2017年9月23日

ブルセラ症 米国
マラリア フランス,国内感染 ECDC

● ブルセラ症 米国
PRO/AH/EDR> Brucellosis - USA (12): (WY) possible elk exposure, RFI
Archive Number: 20170923.5336298
 情報源 Associated Press 2017年9月22日
the Wheatland, WY の農業従事者の男性は当初,波状熱 undulant fever がなぜ起きているのか分からなかった。重い症状であるにもかかわらず,医師らは,ブルセラ症 the human form of the animal disease brucellosis と直ちに診断することはできなかった。ヒトの感染例がまれであることと,症状が多彩であることが,診断が遅れた原因と考えられる。Undulant fever, also called Bang's disease は,関節痛,疲労,頭痛,高熱,悪寒盗汗,背部痛,体重減少,食欲低下などの症状が,不規則に現れることが特徴で,この農夫の患者にもこれらのうちの多くの症状が見られた。長引くと,関節炎,うつ,臓器腫大などにつながる。死亡することはほとんどないが,慢性化する可能性がある ... 9日間入院したが診断がつかないまま 3か月が経過した。ある日,転倒して肋骨を骨折したところ,反対側にも骨折が起き,脊髄に感染が及んでいた。再び入院となり,感染症医によりブルセラ症と診断された。1947年には 6400例とかなり多かったが,同年に始まった対策により,年間約 100例にまで減少しており,そのほとんどが,大型動物の獣医師である 

● マラリア フランス,国内感染
PRO/EDR> Malaria, autochthonous - France: (AR)
Archive Number: 20170923.5335640
 情報源 ECDC 2017年9月23日
7日,フランス政府当局は,2例の地域内感染マラリアの症例 locally-acquired cases of malaria を報告した。2例はともに,between 11 and 16 Aug 2017 in Moulins, in the Auvergne-Rhône-Alpes region of France で行われた結婚式に参列していた。8月30日,the 1st case が 4日間続く発熱,悪寒,発汗のため,フランス南西部の病院に入院となり,熱帯熱マラリア _P. falciparum_ malaria 検査で陽性と確認された。
海外への渡航はなく,had no risk factors for induced malaria だった。唯一の旅行が,結婚式出席のための Moulins and its surrounding area への旅行だった。9月1日,同じ結婚式に参加した a 2nd case が,EU 外の母国に帰国直後にマラリアと診断された。発症日は 8月26日で,had neither exposure to induced malaria nor recent travel history to a malaria-endemic area だった。結婚式の出席の中に最近マラリア常在地域に旅行した者はなく,マラリアの症状を発症していた者もいなかった。(結婚式が行われた) The regional health agency of Auvergne-Rhône-Alpes は,検査機関および医療機関の調査 active case-finding in local laboratories and hospitals を行ったところ,結婚式前の 2週間以内に,ブルキナファソからの輸入マラリア症例 A case of _P. falciparum_ malaria imported from Burkina Faso がMoulins and its surroundings に数日間滞在していたことが確かめられた ... 蚊族の調査。
ECDC Risk Assessment
疫学調査により,報告された 2例の感染前に,同じ地域に熱帯熱マラリア患者がいたことが確認された。結婚式参加のために滞在した市内周辺の輸入マラリア症例による,地域内の蚊族媒介性感染伝播の可能性という,疫学的関連性を共有していた。蚊族の調査 Entomological investigations では,地域内でのハマダラカ a competent local anopheline mosquito がベクターとなったことを支持する蚊族は確認できなかった。したがって,空港内マラリア感染 A cluster of 2 airport malaria cases の可能性も残されている。
[Mod.EP- the ECDC risk assessment では,熱帯熱マラリアを伝播するベクターとなる,現地の蚊族 local Anopheles mosquitoes がいなかったと結論付けたが,これが最も可能性のある説明となるだろう。大事なこととして _An. maculipennis_ は三日熱マラリアを感染伝播することはよく知られているが,熱帯熱マラリア_P. falciparum_も感染伝播する能力があるのだろうか?(熱帯熱患者を吸血し)蚊族の体内に(マラリア原虫が)入った期間は,ブルキナファソからの熱帯熱マラリア患者が Moulin にいた期間(結婚式の 2週間前)と重なっており,結婚式の 10-14日後までの潜伏期間があり 2人の患者が 8月26日に発症したことも,ヒトでの熱帯熱マラリア乾癬の潜伏期間に一致する。おそらく,2人は同じ蚊に刺されたのだろう。8月の Moulin の平均気温 an average 24-hour temperature は 20℃を超えていた。
ブルキナファソの患者と 2人のフランス人の患者の,熱帯熱マラリアを調べれば Genotyping of the _P. falciparum_ parasites どちらかはっきりする]

● Q熱 オーストラリア
PRO/AH/EDR> Q fever - Australia (02): (QL) native animal source
Archive Number: 20170923.5335445
 情報源 Australian Broadcasting Corporation 2017年9月18日
現在,クイーンズランド州北部 outer urban areas of north Queensland が,最も Q熱 Q fever の発生率が高い地域となっており,多くの患者では,おそらくは芝刈りによって感染が起きている。以前は,ウシに関する仕事だけに関係してこの細菌感染症が発生していたが,クイーンズランド州では,the Townsville and Mackay regions の小さな土地に住む人々が最も感染リスクが高いグループを形成している。治療を行った Q熱患者のほとんどが自宅の敷地内で暮らしていることに気づき,Townsville Hospital director of microbiology 病院の微生物部長が数年前に調査を開始した結果,在来種 native animals から感染伝播したことが疑われた。"とりわけワラビー Wallabies は新しい草を求めてやって来る。糞を落とした場所で芝刈りを行うと,糞がエアロゾル化し,吸い込むことになる"。ワラビーの 30-40 % が Q熱検査で陽性となり,一方,ウシの陽性率は約 15-20 % だった。Bandicoots とポッサム possums も,イヌ suburban dogs 同様,carriers であることが分かった。オーストラリア国内の Q熱発生率は人口 10万対 1ないし2人だが,Queensland 州では 3人である。しかし,病院の診療録から,the Townsville region では 6人,specific suburbs では 30人となった。one Mackay area では発生率が 50人 in 100 000 people だった。
参考項目 Australia: (VI) occupational exposure, animal auction facility 20170720.5192560

● レジオネラ症 米国
PRO/EDR> Legionellosis - USA (15): (MN) elder community, RFI
Archive Number: 20170923.5336156
 情報源 MPR News 2017年9月21日
ミネソタ州保健当局 the Minnesota Department of Health が,the Silver Creek on Main assisted living facility in Maple Grove の住民 2名のレジオネラ肺炎 cases of Legionnaires' disease の調査を開始した。1例目は 8月22日に発症し,2例目は 9月12日に発症した。いずれも入院後回復していると,21日に明らかにされた。感染源は Silver Creek の施設内の水システムの可能性が高いとされているが,特定されていない

● インフルエンザ,ブタ 米国 H3N2V
PRO/AH/EDR> Influenza, swine - USA (08): (MD) H3N2V
Archive Number: 20170923.5335679
 情報源 WTop 2017年9月20日
メリーランド州当局は,the Charles County Fair に出品されたブタ 5頭の豚インフルエンザ感染 cases of swine flu について調査を行っている。7人のメリーランド州民が,同フェアにおいて感染ブタから感染した。検査で感染が確認された 5頭のブタとの濃厚接触があったと,20日州保健当, the Maryland Department of Health が明らかにした。感染した患者の中に,重症例や入院例はない ...

● クリミア・コンゴ出血熱 パキスタン
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Pakistan (14): (SD)
Archive Number: 20170923.5335688
 情報源 The News 2017年9月19日
30歳男性がクリミア・コンゴ出血熱 the deadly Crimean-Congo hemorrhagic fever により死亡し,2017年初のカラチ市民 the 1st citizen of Karachi の死亡例となったと,18日にシンド州保健当局 Sindh health department's focal person for the viral disease's committee が明らかにした。Adam Town in Phase I, DHA 在住のこの患者は,14日にクリフトン Clifton の私立病院に入院となった。当初 the Jinnah Postgraduate Medical Centre に入院したが,対応に不満のある家族により,the South City Hospital に転院し,3日間治療を受けたが死亡した。男性の兄弟が(とともに?),バロチスタン州 Balochistan's Hub Tehsil で犠牲祭用の動物を購入していた。この旅行後,(死亡した男性は)高熱と激しい頭痛を発症した。the JPMC のちに the South City Hospital に入院となったが,17日に死亡した。2017年に市内でクリミア・コンゴ出血熱で死亡した患者は 5人となった。4月以降,死亡した患者はすべてクエッタ Quetta の患者だった
関連項目 Pakistan (13): (BA) 20170916.5318214

● サイクロスポーラ症 米国
PRO/EDR> Cyclosporiasis - USA (05): nationwide increase
Archive Number: 20170923.5335655
 情報源 Food Poisoning Bulletin 2017年9月22日
大規模なサイクロスポーラ症アウトブレイク A huge cyclospora outbreak により,13日現在,全米で 988人が感染している。米国では毎年おおきな流行が発生している。
サイクロスポーラ the _Cyclospora cayetensis_ parasite は,世界中の熱帯と亜熱帯に常在する。
The Centers for Disease Control and Prevention (CDC)によれば,患者の中には,海外旅行者だけでなく,渡航歴のない患者も含まれ,40州から患者が報告されている。少なくとも 553, or 56% には,海外渡航歴はなかったことから,米国内で感染したとみられている。発生は 5月1日前後で,患者どおしの関連や共通の食品があるかについては,現時点では不明とされている。

● ブルーリ潰瘍 オーストラリア
PRO/EDR> Buruli ulcer - Australia: (VI) M. ulcerans, increasing incidence
Archive Number: 20170923.5335412
 情報源 9news 2017年9月20日
3rd world countries でよく見られる人食い病 A flesh-eating disease [_Mycobacterium ulcerans_]が,ビクトリア州内 parts of Victoria [Australia]で拡がりを見せており,医師らはその原因について首をひねっている。感染すると,手足が壊疽のようになって無くなる,_Mycobacterium ulcerans_ に,Victoria 州で昨年新たに 240人が感染し,2倍以上の増加となった。この数ヶ月間も,週当たり 9人の感染が確認されている。the Bairnsdale ulcer と呼ばれるこの病気は,なぜか the Bellarine peninsula から the Mornington peninsula にもたらされ,今や a hot-spot となっている ...

● カンジダ症 カナダ、インドから
PRO/EDR> Candida auris - Canada: (BC) ex India, coinfect. carbapenemase-pos. bacteria,VRE
Archive Number: 20170923.5335411
 投稿者 加・British Columbia Centre for Disease Control,Linda Hoang, MSc, MD, DTM&H 2017年9月21日
The British Columbia Centre for Disease Control (BCCDC)は British Columbia's 1st case of _Candida auris_ を確認した。インドでの入院歴のある,帰国したカナダ人旅行者が,British Columbia 州の医療機関に直接移送された。当初 _Candida auris_ が分離検出された(by matrix-assisted laser desorption ionization-time of flight (MALDI-TOF) mass spectrometry (Bruker MALDI Biotyper System), with a probability score ranging from 1.79B to 1.89B using the Research Use Only reference database)。 確認検査のため,The isolate は the BCCDC Public Health Laboratory に送付され,Analysis using ITS sequencing で確定診断された。この症例は,複数のカルバペネマーゼ産生微生物 multiple carbapenemase-producing organisms (CPOs), namely NDM, VIM and OXA-48, along with VRE にも感染していた

● コイヘルペスウイルス イタリア
PRO/AH/EDR> Koi herpesvirus disease - Italy: (VN, LG) OIE
Archive Number: 20170923.5336409
 情報源 OIE, WAHID weekly disease information 2017年9月22日
Koi herpesvirus disease, Italy,Recurrence of a listed disease
感染開始時期 2017年7月14日
前回流行時期 2014年
原因ウイルス Koi herpesvirus
新たな感染流行 (2)
Outbreak 1 (KOI_PD_2017_1): Villa del Conte, Padova, Veneto: pond
Population type: farmed
Outbreak 2 (KOI_GE_2017_1): Torriglia, Genova, Liguria: farm
Population type: farmed
Summary of outbreaks: Total outbreaks: 2
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
コイ Carp (_Cyprinus carpio_) / 373 / 101 / 100 / 113 / 0

● Red sea bream iridoviral disease,魚類 パナマ
PRO/AH/EDR> Red sea bream iridoviral disease - Panama: (CL) _rachycentron canadum_, OIE
Archive Number: 20170923.5336476
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2017; 30 (39) 2017年9月22日
Red sea bream iridoviral disease, Panama,First occurrence of a listed disease in the country
感染開始時期 2017年7月10日
原因ウイルス Red sea bream iridovirus Ehime-1
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1: Viento Frio, Santa Isabel, Colon: Farm
Water type: Salt water
Population type: Farmed
Production system: Semi-open
Total animals affected:
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
スギ(魚類) Cobia (_Rachycentron canadum_) / 0 (scale 0 to 5) / 3 (scale 0 to 5) / 12 / 6 / 3 / 9 / 0
Affected population: Breeders from 18 to 20 month of age in a pond. Detection resulted from the sanitary control of the production premises.

● Thelazia callipeda,イヌ 英国
PRO/AH/EDR> Thelazia callipeda, canine - UK: 1st cases, imported, alert
Archive Number: 20170923.5335714
 情報源 Birmingham Mail 2017年9月19日
失明する可能性のある寄生虫が,英国内のイヌにとって重大な脅威となっている。_Thelazia callipaeda_, commonly referred to as oriental eye worm に対し注意するよう,ペットの飼い主らに呼びかけられている。ハエ a fruit fly が眼に止まりタマゴ infective larvae を産み付けることで発病する。ハエは眼の分泌物をエサにするため,イヌやネコの他,ヒトにも感染する危険性がある

● ナマズペスト アイルランド
PRO/AH/EDR> Crayfish plague - Ireland (04): white-clawed crayfish, conf. OIE
Archive Number: 20170923.5335961
 情報源 OIE, WAHID 2017年9月22日
Crayfish plague (_Aphanomyces astaci_), Ireland,Recurrence of a listed disease
感染開始時期 2017年7月25日
前回流行時期 2017年6月29日
病原体 _Aphanomyces astaci_
新たな感染流行 (2)
Outbreak 1: River Lorrha, Tipperary: wild
Production system: open
Outbreak 2: River Barrow, Carlow: wild
Production system: open
Summary of outbreaks:
Total outbreaks: 2
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
White clawed crayfish (_Austropotamobius pallipes_) (kg) / 130 / 130 / 130 / 0 / 0