2016年11月21日

ジカウイルス ワクチン開発のためのマウスモデル PLoS
非結核性抗酸菌 院内感染 Infection Control & Hospital Epidemiology journal

● ジカウイルス
PRO/EDR> Zika virus (60) - Americas, Asia, research, observations
Archive Number: 20161121.4644809
[1] 世界各国
World-wide WHO Public Health Emergency removed. 18 Nov 2016.
北米
 -米国 (Florida, Miami-Dade county). 17 Nov 2016. (conf.) 6 new locally acquired cases yesterday [16 Nov 2016] and today [17 Nov 2016]; Localities where transmission is occurring: Miami Beach and Little River, 2 neighborhoods in Miami-Dade County.
中米
 -ホンジュラス Honduras. 18 Nov 2016. [in Spanish] (reported) since December 2015, 70 000 cases with 670 pregnant women under surveillance; Microcephaly 90 cases.
カリブ海地域
 -ケイマン諸島 Cayman Islands. 17 Nov 2016. (conf.) 20 cases locally acquired.
 -ドミニカ共和国 Dominican Republic. 12 Nov 2016. [in Spanish] (susp.) 5215 cases of whom 948 pregnant; Microcephaly 28 cases Zika virus related of which 10 are confirmed and 18 suspected and under investigation.
 -プエルトリコ Puerto Rico. 18 Nov 2016. [in Spanish] (reported) more than 32 000 cases; Microcephaly 2nd case born, 4 additional cases in utero.
 -タークス・カイコスTurks and Caicos Islands. 17 Nov 2016. (conf.) 15 cases, 3 of which are new.
南米
 -アルゼンチン Argentina. 12 Nov 2016. [in Spanish] (conf.) 24 cases in pregnant women; Country's 1st fatal case of baby with microcephaly in country.
アジア
 -カンボジア Cambodia. 18 Nov 2016. (conf. after earlier denial) 1st case in the country since 2010.
 -ベトナム Viet Nam. 19 Nov 2016. (conf.) 60 cases; municipality most affected: Ho Chi Minh City, 52 cases with urban and rural districts in the city reporting cases.
 -フィリピン Philippines. 19 Nov 2016. (conf.) 35 cases with 1 new case each in Makati City and Bacoor in Cavite .; localities most affected: Western Visayas with the highest number of Zika virus infections with 12 cases, other regions with Zika virus infections are Metro Manila, Calabarzon, and Central Visayas.
[2] PAHO/WHO Update:Zika virus - Incidence and trends
 情報源 PAHO/WHO Zika - Epidemiological Update 2016年11月17日
[3] マウスモデル Mouse model
 情報源 PLoS Pathogens 2016年11月17日
タイトル Zika (PRVABC59) Infection Is Associated with T cell Infiltration and Neurodegeneration in CNS of Immunocompetent Neonatal C57Bl/6 Mice.
PLoS Pathog. 2016;12(11):e1006004. doi: 10.1371/journal.ppat.1006004, PMID: 27855206
要約
最近のジカウイルス感染拡大と,これに伴って起きるギラン・バレー症候群 Guillain Barre [syndrome] 等の神経学的異常や小頭症などの先天性障害の合併率の上昇に対し,その発生病理の解明と有効な治療やワクチン開発のための動物モデルの作成を急ぐ必要がある。最近開発されたマウスのジカウイルス感染モデルにより,インターフェロン反応欠損マウスが利用可能となった ... 
関連項目 Zika virus (59) - Americas, Asia, research, comment 20161113.4625265

● 非結核性抗酸菌 院内感染,ヒータークーラーユニット
PRO/EDR> Non-TB mycobacteria: nosocomial, heater-cooler devices
Archive Number: 20161121.4643163
[1] 情報源 News-Medical.net 2016年11月14日
侵襲性で発育が遅い,_Mycobacterium chimaera_ の世界的なアウトブレイクは,心臓手術で使用される heater-cooler devices (HCD) が関係していたことが,本日発行の米医療疫学学会誌 Infection Control & Hospital Epidemiology に掲載された ...
[2] _Mycobacterium chimaera_ outbreak associated with heater-cooler devices: piecing the puzzle together. Infect Control Hosp Epidemiol. 2016: 1-6. [Epub ahead of print]
 情報源 Infection Control & Hospital Epidemiology journal 2016年11月14日。
要約
"heater-cooler devices (HCDs) に関連する,抗酸菌アウトブレイク An outbreak of invasive _Mycobacterium chimaera_ infections が,世界中の患者で発生している。
臨床経過においては,診断の遅れ,抗生剤治療への反応の悪さ,予後不良を特徴とする。 アウトブレイク調査で,HCDs 運転中の循環水と排気 HCD water circuits and air samples 中から,抗酸菌 _M. chimaera_ が検出されたことから,空気感染による HSDs から手術部位への感染が示唆された。製造現場の新たな機器 HCDs でも,_M. chimaera_ による汚染がが確認され,全遺伝子塩基配列解析のデータから感染源の1つであることが示唆されている。HCD water and exhaust air 内の抗酸菌 _M. chimaera_ 汚染 colonization のスクリーニングに関する複数のガイドラインが定められているが,HCDの滅菌が可能であるかは明らかではなく,はっきりとした有効な消毒方法の記載はない。手術室内の空気からHCDを厳密に隔絶することが,患者の安全を守るために必須で,エンジニアリングによる解決が必要かもしれない。

● リフトバレー熱 ニジェール
PRO/AH/EDR> Rift Valley fever - Niger (05): (TH)
Archive Number: 20161121.4643103
 情報源 Gistmaster 2016年11月17日
西部 the western Niger region of Tahoua でリフトバレー熱 Rift Valley fever の感染流行が発生し,8月後半以降,少なくとも32人が死亡したと,17日保健省が発表した。230人が感染した。3ヶ月前は50%だった致死率は14%に低下した
[Mod.TY- 10月10日の患者98人死者28人から,患者230人死者32人に増えている。なぜか家畜での感染が報告されていない。以前の秀逸なコメントから,”RVF は超急性または急性の家畜反芻動物の人獣共通感染症で,ウイルス(の確認)はアフリカとアラビア半島に限られている。ブニヤウイルス科 the _Bunyaviridae_ family (genus _Phlebovirus_) の,単一の血清型の蚊族媒介性ウイルスの感染による疾患である。ベクター蚊の繁殖に好適な温暖気候条件で発生し,流産,周産期死亡,肝障害の症状を特徴とする。ヒツジ,ヤギ,ウシで最も重症となる。より高齢の非妊娠動物では,感染は起きるものの臨床症状は現れにくい。リフトバレー熱ウイルス RVF virus (RVFV) に対する感受性は,動物種により大きく異なる。ラクダでは通常不顕性感染となることが多いが,突然死,周産期死亡,流産が発生し,ウシと同じくらい高い流産率を示すこともある。ヒトも,動物の体液や組織などを通じて,または感染力を有する蚊族の刺咬により感染する]

● ジフテリア パキスタン
PRO/EDR> Diphtheria - Pakistan (02): (TA Tribal Areas) fatal, IDP
Archive Number: 20161121.4643033
 情報源 Pakistan Today 2016年11月18日
連邦直轄部族地域 the already troubled South and North Waziristan agencies [Federally Administered Tribal Areas] のジフテリア患者 diphtheria cases の警戒すべき増加が伝えられている。およそ30人の小児が死亡しており,ワクチンを接種されていない難民キャンプの子供らから感染が拡がった。周辺の Tank, Dera Ismail Khan, and Bannu (KPK/Khyber Pakhtunkhwa) に感染が及び,数十人の小児らが入院中である ...
[Mod.ML- 20160921.4503802 のコメントから,
ワジリスタン Waziristan は,パシュトゥン人 ethnic Pashtuns が住む,パキスタン北西部の連邦直轄部族地域 the Federally Administered Tribal Areas (FATA) 内の, the North Waziristan and South Waziristan agencies, Frontier Region Bannu, the western part of Tank, and Frontier Region Dera Ismail Khan からなる山岳地帯である]
関連項目 Pakistan: (PB) fatal 20160921.4503802

● 鳥インフルエンザ イラン、欧州、デンマーク HPAI H5N8(3件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza (107): Iran (TE Tehran) HPAI H5N8, poultry, new strain, OIE
Archive Number: 20161121.4644671
 情報源 OIE, WAHID weekly disease information 2016年11月21日
Highly pathogenic avian influenza, Iran、New strain of a listed disease in the country
感染開始時期 2016年11月14日
原因ウイルス Highly pathogenic avian influenza virus
Serotype: H5N8
新たな流行 (2)
Outbreak 1: Tohid Farm, Amirabad Tavanbakhshi, Malard, Tehran: farm
感染した種/個体数/感染数/死亡/廃棄/処分
鳥類 Birds / 50 621 / 13 355/ 4455 / 46 166 / 0
Affected population: Commercial layers レイヤー鶏
Outbreak 2: Fatem 2 Farm, Akhtarabad, Malard, Tehran: farm
感染した種/個体数/感染数/死亡/廃棄/処分
鳥類 Birds / 232 840 / 47 510 / 1128 / 231 712 / 0
Affected population: Commercial layers レイヤー鶏
感染源 不明または特定に至らず
Epidemiological comments:
1. The event was reported [via] Iran passive surveillance in place.
2. A post-outbreak investigation to trace the source of infection is ongoing to detect a probable spread and circulation of this subtype.
3. Active surveillance is ongoing.
対応策: スクリーニング、消毒作業、検疫、全数処分と廃棄 official disposal of carcasses、監視区域内のサーベイランス、野生保有動物コントロール、ワクチン接種禁止、感染動物の治療禁止
[Mod. CRD- 11月の the FAO's Regional Office for Europe and Central Africa press release のコメントより
" ロシア南部のトゥバ共和国 Tyva Republic で H5N8 鳥インフルエンザウイルスが確認され、水禽の秋の渡りととともに南西方面への感染拡大の可能性がある、との FAO からの注意喚起 20160920.4501532 が発出されてからまだ 2か月経っていない。家きんに高病原性を有する同ウイルスは、すでに西はポーランドやハンガリーにまで及んでおり、南はインドのケララ Kerala 州に達していることが、最近のOIE への公式報告で明らかになっている。"
" この1週間のイベントは、ウイルスはすでに野鳥から家きんに感染が及んでいることを表している" と、FAO の獣医官がコメントしている。インドの4つの州とハンガリーでは、野鳥とともに家きんのダックでも H5N8 型ウイルスが検出され、ハンガリーでも、南東部の死亡した1羽のハクチョウとともに、Totkomlosのシチメンチョウの1群でウイルスが確認されている。FAO によれば、ハンガリーで2016年10月下旬に、この死亡したコブハクチョウが発見されたのは、Csongred County にある、渡り鳥の休憩地として有名なアルカリ塩湖? saline soda Lake Feher-to 付近とされ、2016年6月にロシアのトゥバ共和国のオブスヌール湖 Lake Ubsu-Nuur の野鳥で発見されたウイルスに非常に近い very similar ウイルスであることが確認されている。ハンガリーおよびインドの発生個所は、およそ,野鳥のなかでもカモ科 _Anatidae_ species の秋の渡りのルート上に位置する。11月7日,ポーランドの野鳥でも,1件の H5N8型高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されている。同じ型のウイルスであるかについてはまだ確認されていないものの,おそらくその可能性が高い。このコメントの執筆中にも,オーストリア,クロアチア,ドイツで H5N8型ウイルスによる野鳥の死亡が続いているとの報道もある。FAO は引き続き事態を注視し,定期的に最新情報を提供する予定である。このように野鳥および家きんで H5N8型ウイルスが検出されたことは,H5亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスが,渡りのルートに沿って中継地から次の中継地まで長距離を移動する際に野鳥が果たす役割を示す,新たな証拠となる。これは,2005年以来記録される,同種ウイルスの大陸を超えての移動として,第4の波であると,FAO は述べている。この地域では全ての国々が,全家きん農場で強化バイオセキュリティ対策を実施し,サーベイランスを強化すべきである。カモ科鳥類の渡りのルート上に当たる,中東,EU,西アフリカ,旧ソ連,南アジアのすべての国に感染発生リスクがある。"どの国で,家きんのアウトブレイクや野鳥の感染例が発生するかを予測することは不可能であり,すべての国が対応策を準備し家きんでの感染拡大防止に備える必要がある”と述べられている。中東と欧州については,2017年3-4月までリスクは続くと指摘している]

PRO/AH/EDR> Avian influenza (106): Europe, wild, poultry, HPAI H5N8, spread
Archive Number: 20161121.4645059
 情報源 Just-Food 2016年11月21日
欧州全域における家きんと野鳥での鳥インフルエンザウイルス感染流行の発生を受け,The European Commission が本日 [21 Nov 2016],EU 加盟各国に対し,引き続き監視とバイオセキュリティ対策の強化を呼びかけた。 先週,国内でのアウトブレイク発生を報告したドイツの家きんについて,国際市場での輸入制限が行われた後,今回の発表が行われた ... これまでに,EU 内の5カ国で16件のH5N8型ウイルスのアウトブレイクが報告されている: ハンガリー(7 cases), ドイツ(7), オーストリア(1), デンマーク(1) and one case (オランダの動物園) ... また野鳥のみで確認されている国も併せると,EU 7カ国 (ハンガリー,ポーランド,ドイツ,クロアチア,オーストリア,デンマーク,オランダ)とスイスでウイルスが確認されている ...
最新データ An updated outbreak assessment of HPAI H5N8 in Europe by DEFRA's Veterinary & Science Policy Advice Team (International Disease Monitoring)

PRO/AH/EDR> Avian influenza (105): Europe (Denmark) wild, poultry, HPAI H5N8
Archive Number: 20161121.4644808
 情報源 Thomson Reuters Foundation News 2016年11月21日
デンマーク国内では初となる,家きん農場 1カ所でのH5N8型鳥インフルエンザが確認されたと,21日環境食品省が発表した。コペンハーゲン Copenhagen の北にある農場の30羽のダックのおよそ1/3が,これまでデンマークの野鳥で確認されていたのと同じウイルスにより死亡した ... 2006年にデンマークで鳥インフルエンザ感染が確認された際にも,大きな経済的損失が出た。
関連項目 (104): Europe (Germany) wild, poultry, HPAI H5N8, genotyping 20161119.4641281

● ブルータング スロベニア
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe (24): Slovenia (PO, KP) ovine, bovine, st. 4, OIE
Archive Number: 20161121.4644672
 情報源 OIE, WAHID weekly disease information 2016年11月21日。感染開始時期 2016年8月25日
Bluetongue, Slovenia,Reoccurrence of a listed disease
前回流行時期 2015年12月1日
原因ウイルス Bluetongue virus
Serotype: 4
新たな感染流行 (9)
Outbreak 1,3~9: Illirska Bistrica, Postojna: farm
Outbreak 2: Koper: farm
総計
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
ヒツジ Sheep / 337 / 16 / 0 / 4 / 0
ウシ Cattle / 130 / 6 / 0 / 0 / 0

● アフリカ馬疫 スワジランド
PRO/AH/EDR> African horse sickness - Swaziland: (HH) serotype not typed, OIE
Archive Number: 20161121.4644673
 情報源 OIE, WAHID weekly disease information 2016年11月21日
感染開始時期 2016年11月3日
African horse sickness [AHS], Swaziland,Reoccurrence of a listed disease
前回流行時期 2014年8月13日
原因ウイルス African horse sickness virus
Serotype: Not typed
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1: Nelson, Hhohho: farm
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
Equidae / 36 / 1 / 0 / 0 / 0
Affected population: The population includes different breeds of horses of different age and sex. There is also one female donkey. The horses are free range and stabled from 1500 hours to 0930 hours in the morning. The stables are sprayed for mosquitoes every night, and there are mosquito nets. There is also a routine African horse sickness (AHS) vaccination program. The affected horses started showing signs 2 weeks after their routine AHS vaccination.

● 炭疽 タンザニア
PRO/AH/EDR> Anthrax - Tanzania (03): (AS Arusha) antelope, livestock, human exposure
Archive Number: 20161121.4645060
 情報源 Daily News, The National Newspaper 2016年11月15日
炭疽のアウトブレイク an outbreak of anthrax により,Selela section of Monduli の野生動物区域 the wildlife corridor で,90頭弱の野生動物と15頭のガゼル gazelles [antelopes] が死亡した