー症候群
Colombia and Venezuela Guillain-Barre syndrome
 情報源 WHO Emergency Preparedness, response, Disease Outbreak News,2016年2月12日
関連項目 (06): overview 20160209.4007411

● MERS-Co V サウジアラビア
PRO/AH/EDR> MERS CoV (21): Saudi Arabia, animal reservoir, camel, comment
Archive Number: 20160216.4023772
 投稿者 Shamsudeen Fagbo,2016年2月6日
20160204.3995194に関し。
翻訳の問題で,the 3 locations are one and the same だと思われる。 The "Al-Inam" は家畜を指すアラビア語のこと。農場が関係する可能性はきわめて低く,アラビア語の原文に農場は出てこない

● 鳥インフルエンザ ナイジェリア、バングラデシュ  HPAI H5N1(2件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza (20): Nigeria, poultry, HPAI H5N1, spread
Archive Number: 20160216.4026033
 情報源 The Poultry Site,2016年2月15日
新たに23件の高病原性鳥インフルエンザ Avian influenza のアウトブレイクが報告された。4日に報告された4件は,2 in Kano and 2 in Plateau province だった。8日に報告の19件については,8 in Kano, 2 in Jigawa, 3 in Federal Capital Territory, 2 in Adamawa, 2 in Kaduna, one in Plateau and one in Ebonyi となっている。H5N1 ウイルスによるこれらのアウトブレイクは,庭先飼育と商業飼育ののニワトリ both broilers and layers でも発生している。

PRO/AH/EDR> Avian influenza (19): Bangladesh (Rajshahi) HPAI H5N1, crow, OIE
Archive Number: 20160216.4025716
情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2016; 29(07),2016年2月15日
Highly pathogenic avian influenza, Bangladesh,reoccurrence of a listed disease
流行開始時期 2016年2月1日
前回流行時期 2014年6月
原因ウイルス highly pathogenic avian influenza virus,Serotype: H5N1
新たな感染流行 (1)
発生地 1: Rajshahi city, Sadar, Rajshahi, Rajshahi
感染した種/頭数/症例数/死亡数/廃棄/処分
カラス House crow: _Corvus splendens_ (Corvidae) / - / 40 / 40 / 0 / 0
Affected population: on 4 Feb 2016, the notice of crow deaths was reported to the livestock authority.

● 小反芻獣疫 アルジェリア
PRO/AH> Peste des petits ruminants - Algeria: (EB) ovine, caprine, OIE
Archive Number: 20160216.4024238
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2016; 29(7),2016年2月15日
Peste des petits ruminants, Algeria,reoccurrence of a listed disease
流行開始時期 2016年2月3日
前回流行時期 2013年2月13日
原因ウイルス Peste des petits ruminants virus
新たな感染流行: 1
発生地 1: Garat Djriri, Boussemghoun, El Bayadh: farm
感染した種/頭数/症例数/死亡数/廃棄/処分
ヤギ Goats / 75 / 3 / 0 / 0 / 0
ラクダ Camelidae / 60 / 0 / 0 / 0 / 0
ヒツジ Sheep / 1080 / 4 / 0 / 0 / 0
Affected population: this is a nomadic herding, transhumant. Symptoms observed are diarrhoea, nasal-eye flow, and abortion.

● Dourine ボツワナ,ウマ
PRO/AH> Dourine - Botswana: equine, 1st rep, OIE
Archive Number: 20160216.4023706
 情報源 OIE WAHID weekly disease information 2016; 29(07),2016年2月15日
Dourine, Botswana,1st occurrence of a listed disease
流行開始時期 2015年10月30日
病原体 Trypanosoma equiperdum_
新たな感染流行 (3)
発生地 1: Gasekita, Kanye, Southern: village
発生地 2: Makakatlela, Mochudi, Kgatleng: village
発生地 3: Lekabi, Mahapaye, Central: village
Affected population: horses grazing in communal area
感染した種/頭数/症例数/死亡数/廃棄/処分
Equidae / 8 / 3 / 0 / 0 / 0