● 黄熱 南北アメリカ、ブラジル(2件)
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Americas (59): semen
Archive Number: 20171024.5402064
情報源 Emerging Infectious Diseases 24 (1) 2018年1月
原著タイトル Yellow Fever Virus in Urine and Semen of Convalescent Patient, Brazil.
要約
黄熱ウイルス Yellow fever virus の RNA 遺伝子は通常,感染した患者の血液中で確認されるが,今回,回復期にある患者の尿及び精液中で同ウイルス RNA を検出した。尿検体から分離されたウイルスの全遺伝子塩基配列を解析した。このウイルスは a South American I genotype で,特有の共有派生形質変化 unique synapomorphic changes を有していた。この患者は,2016年12月28日にブラジル Januria, Minas Gerais, Brazil を旅行し,1月3日にはサンパウロ Sao Paulo の北 a rural area north に着いた。同月 6日に発熱,悪寒,体部痛,嘔気を発症し,発症から 1-3日後にかけて症状が悪化した: 39.4~40.0℃の持続性の発熱,頭痛,体部痛,体力減退 prostration,嘔吐,めまい,食欲不振,褐色便 dark stools,褐色尿,口内 の苦み bitterness 。同月 13日,サンパウロの公立病院に入院となり,デングウイルス検査 ELISA for dengue virus NS1 は陰性だった。血小板数は 5万7千/mm3 だった。紹介先の感染症病院では,眼球結膜に黄疸は認められず,右眼に軽度の斑状出血ecchymosis が認められるのみだった。高熱,胃腸症状,筋力低下 adynamia [lack of strength],全身性倦怠があり,8日間で 4kg 体重減少した。the NucliSENS EasyMag Kit (bioMrieux, Marcy l'toile, France)によりウイルス RNA を抽出し ... primers specific for YFV and a conventional PCR and pan flavivirus primers のプライマーを用いた血清の both PCRs は陰性だった。しかし,発症から 10日目の尿の検体の a real-time quantitative reverse transcription PCR (qRT-PCR) 検査は陽性となり,抗体検査 a qualitative IgM-capture ELISA with a specific virus antigen の結果も陽性だった ... 以下,詳細な検査の説明など ... 南米における系統発生学的研究では,2種類の黄熱ウイルスの循環 circulating YFV genotypes が示唆されている。今回の患者から分離されたウイルス(BRMG-2017)は South America I isolates, including 2 viruses isolated in 2017 in Esprito Santo, a state bordering Minas Gerais, and other viruses isolated previously in Brazil (Figure, panel B). に分類された。sequences of other South America I strains との比較において,BRMG-2017 nucleotide sequences には,挿入・欠失のいずれも確認されなかったが,several synapomorphic changes が確認された ... 今回の結果から,精液は黄熱診断に有用な検体 a useful clinical material であり ... 偽陰性例の減少につながる ...
関連項目 Americas (58): Brazil (SP) fatal, conf. ...to be archived
ブラジル
PRO> Yellow fever - Americas (58): Brazil (SP) fatal, conf.
Archive Number: 20171024.5401984
情報源 Itatiba Municipality [in Portuguese] 2017年10月19日
サンパウロ州内の市民 a resident of Itatiba, State of São Paulo が黄熱 yellow fever による初めての死者となったことが確認され,市保健当局者 The Municipal Health Secretariat に報告された。診断したのは the laboratory of the Adolfo Lutz Institute で,76歳のこの男性患者は,国境地帯の between Itatiba and Jundiaí の住民だった ... これまでに 13頭のサルが,黄熱検査で陽性と判明している。9日の疫学報告 The latest epidemiological bulletin from the State Health Department には,15人が黄熱で死亡し,9人が国内感染例,6人が輸入感染例と報告されている ...
● チクングニア熱 イタリア,フランス
PRO/EDR> Chikungunya (43): Italy, France, autochthonous
Archive Number: 20171024.5401880
情報源 ECDC Communicable disease threats report, Week 42 2017年10月15-21日
2017年8月以降,フランスとイタリアで,チクングニアウイルスの国内感染伝播 autochthonous transmission of chikungunya virus が報告されてきた。フランスでは the Var department において; イタリアでは the Lazio and Calabria regions において地域内感染が発生している。2つのイベントは,起源が異なるウイルス株によるもので,関連性はない。10月13日現在,イタリア保健省 the Ministry of Health in Italy は 297 chikungunya cases in the Lazio region を報告し,うち 170例が確定診断され,54 cases in Guardavalle marina, Calabria region については,9例が確定診断された。国内のチクングニア熱感染例が 358例となった。the previous CDTR 以降,15日現在までフランスから新たな感染例は報告されていない。
関連項目 (40): Italy, France, autochthonous outbreak 20171012.5375171
● レプトスピラ症 プエルトリコ
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - USA (08): (Puerto Rico) fatal, flooding
Archive Number: 20171024.5401879
情報源 KFOR Oklahoma News4 2017年10月24日
ハリケーン Hurricane Maria 通過後のプエルトリコでは,76例のレプトスピラ症感染 cases of suspected and confirmed leptospirosis が,少数の死亡例とともに報告されている。死亡した 2例については,検査機関での検査で確定されており,他の複数の死亡についても結果が保留されている。先週の 74例から 76例に増加し,うち入院中の 1例が確定診断されている ...
● 抗生物質耐性 英国 2012-16
PRO/EDR> Antibiotic resistance (09): UK, 2012-2016
Archive Number: 20171024.5401878
情報源 Center for Infectious Disease Research and Policy (CIDRAP) 2017年10月23日
英国保健当局 Public Health England (PHE)からの新たな調査報告では,抗生物質耐性 antimicrobial resistance (AMR)との闘いは,過去 5年間,各国の保健システムにおける耐性菌発見率の変化は乏しいものの,耐性菌による血液感染数が増加傾向にあるとの,複雑な状況におかれていることが示された ...
● サルモネラ感染症 米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis - USA (14): (LA) jambalaya, 2nd pathogen Clostridium perfringens
Archive Number: 20171024.5401550
情報源 Food Safety News 2017年10月24日
ルイジアナ州の人口約 400人の町 a Louisiana town のソフトボールのイベントでジャンバラヤが提供されてから 1週間が経過し,州保健当局 state health officials は食中毒患者 158人 with 40 hospitalized を報告している。
● 鳥インフルエンザウイルス キプロス OIE,ブルガリア
PRO/AH/EDR> Avian influenza (152): Cyprus wild bird, HPAI H5N8, OIE, Bulgaria HPAI H5N8
Archive Number: 20171024.5401457
[1] Highly pathogenic influenza A viruses (infection with) (non-poultry including wild birds), Cyprus,First occurrence of a listed disease
情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2017; 30(43) 2017年10月24日
感染開始時期 2017年9月20日
原因ウイルス highly pathogenic influenza A virus
Serotype: H5N8
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1: Paralimni, Ammochostos: not applicable
種/頭数/感染数/死亡/廃棄/処分
Eurasian buzzard (common buzzard,ノスリ): _Buteo buteo_ (Accipitridae) / - / 1 / 1 / 0 / 0
Affected population: A dead wild bird (_Buteo buteo_) was submitted to the veterinary services in the framework of the avian influenza (AI) surveillance program in wild birds.
[2] ブルガリア Bulgaria (Haskovo), HPAI H5N8, poultry
情報源 FOCUS News Agency 2017年10月23日
the village of Uzundzhovo, the Haskovo region において,鳥インフルエンザウイルスアウトブレイク An outbreak of avian influenza (strain H-5/N-8)が確認されたと,Haskovo Regional Administration の広報担当が明らかにした ...
● マールブルグ病 ウガンダ
Archive Number: 20171024.5401319
情報源 WHO Media centre, news release 2017年10月20日
WHO supports containment of rare virus on Uganda-Kenya border
厚生労働省検疫所 FORTH より。
10月20日に公表された WHO からの情報によりますと、WHOは、ウガンダ東部のケニアとの国境近くで発生したマールブルグ病の感染対策に動き出しました。
記事の詳細
WHOは、ウガンダ東部のケニアとの国境近くで発生した ... マールブルグ病で 1人の死亡が確認され、首都カンパラ Kampala の北東 300km の山岳地帯クウェエン Kween 県 (district)の,医療施設内,および伝統的な埋葬儀式の参列者ら,数百人にウイルスと接触した可能性がある。感染の発端となった患者は 50歳女性で、10月11日に発熱、出血、嘔吐、下痢のため医療保健センターで死亡した。10月17日に保健省が確認し,ウガンダのウイルス研究所での検査の結果、マールブルグ病が原因での死亡と確認された。女性の兄弟が、3週間前に、同じような症状で死亡しており、伝統的な葬儀で埋葬されていた。男性は狩猟で生計を立て,マールブルグ病の自然宿主であるルーセット・オオコウモリ属のコウモリが住む洞窟の近くで暮らしていた。疑い患者1人と感染の可能性の高い患者1人が調査で見つかり、医療処置を受けている ...
ウガンダでは近年 the following MVD outbreaks が報告されている:
2007: 4 cases, including 2 deaths, in Ibanda District, Western Uganda
2008: 2 unrelated cases in travelers returning to the Netherlands and USA, respectively after visiting caves in Western Uganda
2012: 15 cases, including 4 deaths, in Ibanda and Kabale districts, Western Uganda
2014: 1 case in healthcare professional from Mpigi District, Central Uganda.
関連項目 Uganda (02): (QW) 20171020.5393573
● 腸チフス インド、ジンバブエ(2件)
PRO/EDR> Typhoid fever - India (02) : (AP)
Archive Number: 20171024.5400854
情報源 The New Indian Express, Express News Service 2017年10月21日
アンドラプラデシュ州 Vijayawada [Andhra Pradesh]では,公立および私立の各病院が腸チフス患者 typhoid cases であふれている ... Krishna district [Andhra Pradesh]の各病院では現在,over 712 typhoid cases が確認されている。
Archive Number: 20171024.5400690
情報源 NewsDay 2017年10月23日
週末[22-23 Oct 2017],Mbare's Matapi flats アパートで発生した新たなアウトブレイクにより,ハラレ市当局 Harare City Council's の水系感染症との闘いは終わりが見えない。"the Mbare suburb にはチフス発生のリスク typhoid scare があり,現地で疑い患者 the suspected cases の診察を行っている"と説明した。Matapi Clinic には,腸チフスとみられる症状の患者が 10分ごとに現れていた。
● ハンタウイルス パナマ,ブラジル
PRO/AH/EDR> Hantavirus - Americas (54): Panama (LS) comment, Brazil
Archive Number: 20171024.5398648
[1] Panama comment
投稿者 ベルギー・University of Leuven,Jan Clement 2017年10月22日
このパナマの 10歳児には,急性発熱,a "sickle cell-like presentation (鎌状赤血球症様症状)",進行する血小板減少があり,ハンタウイルス血清検査が必要となり,陽性と判明した。もし the sickle cells が,HFRS infections (腎症候性出血熱)ではあまり見られない schistocytes (破砕赤血球)のように見えたとしたら,ベルギーの 2例のように,ときに血漿交換 plasmapheresis-therapy が必要となる haemolytic uremic syndrome (HUS,溶血性尿毒症症候群)との誤った診断につながる (文献 2件)。LDH 高値はいずれのハンタウイルス感染でも出現するため,診断上の混乱につながる。パナマの症例ではいずれも報告されていないが,ある程度の肺合併症(ARDS)の合併の有無に関わりなく,急性腎障害 acute kidney injury (AKI)が,最終診断に後から追加されることもある。しかし,HPS [hantavirus pulmonary syndrome]の初期診断の根拠に,末梢血の schistocytes が見られたかどうかについて,報告には記載がない。this Panama case については,血清学的検査による an Old World hantavirus infection, a rat-transmitted Seoul virus (SEOV) の鑑別が賢明であり,北米で報告される the 7th such case となるかも知れない ...
[2] Seoul hantavirus, Brazil ブラジル
情報源 Emerg Infect Dis. 2007 2007年2月
原著タイトル Symptomatic human hantavirus in the Americas. Emerg Infect Dis. 2007;13(2):345-6.
原文参照願います。
関連項目 Americas (53): Panama (LS) 20171021.5395619
● ブルータング 英国 フランスから
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe (03): UK (England, Scotland) ex France, bovine, BTV-8
Archive Number: 20171024.5400555
[1] England ex France
情報源 GOV.UK, DEFRA (UK Department for Environment, Food, and Rural Affairs) and APHA (Animal and Plant Health Agency) report 2017年10月23日
英国主席獣医官 The UK's Chief Veterinary Officer が農家に対し,ブルータングウイルス感染の症状 signs of bluetongue virus に注意するよう呼びかけている。輸入後検査 our robust post-import testing regime で,フランスから輸入された複数のウシの感染を発見することに成功した ...
[2] Scotland ex France
情報源 The Scottish Farmer 2017年10月23日
スコットランドの農家に対し,フランスから輸入されたウシで発見された,ブルータングウイルスの感染症状に対する注意が呼びかけられている ...
● 大量死,サケ スコットランド
PRO/AH/EDR> Die-off, salmon - Scotland: Pasteurella skyensis
Archive Number: 20171024.5400856
情報源 BBC News, Scotland 2017年10月20日
the Isle of Lewis の 2カ所の養魚場で,病気のアウトブレイクにより約 12万5千匹のサーモンが死滅した。Marine Harvest は the sites in Loch Erisort において,パスツレラ菌 the bacterium _Pasteurella skyensis_の発生を確認した。同社は付近の住民らに対し,腐敗臭や死魚を運ぶ荷車の光景に関し謝罪している。8月末頃に菌が混入したと見られている