2016年11月22日

野兎病-ドイツ ブドウ収穫者
髄膜炎菌性髄膜炎-イタリア (07) 死亡 C型
狂犬病 (14)-台湾,フィリピン,ネパール,ベルギー,インド,ジンバブエ,アルジェリア
鳥インフルエンザ (108)-日本,HPAI H5N6 野鳥 など

● 野兎病-ドイツ ブドウ収穫者
Six human cases of Tularemia
PRO/AH/EDR> Tularemia - Germany: (RP) grape harvesters, RFI
Archive Number: 20161122.4647007
情報源 Mainz-Bingen District press release [in German] 2016年11月20日。
the Mainz-Bingen district [Rhineland-Palatinate] の保健当局は、複数のヒトの野兎病感染例について調査を行っている。動物から感染した疑いがあり、ヒト-ヒト感染は確認されていない ... 6人の患者はすべて、10月始めに同地域北部でブドウの収穫を行っていた。数日後に、高熱と重症の全身症状を発症した。病原体である野兎病菌 (_Francisella tularensis_) 感染は、ドイツでは非常にまれであり、集団発生はさらに珍しいという点で、これらの症例は異例である ...

● 髄膜炎菌性髄膜炎-イタリア (07) 死亡 C型
PRO/EDR> Meningitis, meningococcal - Italy (07): (TC) fatal, sg C, more cases
Archive Number: 20161122.4647145
[1]
投稿者 伊・Formerly, Dept of Public Health, University of Florence、Pasquale Urbano 2016年11月21日
21日朝、深刻な状態で the Santa Maria Nuova Hospital [in Florence ] 救急室を受診した45歳女性は救命されなかった。この女性の敗血症の原因菌が、髄膜炎菌 Neisseria meningitidis_ type C であることが判明した。フィレンツェ在住のこの女性は髄膜炎菌 C に対するワクチンを接種されていなかった。保健当局は積極的に接触者を追跡し、予防接種を提供している。
[2]
投稿者 [1] に同じ。
48時間で2人目の女性の髄膜炎患者が死亡したことが地元紙で大きく取り上げられ、Viareggio (Lucca) 在住で、約 1か月前に髄膜炎の診断で Leghorn [Livorno] の病院に入院中であった、64歳の元教師との概要が伝えられている。死因は脳血管炎だった。この記事は、先の症例 [1] について、フローレンスの家庭に雇われていた45歳のロシア人女性であったと、さらに詳しい情報も伝えている。最新の2名の死亡を加え、2015年と2016年のトスカーナ Tuscany における侵襲性髄膜炎菌性疾患の死者は、57例中13例となり、致死率は22.8%となった。

● 狂犬病 (14)-台湾,フィリピン,ネパール,ベルギー,インド,ジンバブエ,アルジェリア
PRO/AH/EDR> Rabies, animal, human (14): Africa, Asia, Europe
Archive Number: 20161122.4647936
[1] 台湾 イタチアナグマ Taiwan, ferret-badger, human exposure
情報源 CNA via FocusTaiwan 2016年11月22日
東部・花蓮県 Hualien の住民1名が,狂犬病 rabies に感染した野生のイタチアナグマ a wild ferret-badger に襲われ,今年 [2016] に入り9人目の被害者となったことが,22日農業委員会 the Council of Agriculture (COA) から発表された。the COA's Bureau of Animal and Plant Health Inspection and Quarantine によると,17日に Fengbin Township の被害者宅にアナグマが侵入。捕獲後2日目にこのイタチアナグマは死亡し,検査により狂犬病に感染していた事が判明した。2013年以降,台湾全土の 76 townships in 9 counties and cities から 549 rabies cases -- including 38 cases this year [2016] -- が報告されている。狂犬病と診断されるのは主に野生のイタチアナグマだが,.少数ながらハクビシン masked palm civets の感染も確認されている。台湾では,1961年を最後に狂犬病の発生はなかったが,2013年以降再び確認されるようになっている。
[ Mod.AS - 以下を参照されたい。
タイトル Molecular characterization of cryptically circulating rabies virus from ferret badgers, Taiwan. Emerg Infect Dis. 2014;20(5):790-8. doi: 10.3201/eid2005.131389, PMID: 24751120
要約
1959年を最後にヒトでの感染が,また1961年にヒト以外での最後の感染が報告されて以降,台湾では狂犬病は清浄化されたと考えられていたが,during 2012-2013 にアナグマの間でアウトブレイクが発生した。ウイルスの感染源を明らかにするため,3つの完全な遺伝子塩基配列を解読し,複数の狂犬病ウイルス核タンパクならびに糖タンパクの塩基配列を得た。経統発生学的解析により,台湾のイタチアナグマに感染した狂犬病ウイルスは,アジア由来の系統 the group of lineages from Asia 内の,独立した系統 a distinct lineage のウイルスで, 最も近い関係にある China I (including isolates from Chinese ferret badgers) and the Philippines から 158 ないし 210 年前に枝分かれしていた。これらの結果から,(台湾の)狂犬病ウイルスは,見えない形で環境中に循環していたことが示唆された ... ]
[2] フィリピン,イヌネコ対策 Philippines, Davao, canine/feline control program
情報源 Sunstar Davao 2016年11月20日
ダバオ市獣医学当局 The Davao city veterinarian's office (CVO) は20日,1~9月 [2016] に 104 731 dogs and cats がワクチンを接種されたことを明らかにした ...
[3] ネパール キツネ,イヌ Nepal, fox, dog, human exposure
投稿者 ネパール・STIDH Dr Sher Bahadur Pun 2016年11月9日
5日,Malangwa, Sarlahi district でおよそ12人の住民らが,攻撃性のある1頭のキツネに襲われた。このうち,鼻と上口唇に深い咬傷を負った1人が,狂犬病免疫グロブリン the rabies immunoglobulin (RIG) 接種のため,Sukraraj Tropical and Infectious Disease Hospital (STIDH) に搬送された。同日,Parsa district (from 2 different locations, but same fox) の住民らも5頭の野犬に襲われ,STIDH for RIG administration を受診した。傷が軽かった他の3人の被害者らは the STIDH (for RIG administration) を受診していない。狂犬病の感染が疑われるこのキツネとイヌは,住民らにより殺された。これ以前の2016年10月,キツネに襲われた17人 (from Garuda Village Development Committee, Rautahat district) のうちの2人が,免疫グロブリンによる治療を受けたにもかかわらず狂犬病で死亡し,11月4日にも別の1名が死亡している 20161027.4586676  ...
[4] ベルギー コウモリ,初の国内感染例 Belgium reports rabid bat: 1st indigenous case
情報源 Outbreaks News Today 2016年11月9日
2016年9月後半,公衆衛生科学研究所 the Scientific Institute of Public Health (ISP) で1頭のコウモリ a bat of the species _Eptesicus serotinus_ が狂犬病と確定診断された confirmed the diagnosis of rabies ことが,10月に公表された。the territory of the town of Bertrix を訪れた外国人旅行者が,飛べなくなっていたこのコウモリを発見し,専門家はただちに狂犬病を疑った。確定診断を受け,親指を咬まれたこの旅行者に暴露後接種が開始された ... ベルギーにおいて,コウモリが関係する人獣共通感染症として唯一知られているものは,狂犬病 the classical rabies に似た similar to ウイルスの,欧州コウモリリッサウイルス the 'European Bat lyssavirus' がある。このウイルスは,少数ではあるが,隣国 フランス,オランダ,ドイツ,ルクセンブルグにおいて確認されているが,ベルギーにおいては,今回の the ISP による確認が初めて。厳重に保護されているすべての欧州のコウモリ All strictly protected European species of bats は,公衆衛生ならびに動物衛生上の危険はない not a threat to public and [animal] health 。加えて,コウモリからヒトに近づいてくることはなく,感染したコウモリからヒトが狂犬病に感染するのは,咬傷やひっかき傷,傷のある部分への唾液の暴露があった場合に限られる ... 西欧において,狂犬病は基本的には輸入感染症である。ベルギー国内の最後の狂犬病患者の発生は,1930年にまで遡らなければならない。1966年から1999年まで行った,狂犬病を保有しベクターとなっていたキツネに対する経口ワクチンキャンペーンの結果,ベルギーは2001年に WHO により狂犬病清浄国と宣言された。キツネの狂犬病が排除されて以降,ベルギーで確認されたのは,2007年と2008年の輸入によるイヌの狂犬病感染例のみである。いずれの事例についても,集中サーベイランスにより,6ヶ月後に清浄国指定を回復している。
[5] インド,イヌ India (Gujarat). Dog, human exposure
情報源 The Times of India (TOI), Times News Network (TNN) 2016年11月6日
6日,Bedhala village of Bilkha taluka in Junagadh で13人が狂犬病のイヌ a rabid dog に襲われた。このイヌは,4-5時間にわたってヒトを襲った ...
[6] ジンバブエ ヒト,感染源不明 Zimbabwe, human, source not identified
情報源 Newsday (Zimbabwe) 2016年11月12日
Hurungwe district で狂犬病 An outbreak of rabies により4人の命が奪われた。 Karoi town と Chidamoyo Hospital, 75 km [about 46 mi] away. で死亡した ...
[7] アルジェリア,ウシ Algeria, cattle. Source not identified
情報源 La Dépêche de Kabylie [in French] 2016年11月7日
2頭の成牛と2頭の若ウシの狂犬病が判明し,the municipality of Aghbalou  [Bouïra province] のウシ農家らの間でパニックが拡がっている。10月27,28日に感染が判明し,直ちに処分され石灰とともに土に埋められた ... 他の感染した2頭の若ウシのうち1頭はなお生存中であるが,獣医師は,"すべての症状: 興奮?vigorous stirring, 流涎 intense salivation and drooling, ふらつき歩行 unbalanced walking, and finally 完全麻痺 total paralysis of the animal が認められた"と話している ...

鳥インフルエンザ (108)-日本,HPAI H5N6 野鳥
PRO/AH/EDR> Avian influenza (108): Japan, HPAI H5N6, wild bird
Archive Number: 20161122.4647818
情報源 Latin American Herald Tribune 2016年11月22日
日本の環境省は,南部の水系の一部と複数の死鳥でH5N6型高病原性鳥インフルエンザが確認されたことを受け,警戒レベルを最高度に引き上げた。鹿児島県出水市の1カ所の池で同ウイルスが検出された事を受け,東京都は,2014年以来となる警戒レベル3への引き上げを行った。鳥インフルエンザウイルスは,秋田動物園で死亡した2羽のハクチョウからも検出されており,予備検査で陽性となったため,132羽が殺処分された。この動物園では,15日と17日に死亡しているのが発見され,最近韓国で発見され6万羽以上が処分されたH5N6型ウイルスによるものかどうかを確認するため,死体を北海道大学に送っている。この大学では,7日に中標津で死亡して発見された野生のハクチョウについても,現在検査を行っている。環境省も,鳥取県のコガモ a common teal の糞で同ウイルスを確認している ...