2018年7月23日

梅毒-米国(07)
マラリア(3日熱再発予防)-新薬 Tafenoquine
住血吸虫症-ミャンマー

口蹄疫-アルジェリア(03) ウシ OIE 
Foot and mouth disease, Algeria,Follow-up report No. 2
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Algeria (03): bovine, st O, spread, OIE
Archive Number: 20180723.5921355
情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2018; 31(29)  2018年7月19日
感染開始時期 2018年6月20日
前回流行時期 2015年5月3日
原因ウイルス Foot and mouth disease virus
Serotype(s) O Date of last occurrence 03/05/2015
新たな感染流行 (9)
Outbreak 1: Ouaguenoun, Ouaguenoun, Ouaguenoun, Tizi Ouzou: Farm
Outbreak 2: Ighil Ali, Ighil Ali, Ighil Ali, Bejaia: Farm
Outbreak 3: Ain Roua, Ain Roua, Setif: Farm
Outbreak 4: Tindbar, Tindbar, Bejaia: Farm
Outbreak 5: Darguina, Darguina, Bejaia: Farm
Outbreak 6: Chlef, Chlef, Chlef, Chlef: Farm
Outbreak 7: Draa Esmar, Draa Esmar, Medea: Farm
Outbreak 8: Béni rached, Béni rached, Chlef: Farm
Outbreak 9: Ouled Gacem, Ouled Gacem, Oum El Bouaghi: Farm
Summary of outbreaks
Total outbreaks: 9
感染した種/個体数/感染数/死亡/廃棄/処分
ウシ Cattle / 133 / 113 / 1 / 32 / 87

梅毒-米国(07)
PRO/EDR> Syphilis - USA (07): (CA) rising incidence, men, women, congenital 
Archive Number: 20180723.5920692
情報源 KRCRtv 2018年7月20日
Shasta County の梅毒患者 syphilis cases 数が過去最多となっている。保健当局は,性的活動期にある男女に対し検査を勧めている。これまでほとんど報告されていなかったが,この数年間にかなりの梅毒の増加がみられている,と述べられている。2006年から 2012年までの間 Shasta County における患者は年間 0~3例だったが,2016年の患者 syphilis cases は 24例となり,2018年は 5月までに 62例と急増している ...

イヌジステンパー、野生動物-米国(08) アライグマ
PRO/AH/EDR> Canine distemper, wildlife - USA (03): (NY) raccoon, alert
Archive Number: 20180723.5922196
情報源 Mail Online 2018年7月22日
ニューヨーク市の公園 Central Park [New York City] で 6月24日以降 26頭のアライグマ raccoons が死亡しているのが見つかっており、イヌジステンパーウイルスに感染していた。ワクチンを接種していないイヌに感染する怖れがあると報じられている ...

鳥インフルエンザ(87)-デンマーク 野鳥 HPAI H5N6 OIE
Highly pathogenic influenza A viruses (infection with) (non-poultry including wild birds), Denmark、Recurrence of a listed disease
PRO/AH/EDR> Avian influenza (87): Denmark (East) wild bird, HPAI H5N6, OIE
Archive Number: 20180723.5922182
情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2018; 31(28) 2018年7月19日
感染開始時期 2018年7月8日
前回流行時期 2018年4月15日
原因ウイルス Highly pathogenic influenza A virus
Serotype: H5N6
新たな感染流行 (1)
Outbreak 1: Vejro, Lolland, East: Not applicable
種/個体数/症例数/死亡/廃棄/処分
カモ Common eider:_Somateria mollissima_(Anatidae)/ - / 1 / 1 / 0 / 0
Affected population: the island of Vejro, municipality of Lolland で死亡して発見

マラリア-新薬 Tafenoquine 
PRO> Malaria - new drug: Tafenoquine
Archive Number: 20180723.5922035
情報源 BBC News 2018年7月23日
米国で新たなマラリア治療薬が認可された。この薬剤は毎年 850万人が感染する 3日熱マラリア _Plasmodium vivax_ の再発型 the recurring form of malaria の治療に特化している。このタイプのマラリアは、長期間肝臓内で休眠し何度も再活動するため、根治が難しい。研究者らは tafenoquine を a "phenomenal achievement (驚異的な成果)" と表現している。世界各国の政府当局は、この薬剤を推奨すべきか注視している。再発型マラリアは、サブサハラアフリカ地域以外の地域における最も多いタイプのマラリアで、小児は特に感染リスクが高く、1度の刺咬で何度もマラリアを発症し、そのたびに学校を休み体力も消耗していく。さらに、再発時に蚊族を介して他者をマラリアに感染させることになるため、自覚しないまま寄生虫を保有することにもなり、世界中で根絶を難しくしている。今回、米・食品医薬品局 the Food and Drug Administration (FDA) in the United States は、肝臓内に潜む原虫を排除して再発を阻止する薬剤である tafenoquine に対する認可を与えた。Tafenoquine は、感染直後の治療薬とも併用可能である。肝臓内に潜むマラリアを排除する薬剤として、primaquine という薬剤がすでに存在していた。しかし、tafenoquine が単回投与であるのに対し、primaquine は多くの場合 14日間の使用が必要となる。専門家らの間では、数日間で症状が改善すると内服をやめてしまう患者が多く、再発につながるとされている。The FDA は米国内での使用を許可するが、副反応に留意するよう指摘している。たとえば、G6PD deficiency と呼ばれる酵素異常がある場合、重症の貧血が起きる可能性があるため使用すべきではない。当局は、服用前にこの酵素欠損の有無を検査するよう勧めているが、マラリアが蔓延する貧しい国々にとっては障害となるかもしれない。また高用量の服用は精神科疾患患者にとって問題となる可能性もある。これらの懸念はあるが、今回の薬剤を、蚊帳や他の感染予防策とともに使用することで、世界中から 3日熱マラリア患者が減少することにつながると期待されている ... 同薬剤を製造する GSK の責任者は ... パートナーである Medicines for Malaria Venture と協力し、Krintafel [trade name for tafenoquine] マラリア根絶に資すると信じている."と述べた。Tafenoquine は the 1970s からある薬剤ではあるが、GSK が肝内マラリア根絶薬としてあらたな転用 repurposed the drug を進めた。今後、マラリアが大きな問題となっている地域の当局に働きかけることになるだろう。
[ Mod. EP 注-Tafenoquine は an 8-aminoquinoline で、primaquine と同じクラスの薬剤であるが、長い半減期を有する。
1998年に初めてのヒトに対する研究として、熱帯熱マラリアの予防薬としての tafenoquine の研究が始まった (Prophylaxis of _Plasmodium falciparum_ infection in a human challenge model with WR 238605, a new 8-aminoquinoline antimalarial. Antimicrob Agents Chemother 1998;42:1293-4; Walsh DS et al. Randomized dose-ranging study of the safety and efficacy of WR 238605 [tafenoquine] in the prevention of relapse of _Plasmodium vivax_ malaria in Thailand. J Infect Dis 1999;180:1282-7)。ガボンにおいて、熱帯熱マラリア予防薬として mefloquine の効果と比較され、同等の有効性とわずかな副作用が認められた(A randomized, double-blind, placebo-controlled, dose-ranging trial of tafenoquine for weekly prophylaxis against _Plasmodium falciparum_. Clin Infect Dis 2003;36:541-9)。また毎月 1回の服用 monthly dosing により、95% を超える感染予防効果 a protective efficacy が示された (Walsh DS et al. Efficacy of monthly tafenoquine for prophylaxis of _Plasmodium vivax_ and multidrug-resistant _P. falciparum_ malaria. J Infect Dis 2004;190:1456-63).
しかし、2009年の研究 (Randomized, double-blind study of the safety, tolerability, and efficacy of tafenoquine versus mefloquine for malaria prophylaxis in nonimmune subjects. Antimicrob Agents Chemother 2010;54:792-8) で、対象者 tafenoquine subjects の 95% (69 of 74) に軽度の渦状角膜症 mild vortex keratopathy が認められたと報告されている。視力には全く影響せず、1年後にはすべて完全に回復していた。この後、tafenoquine の熱帯熱マラリアに対する長期の感染予防薬としての開発は中止されている。
最近の 1件の研究 (Tafenoquine plus chloroquine for the treatment and relapse prevention of _Plasmodium vivax_ malaria (DETECTIVE): a multicentre, double-blind, randomised, phase 2b dose-selection study. Lancet 2014;383:1049-58).で、三日熱マラリアの再発予防に対する有効性が示された。
背景となった発表 The background document for the FDA approval ]

住血吸虫症-ミャンマー
PRO/AH/EDR> Schistosomiasis - Myanmar
Archive Number: 20180723.5921911
情報源 Democratic Voice of Burma [in Myanmar] 2018年7月22日
Rakhine and Inn Lay area [Inle, Shan State ]において、500例を超える住血吸虫症患者 cases of schistosomiasis が報告され治療活動が開始されていると、保健当局 Deputy Director General (Natural Disaster) from the Department of Public Health が明らかにした。淡水に生息する巻き貝を保有宿主とし、ヒトや家畜に住血吸虫症を感染させる。"Rakhine では、Pawktaw Town の患者が最も多く、合計 8 townships, including Ponnagyun and Sittwe で感染が確認され、患者数は 302 cases に上る。Shwekyin of Bago Region でも患者が報告されている。Inn Lay area では約 200例が報告された。いずれも駆虫剤 antihelminthics で治療されている" と説明された。これらの薬剤は不足しており、the World Health Organization (WHO) からの供給を依頼している。"患者の大部分が 15歳未満。根絶まで何年もかかるだろう ..."
[ Mod.YMA 注-ミャンマー国内で初めての住血吸虫症患者が報告されたのは 2018年3月の about 59 cases in Sittwe Town of Rakhine State だった。疑い症例の検査により偶然検査が行われ、感染報告につながった。したがって、どの程度蔓延しているのかは未確定である(20180329.5717098 20180329.5717098)]
[ Mod.EP 注-ミャンマー南部 the Inlay Lake, Nyaung Shwe Township, Southern Shan State 周辺地域で行われた、住血吸虫 _Schistosoma_ spp. 抗体保有調査において、血清抗体 (IgG) 陽性率 the overall seroprevalence は 23.8% (95% CI: 18.8-28.8%) であった(Detection of _Schistosoma_ antibodies and exploration of associated factors among local residents around Inlay Lake, Southern Shan State, Myanmar. Infect Dis Poverty 2017;6:3)。同研究で "_Schistosoma_ infection was most probably present at some time in this location of Myanmar."と結論されている]

サルモネラ菌症-米国(02) 生シチメンチョウ肉製品
Outbreak of Multidrug-Resistant Salmonella Infections Linked to Raw Turkey Products
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, st Reading - USA (02): raw turkey products
Archive Number: 20180723.5920197
情報源 CDC, _Salmonella_ Homepage, Outbreaks 2018年7月19日
CDC は各州の保健当局と協力して、生のシチメンチョウ肉製品 raw turkey products が関係する、サルモネラ菌症アウトブレイク a multistate outbreak of _Salmonella [enterica_ serotype] Reading infections への対応に当たっている。食品安全当局 The U.S. Department of Agriculture's Food Safety Inspection Service (USDA-FSIS) も監視している ... 11日現在、26州の 90人の同菌 the outbreak strain of _S._ Reading 感染が報告されている(州別患者数、1~13人/州)。

Investigation of the Outbreak
患者聞き取り調査で 61人中 37人 (61 percent) が、挽肉を含む生のシチメンチョウ肉の調理または摂取を申告している。購入されたのは複数州の異なる商品である。2人は、飼育しているペットがシチメンチョウのペットフードを摂取した後に発病している。3人はシチメンチョウの飼育または処理施設に、本人または同居家族が勤務していた。ミネソタ州のシチメンチョウのペットフード、複数箇所のシチメンチョウ処理施設、生きたシチメンチョウなどのサンプルで同菌が確認されている ...