2017年5月15日

アニサキス症 ポルトガル
エボラ コンゴ(民)

● アニサキス症 ポルトガル
PRO/AH/EDR> Anisakiasis - Portugal: raw fish dishes
Archive Number: 20170515.5037796
 情報源 Fox News 2017年5月12日
ポルトガルで,32歳男性が腹痛,嘔吐,発熱のため病院を受診し,直前に食べた寿司の中のアニサキス Anisakis という寄生虫が原因だった。西側諸国で寿司が人気となる中,生魚の中にいるこの寄生虫の感染症の患者が増えている。報告[Anisakiasis: a growing cause of abdominal pain! BMJ Case Rep. 11 May 2017. pii:bcr 2016218857.]によると,ポルトガルの医師が男性の腹痛の原因を突き止めた様子を明らかにしている。男性が寿司を食べたと聞いた医師は寄生虫感染を疑い,上部消化管内視鏡で調べたところ,消化管内でこの寄生虫を発見した。寄生虫を除去し,アニサキスであることを確認した。この病気は,アニサキス症 anisakiasis と呼ばれている。これまで,アニサキス症の患者が確認されるのはほとんど日本だったが,食事の好みの変化により,西側諸国でもアニサキス症が増えており,魚の生食がある患者では疑う必要があると,the 11 May 2017 issue of the journal BMJ Case Reports の中で述べられている。Stanford University によると主な感染源として,タラ cod, コダラ haddock, カレイまたはヒラメ fluke, 太平洋サーモン pacific salmon, ニシン herring, カレイまたはヒラメ flounder and アンコウ monkfish, as well as イカ squid などがある。魚類が保有しているため,生魚 raw or undercooked fish を食べれば,誰にでも感染のリスクがある。The Food and Drug Administration recommends は,(魚の)内部の温度が 63℃ になるよう加熱し,寄生虫を殺すことを推奨している。あるいは,- 20℃以下で 7日間冷凍するか,- 30℃で凍結させた後,- 20℃で 24時間保冷することでも,寄生虫は死滅させることができるとしている。
(生食は勧めていない)。
[Mod.EP- アニサキスは,温帯~極地 temperate and arctic regions を含む世界中の多種の魚類で確認される,線虫の 1種 a nematode で,魚類の腸管内に生息し,魚類が捕獲され死亡すると筋肉内に移行する。このため,捕獲した魚類はなるべく早く内臓を除去しなければならない。人体(消化管)内に入ると,幼虫が消化管粘膜内に侵入するが,全身を冒すことはない。このため,今回の症例のような,腹痛を伴う小腸内での好酸球性炎症が引き起こされる]
参考項目
Anisakiasis: Japan, raw fish dishes 20170513.5033810
 情報源 Outbreak News Today 2017年5月12日
[日本の厚労省は,近年,寿司や刺身などの生魚による寄生虫性食中毒が,増加傾向にあると報告した。2013年から 2015年までの 3年間で,アニサキス症は,ノロウイルス,カンピロバクターに次いで,3番目に多い食中毒の原因だった。国立感染研 the National Institute of Infectious Diseases (NIID)は,2007年にはわずか 6 events (6 cases) しか報告していなかったが,徐々に報告数が増え,2015年の報告数は 127 events (133 cases)に達している。厚労省は,酢でしめたものも含め,加熱されていない魚の摂取についての注意を呼びかけた。研究者らは,日本の年間アニサキス症患者数は約 7000例で,統計に現れているのは氷山の一角とみている ... ]

● エボラ コンゴ(民)
PRO/AH/EDR> Ebola update (20): Congo DR, news, vaccine, update
Archive Number: 20170515.5037761
[1] News
15 May 2017 DR Congo: Africa Centers for Disease Control and Prevention activates the Emergency Operational Center to monitor the [Ebola virus disease (EVD)] outbreak in the Democratic Republic of Congo.
... 4月22日以降,コンゴ DRC 保健省は 11 suspected Ebola cases in the Likati health zone, Bas Uele Province in the north, bordering the Central Africa Republic を報告している。5月11日にキンシャサの研究機関 The National Institute of Biomedical Research in Kinshasa で,1 positive case [WHO confirmed a 2nd positive case on 14 May 2017.] を確認した。初発患者は 4月22日に発症し医療施設に到着時に死亡した 39歳男性である ... 
15 May 2017 Ebola returns to Congo: WHO assessing extent of outbreak; things to know about the disease
[2] Vaccine
15 May 2017: WHO preparing authorization, logistics for Ebola vaccination in Congo if needed; Reuters & and businesslive
[The World Health Organization (WHO) は[15 May 2017],同機関の専門家らの間で,新たに開発されたワクチンをアウトブレイク対策として使用するか否かについて結論に至っていないが,準備は進めていると述べた。14日に 2例目の患者が確定診断され,the 19 suspected and confirmed cases のうち 3人が死亡している ... ]
[3] Update: DRC vaccine usage
 情報源 Science Magazine 2017年5月15日
... 今回のアウトブレイクについて ... WHO は 13日,発端となった 45歳の男性患者(当初 39歳とされていた)が,血尿,下痢,鼻出血,吐血の症状のため医療施設を受診したと報告した。Likati の病院まで,広い州内をバイクで移動しなければならなかった。さらに,タクシーも使って移送された。WHO によると,Likati の病院に到着した時にはすでに死亡していた。患者の移送に関わった人々も,発病または死亡している。医療支援団体 ALIMA's headquarters in Dakar によると,1日に採血された検体が,Likati から約 1400 km 離れたキンシャサに届けられるまでに 10日間を要している(The DRC は,全国を結ぶ道路が整備されていないため,長距離移動は川舟かプライベートの飛行機によらなければならない)。患者の集団発生を WHO が知ったのは 5月9日のことで,45歳の男性患者の確定診断は,さらに 2日後のことだった ... WHO のワクチン使用に関する担当者は,現在政府当局と使用の可否について協議中であり,アウトブレイクの規模が小さいため,封じ込めだけで感染伝播を停止させられる可能性がある,と話している。the Merck vaccine は十分にあるが,実験的な使用が可能な状態 experimental status であるため,DRC への供給に先立って,an "Expanded Access" study protocol による,国内および国際的な規制当局の承認を得る必要がある。WHO には,西アフリカのアウトブレイクで使用した残りのワクチンが約 1万ドースあり,米国内のメルク社には 70万ドースが冷蔵保管されている。the DRC outbreak 発生前,WHO's Strategic Advisory Group of Experts on Immunization (SAGE)のメンバーらは, ザイールエボラウイルス(感染)が発生した場合は,the Merck vaccine を"be promptly deployed (ただちに供給)"すべきとしていた。4月25-27日の同専門家会議でも,an Expanded Access study について,"be implemented promptly after the confirmation of a case (1例でも患者が確認されれば,直ちに実施)" し,ギニアのような同心円状ワクチン接種 the same "ring vaccination" strategy で行うことを勧告していた。15日にジュネーブの WHO 広報担当者に電子メールで問い合わせたところ, ... "ワクチンおよび装備使用のための準備を急いでいる" "倫理的,法的承認 appropriate ethical and regulatory authorisation"が必要,と述べた 
関連項目 (19): Congo DR, Nigeria preparedness 20170514.5035550

● チクングニア熱 バングラデシュ
PRO/AH/EDR> Chikungunya (16): Asia (Bangladesh)
Archive Number: 20170515.5037500
 情報源 Bangla [in Bengali] 2017年5月14日
首都ダッカ[in Dhaka, the capital city in Bangladesh]で蚊族媒介性のチクングニア熱 chikungunya の感染が拡大している ... バングラデシュで初めて報告されたのは,2008年の the districts of Rajshahi and Chapainawabganj である

● キャサヌール森林病 インド
PRO/AH/EDR> Kyasanur Forest disease - India (09): (GA) susp. fatal case
Archive Number: 20170515.5037366
 情報源 The Hindu 2017年5月14日
ゴア保健当局 The Goa Health Service authorities が,Valpoi, North Goa の 60歳の患者の死因が,monkey fever or Kyasanur Forest disease (KFD)によるものか確認している。KFD fever の診断で 1ヶ月間入院したあと回復して退院したが,4月29日に the Goa Medical College hospital で死亡した。22日に同院に紹介され,糖尿病や呼吸器疾患などが確認された。医療記録上,KFD が死亡原因であることを示す証拠はないとされている ...

● コレラ イエメン
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update (27): Asia (Yemen)
Archive Number: 20170515.5037318
[1] Yemen death toll:Reuters 2017年5月15日
イエメンでこの数週間にコレラ Cholera により少なくとも 180人が死亡していると,the International Committee of the Red Cross (ICRC) が 15 May 2017 に発表した。政府当局が前日,首都サナア the capital Sanaa が緊急事態にあり,海外からの支援を求めていた。サナアは,イランの支援を受けた武装勢力のフーシ the armed Houthi movement が支配し,西側諸国の支援を受けているサウジアラビア主導の同盟軍との戦闘が続いている ... the ICRC の関係者は,4月27日以降,急性水様性下痢症により少なくとも 180人の死者が発生し,ほか 1万1千人のコレラ感染が疑われているとのべた。Houthi authorities はこのうち 115人が,サナア市内で死亡したと述べている ... 2016年後半にアウトブレイクは(いったん)収まっていたが,アウトブレイクは頻繁に訪れている。Hodeidah, Taiz and Aden などの各都市でも患者は報告されている。
[2] State of Emergency declared:Al-Arabiya 2017年5月14日
サナアの軍当局 Houthi militias in the Yemeni capital of Sana'a は 14日,コレラアウトブレイクの発生を受け,緊急事態を宣言した。コレラ患者のサナアの病院 the Republican Hospital 受診を,Houthi militias が妨害しているとの報道から数時間後に発表された ...
[3] Sana'a prison cases:Middle East Monitor 2017年5月14日
健康状態が悪化した受刑者 4人が病院に搬送されたと,政府人権監視調査委員会のメンバーが明らかにした ...
[Yemen is divided into 21 governorates (muhafazah) .
The increasing numbers are as follows:
Date [2017] / Cases / Deaths
8 May / 1360 / 25
11 May / 2752 / 51
13 May / 8595 / 115
14 May / 11 000 / 180 ]
関連項目 (26): Asia (Yemen) 20170514.5034914

● ポワッサンウイルス脳炎 米国

PRO/AH/EDR> Powassan virus encephalitis - USA (03): (NH) Alert
Archive Number: 20170515.5037030
 情報源 Fosters 2017年5月14日
the Centers for Disease Control in New Hampshire がこれまでに確認した症例はわずか 2例ではあるが,ライム病のようにダニが媒介するポワッサンウイルス Powassan virus に,医療従事者らは深い懸念を抱いている。同ウイルスは,永続的な神経学的後遺症を残すことがある。the CDC website によると,Powassan, also called POW は,節足動物が媒介するウイルス(arboviruses)の仲間で,脳炎の原因となることがある。 between 2006 and 2015 の期間に,Massachusetts had 8 cases, Maine had 2 and New Hampshire had one が確認されている。"2016年に a 2nd confirmed case in Rockingham County が確認された"。州内において珍しい病気であるため,一般的に検査が行われないという ... 米国でこの 10年間に,およそ 75例の患者が報告されている。患者の多くが,ダニの活動性が高まる spring, early summer or fall に,the Northeast and Great Lakes region で報告される。蚊族媒介性のウエストナイルウイルスやウマ脳炎(感染症)などの症状に似ているため,ダニが媒介することはあまり知られていない odd ... 髄膜炎や脳炎を起こす可能性もあり,まれではあるが深刻な病気であり注意が必要と説明されている ... ポワッサンウイルスの血液検査はない ... 潜伏期間は約 1週間から 1ヶ月である。感染しても多くの場合,症状は現れないが,症状として,発熱,頭痛,嘔吐,体力低下,昏迷,協調不全,構語障害,けいれんなどがある。ダニの付着後,1時間足らずでウイルスが伝播され,10 % に様々な永続的な神経学的障害がおこる。ダニ忌避剤,衣服,行動場所に注意を払うことtと,ダニのチェックが欠かせない。
[Mod.TY- 米国北東部ではちょうど感染開始時期にあたる。ワクチンはない There is no commercially available vaccine for Powassan virus。2016年の感染例について詳述されていないが,おそらく black-legged tick _Ixodes scapulars_ によるものだろう。The USA CDC は: "Human Powassan (POW) virus infections は,米国,カナダ,ロシアで確認されている。米国内では,cases of POW virus disease は基本的にnortheastern states and the Great Lakes region から報告されている。the late spring, early summer and mid-fall のダニ活動性が最も高い時期に多い。POW virus disease cases はまれだが,近年増加傾向にある。POW virus activity のある地域を訪れる場合は,感染リスクがあることを周知されるべきである。outdoor work and recreational activities を行う人々に,最も高い感染リスクがある"]
関連項目 Powassan virus encephalitis - USA (02): (ME) 20170429.5003798

● A型肝炎 スペイン
PRO/EDR> Hepatitis A - Spain: (MD) MSM
Archive Number: 20170515.5036620
 情報源 El Pais [in Spanish] 2017年5月8日
スペインの A型肝炎 hepatitis A 患者の増加は,特にマドリード the Community of Madrid で著しく,73 during 2015 であったものが 223 in 2016, and 372 only so far in 2017 と増えている ... 主な感染経路は,risky sexual relations, especially among men による ...


● コーヒーの病気、赤さび病 ホンジュラス
PRO/PL> Leaf rust, coffee - Honduras : new strain susp.
Archive Number: 20170515.5038218
 情報源 Daily Coffee News 2017年5月12日
World Coffee Research [WCR] は,the Lempira coffee variety(種コーヒー)に赤さび病の感染の危険性がある no longer resistant to leaf rust ことを確認した。ホンジュラスの各主要コーヒー産地で 2017年初からアウトブレイク発生が報告されていた。"Lempira 種は,ホンジュラスの主品種で a significant portion of Honduran coffee,2012年に中米で赤さび病流行が発生した後,広く栽培されている" と,WCR は説明している ...
[Mod.DHA- Coffee leaf rust (CLR; also called orange rust) は,真菌 the fungus _Hemileia vastatrix_ を原因とする病気で,最も深刻な病原体の 1つである。商業生産されている 2種類のコーヒー種,アラビカ・ハイランド _Coffea arabica_ (arabica or highland coffee) とロブスタ・ローランド_C. canephora_ (robusta or lowland coffee)のうち,味で好まれているアラビカ種だけに感染する。この病気により,複数の国のコーヒー産業が全滅に追い込まれた ... ]

● 鳥インフルエンザウイルス 韓国 HPAI H5N8 OIE
PRO/AH/EDR> Avian influenza (101): South Korea, poultry, HPAI H5N8, OIE
Archive Number: 20170515.5037395
 情報源 OIE, WAHID 2017年5月13日
Highly pathogenic avian influenza, Korea (Rep of),recurrence of a listed disease
感染開始時期 2017年2月6日
前回流行時期 2016年4月
原因ウイルス Highly pathogenic avian influenza virus
Serotype: H5N8
Summary of outbreaks, total outbreaks: 40
Total animals affected:
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
鳥類 Birds / 2 058 869 / 1323** / 1323 / 2 057 546 / 0