2017年2月8日

◎ ブルーリ潰瘍-サントメプリンシペ
黄熱-ブラジル (16) (17)サル

◎ ブルーリ潰瘍-サントメプリンシペ
PRO/EDR> Buruli ulcer - São Tomé and Príncipe
Archive Number: 20170208.4824961
情報源 L'Express, Agence France-Presse (AFP) [in French] 2017年2月3日
激しい皮膚潰瘍を特徴とする原因不明の病気がサントメ São Tomé の住民らを苦しめている。2016年10月以来,20万人足らずの人口の中で 1094人の患者が確認されていると,3日アフリカの小さな島嶼国の保健当局が明らかにした。the World Health Organization (WHO) にベニンの Buruli ulcer の専門家の派遣を依頼した。
[Mod.ML-島国のサントメプリンシペの首都であるサントメの人口は約 5万7千人で,ギニア湾内の中央アフリカの西赤道沖に位置する。Buruli ulcer (オーストラリアでは the Bairnsdale ulcer と呼ばれる)は,抗酸菌 _Mycobacterium ulcerans_ による,皮膚と軟部組織の慢性感染症で,上下肢に大きな潰瘍を形成することが多く,付近の骨への感染と永久的な変形と障害が及ぶことがある。Buruli ulcer は,ウガンダの地区名 a county in Uganda に由来する。_M. ulcerans_ のインビトロでの温度の生育条件は between 29-33 deg C (84.2-91.4) とされる(1)。独自のトキシン a unique toxin -- mycolactone を産生し,組織を破壊し免疫反応を阻害する。局所免疫抑制能を有する the mycolactone toxin により,痛みや発熱を伴うことなく疾患が進行する。確定診断は,polymerase chain reaction (PCR), direct microscopy, histopathology, and culture などによる。Buruli ulcer を報告しているのは 30カ国以上に及び,アフリカ,南米,アジア,亜西太平洋の熱帯気候地帯が主で,West and Central Africa の中で多くの患者を報告しているは -- ベニン,カメルーン,コートジボワール,コンゴ民主共和国,ガーナである。アフリカでは 患者のほとんどが 15歳未満であるのに対し,オーストラリアでは 15歳未満は 10 %にすぎず,日本では 19 % が 15歳未満の小児である。_M. ulcerans_ は,淡水,汽水と,湿地帯の土壌中で確認されている。皮膚にあるキズが,汚染された水や土,植物などに暴露することが,感染経路となりやすい。ヒトからヒトへの感染はないと考えられているが,感染伝播経路は必ずしも明確ではなく,地域によっても大きく異なる可能性がある。ベクター,とりわけ水棲昆虫や蚊族も,場所によっては感染に関わっている可能性がある。オーストラリア南東部沿岸地方では,ポッサム possums の皮膚感染 _M. ulcerans_ skin lesions and/or 便中菌陽性 _M. ulcerans_ PCR-positive feces が検査で確認されており,保有宿主であるかもしれない(20140913.2771412)。Buruli ulcer は,常在地域でけがをして,同地を離れた後に発病する旅行者の例が報告されている。早期に診断された症例の 80 % が抗生物質の併用療法で治癒するが,診断が遅れると,長期かつコストが嵩む入院と,重大な症状と障害を生む結果となる。リファンピシン rifampin に,ストレプトマイシン streptomycin, クラリスロマイシン clarithromycin, or モキシフロキサシン moxifloxacin のいずれかを併用する 8週間の治療と,創傷の外科的な管理が行われる]
写真 Buruli ulcers

● 黄熱 -ブラジル,サル 
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (17): Brazil, monkeys
Archive Number: 20170208.4825553
情報源 Reuters 2017年2月8日
ブラジルの大西洋側の熱帯雨林地方 Brazil's Atlantic rainforest region で,黄熱アウトブレイク An outbreak of yellow fever により,600頭以上のサルと数十人のヒトが死亡した。希少な南米の霊長類の生存が脅かされている。南西部エスピリトサント Espirito Santo 州の森林内で,brown howlers and masked titis を中心とするサルの,樹上からの落下と死亡が続いている。the rare buffy-headed marmoset にも黄熱の脅威が迫っており,死亡が発生している ... 原文 [Google翻訳] 参照願います。
[ Mod.TY 注- ... 20170201.4806487 では 400頭と報告されていたが,死亡したサルの数は今や 600頭とみられている。前の報告では,ブラジル最大の霊長類で,地球上で最も絶滅のリスクが高い 25種でもある the muriqui monkey が最も大きなリスクに曝されていると述べられていた ... 今回の報告では,brown howler monkeys (_(Alouatta guariba_) and masked titis (_Callicebus personatus_) がアウトブレイクの影響を最も受けている the non-human primates とされている。さらに,the buffy-headed marmoset (_Callithrix flaviceps_) も注視されている ... ]
写真1 brown howler monkeys 
写真2 masked titis 
情報 the buffy-headed marmoset
関連項目 (16): Brazil 20170208.4824819

PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (16): Brazil
Archive Number: 20170208.4824819
情報源 Yahoo News, Agence France-Presse (AFP) report 2017年2月7日
ブラジルで史上最悪の黄熱アウトブレイク Brazil's worst yellow fever outbreak on record が発生し,これまでに黄熱による [of yellow fever (YF)] 65人の死亡が確認されていると,政府が明らかにした。蚊族が媒介するこの疾患の,2016年12月1日以来確認されている患者は 180人 confirmed cases であると,6日保健省が発表した。患者の多くは,56人が死亡した南東部のミナスジェライス Minas Gerais state で発生しており,このほか 6 人がエスピリトサント Espritu Santo,3 人がサンパウロ Sao Paulo で死亡している ... 統計を取り始めた 1980年以来最悪のアウトブレイクで,最も深刻とされていた 2000年のアウトブレイクの,死者 40人と確定患者 85人を上回る数字となっている。
[Mod.TY- ... 都市部のネッタイシマカからの感染の有無,新たな地域での患者確認の有無,については記事では触れられていない ... ]
関連項目 (15): Brazil, WHO 20170204.4815997

● 鳥インフルエンザ (46)-ミャンマー 家きん,HPAI H5N6 OIE
Highly pathogenic avian influenza, Myanmar,new strain of a listed disease (final report)
PRO/AH/EDR> Avian influenza (46): Myanmar (SH) poultry, HPAI H5N6, new strain, OIE
Archive Number: 20170208.4824667
情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2017; 30(06) 2017年2月7日
感染開始時期 2016年3月15日
流行終息時期 2016年4月6日
OIE への報告 2017年2月7日
原因ウイルス highly pathogenic avian influenza virus
Serotype: H5N6
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1: Monglar, Kyaingtong, Shan State: Livestock market
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
鳥類 Birds / 300 / 5 / - / 0 / 300
Affected population: レイヤー鶏 layer chicken from collecting points
Epidemiological comments: risk-based surveillance of H7N9 in targeted border Townships and live bird market in Yangon and Mandalay has been conducted since 2013
H5N6 positive samples were taken from apparently healthy chickens imported from China, as well as from the environment.

● 炭疽-ザンビア (05) 死亡
PRO/AH/EDR> Anthrax - Zambia (05): (WE) fatalities
Archive Number: 20170208.4824664
情報源 ZNBC 2017年2月7日
Lulangu'nyi Ward in Chief Namulimbwa' s area in Sikongo District in Western Province においてこれまでに,炭疽 anthrax により 6人が死亡し,ほか 2人が病院 Kalabo District hospital に入院したことを,保健当局者が明らかにした。7日までの 5日間に 6人の死亡があった。当局者によると,住民らは感染動物の肉を隠し持っていた疑いがある。
the OIE report

● 家きんコレラ-米国 (02)野禽
PRO/AH/EDR> Avian cholera - USA (02): (OR) wild fowl, susp
Archive Number: 20170208.4824191
情報源 Ammoland 2017年2月3日
the Stanfield and Milton-Freewater areas [Umatilla County ] の湿地で週末 [28-29 Jan 2017] にかけて,数百羽のダックが死亡して発見されたとの通報を受け,オレゴン州野生動物管理当局 ODFW [Oregon Department of Fish and Wildlife] は,ダックでの家きんコレラアウトブレイク a possible outbreak of avian cholera の疑いがあるとみて調査を開始した。死体の検査の結果は未到であるが,ワシントン州 Washington Fish and Wildlife [WDFW] は最近 an outbreak of avian cholera around nearby Burbank, Washington を確認している ... 家きんコレラ Avian cholera は細菌のパスツレラ the bacterium _Pasteurella multocida_ を原因とする,ducks, geese, and other wild North American waterfowl の間で最もありふれた病気である ...