2017年3月21日

ブルセラ症 メキシコ、米国 2016
マラリア 南アフリカ,ボツワナ
原因不明の発疹 カメルーン

● ブルセラ症 メキシコ、米国(2件)
メキシコ
PRO/AH/EDR> Brucellosis - Mexico: (ZA) unpasteurized cheese
Archive Number: 20170321.4916017
 情報源 Outbreak News Today 2017年3月20日
州衛生当局 Sanitary Regulation of Jurisdiction 3 of the Secretariat of Health of Zacatecas (SSZ) が,the community Rancho Grande in the city of Fresnillo in Zacatecas State における,ブルセラ症アウトブレイク an outbreak of brucellosis の発生を確認したと報じられている。これまでに,20歳以上の 5 confirmed cases が確認されているが,さらに症例数が増加すると見込まれている。汚染されたチーズ contaminated cheese がアウトブレイクに関係している ... ブルセラ菌株 The Brucella species の名前は主たる保有動物に由来しており: _Brucella melitensis_ はヤギ,ヒツジ,ラクダ; _B. abortus_ はウシ; _B. suis_ はブタ and _B. canis_ はイヌに感染する。ヒトのブルセラ症の主な感染経路は 2つで,1つめはワクチンを接種されず感染した動物に関わる仕事に就く人々で,直接触れたり,感染組織から放出されるエアロゾルを介して感染する。_B. abortus_ and _B. suis_ が最も多い。2つめの感染経路は,殺菌処理がされていない乳製品の摂取である。また,適切な感染防護策を採っていない研究室の職員らにも,職業上の暴露の危険がある。the aerosolized form は感染力が強い。
[Mod.LL- Brucellosis は古代から存在する病気の 1つで,2000年以上前に the Romans and Hippocrates が初めて報告している。1887 年になって初めて,マルタ島 the island of Malta の複数の患者から菌が分離された。歴史上さまざまな病名を有し,その中には,Mediterranean fever, Malta fever, Crimean fever, Bang's disease, and undulant fever (波状熱,because of the relapsing nature of the fever associated with the disease)などがある. See ... ]

米国 2016年
PRO/AH/EDR> Brucellosis, swine - USA: (NY) human, 2016
Archive Number: 20170321.4912122
 情報源 Lancaster Farming 2017年3月17日
April 2016,ニューヨーク州農業当局 the New York State Department of Agriculture & Markets に対し,州保健当局 the New York State Department of Health からブルセラ症の患者 a human case of _Brucella suis_ についての通報があった。慢性の疲労感,間欠性発熱,関節痛,呼吸障害 respiratory distress の症状があり,抗生物質による治療が数週間続けられた。この病気は,治療が完了しても数ヶ月後に再燃することがあり,また,暴露の 5日後から 5ヶ月後までの期間に,身体中のどこかに症状が現れる。
New York is brucellosis free だとすれば,どこで感染したのだろうか?米国内はブルセラ菌正常国ではないのだろうか? 答えはイエスで,商業的に飼育されている家畜にはブルセラ菌は存在しない。しかし,屋外で飼育されているブタが野生のイノシシと接触することがある。これらの動物がヒトの感染源となった可能性があるのではないだろうか。
この患者は,Schoharie County の家族経営の農場で,分娩を手伝っていた。血液培養により,_B. suis_ biotype 1が確認されている。家畜のブタと野生のイノシシとの接触は確認されていなかったが,農務省が,この農場で飼育されていたすべてのブタの検査を行い,29頭中7頭が,同一のブルセラ菌の検査で陽性と確認された

● マラリア 南アフリカ,ボツワナ
PRO/EDR> Malaria - South Africa, Botswana: high alert
Archive Number: 20170321.4916016
 情報源 News24, a Traveller24 report 2017年3月20日
ボツワナへの旅行者や,Limpopo 滞在者は,自身の感染防御策を再点検すべきである。両地域では,マラリア Malaria の高頻度の発生に対する注意喚起が行われている。ボツワナ政府保健当局 The Ministry of Health and Wellness for Botswana は,最近の降水量増加を受けて,マラリア多発に対する注意喚起 a warning that the country is experiencing high levels of malaria を発表した。"Okavango, Ngami, Chobe, Boteti, Tutume and Bobirwa では患者数が増加しており,マラリア発生地域への旅行の 2週間前までに医師のアドバイスを受けるよう,旅行代理店から顧客への情報提供を促している"。南アフリカの保健当局 The Limpopo Health Department [South Africa] も同州内の患者数増加を報告しており,特に around Lephalale and Thabazimbi [both in Limpopo District, South Africa] で著しい。 the Limpopo health department は 14日, the western Waterberg district around Lephalale and Thabazimbi において少なくとも 46人のマラリア患者が報告されていることを明らかにした。死者は報告されていない。"通常,この地域にマラリア媒介蚊は存在しない。患者の 70 % に渡航歴がないことを懸念している。すななわち,この地域に居てマラリアに感染した事を意味するからである" と当局者が述べている。しかし当局は,これはアウトブレイクではなく,季節的なもの(not an outbreak. It's malaria season)と説明した。予想外の地域で発生したことが問題と述べた。
[Mod.EP- ... The Limpopo District がボツワナに隣接していることが,ボツワナから注意喚起が行われた理由である。また,最近豪雨があったと報告されており,ProMED ではナミビア北部や南アフリカの Gauteng Province について報告されている]
関連項目 Namibia (02): (northern regions): 20170316.4904084,South Africa (03): (GT, NW) comment: 20170315.4902832

● 腸管出血性大腸菌 EHEC カナダ O121
PRO/AH/EDR> E. coli EHEC - Canada (02): O121, RFI
Archive Number: 20170321.4915570
 情報源 Public Health Agency of Canada 2017年3月20日
Public Health Notice - Outbreak of E. coli infections under investigation

Why you should take note?
カナダ公衆衛生局 The Public Health Agency of Canada は,大腸菌 EHECによるアウトブレイク an outbreak of _Escherichia coli_, called _E.coli_ O121 の調査を行っているが,感染源は未だ特定されておらず,流行は継続している。カナダ国民の感染リスクは低いが,引き続き感染対策に留意してほしい。
Investigation Summary
現在,4つの州の 24 cases of _E. coli_ O121 with a matching genetic fingerprint reported in 4 provinces: British Columbia (12), Saskatchewan (4), Alberta (3) and Newfoundland and Labrador (5) が確認されている。発症日は,November 2016 から February 2017まで。 6人が入院となり,現在回復している。 

● 原因不明の発疹 カメルーン

PRO/EDR> Undiagnosed rash - Cameroon: (EN) fatalities, RFI
Archive Number: 20170321.4915569
 情報源 Cameroon Online 2017年3月18日
Far North Cameroon で,合計 54人の患者が発生している原因不明の疾患により,5歳以下の小児を中心に少なくとも 16人が死亡した。公衆衛生省当局者 The Disease Control and Epidemics Director (DLMEP) at the Ministry of Public Health は "atypical eruptive fever"と述べた。"これまでのところ,何らかの汚染 (something that contaminates) によるものではない" との見方を示した。この発熱性疾患 The fever は 6 health districts of Mayo-Tsanaga, in the Far North に発生し,現在も継続して患者が確認されている。
主な臨床症状は,発熱発疹貧血肝腫大リンパ節腫大である。
[Mod.LL- 致死率が約 30 % のこのアウトブレイクの原因は不明である。腸チフス,レプトスピラ症などの細菌性疾患も考えられるが,これらの疾患としては致死率が極めて高い(高すぎる)。デングなど,いずれかの蚊族媒介性ウイルス出血熱とも考えられる]

●  肝炎 インド 水系感染
PRO/EDR> Hepatitis - India: (KA) waterborne, RFI
Archive Number: 20170321.4915568
 情報源 Bangalore Mirror 2017年3月20日
the Napoklu region of Kodagu district では,2017年に 100例以上の黄疸の患者が報告されている。飲料水の汚染が患者(A 型肝炎)数の増大につながっている。the Cauvery ではモンスーン期間の降水量が少なく,住民らは安全でない水を飲まざるを得ない状況にある。Napoklu の住民は,井戸 open wells の水を利用し始めている。この地域 the panchayat では,くみ上げた井戸水を 3 tanks に貯蔵して使用しているが,塩素消毒は行われていない 
[Mod.LL- A 型肝炎ウイルスのようだが,もし成人の患者が中心で,妊婦の死亡が発生するようなら,E 型肝炎ウイルスが疑われる]

● クリプトスポロジウム症 オーストラリア
PRO/AH/EDR> Cryptosporidium - Australia: (NS)
Archive Number: 20170321.4914575
 情報源 Daily Telegraph, Liverpool Leader report 2017年3月
2017年,これまでに 71例のクリプトスポリジウム症患者 cases of cryptosporidiosis が the Public Health Unit に報告され,5歳未満の小児が最も多くなっている。the South Western Sydney Local Health District が報告した。ヒトからヒトに感染し,汚染のある飲水や食事,動物との接触などによる感染の危険があるため,下痢のある患者は少なくとも 2週間はプールに入るべきではない。この時期としては,1141年の患者が報告された 2009年以来の患者数である

● 黄熱 ブラジル
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (31): PAHO/WHO, Brazil
Archive Number: 20170321.4916725
 情報源 WHO Emergencies Preparedness Yellow Fever - Brazil 2017年3月20日
厚生労働省検疫所 FORTH より
Updates on yellow fever [YF] vaccination recommendations for international travellers related to the current situation in Brazil
ブラジルでの黄熱の流行状況に関連して、国際旅行者に向けられた黄熱予防ワクチン接種に対する推奨地域の最新情報
3月16日までに、以前感染伝播のリスク地域と考えられていなかった大西洋沿岸地域にウイルスの伝播が拡大し続けていることが、専門家らにより支持された ... リオ・デ・ジャネイロ州で患者が確認され、サン・パウロ州ではヒトと動物の感染の調査が行われている。これら報告は、熱帯および亜熱帯の広葉樹林と同じ生態系をもつ他の州(エスピリト・サント州やミナス・ジェライス州)で観察された黄熱の活動の増加と一致している。 都心部でネッタイシマカが伝播に関わっている証拠は確認されていない。
したがって WHO は、(リオ・デ・ジャネイロ市と Niterói(ニテロイ)市の市街地を除く)リオ・デ・ジャネイロ州と、(サン・パウロ市および Campinas(カンピーナス)市を除く)サン・パウロ州をリスクのある地域と判断し、これらの地域を訪れる旅行者にも(黄熱ワクチンの接種を)推奨する
関連項目 (30): PAHO/WHO, Brazil, Netherlands ex Suriname 20170318.4910486

● 狂犬病 ハンガリー
PRO/AH/EDR> Rabies (10): Europe (Hungary) caprine, OIE
Archive Number: 20170321.4916152
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2017; 30(12) 2017年3月21日
Rabies, Hungary,reoccurrence of a listed disease
感染開始時期 2017年3月17日
前回流行時期 2017年2月3日
原因ウイルス rabies virus
Serotype: RABV
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1: Bekecs, Borsod-Abauj-Zemplen: backyard
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
ヤギ Goats / 15 / 1 / 1 / 0 / 0
Affected population: 3週間前に 1例目のキツネの感染が確認された場所から約 800m 離れた Backyard goat farm