2017年3月26日

水痘-インド
ジカ(05)-PAHO 仏領ポリネシア
エボラ(12)
ボツリヌス症-ルーマニア 缶詰食品
黄熱(34)-ブラジル
ムンプス(13)-ポルトガル,カナダ,米国

水痘-インド
PRO/EDR> Varicella - India: (WB West Bengal )
Archive Number: 20170326.4927524
情報源 NYOOOZ 2017年3月26日
2017年春,コルカタ Kolkata で多数の(水痘)ウイルスの発生が確認されている。毎年季節性に2月か ら3月の発生が多い水痘だが,今年は,小児を含め,多数のコルカタ市民が,あまり多くない 2度目の感染に見舞われている。8歳未満の患者の約 20 % が a 2nd attack of chicken pox に罹患し,また 5 % 未満ながら成人の患者の a repeat attack が確認されている。前年に比べ,a 2nd bout of chicken pox の患者数がかなり多い ... " と医師が述べている。
[ Mod. 注- 水痘は the varicella-zoster virus による感染症で,1995年に弱毒生ワクチンの使用が開始される前の 1990年代前半には,年平均 400万人が感染し,1-1.3万人が入院し,100-150人が死亡していた。The World Health Organization  one or 2 doses を,12-18か月に開始することを推奨しておりし,2回目の接種は少なくとも 1-3か月の間隔をあけることを推奨している。しかし,ワクチン接種後の水痘発症が,2つの異なる状況で確認されている。このうちより多いのは,a breakthrough infection で,野生株水痘ウイルスの感染が原因と考えられている。ワクチンが接種された 10人中,8-9人は水痘に感染することはない。また,(感染があっても)常に重症化は防がれる。Breakthrough infection は非常に軽い症状となり,ほんの数日間のわずかな皮膚病変(50個以下の発疹)with fewer skin lesions (usually less than 50)で,熱はないかあっても微熱,他の水痘の症状もほとんど見られない。ワクチンを接種された人の中で,1年間におよそ 2 % の割合でみられ,ワクチン接種からの時間が経過しても率は増加しない。第 2の発生状況は,ワクチンに含まれる水痘ウイルスそのものによる感染で,極めてまれであり,これまでに流通した 2100万ドースのうち,わずか 3例が報告されているにすぎない。いずれも軽症で合併症はなかった。出典]

ジカ(05)-PAHO 仏領ポリネシア
PRO/EDR> Zika virus (05): Americas, Pacific, Asia, research, observations
Archive Number: 20170326.4927523
[1] Cases in various countries
南北アメリカ Americas cumulative case numbers As of 23 Mar 2017
仏領ポリネシア French Polynesia. April CDC (conf.) During 2013-2014,仏領ポリネシアでアウトブレイク an outbreak of Zika virus infection の発生があった。アウトブレイクの終息時と 18か月後に実施された血清学的調査 Serosurveys によると,蔓延率 disease prevalence rates は予想より低率(49 % )で,一般集団の無症候性感染と症候性感染の割合は 1:1 だった。ただし,学童 schoolchildren では著しく異なり,significantly different prevalence rates (66 % )とasymptomatic:symptomatic ratios (1:2)であった。
[ Mod.TY 注- 一般的な理解は,ジカウイルス感染の 80 % が不顕性となる。仏領ポリネシアでは,成人の 50 % ,学童の 67 % という,かなり高い割合の症候性感染があったようだ。多数の患者が発生する,ブラジルやコロンビアなどの国々の,無症候性と症候性感染の比率はどうなっているのだろうか]
[2] Geographic patterns
情報源 PeerJ 5:e3015; DOI 10.7717/peerj.3015 [URL 情報なし] 2017年3月21日
原著タイトル (2017), Temporal patterns and geographic heterogeneity of Zika virus (ZIKV) outbreaks in French Polynesia and Central America.
要約
背景 ...  発生時期の違いや,世界中の各地の感染伝播の可能性に関する知識が欠如している ...
方法 ... Yap Island and French Polynesia in the Oceania region and 11 countries/territories with confirmed case data, namely, Colombia, Ecuador, French Guiana, Guadeloupe, Guatemala, Mexico, Nicaragua, Panama, Puerto Rico, Saint Martin, and Suriname について検討した ...
結果 French Polynesia, Colombia, Pueto Rico, Guatemala, Suriname and Saint Martin の 6か国の流行が,モデルにフィットしたが,2波の流行があったのはコロンビアとグアテマラのみで,他の国々は 1波のみだった。コロンビアの第 2波と,スリナムの唯一の流行は,非常に類似しており,各ターニングポイント(の時期)はわずか 1週間の違いだった。さらに,いずれも大陸国の,コロンビア,グアテマラ,スリナムの,the mean estimates of R0 が between 1.05 and 1.75 であったのに対し,仏領ポリネシア,プエルトリコ,サンマルタンの島しょ住民では,a range of 5.70-6.89 と著しく低かった [?.原文 significantly lower]。the Richards model を仏領ポリネシアの 6つの大きな島のデータに当てはめると,これらの島々では同時にアウトブレイクが発生したが,ピークの時期は異なり,mean R0 range of 3.09-5.05 だった。
議論 島しょ国と大陸国の住民の間で,(R0 で定量化される)感染伝播率には大きな違いがあり,ベクターが媒介する疾患の感染拡大には,地理的な相違が大きく関与することが示唆された ... 
[3] イエカ属蚊族ベクター
_Culex_ mosquito vectors
情報源 Vector-Borne and Zoonotic Diseases. October 2016, 16(10): 673-676. doi:10.1089/vbz.2016.2058 2016年10月1日
原著タイトル L. _Culex_ Species Mosquitoes and Zika Virus.
要約 イエカ属蚊族 Culex_ species mosquitoes からのジカウイルス Zika virus (ZIKV) isolates 分離に関する最近の報告により,ジカウイルス感染伝播能力を有する,新世界のベクター種に関する知識の欠如が懸念される。フィールド観察において,イエカ属からジカウイルスが分離されたとしても,(同蚊族が)感染伝播に関わると証明されたわけではない。最近のウイルス血症にある脊椎動物からの吸血があったことによるもので,蚊族内でウイルスの複製が起きていることを示すものではない。本研究において,recently colonized _Culex_ species mosquitoes の感染の感受性が調べた。その結果,高力価の血液が与えられた場合であっても,members of _Culex pipiens_ complex の集団内では高い頻度で,感染が起きていないこと a high degree of refractoriness to ZIKV が観察された。このことから,イエカ属が,ジカウイルスの第 2のベクターとなる可能性は非常に低く,ジカウイルス感染対策の対象を,今までどおりヤブカ属 _Aedes_ species mosquitoes に絞れば良いと考えられた。フロリダ州のイエカ属蚊族 _Culex quinquefasciatus_ from Vero Beach, FL がジカウイルスに感染しない refractory to infection with ZIKV ことを報告していたのは,非常に重要かつ適時性があった。われわれのデータから,フロリダ州内での地域内感染例 the autochthonous cases of Zika in Florida は,_C. quinquefasciatus_ によるものではなく,理論上,感染対策の対象も _Aedes aegypti_ and _Aedes albopictus_ をすれば良いと考えられる。
[ Mod.TY 注- ProMED に投稿された中で,イエカ属蚊族 this mosquito species が効率的なベクターの 1つ an efficient vector としているのは,唯一 Only one report のみである(20160922.4506931)]
[4] 精液中のウイルス,英国
情報源 Emerg Infect Dis. 2017;23(4):611-615 2017年4月
原著タイトル Presence and Persistence of Zika Virus RNA in Semen, United Kingdom, 2016.
要約 発症から数ヶ月後に採取された精液中で,ジカウイルスの遺伝子 Zika virus RNA が確認されている。ジカウイルスの性行為による感染伝播と,妊娠中の感染による重篤な胎児奇形の可能性があることから,精液中のウイルス残存に関する情報は重要である。輸入例と診断された英国内の症候性男性患者から,連続性の採取した精液検体について検討した。23人から採取した初回精液検体のうち,high levels のウイルス RNA が確認されたのは 13(57 %),確認されなかったのは 9(39 %)だった; 1例は中等度だった。
症候性の感染のあとも,回復期早期には,かなりの割合の患者に,高値のウイルス遺伝子 Zika virus RNA at high copy numbers が確認されたことから,性行為による感染伝播のリスクがあると考えられた。ウイルス消失までの期間 Viral RNA clearance は一定せず,長期化した例もあった。
関連項目 (04): Americas, Asia Europe, research, observations 20170320.4912123

エボラ(12)
PRO/AH/EDR> Ebola update (12): news, research, vaccine
Archive Number: 20170326.4927435
News
16 Mar 2017 韓国 Korea to open 1st [BSL-4] virus biosafety laboratory
18 Mar 2017 ギニア: Ebola virus: although ended, survivors still suffer in Guinea
23 Mar 2017 New The Clinical Data Interchange Standards Consortium (CDISC) data standard aids development of therapies for Ebola virus
25 Mar 2017 リベリア: Economy struggling 3 years after Ebola outbreak

Research
16 Mar 2017: How do Ebola virus proteins released in exosomes affect the immune system?
[エボラウイルスに感染した細胞は,VP40 packaged in exosomes などのウイルスタンパクを放出し,新たな研究で示されたとおり,全身の免疫細胞に作用し,ウイルスを検知し破壊する能力を傷害する。新たな研究で,exosomal VP40 のエボラウイルス疾患に与える影響について検討されている。このレビューは 4月13日まで the DNA and Cell Biology website で入手可能。
出典. The Role of Exosomal VP40 in Ebola Virus Disease. DNA and Cell Biology. Feb 8. doi: 10.1089/dna.2017.3639
要約  ... ヒトおよびヒト以外の霊長類において,the Ebola virus (EBOV)  disease により,高レベルのサイトカイン circulating cytokines,血管内皮障害,凝固障害,バイスタンダーリンパ細胞アポトーシスが認められる。The VP40 matrix protein of EBOV 基質タンパクは,ウイルス集合 viral assembly と宿主細胞から出芽に重要な役割を果たす。最近のデータで,exosomes などの細胞外環境にも VP40 が存在し,exosomal VP40 は,輸送経路に必要な the RNAi and endosomal sorting complexes の制御を介し,骨髄や T 細胞などのレシピエント免疫細胞の生存力 the viability of recipient immune cells に影響することが示されている。本研究では,the impact of exosomal VP40 on immune cells in vitro についての最新の知見とits potential implications for pathogenesis _in vivo_ について議論する]
21 Mar 2017: インターフェロン治療 Treatment with interferon may ease symptoms of Ebola patients
[肝炎や多発性硬化症の治療薬の研究 A pilot study で,エボラ患者の症状の緩和や生存率の増加が,初めて報告された
原著タイトル (22 Feb 2017). Interferon Beta-1a for the treatment of Ebola virus disease: A historically controlled, single-arm proof-of-concept trial. PLoS One 
要約 これまで,エボラウイルス疾患の治療の承認を受けた抗ウイルス薬はなかった。in vitro での,エボラウイルスに対する,インターフェロンベータの抗ウイルス作用のデータに基づき,ギニアにおいて,IFN Beta-1a treatment for EVD 治療の安全性と有効性に関する,臨床試験 a single arm clinical study を実施した。9人のエボラルイス感染の患者に IFN Beta-1a 治療を行い,同じ期間に同じ施設で支持療法だけが行われた 21人の患者 a matched cohort of 21 infected patients と比較した ... コントロールの支持療法のみとの比較で,IFN Beta-1a treatment は,血中からのウイルスの消失と症状の軽快に働いた seemed to facilitate  ... 計算上,支持療法の生存率は 19 % ,インターフェロン+支持療法では 67 % だった ... 他施設の 17例のコントロールを加えた,Subset analyses で,IFN B-1a treatment を受けなかった患者は, 1.5-1.9 倍,死亡する可能性が高かった ... .]
22 Mar 2017: Silence is golden: Suppressing host response to Ebola virus may help to control infection
原文 [Google 翻訳] 参照願います。

Vaccine
23 Mar 2017: Doctors in Liberia test new Ebola vaccine
[ Mod.LK 注-報告では,リベリアで,どのワクチンが使用されたのかには触れられていない。これまで,the investigational vaccine Ad26.ZEBOV, developed by Janssen Vaccines & Prevention B.V., one of the Janssen Pharmaceutical Companies of Johnson & Johnson, and MVA-BN-Filo, developed by Bavarian Nordic の 2種類のワクチンが臨床試験で使用されている ... ]
関連項目 (11): news, vaccine, research 20170312.4896304

ボツリヌス症-ルーマニア 缶詰食品
PRO/EDR> Botulism - Romania: (BZ) canned food
Archive Number: 20170326.4925806
情報源 Digi24 [machine trans.] 2017年3月22日
男性 1名がボツリヌス症 botulism と診断され,Buzau county の当局 The Departments of Public Health and Sanitary, Veterinary, and Food Safety が調査を開始した。食料品で購入した,ソーセージ入りの豆の缶詰を食べた後すぐに発病し,直ちに Victor Babes National Institute に搬送された。44歳の Buzau の男性について ... " ... 脳神経麻痺 paralysis of cranial nerves の症状があり,相談を受けた神経内科医と感染症医は,ただちにボツリヌス症を疑い,the Institute Victor Babes に搬送された。" ... "食料品店は,この缶詰は 6缶の在庫があり,1缶はこの男性に売り,もう 1缶を購入した別の住民 1名もボツリヌス症を発症した,と話している。店に残っていた 3缶は差し押さえられ,検査機関での解析のため,ブカレスト Bucharest に送付されている" と説明されている。

黄熱(34)-ブラジル
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (34): Brazil
Archive Number: 20170326.4925808
[1] サル,サンパウロ州,ブラジル
情報源 G1 [in Portuguese] 2017年3月24日
24日,サンパウロ州 Campinas (in Sao Paulo ) で,黄熱感染による 3頭のサルの死亡が確認された。市保健当局 the municipal Secretariat of Health は,the Instituto Adolfo Lutz で行われた検査で,the Santa Lídia farm in the rural area of the Sousas district の 3頭の動物の,黄熱感染による死亡が確認された ...
[2] Vaccination for travelers
情報源 Yahoo News 2017年3月24日
ブラジル保健省は,数年ぶりに最悪の流行が発生する中,複数の国々が,ブラジルからの旅行者に対して黄熱の予防接種を要求している事を明らかにした。同省はウェブサイト上で,ブラジルからの旅行者に黄熱ワクチンの国際証明書を要求しているのは,パナマ,ニカラグア,ベネズエラ,コスタリカ,エクアドル,キューバとしている。アウトブレイク以前,これらの国々は証明書を要求していなかった ...
関連項目 (33): PAHO/WHO, Brazil 20170323.4921909

ムンプス(13)-ポルトガル,カナダ,米国
PRO/EDR> Mumps update (13): Portugal, Canada, USA, analysis
Archive Number: 20170326.4924853
[1] ポルトガル[Porto]
Mumps, human, Porto, Portugal
投稿者 葡・Centro Hospitalar de São João,Andre Santos-Silva 2017年3月25日
Porto, Portugal の大学の 19-22歳の学生の間での小規模アウトブレイクで,先週,少なくとも 4例のムンプス患者が確認され,ほか 1例について検査中である。いずれの患者も two doses of MMR vaccine を受けていた。現在行われている調査で,発端となった感染例は小児 a toddler (age not specified) で,患者らのうちの 1人のきょうだいであることが示唆されている ...
[2] カナダ(Ontario, Waterloo region)
情報源 The Record 2017年3月20日
2017年,オンタリオ州 Waterloo Region (Ontario province)で合計 3例のムンプスが報告されている ... Guelph の大学生らの間で 3 confirmed cases が確認されており,1月中旬のビールパーティー a keg party と関連し,その後 Two more suspected cases が発生している。トロント保健当局 Toronto Public Health は市内で発生した a mumps outbreak の調査を行っており,15日までに,43 confirmed cases が確認されている ... 今回のアウトブレイクで最も感染者が多いのが,17-35歳の年齢層で,2回目の接種からの経過時間が長いほど,感染しやすいと考えられている ... やや長文。
[3] カナダ(Ontario, Toronto)
情報源 CTV News Toronto 2017年3月23日
the city of Toronto のアウトブレイクが継続しており,患者数 the number of confirmed cases は 62人となったと,23日に Toronto Public Health が公表した。感染者が最も多いのは between the ages of 18 and 35 years old とされているほか,5人が小学校と高校 elementary and high schools in Toronto の生徒および教職員に関係していた ...
[4] 米国(Illinois)
情報源 Daily Herald 2017年3月22日
Station Middle School now has 3 confirmed cases of the mumps, making it the 2nd Barrington Area Unit School District 220 school to have an outbreak of the disease, district officials said [Tue 21 Mar 2017]. ...
[5] 米国(Kansas)
情報源 The Marysville Advocate 2017年3月22日
Marshall County 内で今週はじめに 7人の感染が確認されていると,保健当局 the Marshall County Health Department が明らかにした ...
[7] Analysis: USA (Arkansas) outbreak
情報源 NPR Shots 2017年3月22日
原文 [Google 翻訳] 参照願います。