2016年5月8日

エボラ出血熱 (39)-ギニア 精液中持続感染、リベリア
アデノウイルス-中国 呼吸器疾患アウトブレイク

● 食中毒-パキスタン (02) ミルクソーダ
PRO/AH/EDR> Foodborne illness - Pakistan (02): (PB) milk soda
Archive Number: 20160508.4209583
情報源 The Express Tribune、2016年5月3日。
via EpiCore Global Surveillance Project
1日にミルクソーダを摂取した患児5名の状態が重症であると、病院 the Allied Hospital 医師が [2 May 2016]. 明らかにした。137人の食中毒患者が1日夜同院を受診した。患者らは、同夜、開店のため無料で配られたミルクソーダを摂取していた。このミルクスタンド店のあるMuraad Abad Muhallah in Ghulam Muhammad Abad の住民らは、食品当局の職務怠慢 "negligence" of Food Department officials が原因としている。

● 口蹄疫、ウシ-カンボジア
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, bovine - Cambodia: (KT)
情報源 Phnompenh Post、2016年5月4日。
干ばつの Kampong Thom province で発生した口蹄疫 an outbreak of foot and mouth disease [FMD] の事態悪化に対し、ワクチン接種キャンペーンが開始された ... 3月初めにウシcattle and buffalo の間でウイルスの感染が拡大した

● エボラ出血熱 (39)-ギニア 精液中持続感染、リベリア
PRO/AH/EDR> Ebola update (39): Guinea persistence in semen, Liberia, research, vaccine
Archive Number: 20160508.4209313
[1] ギニア: Ebola viral RNA in semen
情報源 CIDRAP 、2016年5月5日。
ギニアのエボラ(ウイルス感染後の)生存者の研究で、精液中では最大9か月間ウイルスが存在するとの新たな証拠が報告され、回復後も長期間にわたって性行為に感染の恐れがあることが改めて確認された。Conakry and Macenta, Guinea, from March through October 2015 の68人のエボラ生存者から採取した98件の精液検体について、国際研究チームが研究を行い、3日 the Journal of Infectious Diseases で報告した。遺伝物質検査 Polymerase chain reaction (PCR) results for Ebola RNA の結果、8人の男性から採取した10件の検体で、発症から最大276日間(9か月間)、陽性となった。陽性検体の割合は経時的に減少し、発症から1ないし3か月後に採取された検体の陽性率は 28.6% of specimens (4 of 14)、4-6か月後に採取された検体では 16.7% (3 of 18) で、7-9か月後の検体では 6.5% (2 of 31) だったと述べられている。検体中に感染性ウイルスが含まれていたかの確認は行われていない。おそらく全期間にわたって精液が感染性が保たれていることはないと考えられ、ウイルス分離と遺伝子解析を行い、検体の感染力の有無を確認する予定であると述べられている。2015年10月に発表された研究では、発症後7-9か月後のエボラ生存者の精液43件中11件でウイルス遺伝子が陽性であったと報告さえている。また、2015年にリベリア人女性が、エボラ生存者である夫から性行為により感染した可能性があることが報告されている。The World Health Organization (WHO) は Ebola survivors に対し、精液の検査が行えない場合、最大6か月間は性行為を控えるか、コンドームを使用するよう勧告している。
 [Mod. LK-もう1件の報告 : 5 May 2016 ギニアGuinea: エボラウイルスは最大12か月間、生存者の精液中に存在する。2015年10月のシエラレオネの報告を裏付けるものである。仏およびギニアの研究者らが、450人の治癒患者のうち、68人の男性からの98検体の精液を検査した。時間とともに陽性率が下がることも指摘されている: 28.5 percent of samples collected between 1-3 months [EVD 清浄の診断から]。 Between the 10th and the 12th month, 3.5 percent of the samples でエボラウイルスが陽性を示した後、まる1年が経過しすべての検体が陰性となった。アウトブレイク以前は、エボラウイルスが検出されるのは、少数の男性の精液の細胞培養のみで、最大で発症後82日間とされていた。
出典 New Evidence of Long-lasting Persistence of Ebola Virus Genetic Material in Semen of Survivors. J Infect Dis. (2016)doi: 10.1093/infdis/jiw078

今回の2件のニュースは同じ論文を扱ったもので、精液中のウイルスRNAの検出はまれ 3.5 % であり、12か月を超えれば0であった。シエラレオネの生存患者についての報告では、ウイルスRNA の検出は発症後最大284日間(9か月)で、経時的に陽性率もウイルス量も減少したとされている [Ebola RNA persistence in semen of Ebola virus disease survivors--preliminary report. N Engl J Med 2015; doi:10.1056/ NEJMoa1511410]。今回のギニアからの報告はこれを支持するが、精液の感染性については結論に至っていない。以下の論文のコメントを一読されることを薦める: Ebola Virus RNA in the Semen of Male Survivors of Ebola Virus Disease: The Uncertain Gravitas of a Privileged Persistence, J Infect Dis. (2016)doi: 10.1093/infdis/jiw079First published online: May 3, 2016]
[2] Liberia, research, vaccine
1 May 2016 リベリア: 2 Ebola patients released from ETU
3 May 2016 リベリア: Prevail, LCP certificate field workers
2 May 2016: Halyard denies 60 Minutes allegations it sold defective Ebola protection

Research
2 May 2016: 性行為感染の潜在的インパクト Potential Impact of Sexual Transmission on Ebola Virus Epidemiology: Sierra Leone as a Case Study
[原著タイトル (2016) Potential Impact of Sexual Transmission on Ebola Virus Epidemiology: Sierra Leone as a Case Study. PLoS Negl Trop Dis 10(5): e0004676. doi:10.1371/journal.pntd.0004676

背景: 発症から6か月後の性行為によるエボラウイルス疾患感染が報告され、発症から9か月後の精液中で、ウイルス遺伝子 Ebola virus RNA が検出されている。2013-2015 西アフリカのアウトブレイク発生国で清浄化が宣言される中、生存者由来のまれな性行為によるウイルス感染がどの程度影響のするのか明らかではない。
はあきらかではない。

結論: 性行為の回避とコンドーム使用による、性行為感染のリスク低減 reductions in the per-sex-act transmission probability により、散発性に発生する性行為感染イベントの件数は減少すると考えられるが、流行規模の縮小にはあまり寄与せず、公衆衛生の対応期間がわずかに短縮されるにとどまると考えられる。感染能力のある生存者の数は月を追うごとに大きく減少するとみられるが、今回の結果では、各イベントが非性行為感染伝播による集団発生につながる可能性があることから、感染伝播イベントはかなり長期間発生することが予測される ... ]
2016 ナイジェリア: 野生動物肉の摂取への影響
Effect of Ebola virus disease outbreak on bush meat consumption in Ibarapa region of Oyo State, Nigeria
[原著 (2016) International Journal of Agriculture and Earth Science Vol. 2 No.2. ISSN 2489-0081 (2016)  
要約 the Ibarapas において、ブッシュミート Bush meat は特別のごちそうであるため、Ibarapa region of Oyo state において、エボラアウトブレイクの肉の摂取への影響を調査した。630人への質問票により調査したところ、調査対象地域における、アウトブレイクが肉の摂取に影響を与え、市場関係者らの生活にも影響した。 この地域で食べられているのは、リス、げっ歯類、アンテロープ、ヘビ、アリゲータ、野禽などだった。この地域では、コウモリや大型のラットの摂取は禁じられていた ... ]
2016. Unique human immune signature of Ebola virus disease in Guinea
[原著 (Published online 4 May 2016) Unique human immune signature of Ebola virus disease in Guinea. _Nature, 533_, 100-104. doi:10.1038/nature17949 要約 EVD の基礎的な病理生理学的理解 the pathophysiology of EVD.は進んでおらず、特にエボラウイルスへのヒトの免疫反応についてはほとんどわかっていない。今回われわれは、ギニアの治療センター入院時から退院時までの患者のヒト T リンパ球細胞の生理について検討した。the use of multiparametric flow cytometry established by the European Mobile Laboratory in the field を用い、死亡例に特有な unique in EVD fatalities 免疫反応の特徴 .an immune signature を発見した。死亡例 Fatal EVD では、a high percentage of CD4+ and CD8+ T cells において高率に、抑制分子 the inhibitory molecules CTLA-4 and PD-1 が発現するという特徴がみられ、炎症マーカーの上昇やウイルスの高用量に比例していた。これとは逆に、生存例 surviving individuals では、T 細胞の活性化があるものの CTLA-4 and PD-1 の発現が有意に少なく、炎症反応も弱かった。生存者のウイルス排除には、十分なエボラウイルス特異性のT 細胞反応が伴っていた。T 細胞反応の異常 dysregulation が EVD の病理生理学において重要な因子となることが示唆された]
5 May 2016: New study shows Ebola survivors may be at risk of severe vision loss
原文参照願います。

Vaccine
3 May 2016: Ebola vaccine--Promising Phase I trials
関連項目 (38): WHO sitrep. evolution rate, Liberia, Sierra Leone, research 20160501.4195742

● アデノウイルス-中国 呼吸器疾患アウトブレイク
PRO/EDR> Adenovirus: China (Wan Chai ) respiratory disease outbreak
Archive Number: 20160508.4208694
情報源 7th Space Interactive、2016年5月6日。
保健当局 The Centre for Health Protection (CHP) of the Department of Health が [6 May 2016]、 Wan Chai の幼稚園における、上気道感染症アウトブレイク an outbreak of upper respiratory tract infection (URI) の調査を開始した。4月21日以降、3歳から5歳までの園児20人が、発熱、咳、咽頭痛、鼻水などの上気道炎症状を発症し、医療機関を受診した16人のうち、3人が入院となった。入院中の園児2人の気道検体で、アデノウイルスadenovirus が陽性となった。園児らの状態は安定している ...