2017年4月2日

エボラ 回復期血漿治療 NEJM
髄膜炎菌性髄膜炎 ナイジェリア
日本脳炎 インド Lancet

● エボラ
PRO/AH/EDR> Ebola update (13): news, treatment, research, funding
Archive Number: 20170402.4943034
News
30 Mar 2017: Survivors remember Ebola epidemic as Samaritan's Purse releases documentary
Treatment
原著タイトル A (30 Mar 2017). Convalescent Plasma and the Dose of Ebola Virus Antibodies. N Engl J Med 2017; 376:1296-1297 DOI: 10.1056/NEJMc1700090
[Letter to the editor: ギニアにおける,エボラウイルス病患者 Ebola virus (EBOV) disease に対する,回復期血漿治療の臨床的効果についての評価報告 [Evaluation of convalescent plasma for Ebola virus disease in Guinea. N Engl J Med 2016;374:33-42] に続いて、
血漿の提供者の中和抗体価 the dose of neutralizing antibodies は低く抗体価と生存率との間に明らかな相関性は見られなかった,との新たなデータが示された [Efficacy of convalescent plasma in relation to dose of Ebola virus antibodies. N Engl J Med 2016;375:2307-2309]。
私見として,中和抗体評価のための検体の採取時期を明らかにすべきだと考える。病原体の不活化処理がなされた後の,血漿が提供された時か,あるいは,血漿輸血が行われた時 (40日間の保管後で,おそらく抗体の効果に影響が出ていた可能性がある)なのか。この情報は重要であり,なぜなら,エボラウイルスの中和抗体 neutralizing EBOV antibodies の安定性と活動性に対する,回復期血漿の精製過程の影響を評価した報告が,存在しないからである。また,抗体評価のための検体の取り扱いについての記述も,同様に重要である。技術が限られた地域で発生した未知の病原体に対する回復期の血漿の,標準的な取り扱いの確立に資するだろう]
[Reply by the author and colleagues: 抗体検査のためフランスに送付された検体 Donor samples は,自動血漿採取にドナーが訪れた当日に末梢血採血で行われた。これらの血液検体には病原体除去 pathogen reduction 処理は行っていない。この処理は,血漿輸血バック the plasma bags collected for administration だけに行われているからである。血液検体はギニア国内で -30 ℃で保管され,ドライアイスとともにフランスの検査機関 the biosafety level 4 laboratory に送付された。抗体検査のため2度解凍されている。臨床試験に用いられた血漿のほとんどは,採血後まもなく輸血されており,輸血までの保管期間は平均 8日間である。治療に用いられた血漿は 2-8℃の条件で最大 40日間保管され,その後は -30℃で冷凍された。われわれは a pathogen-reduction process を採用し,その理由として,本研究の実施時には,エボラウイルスの生存期間や,フィールドでは鑑別が困難な他の感染性病原体の存在に関する情報が乏しかったからである。最近,ある 1人のドナーにおいて,S59 amotosalen-ultraviolet A 紫外線による病原体除去処理 pathogen-reduction treatment を行っても,免疫グロブリン IgG protein, EBOV IgG や中和抗体のレベルはほとんど減少しないことが示された。われわれも,より詳細な研究が必要と考える]
[Information on the pathogen inactivator S59 amotosalen ]
Research
2 Apr 2017 The trick to saving chimps from Ebola
[チンパンジーやゴリラ用の経口エボラワクチンの効果が期待できると新たな研究で示されたが,試験に制限があり,この対策を妨げている。このチンパンジー用のエボラワクチンは,動物用経口ワクチンの,弱毒狂犬病ウイルスの 1種にエボラウイルスの主要表面糖たんぱくの遺伝子を加えることにより製造されている。10頭のチンパンジーに経口および注射用ワクチンを接種した試験では,いずれにも効果が見られた。チンパンジーは免疫を獲得し,副反応は見られなかった。しかし,問題となっているのは,最近,米国内法が改正され,チンパンジーでの生物医学的試験はもはや法律違反とされてしまったことである]
Funding
28 Mar 2017 シエラレオネ: IMF considers possible finance for Sierra Leone as economy goes into reverse
関連項目 (12): news, research, vaccine 20170326.4927435

● ラッサ熱 ナイジェリア
PRO/AH/EDR> Lassa fever - West Africa (14): Nigeria
Archive Number: 20170402.4943005
[1] Taka-Lafiya village, Tudun-Wada local government area, Kano State, Nigeria
 情報源 Daily Trust 2017年3月30日
カノ州 the Taka-Lafiya village of Tudun-Wada local government area of Kano State で死亡した 8人について,ラッサ熱 Lassa fever が疑われている。医師が[29 Mar 2017]述べたところによれば,およそ 3週間前に 4人が原因不明の死亡となったことから,同村でラッサ熱が確認された。派遣された医療チームにより,村内には,多数の高熱で重症の住民がいることが明らかになった。調査した病院 'Yar-Gaya Infectious Disease Isolation Centerでは 3人が重体で,うち 1人がその後死亡し,死者は 5人となった。残る 2人もその後死亡した。最後の患者の死亡は 3月29日で,現在までの死者は 8人となっている ... 死亡した患者のうちの 3人の血液検体がラゴス Lagos に送付され,2人がラッサ熱と確定診断された ...
[2] Nigeria Centre for Disease Control Weekly Epidemiological Report
 情報源 Nigeria Centre for Disease Control Weekly Epidemiological Report 7 (10) 2017年3月17日
ナイジェリア Nigeria 国内の 13の州で,ラッサ熱アウトブレイク The Lassa fever outbreak が続いている。新たな州からのアウトブレイク発生の報告はない。今週(week 11),4州から 15 suspected cases が報告され,このうち 2例がラッサ熱と確定診断された。死亡は報告されていない。2016年12月のアウトブレイク開始以来,283例の感染疑い例がほうこくされた: 93 confirmed cases and 6 probable cases。過去 2週間,死者数 46 deaths の変化はなく,40 were confirmed cases and 6 probable cases である。confirmed/probable の患者の致死率は 46.5 % で,全症例では 19.8 % である。 ...
関連項目 (13): update 20170328.4931422

● チクングニア ネパール
PRO/EDR> Chikungunya - Nepal
Archive Number: 20170402.4942966
 投稿者 ネパール・Sukraraj Tropical and Infectious Disease Hospital,Dr. Sher Bahadur Pun, MD, PhD 2017年4月2日
過去 4か月間 [December 2016 through March 2017]に,当院に紹介された,カトマンズ Kathmandu のチクングニア熱疑い患者の中から,1ダース近いチクングニア熱検査陽性例 chikungunya virus (CHIKV) cases を確認した。11月から国内で発生中のデング熱アウトブレイクの中で,チクングニアウイルスも同時に感染循環している可能性があると思われる。冬季に,デングおよびチクングニアウイルスのベクターであるヤブカ属はほとんど見られない uncommon ため,これまで医師らによるチクングニア熱の診断は実際より少ない可能性があり,また,IgM 抗体が感染後数か月間,陽性が続くこともある。(今シーズンの?)これ以前にネパール国内で報告されたチクングニア感染は 1例のみであった。2013年,Kathmandu and Dhading districts of Nepal から初めての感染が報告されている。

● ボツリヌス症 米国 創傷 非薬物関連
PRO/EDR> Botulism - USA: (CA) wound, non-drug-related
Archive Number: 20170402.4942916
 情報源 CBS8 2017年3月30日
カリフォルニア州サンディエゴの小児病院 Rady Children's Hospital in San Diego, California で,まれな創傷ボツリヌス症 wound botulism のため,75日間の後回復した 14歳の少女は,6回の手術を受け,身体の一部に麻痺が残っている。同院感染症科で初めての創傷ボツリヌス症患者となった。2017年1月,公園内で側転していて腕を骨折した。1週間後に集中治療室に入院となり,発語できず,身体の一部が麻痺していた。3日後医師は,体表に飛び出した骨が,ボツリヌス菌の芽胞を含んだ土壌により汚染されたことが原因と説明した 

● 腸チフス ジンバブエ 
PRO/EDR> Typhoid fever - Zimbabwe (02): (HA)
Archive Number: 20170402.4942851
 情報源 Eyewitness News 2017年3月30日
腸チフス typhoid により新たに 1名が死亡し,わずか 1週間で 86人が発病したと,保健省の週報で報告された。保健省によると,2016年10月のアウトブレイク開始以来,少なくとも 10人が死亡し,1800人以上が感染している。患者の多くがハラレ Harare で発生し,30 % が就学前の小児である ... 
関連項目 Zimbabwe: (Harare) 20170107.4749025

● 原因不明の死亡,イヌ 英国
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, illnesses, canine - UK: (DB) 
Archive Number: 20170402.4937965
[1] 情報源 BBC News 2017年3月28日
人気の散歩スポット Poppy Wood Park in Melbourne, Derbyshire を訪れた後, 1頭のイヌが死亡し,他の 2頭がけいれん発作を起こしたことから,当局 The Forestry Commission による調査が開始された ... 
[2] 情報源 Derby Telegraph 2017年3月30日
a Derbyshire park で 2頭のイヌを死亡させた毒物を探すため,ボランティアによる清掃作業が 30日行われた。Poppy Wood, in Melbourne 内で,奇妙な形のキノコ,テニスボールや夥しい糞の入った袋は見つかったが,怪しいものは発見されていない ... 

● A型肝炎 ポルトガル MSM
PRO/EDR> Hepatitis A - Portugal: (LI) MSM
Archive Number: 20170402.4942799
 情報源 DN [in Portuguese] 2017年3月29日
欧州で 12か国以上でアウトブレイクが発生する中,ポルトガル国内で 1月以降,105例の A型肝炎患者が報告され,ほとんどすべての患者がリスボン Greater Lisbon で確認されている ... 

● コレラ、下痢症 ソマリア,マラウイ,エチオピア,イエメン
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update (11): Africa, Asia 
Archive Number: 20170402.4942849
[1] コレラ- ソマリア:Reuters 2017年4月1日
 ... ソマリアでは 2017年のこれまでに,1万8千人以上のコレラ感染が確認されている。2016年の年間およそ 1万5千人より多く,例年は 5千人にとどまると,3月30日に欧州の支援団体関係者が述べた。今回は,患者 45人あたりおよそ 1人が死亡し,非常に致死性が高い 
[2] コレラ- マラウイ (Southern Region):Outbreak News Today 2017年3月27日
アウトブレイクは 3月11日に開始し,_Vibrio cholera_ Ogawa O1によることが確認されている。3月24日現在,合計 41例,死亡なしの感染が報告されている。Nsanje district は,モザンビークと国境で接しており,発端となった患者らは コレラのアウトブレイクが報告されていた Villa Nova, Tete province in Mozambique と関係していた。マラウイは,南部を中心に,繰り返しコレラのアウトブレイクの発生に悩まされている ... 
[3] 下痢,死亡-エチオピア (Somaliland):Somaliland Sun 2017年3月25日
the Daroor district, Zone 5 Somali administrative region of Ethiopia では過去 24時間に,8人が重症の下痢症により死亡した ... Daroor, Sultan Cabdoo-gude で 300人以上が死亡との噂を否定し,死者はせいぜい 20人までとの情報を得ていると,説明されている。
[4] コレラ- イエメン(Washah province):Al-Arabi news [in Arabic] 2017年4月1日
現地保健当局 the Ministry of Public Health and Population, Hijjah governorate からの情報によると,Washah province で Medecins Sans Frontieres (MSF) and Ibn Abs hospital は,新たに 4~35歳の 12例のコレラ感染を収容した。

● MERS-CoV サウジアラビア
PRO/AH/EDR> MERS-CoV (19): Saudi Arabia (SH, QS)
Archive Number: 20170402.4942800
 情報源 Saudi MOH 28 Mar-2 Apr 2017 2017年4月2日
As of [Sun 2 Apr 2017], there have been a total of:
1582 laboratory-confirmed cases of MERS-CoV infection, including 656 deaths [reported case fatality rate 41.5 per cent], 912 recoveries, and 14 currently active cases.
Since the last ProMED-mail update [Mon 27 Mar 2017], 
there have been a total of:
4 newly confirmed cases,
0 newly reported fatalities, and
5 newly reported recoveries.
Information on newly reported cases (4 cases)
Date: 2 Apr 2017 (1 case)
1- A 31-year-old Saudi male, healthcare worker from Dammam [Ash Sharqiyah region], currently asymptomatic. Classified as a secondary healthcare acquired case in a healthcare worker.
Date: 1 Apr 2017 (1 case)
2- A 58-year-old Saudi male, from Dammam [Ash Sharqiyah region], currently in stable condition. Classified as a primary case
Date: 30 Mar 2017 (1 case)
3- A 63-year-old Saudi male, from Abqiq [Ash Sharqiyah region], currently in stable condition. Classified as a primary case with a history of direct contact with camels in the 14 days preceding onset of illness.
Date: 29 Mar 2017 (1 case)
4- A 93-year-old Saudi female, from Buraidah [Al Qaṣim region], currently in stable condition. Classified as a primary case with a history of indirect contact with camels in the 14 days preceding onset of illness.
関連項目 (18): Africa, animal reservoir, camels, 2015, research 20170331.4939980

● 食中毒 インド 警察,魚カレー
PRO/EDR> Foodborne illness - India: (KL) police, fish curry, RFI
Archive Number: 20170402.4942801

 情報源 Times of India 2017年4月2日the Central Reserve Police Force camp at Pallipuram で少なくとも 400人の警察官らが,食中毒とみられる症状を発症した。1日の食事後,下痢と嘔吐の症状があり,市内の各病院を受診している。初期調査で,fish curry の摂取後に発症したとみられている ...

● 髄膜炎菌性髄膜炎 ナイジェリア
PRO/EDR> Meningitis, meningococcal - Nigeria (03): fatal, more states, vaccine short, RFI
Archive Number: 20170402.4942532

[1] Plateau State
 情報源 The Nation Online 2017年3月31日

Plateau [州] Langtang South and Mikang Local Government Areas で,複数の脳脊髄髄膜炎が疑われる患者 some suspected cases of cerebro-spinal meningitis が確認され得居ると,31日に州保健当局者  the state Commissioner for Health が明らかにした。同疾患に一致する臨床症状が認められている。疑いのある患者については,脳脊髄液を採取し検査機関に送付することとなっている ... 
[2] More states, Vaccine Shortage
 情報源 Click on Detroit 2017年3月31日
保健当局 The Center for Disease Control and Prevention が,ナイジェリアの 15州で発生している髄膜炎アウトブレイクにより 282人が死亡した事を明らかにした。"stereotype C" と呼ばれる新たな型の菌が新興し,同型に対するワクチンが不足している。ワクチンはあるが,この特異な型の菌を含むワクチンは入手できず not commercially available,the World Health Organization に依頼している"。2017年2月のアウトブレイク開始以来,2000人近い感染疑い患者が確認され,109人に治療が行われた。国内北西部 5州に,緊急医療チームが派遣された。ナイジェリアは,the African "meningitis belt" 26カ国のうちの 1つで,最も患者が多く発生する国に入る。一部の州では,湿度が低くほこりが多い乾期にアウトブレイクのピークを迎え,通常は雨期の到来により終了する。

関連項目 Nigeria (02): fatal, emergence sg C, WHO 20170325.4925882

● 日本脳炎 インド
PRO/AH> Japanese encephalitis & other - India (02): (BR)
Archive Number: 20170402.4942606

 情報源 The Lancet Global Health Volume 5, No. 4, e458-e466 DOI: (17)30035-9 2017年4月
原著タイトル Association of acute toxic encephalopathy with litchi consumption in an outbreak in Muzaffarpur, India, 2014: a case-control study.
要約
背景 
インド・Muzaffarpur では毎年,小児において高い死亡率となる,急性神経疾患のアウトブレイクが発生する。この地域は,国内最大のライチの生産地である。2014年,この疾患の原因およびリスク因子の調査を行った。
方法
病院ベースのサーベイランスと年齢を一致させた症例対照研究を行い,この神経疾患の,感染性および非感染性の推定される病因の評価を行った。対象としたのは,Muzaffarpur の 2カ所の病院に,初発けいれん発作もしくは感覚異常 new-onset seizures or altered sensorium の症状で入院となった15歳以下の小児で,年齢をマッチさせたコントロールは,同じ2病院に,対象症例の入院の前後 7日以内に,非神経疾患で入院となった  Muzaffarpur 在住の患者とした。血液,髄液,尿の臨床検体と,環境からのサンプル(litchis)について,感染性病原体,殺虫剤,有毒金属,その他の非感染性要因を検索した。非感染性要因として,自然界で果実に発生するトキシンで,低血糖と代謝性異常の原因となる,hypoglycin A or methylenecyclopropylglycine (MCPG)についても検査を行った ... 解析の方法。
結果
Between 26 May-17 Jul 2014,症例定義を満たす 390 patients が,the 2 referral hospitals in Muzaffarpur に入院となり,このうち 122 (31 % )が死亡した。入院時, 204人 (62 % ) of 327 の血糖値が 70 mg/dL 以下だった。104 cases と 104 age-matched hospital controls を比較したところ,ライチ摂取 Litchi consumption (matched odds ratio [mOR] 9.6 [95 percent CI 3.6 - 24]) と,発症前 24時間の夕食摂取なし absence of an evening meal (2.2 [1.2-4.3]) に,疾患との相関が認められた。夕食を摂取しなかったことが,ライチ摂取の疾患への影響に著しい変化を及ぼした
(夕食なし odds ratio [OR] 7.8 [95 percent CI 3.3-18.8]; 夕食あり OR 3.6 [1.1-11.1] )。感染性病原体と殺虫剤は検出されず。Metabolites of hypoglycin A, MCPG or both は,症例の尿検体では 48 [66 percent] of 73 件で認められたが,15件の対照検体では確認されなかった。72 (90 percent) of 80 case-patient specimens で,血漿 plasma acylcarnitine profiles が認められ,これは脂肪酸代謝の著しい障害を意味する。36 litchi arils tested from Muzaffarpur には,hypoglycin A concentrations ranged from 12.4 ug/g to 152.0 ug/g and MCPG ranged from 44.9 ug/g to 220.0 ug/g が含まれていた。
解釈 
an outbreak of acute encephalopathy in Muzaffarpur に,both hypoglycin A and MCPG toxicity が関係することが示唆された。疾病予防と致死率低下のため,ライチの摂取を最小限とし,夕食を必ず摂取し,疑いのある患者で迅速な血糖測定を行うことが推奨される ... 
[Mod.TY- これまで undiagnosed cases of acute encephalitis syndrome (AES) とされていた患者の一部が,日本脳炎ではなく,ライチフルーツによる中毒であるとの診断が確実になった。ビハール Behar 州およびインド北東部では毎年,日本脳炎とともに,原因不明の the undetermined AES が,主に 3-8月にかけて発生する。AES の病名は,複数の病因による疾患や,またしばしば病因が不明の場合に用いられてきた。インド北東部の脳炎の臨床像は仏雑で,一部の患者については日本脳炎ウイルスが検査で確定診断されるものの,大部分の患者は診断がつかないままであり,日本脳炎ウイルス感染が除外されると,ライ症候群様疾患,汚染水によると見られるエンテロウイルス感染,熱中症,ツツガムシ病,そしてライチフルーツ摂取などの,他の病因が示唆されてきた ... ]
関連項目 India (01): (AS) 20170101.4733821

● フィラリア症 マーシャル諸島:排除 WHO
PRO> Filariasis - Marshall Islands: elimination
Archive Number: 20170402.4942607
 情報源 Outbreak News Today 2017年4月1日
 [厚生労働省検疫所 FORTH より]
3月30日付けで公表され WHO の情報によりますと、マーシャル諸島で公衆衛生上の問題としてリンパ系フィラリア症が撲滅されたことが、WHO により認定されました。
この国は WHO 西太平洋地域事務局により撲滅が認められた 6か国(カンボジア、中国、クック諸島、ニウエ、韓国、バヌアツ)に続き、最も新しい国として加わりました。2016年には、東南アジア地域でも、モルジブとスリランカからこの病気が撲滅されたことが認められています ... 

鳥インフルエンザ,ヒト エジプト H5N1 コメント
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (40): Egypt (FY), H5N1, comments
Archive Number: 20170402.4939591

20170227.4866795に関し。
[1] EMRO とWHO の発表の年齢の違い

Age discrepancy between age cited for Fayoum case 
by EMRO (45 years) and WHO and media sources (48 years)
○ 情報源 WHO Monthly Risk Assessment Summary 2017年4月16日
Influenza at the human-animal interface Summary and assessment, 14 Feb [2017] to 16 Mar 2017
Menia Governorate, Egypt の 4歳男児が,2017年2月2日に発症し,同10日に入院の上,抗ウイルス薬による肺炎治療が行われた。入院時に採取された検体で,インフルエン influenza A(H5N1)陽性が確認された。患児は回復し,同20日に退院した。発症前に,自宅で飼育されていた家きんとの接触があった。
さらに,Fayoum Governorate の 48歳男性が 2月10日に発症し,同15日に入院の上,抗ウイルス薬による肺炎治療が行われた。入院時に採取された検体で,インフルエンザ influenza A(H5N1)陽性が確認された。重症となり,同24日に死亡した。発症前に,死亡した庭先飼育のニワトリとの接触があった。
これら 2例の患者との接触者を特定し 14日間フォローアップされたが,新たな感染は報告されていない。Avian influenza A(H5N1) viruses are enzootic in poultry in Egypt.
2003年以降,合計 858 laboratory-confirmed cases of human infection with avian influenza A(H5N1) virus, including 453 deaths が報告されている。
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○ 情報源 EMRO Influenza update 2017年3月7日
the WHO Eastern Mediterranean Region においては,2月も influenza activity は低調が続いている。この地域内では,All seasonal influenza sub-types が確認されている。カタールでは,moderate activity for the predominant sub-type influenza A(H1N1)pdm09 が確認されている。
Influenza activity by sub-type
エジプトでは,2 human cases caused by avian influenza A(H5N1); a 45-year-old man (dead) and a 4-year-old child from 2 governorates が報告されている。
[WHO からの a corrected version; ... とされているが,48歳のまま?]
[2] FAO reports
 情報源 FAO 2017年2月27日
FAO posted reports of confirmations on 2 fatal cases on Mon 27 Feb 2017, but both cases have observation dates from 1st week of February.
5 Feb 17
1 Feb 17

関連項目 human (27): Egypt (Fayoum) H5N1, RFI 20170227.486

● ウシ結核 米国
PRO/AH/EDR> Bovine tuberculosis - USA (06): (SD): new strain from Mexico
Archive Number: 20170402.4942680

 情報源 Capital Journal 2017年3月29日
米国にとって新たなウシ結核菌 A strain of bovine tuberculosis [20170318.4910416] の発生が,a Harding County cattle herd で確認された。サウスダコタ
  a South Dakota cattle herd のウシで,ウシ結核が確認されるのは,2011年以来 ... 

● A群連鎖球菌 カナダ 死亡,ホームレス収容施設
PRO/EDR> Streptococcus, group A - Canada: (ON) fatal, homeless shelter, RFI
Archive Number: 20170402.4942679

 情報源 The Star 2017年3月30日
[since March 2016]1年が経過したが,保健当局 Toronto Public Health は今も,A群(化膿性)連鎖球菌のアウトブレイク A stubborn outbreak of Group A streptococcus [GAS or _Streptococcus pyogenes_] の対応に追われている。男性用収容施設 Seaton House で,1人が死亡し,ほか 64人が感染した。患者らは市内最大のこの施設に同居しており,多くが持病を抱えていたため,特に感染しやすい状況にあった。まだ終息したとは言えないと当局者が述べた。患者数は昨夏に比べ大きく減少したと述べた。2017年の 3月末の 2週間に,新たに 4人の患者が確認されている ...

● 黄熱 ブラジル ワクチン,サル
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (35): Brazil, vaccine, monkeys 
Archive Number: 20170402.4941661
[1] ブラジル 最新状況
 情報源 PAHO/WHO 2017年3月29日
ブラジル政府当局は,1月に発生した黄熱アウトブレイクに対し,
the states of Minas Gerais, Espirito Santo, Sao Paulo, Rio de Janeiro and Bahia において黄熱ワクチン一斉接種キャンペーンを実施する一方,国内のサーベイランスを強化している ... 3月24日現在,492 confirmed cases of yellow fever as of 24 Mar [2017], with 162 confirmed deaths が確認されている ... これまでにヒトの黄熱感染が確定診断されているのは,次の 4州 -- Minas Gerais, Espirito Santo, Rio de Janeiro and Sao Paulo -- で,すべての患者が,ジャングル内の蚊族 the jungle mosquito species [in the genera of] _Haemagogus_ and _Sabethes_]による感染である ... 
より新しい 4月3日付の情報は,厚生労働省検疫所 FORTH 参照願います。
[Mod.TY- A 29 Mar 2017 report では,
Espirito Santo state でこれまでに 37例の死亡が発生し,うち 1例が州都 Grande Vitoriaindicates 初の黄熱による死亡例となったことが示されている。死亡したのは首都であるが,実際は農村部の Cariacica において感染した症例である。当局は,都市型感染伝播による症例ではないとしている。州内でこれまでに 281例の黄熱感染が確認されており,すべて森林型感染伝播サイクル the sylvan (forest) transmission cycle からの感染である]
[2] ワクチン Vaccine delivered
 情報源 UN News Centre 2017年3月31日
ブラジルでの黄熱アウトブレイクへの対応として,緊急備蓄から約 350万ドースのワクチンが配布されたと,the World Health Organization (WHO)が明らかにした ...
[3] サル
 情報源 Conservation Suriname 2017年3月27日
ブラジル全体を席巻する致死性の黄熱により,ホエザル
 populations of the brown howler monkey (_Alouatta guariba_)が一掃されつつある。the states of Minas Gerais and Espirito Santo 両州で,数千頭のサルが死亡したと見られている ... Brown howler monkeys は特に黄熱に感染しやすいサル extremely susceptible to yellow fever であると,研究者らが述べた。アウトブレイクにより,地域内で絶滅する可能性もある。たとえば 2008年に,アルゼンチンの小さな群れ a small population of brown howler monkeys が黄熱アウトブレイクによりほとんど死滅した ... another species of primate in the reserve: the muriqui (_Brachyteles hypoxanthus_), sometimes referred to as the "hippie" monkey も危惧されている 絶滅に瀕した種のリストに入れられ,The RPPN-FMS reserve には,全生息数の 1/3 にあたる about 340 northern muriqui が生息する。幸い,the howler monkeys に比べ,the muriquis seem less susceptible to yellow fever である ... 
関連項目 (34): Brazil 20170326.4925808

● 食中毒 レバノン 学童
PRO/EDR> Foodborne illness - Lebanon: (BA) schoolchildren, RFI
Archive Number: 20170402.4941722

 情報源 L'Orient Le Jour 2017年3月31日
ベイルートの学校 La Sagesse school in Beirut で 30日,数十人の生徒が校内での食中毒により欠席したと,学校が公表した。
"30日に約 40 students from the small sections が欠席し,下痢と嘔吐の症状があることが判明したため,調査を行っている" と,保健省 the Ministry of Health に支援を要請した the communique of La Sagesse が明らかにした。"校内で食事の提供を受けた生徒および教員は 360人であるが,体調の異常を訴えているのは前述した(約 40人)のみである" としている。調査結果はまだ出ていないが,欠席した生徒の多くが 31日には登校した,と説明されている。