2017年10月17日

ウイルス性髄膜炎 米国
ペスト マダガスカル、モーリシャス 否定
レプトスピラ症 米国

● ウイルス性髄膜炎 米国
PRO/EDR> Viral meningitis - USA (02): (NV, CA)
Archive Number: 20171017.5386595
 情報源 Kolotv.com 2017年10月16日
ネバダ州とカリフォルニア州 Washoe County [Nevada] and in Susanville [Lassen County, California]で,ウイルス性髄膜炎アウトブレイク Outbreaks of viral meningitis が続いており,ハイスクールのフットボールチームから感染が拡がり,同校と the Community College が休校となった Susanville の保健当局は,50 possible cases が報告されていると明らかにした。22人は suspected and 18人は clinically diagnosed; 16 of which are lab confirmed である。Washoe County でも現在患者数は 36 cases に達している。様々なウイルスが原因となるが,今回は初期段階で, ECHO virus 30 によるとされていた

● ペスト マダガスカル、モーリシャス 否定(2件)
PRO/AH/EDR> Plague - Madagascar (20): fatal, numbers growing
Archive Number: 20171017.5386317
 情報源 France24 2017年10月17日
マダガスカルのペスト流行 A plague outbreak in Madagascar により,少なくとも74人死亡し,805 cases が報告されている ... 
先週[week of 9 Oct 2017],首都で患者数が増加し,住民らに不安が拡がった ... 長い間,農村部で発生していたペストが,今回初めて,2つの大都市 Antananarivo and Toamasina で発生している ... 今回のアウトブレイクが始まったのは通常より早い 8月で,中央部高地の Ankazobe [Analamanga region]に滞在していた 31歳男性が,ペスト感染に気づかず,タクシー bush taxi で東海岸に移動したことに始まっている。移動中に男性は死亡し,必要な防護策がおこなわれないまま Toamasina で埋葬され,接触した 4 人も死亡した ...
[The rapid rise of cases of _Yersinia pestis_ infection with a predominance of pneumonic plague is quite worrisome.
Date / Cases / Deaths / Average new cases per day
14 Sep 2017 / 28 / 5
30 Sep 2017 / 73 / 17 / 3
3 Oct 2017 / 194 / 30 / 40
5 Oct 2017 / 258 / 36 / 32
7 Oct 2017 / 343 / 42 / 43
8 Oct 2017 / 387 / 45 / 44
9 Oct 2017 / 449 / 48 / 62
10 Oct 2017 / 500 / 54 / 51
11 Oct 2017 / 561 / 57 / 61
13 Oct 2017 / 684 / 57 / 61
16 Oct 2017 / 805 / 74 / 40 ... ]

PRO/AH/EDR> Plague - Mauritius: ex Madagascar, NOT
Archive Number: 20171017.5384887
[1] モーリシャス: plague concern
 情報源 Zinfos974 [in French] 2017年10月16日
ペストが,インド洋に拡がりつつある。マダガスカルで 610例の患者と 63人の死亡と,セーシェルで死亡した 1人を含む 2人の症例が伝えられる中,今度はモーリシャスでも its 1st case of suspected plague が確認されている。この男性は現在,ペスト感染の疑いがあるとして隔離されている。南部の Souillac Hospital に 16日入院となった。セーシェルはマダガスカルからのフライトを停止を決定したが,モーリシャスとレユニオンは帰国者らの健康監視を強化する。
[2] EpiCore response
 情報源 EpiCore Global Surveillance Project 2017年10月17日
(モーリシャスの) 公衆衛生当局 Public Health department は,マダガスカルから到着したすべて搭乗客について追跡を行っている。今回の症例は,マダガスカルからの帰国時に,高熱,倦怠感,咽頭痛を訴えた。診察の結果,上気道炎と診断されたが,検査結果判明まで,念のため,隔離病棟に入院し,ドキシサイクリン doxycycline の内服を開始した。咽頭スワブ検体のエルシニア菌選択培地上での培養検査は陰性だった。入院後解熱し体調に問題はない。5日間の観察期間の血液培養は陰性のままで,本日(17日)退院する予定となっている。

● レプトスピラ症 米国
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - USA (07): (PR) flooding, need for diagnostic testing reagents
Archive Number: 20171017.5385237
 投稿者 米 プエルトリコ Lemuel Martinez, MD 2017年10月16日
プエルトリコは,9月20日のハリケーン Hurricane Maria 襲来後 4週間目に入ったが,ほとんどの病院が今も電力を発電機に頼っており,一部は断続的に停止している。病院のシステムが脆弱な状態のまま,プエルトリコに常在するレプトスピラ症疑い患者 cases suspicious for leptospirosis の発生が続いている ... ちょうど潜伏期間に一致して,ハリケーンの 1-2週間後から患者が現れ始めた。This 1st wave of cases が最も深刻だが,清掃や再建作業と降雨が続く中,さらなる菌への暴露が予想される。プエルトリコにおいて,レプトスピラ症の鑑別診断(確定診断)が困難な状況が続いており,とりわけこのような歴史的な被害状況の中では深刻である。医師らは,疑い診断の中で上位に位置づけ,症状が一致する患者には,(判断の)閾値を下げて抗生物質を投与しているが,それでも多数の有症例が見逃されている。一般的な検査で行えるのは,IgM 抗体検査のみである。感染診断であり,細菌そのものではなく,感染した患者の免疫反応に左右される。臨床現場において,たとえ Weil syndrome を発症したレプトスピラ症患者であっても,初期の IgM 抗体検査が偽陰性となることがまれではない。The CDC には for reference testing として a PCR test が用意されているが,現在,検体を送付することが困難であり,結果の伝達状況も不安定で限定されている。現地病院で direct leptospirosis tests を行うことが重要であるのは明白で,多くの施設で PCR を行うことが可能 capabilities であることから,プライマーさえ入手できれば,検査自体はそれほど難しいことではない

● ブルセラ症 ネパール
PRO/AH/EDR> Brucellosis - Nepal: (KT)
Archive Number: 20171017.5386874
 投稿者 ネパール・Sukraraj Tropical and Infectious Disease Hospital Dr. Sher Bahadur Pun, MD, PhD 2017年10月15日
この 2ヶ月間で,少なくとも 30人の発熱患者 febrile cases が,ブルセラ症 brucellosis 検査(at Sukraraj Topical & Infectious Disease Hospital)で陽性となり,カトマンズ Kathmandu の病院で治療中である。

● MERS-CoV サウジアラビア
PRO/AH/EDR> MERS-CoV (65): Saudi Arabia (RI, JZ)
Archive Number: 20171017.5387011
 情報源 Saudi MOH 10-17 Oct 2017 2017年10月17日
As of Tue 17 Oct 2017, there have been a total of:
1726 laboratory-confirmed cases of MERS-CoV infection, including
699 deaths [reported case fatality rate 40.5 percent], 1013 recoveries, and 14 currently active cases/infections.
Since the last ProMED-mail update [9 Oct 2017], there have been a total of:
3 newly confirmed cases,
1 newly reported fatality, and
0 newly reported recoveries.
Information on newly confirmed cases (3 cases):
15 Oct 2017 (1 new case)
1 - A 25-year-old expat male, from Riyadh [Riyadh region] currently in stable condition. Classified as a primary case with a history of direct contact with camels.
13 Oct 2017 (1 new case)
2 - A 60-year-old Saudi male, from Jizan [Jīzan region] currently in stable condition. Classified as a primary case with a history of direct contact with camels.
11 Oct 2017 (1 new case)
3 - A 58-year-old Saudi male, from Riyadh [Riyadh region] currently in critical condition. Classified as a primary case
関連項目 (64): Saudi Arabia, animal reservoir, human, camel milk 20171012.5375933

● ダニ媒介性脳炎 スイス、コメント
PRO/AH/EDR> Tick-borne encephalitis - Switzerland (03): comment
Archive Number: 20171017.5387144
 投稿者 Ivo M. Foppa 2017年10月17日
スイス国内の発生率 the incidence of TBE in Switzerland は 2000年以降明らかに増加し,およそ 50 % 増加した。from 1985 through 2000 (平均年間報告数 66)に対し,from 2001 through 2016 (同 138)だった。
今年(2017)は,記録となった昨年 the record year 2006 (245)を上回る見通しである。"somewhat of an increase" appears to be an understatement.
Regarding the comparison of the Swiss TBE incidence with its neighboring countries, which is nicely displayed on Gideon

● エムポックス(サル痘)ナイジェリア
PRO/AH/EDR> Monkeypox - Africa (11): Nigeria
Archive Number: 20171017.5386734
 情報源 The News Guru 2017年10月16日
政府当局 The Federal Government は 16日,新たに 3例のエムポックス fresh cases of monkeypox virus [in Bayelsa]を確認した。ラゴス Lagos の症例はすべて検査陰性であったとも述べている。保健相 The Minister of Health は,セネガルに送付されていた the 3 suspected samples of the virus の結果が確定したと述べた ... 13日現在,Yenagoa LGA in Bayelsa State から 17 suspected cases が報告されていた。the WHO Regional Laboratory in Dakar, Senegal から,3例の monkeypox virus が確認されたとの報告を受けた。12 other cases from Bayelsa は陰性だった。
これらの結果から,4 suspected monkeypox outbreaks in Yenagoa [a Local Government Area in Bayelsa State]は laboratory evidence により確認された ... 合計 43 other suspected cases from 8 other States (Akwa Ibom, Cross River, Ekiti, Lagos, Enugu, Nasarawa, Rivers, and FCT)が報告されていたが,このうち 4 cases from Lagos は検査で陰性が確認された。
関連項目 (10): Nigeria 20171016.5384844

● A型肝炎 米国
PRO/EDR> Hepatitis A - USA (46): (CA) fatal
Archive Number: 20171017.5386460
 情報源 San Diego County Health & Human Services Agency 2017年10月17日
San Diego county hepatitis A outbreak cases and deaths as of 17 Oct 2017
Cases / Deaths / Hospitalizations
507 / 19 (3.7 percent) / 351 (69 percent)

● ボツリヌス食中毒 カナダ
PRO/EDR> Botulism - Canada (04): (ON) smoked fish, alert, recall
Archive Number: 20171017.5386182
 情報源 Food Poisoning Bulletin 2017年10月16日
Yummy Market 社は,"Yummy Market brand Smoked Lake Trout w/Pepper with Cracked Black Pepper (黒コショウ付燻製マス)"が,ボツリヌス菌による汚染の疑いがある possible _Clostridium botulinum_ contamination として回収を行っている。Yummy Market at 1390 Major Mackenize Drive West in Maple, Ontario で販売されていた。ある消費者からのクレームが回収につながった。同製品に関係したとみられる,1人の発病 one illness が報告されている

● コレラ イエメン
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update (119): Asia (Yemen)
Archive Number: 20171017.5386166
 情報源 UN Integrated Regional Information Networks (IRIN) News 2017年10月17日
the WHO's latest count によると,イエメンのコレラ Cholera アウトブレイクにより,4月末以降 2167人が死亡し,84万人あまりが感染したとみられている。6月には,1時間に 1人の割合で死亡していると,感染拡大への懸念が示されている。100万ドースの緊急ワクチン接種が決定されている

● 麻疹 米国,イタリア,ルーマニア,オーストラリア
PRO/EDR> Measles update (50): USA, Europe, Pacific
Archive Number: 20171017.5384584
[1] 米国,Michigan
 情報源 Detroit Free Press 2017年10月13日
Livingston county の女性がどこで麻疹に感染したかについて,保健当局が調査を行っている。多くの感染は輸入例 imported cases であるが,女性には海外渡航歴がない。居住地は Livingston County であるが勤務地は the Ann Arbor area と説明されている。入院を要するほどの症状ではなく,回復が見込まれている ... 今年中の以前にも another Livingston County resident who worked in Ann Arbor が麻疹と診断されている ...
[2] イタリア Italy alarm
 情報源 Contexto [in Italian] 2017年10月13日
イタリアでは,麻疹感染及び反ワクチン活動に対する注意喚起が行われている。2017年に 3000人近い感染が発生し,この 2週間だけで 324例が確認された。患者数の多さだけではなく,感染した小児 10人あたり 4人が入院となっている点も懸念されている。今回の問題は反ワクチン活動によるもので,患者の 89 % がワクチンを接種されておらず,1回目のワクチンを接種した患児はわずか 65だった。イタリアの 2718例に加え,ドイツでも 500例以上,ルーマニアでは死者約 30人と 6434例の患者が確認されている。耳の炎症 otitis がありホメオパシー homeopathy で治療された児の死亡や,両親がワクチンを拒否したため,事故後に破傷風を発症した男児の例は,明らかに,疑似治療 pseudo-therapies が原因の the damage の例である。ところが,ワクチン(を受けないこと)による事例は,接種しない本人だけでなく,とりわけ the most defenseless (感染防御能が最も弱い)周囲の人々も危険にさらすため,より立ちが悪い even more outrageous ... イタリア政府当局は 5月19日,国内のすべての就学児に対し,12種類のワクチン接種について,選択肢を与えず,義務化 compulsory することを法制化した。ドイツでも,幼稚園 day-care centers に対し,ワクチンを接種させない保護者を報告するよう命じている。
[3] 欧州 Europe
 情報源 Outbreak News Today 2017年10月16日
2016年1月以降,欧州圏内で some 19 000 measles cases, including 44 deaths が報告されている。2016年にルーマニアで 12例,英国内で 1例の死亡が確認されている。2017年は,ルーマニアで 31 deaths が報告されたほか, Italy [4], Bulgaria [1], Germany [1], Portugal [1], France [1] and Spain [1].が確認されている。発生国リストの国名は膨大で,2017年に発生がなかったのは,ラトビア,マルタ,リヒテンシュタイン,ノルウェーのみである。現在も,感染が最も深刻な国はルーマニア(9539 cases, including 34 deaths with more than 7500 reported in 2017), イタリア(4617 cases, including 4 deaths this year) およびドイツ(891 cases in 2017)である。from 1 Sep 2016-31 Aug 2017 の 1年間のすべての麻疹患者のうち,ワクチン接種歴が確認できたうちの 87 % がワクチンを接種していなかった。WHO (2016) による最新のワクチン接種統計によると,1回目の接種が 95 % を下回った国は 18 of 30 EU/EEA countries; for the 2nd dose of measles, it was below 95% in 20 of 27 EU/EEA countries reporting 2nd dose coverage data となっている ...
[4] ルーマニア
 情報源 Romania Insider 2017年10月16日
ルーマニア国内で先月新たに約 400例の感染が確認されたと,the National Center for Supervision and Control of Transmissible Diseases が明らかにした。これにより,2016年9月末のアウトブレイク発生以降の累計患者数は 9600例を超えた。先月新たに報告された患者の半数が Brasov county の患者で,同じく Cluj, Satu Mare and Harghita counties 各郡からも多数の感染が報告されている。過去 2年間で,Timis county (1228), Caras-Severin county (1112), and Arad county (1014), all in Western Romaniaが報告された。感染流行開始以降,ルーマニアで 34人が死亡し,Timis county の9人のほか, 6 in Arad, 7 in Dolj, 3 in Caras-Severin, and 1 in Bihor, Cluj, Calarasi, Neamt, Satu Mare, Vaslui, Galati, Mures, and Bucharest, each が発生した。感染は 41 counties に拡大し,国内で感染が確認されていないのは,唯一 Tulcea だけである。 ...
[5] オーストラリア
 情報源 SBS 2017年10月16日
新たに 1名が麻疹ウイルスに感染したと診断され,Sydney's Sutherland Shire が a hotspot in the NSW [New South Wales] outbreak となった。NSW 州で 29人目となる麻疹患者が診断されたことを受け,保健当局はワクチン接種を呼びかけている。the Sutherland Shire では 5人目の感染となる。
参考情報 Europe steps up action against vaccine hesitancy as measles outbreaks continue BMJ 2017; 359:j4803 doi: (Published 16 October 2017):

● アーモンドの病気、Xylella スペイン
PRO/PL> Xylella, almond - Spain: (PM)
Archive Number: 20171017.5385165
 情報源 Global FoodMate 2017年10月11日
_Xylella fastidiosa_ が少なくとも 100万本のアーモンドの樹木 almond trees in Majorca に感染している。2010年から同菌の存在に対する警告[20091022.3630]を発していた研究者が,高率に樹木の死滅の原因が,樹木を腐らせる同真菌であることを確認した

● Coenurus cerebralis(虫)、ヤギ・ヒツジ ケニア,タンザニア
PRO/AH/EDR> Coenurus cerebralis - Kenya, Tanzania: ovine, caprine, susp
Archive Number: 20171017.5383670
 投稿者 タンザニア・Veterinary Services and Consultancies (VSC) Dr Beppe Di Giulio 2017年10月15日
タンザニア Arusha, Tanzania で活動する獣医師からの報告。
ケニア南部とタンザニア北部において,ヤギとヒツジで高い有病率と致死率が確認されており,原因として_Coenurus cerebralis_が疑われている。確定診断は,脳周囲 outside the animal's brains の嚢胞の確認によらなければならない。マサイ The Maasai の間で
the disease "Ormilo" (head disease)と呼ばれている。およそ 10年前から確認され,この 3年間に,罹患・致死率は約 20 % に達している。すべての年齢のヤギとヒツジが罹患するが,1-3歳の感染が多い ...
"Coenurosis," from the Merck Veterinary Manual

● 鳥インフルエンザ オランダ HPAI H5N2
PRO/AH/EDR> Avian influenza (148): Netherlands (ZE) poultry, HPAI H5N2, OIE
Archive Number: 20171017.5384476
 情報源 OIE WAHID 2017年10月16日
Low pathogenic avian influenza (poultry), Netherlands,recurrence of a listed disease
感染開始時期 2017年10月11日
前回流行時期 2017年1月12日
原因ウイルス Low pathogenic avian influenza virus
Serotype: H5N2
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1 (LPAI 2017/01): Sint Philipsland, Zeeland: farm
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
鳥類 Birds / 41 504 / - / 0 / 41 504 / 0