2022年1月9日

梅毒 カナダ アイルランド
COVID-19（09）オミクロン

●　梅毒　カナダ
PRO/EDR> Syphilis - Canada: (QB) increased incidence, women, congenital, RFI
Archive Number: 20220109.8700761
　情報源 Montreal Gazette 2022年1月7日
地域内で報告される患者数が増加していることを受け，モントリオール Montreal 公衆当局は現地の医師らに対し，梅毒 syphilis に注意し検査を実施するよう求めている。モントリオールにおいて，2020年に 1例，2021年に 3例の先天梅毒症例が報告されていると，7日の医師向けの広報で明らかにした。2020年以前の報告は，2016年であったとしている。Quebec City area においても，2020年～2021年の間に 8例の先天梅毒の症例が報告されたほか，Montreal の女性の梅毒感染が 2017年の 17例から 2019年に 45例に，同じく Quebec City area では 68例から 131例に増加した，と述べられている。

●　レプトスピラ症　フィリピン　洪水
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - Philippines (Bicol) flooding, fatal
Archive Number: 20220109.8700754
　情報源 Manila Times 2022年1月9日
Bicol 保健当局 The Department of Health (DoH) は COVID-19 に加えて，特に農業従者らに多い細菌や寄生虫の病気への対応に追われている。Tula-Tula Granda, Ligao City では，29歳の 2児の父親がレプトスピラ症 leptospirosis で命を落とした。2021年，136人の感染が報告され，少なくとも 13人の住民 Bicolanos がレプトスピラ症で死亡した。the 6 provinces of Bicol の中でも，Camarines Sur has the highest number of cases with 97, followed by Camarines Norte with 14; Sorsogon, 8; Albay, 7; Catanduanes, 5; and Masbate, 3. ... 

●　梅毒　アイルランド
PRO/EDR> Syphilis - Ireland: rising incidence, RFI
Archive Number: 20220109.8700752
　情報源 Outbreak News Today 2022年1月6日
アイルランド保健当局 Ireland's Health Protection Surveillance Centre (HPSC) は，12月25日までの 1週間に新たな梅毒患者 16 additional syphilis cases を報告した。すでに 2020年の年間報告数 600例を 30%以上うわ回っている。East area of Dublin, Kildare and Wicklow でも 630人の患者が報告されており，同じく 2020年の 474例から増加した。The HSE South area of Kerry and Cork では 2021年，the 2nd-most cases with 52 が確認されている

●　国際感染症学会誌
PRO/ALL> New in IJID (01): December 2021
Archive Number: 20220109.8700756
　情報源 IJID 2021年12月

●　パナマ病　コロンビア　バナナ　
PRO/PL> Panama disease TR4, banana - Colombia: (MA)
Archive Number: 20220109.8700686
　情報源 FreshPlaza 2021年12月24日
コロンビア農業研究所 The Colombian Agricultural Institute (ICA) and the Ministry of Agriculture and Rural Development で，Magdalena department の農場 1カ所の，1本のキャベンディッシュバナナの木で，the presence of _Fusarium_ Tropical Race 4, Foc R4T が確認された。同農園には 19万本以上のバナナが植えられている。

●　鳥インフルエンザ，ヒト　中国

PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (03): China (GD) H5N6
Archive Number: 20220109.8700750
　情報源 Outbreak News Today 2022年1月9日
2021年に 31例の鳥インフルエンザ感染例 human cases of avian influenza A(H5N6) が報告されたが，2022年初めての感染例が広東省 Guangdong Province で報告された。the Guangdong Provincial Health and Health Commission によると，恵州 Zhongkai District, Huizhou City の 43歳女性で，現在指定病院に入院し危険な状態である。

PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (02): China (GD) H9N2
Archive Number: 20220109.8700749
　情報源 Outbreak News Today 2022年1月7日
中国の鳥インフルエンザ感染例 an additional human infection with avian influenza A(H9N2) が WHO 西太平洋事務局 The World Health Organization (WHO) in the Western Pacific Region に報告された。広東省河源市 Heyuan City, Guangdong Province の 7歳男児で 11月28日に発症した。症状は軽く入院していない。生きた家きんとの接触があった。家族内に発症したものはいない。2021年，中国から 19 cases of avian influenza A(H9N2) が報告された。1998年以降，a total of 95 laboratory-confirmed cases of human infection with avian influenza A(H9N2) viruses が報告: from China (83), Egypt (4), Bangladesh (3), Cambodia (1), Oman (1), Pakistan (1), India (1), and Senegal (1). 
ほとんどが，小児の軽症例である。

●　COVID-19（09）オミクロン

PRO/AH/EDR> COVID-19 update (09): omicron symptoms, severity, children, post acute COVID, WHO
Archive Number: 20220109.8700748
[1] Symptoms: severity
　情報源 NPR 2022年1月6日
　What we know about the symptoms -- and the severity -- of the omicron variant
 ... Case Western Reserve University の研究者らは，米国内のオミクロン株が急増する中で ICU などに入院するリスクは，デルタ株流行時に比べておよそ 1/2 との暫定的証拠をつかんでいる。
"This is a pretty different surge" と，COVID-19 患者で普段より多忙であるが，多くは入院するほどの重症患者ではないという the Mount Sinai Health System の救急部門責任者は述べている ... 入院患者は 12万6千人以上となり，ICU ベッドの 4床に 1床以上を COVID-19 患者が占めている状態である。
　When you get sick with omicron, what are the symptoms? 
"最も多い症状は，鼻水，咽頭痛，鼻閉" であると，the associate director of the Center for Emerging Viral Threats at LSU Health Shreveport は述べている。"以前の変異株による感染に比べて咳症状はあっても軽く，発熱も少ない"
オミクロン患者では発熱や咳は一般的でなく，5大症状は鼻水，頭痛，倦怠感，くしゃみ，咽頭痛とする，英国のデータとも一致する。
omicron に感染すると発症までの期間はより短い。数件の研究で，潜伏期間はおよそ 3日間とされ，デルタは 4日間，当初の変異株は 5日以上だった。[Investigation of a SARS-CoV-2 B.1.1.529 (Omicron) Variant Cluster -- Nebraska, November-December 2021. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2021;70:1782-1784. doi:]
このほかの医師らが違いを感じている点: 嗅覚と味覚障害が少ない。高齢者であっても，息切れなどの下気道感染症状を訴える患者も少ない。
同時に，あくまでも事例報告ではあるが，デルタに比べオミクロンに多いとされ，注目すべき症状として，嘔気，寝汗，腰痛の 3つがある。　
　So if I do get omicron, what's my risk of getting very sick?
研究者らはデルタ株流行末期とオミクロン株流行初期の感染患者の違いを観察しており，Case Western Reserve University の研究チームのリーダーは，「大きな相違点があり，それを見れば面倒な統計手技を使う必要はない」と述べた。救急受診のリスクは，デルタ流行期の 15%から，オミクロン流行初期には 5%に低下（およそ 70%減少）し，入院リスクは 4% から 2% に低下したとしている。入院となった場合でも，ICU に入院したり人工呼吸器が装着されたりするリスクも，デルタ流行時に比べて 2021年12月末に大幅に低下していた。具体的には，ICU 入院リスクは　from 0.8% to 0.4% (or by 50%) ，人工呼吸器装着リスクは from 0.4% to 0.1% に減少している。これらオミクロンに見られるリスク低下は，南アと英国での観察結果に一致している。同研究チームは報告の中で，約 60% の患者がワクチンを接種していたと推定されており，リスクが低下した原因の一部はワクチン接種によるかもしれないが，全体でみればデルタに比べてオミクロンの入院リスクは低下している。ワクチン接種の対象ではない 5歳未満の小児や，ワクチン接種済みでも追加接種は受けていない 5-15歳も含め，すべての年齢層で同じようなリスク低下が認められていることから，ワクチン接種状況だけによるリスク低下ではない，オミクロン感染自体による重症化減少が示唆される，としている ... オミクロンであっても依然として 65歳以上の患者には 5%の入院リスクがある（当初のウイルスは 10%であった）。[出典]
　If you do end up at the hospital, how bad is it?
ER 受診や入院となっても，患者の多くは呼吸の問題や危険な酸素レベルの低下は見られていない。デルタの目安とされたこれらの症状は，オミクロンではほとんど明らかではない，と述べられている。重篤な肺の感染は多くなく，酸素吸入や気管内挿管が必要な患者も減っている。オミクロンが，デルタほど肺組織で増殖しないという実験室データにも矛盾しない。[参考]
Yale New Haven Hospital の入院患者の約 80%はワクチンを接種していなかった。ワクチン接種を済ませている患者も，ほとんどすべてが追加接種を受けていなかった。　
[2] Symptoms: 警告サイン warning signs
　情報源 Express 2022年1月4日
　COVID symptoms: Emergency warning sign signalling to 'seek medical care immediately'
英国でオミクロン株が優位となる中 ... COVID-19 により様々な症状が引き起こされ，その中には緊急の注意すべきサインが含まれる。
　Coronavirus in numbers: The latest statistics as of 4 Jan 2022
 ... オミクロン以前のよく知られた症状は，高熱，咳，味覚・嗅覚の変化だったが，これまで COVID-19 症状として知られていなかった症状として，新たに発生した混迷 new confusion があり，the "emergency warning signs" of COVID の 1つとされている。the ZOE COVID Symptom Study app アプリで多数の "Millions" of 使用者が報告した症状 one of the COVID symptoms に，new confusion or mental disruption（意識の混乱）がある。delirium（せん妄）とも呼ばれるこの症状には　2つのタイプ（hyperactive or hypoactive delirium）があり，いずれのタイプでも普段の行動に変化が現れる。 
　How to spot new confusion?
過活動型せん妄 Hyperactive delirium は，突然の性格変化と変異行動と説明される。興奮 agitation, 不安 distress or 攻撃性 aggression などがある。
活動低下型せん妄 Hypoactive delirium では，反応性の低下 withdrawn and less responsive，もうろう even drowsy となることもある。このタイプは発見がより難しい。
アプリでは，高齢者でより多く見られる症状で，65歳以上では約 20%に報告される（16-65歳では 15%）。このほかにも受診すべき様々な症状がある，と the NHS は伝えている。
[3] 小児: 入院　
Citing rise in hospitalized kids, CDC chief urges increased vaccination
　情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research and Policy) 2022年1月7日
CDC 責任者 the director of the Centers for Disease Control and Prevention であるWalensky 医師が 7日，米国はオミクロン株流行中も学校を開け続ける対策を有しているが，対象である児童のワクチン接種が十分とは言えない，と述べた。5歳以上のすべての小児に対し，安全で有効なワクチン接種が勧められている。ウイルスは常に曲玉を投げてくるので，ウイルスの変化に合わせて科学も変化している，と述べた。米国の 12-17歳は 50% を少し超えたが，5-11歳はわずか 15%しかワクチンを接種していない，と言う。青少年においては，ワクチン接種によって入院リスクを著しく減少させる。ワクチンを接種していない 12-17歳は，同年代の接種者に比べ 11倍入院リスクが高い，と説明する。パンデミック中のこれまで，小児の入院率がこれまでになく高率となっているが，この年代でより重症化しやすくなっているとの兆候は認められていない，としている。小児の入院患者増は単純に，主にオミクロン変異株 the omicron (B.1.1.529) variant による全国的な感染拡大が反映された一面にすぎない。重症化が少ないことが示唆されているが，米国内の COVID-19 による入院はパンデミックのピーク時に迫っている。The CDC が 6日，K-12 students [幼稚園年長児 K から高校生 12年生までの生徒] の COVID-19 陽性および接触者についての登校再開ガイドラインを，12月28日に他の市民に適応した 5日間 the 5-day window に合わせることとした，と明らかにした。the CDC からの開校の要求にもかかわらず，全米の一部の地域では今週，オンライン授業 virtual learning への変更が行われた
FDA shortens booster interval for Moderna
ファイザーワクチン既接種者 Pfizer-BioNTech vaccine recipients へのブースター接種までの期間短縮が推奨されたのに続き，医薬品食品局 the Food and Drug Administration (FDA) は 7日，モデルナワクチン既接種者 Moderna vaccine recipients も，初回接種完了から 6か月後ではなく，5か月後にブースター接種を受けることができる，と発表した。[] ... 
[4] イスラエル: post-acute COVID-19 symptoms
　情報源 MedRxiv 2022年1月6日
　原著 Association between vaccination status and reported incidence of post-acute COVID-19 symptoms in Israel: a cross-sectional study of patients infected between March 2020 and November 2021. MedRxiv 2022.01.05.22268800; doi:
　要約
（背景）Long COVID は SARS-CoV-2 infection 感染の急性期後，数週間から数ヶ月間にわたり症状が回復しないことを特徴とする症候群とされるが，症状に対するワクチン COVID-19 vaccines 接種の有効性について十分に理解されていない。自己申告の症状に対するワクチン接種の影響について調べた。
（方法）between March 2020-June 2021 に参加施設で PCR 検査陽性となった患者にオンラインで質問票を配布し，人口構成，急性期の詳しい症状，現在ある症状等について尋ねた。二項回帰 binomial regression を用いて，ワクチン接種者と非接種者の，感染急性期後の自己申告による症状の違いを比較した。
（結果）回答のあった感染後の 951人のうち，637人 (67%) がワクチンを接種していた。最も多く報告された症状は倦怠感 (22%), 頭痛 (20%), 体力低下 (13%), 長引く筋肉痛 persistent muscle pain (10%) だった。2回以上のワクチン接種を完了した患者は，それぞれの症状が，非接種者に報告が比べてそれぞれの症状が少ない（倦怠感 64%, 頭痛 54%, 体力低下 57%, and 筋肉痛 68%）傾向が認められた。
（結論）少なくとも 2回のワクチン接種により，感染急性期後の症状の報告が有意に低下した。ワクチン接種は，急性疾患だけでなく，long COVID に対しても予防効果を有する可能性があることが示された。
[Mod.LK－ long COVID following omicron の情報はほとんど与えられていない。おそらく，感染前のワクチン接種 prior vaccination の効果と考えられる]
[5] Healthcare system
　情報源 The Atlantic 2022年1月7日
ヘルスケアシステムが崩壊する system crumbles と，このようになる。良くないことの多くは目に見えない形で起きている。
まず，待ち時間が長くなり，救急室はいっぱいで何時間も待たされ，必要なときに処置が受けられないと，Rhode Island の救急医は述べている。診察の際，技師も試薬も不足し検査が受けられないかもしれない。そして，遅れは不在に変わる Then delay becomes absence。病院を，滞在に耐えられるような場所にする小さな思いやりは消え，生き残りをかける行為が必要とされるようになる。看護師らの気力は失せ，鎮痛薬が与えられたのか，人工呼吸器が正常に作動しているのか，のチェックもできなくなる。元気だった人々も調子が悪くなるだろう。ついには，生きられたはずの人が死ぬことになる。これは憶測ではない：全米で起きていることだ ... 
今回の急増において最も重要な相違がある。COVID の付加は相加的 additive である。ベッドの占有数だけが反映されるのではなく，病床管理上の決断や患者ランク付けの揺らぎにも左右される ... 
The Patients
米国内では以前の入院患者との違いがみられ，南アや英国の研究でも望ましい事項が多く示されている： omicron の重症度は delta よりも低く，受診の可能性も小さい。英国でみられる傾向もこれを支持しており，the Financial Times 紙で報じられているとおり，入院患者数は増加しているものの，人工呼吸器が必要な患者はほとんど増えていない ...
The Workers
パンデミック前から不足していた医療従事者は，過去 2年間にわたって減少しており，2021年11月に報告したとおり，医療現場を離職または辞職する医療従事者の流れは止まらず，その原因は道徳的な苦痛，燃え尽き，職場や患者からの冷遇，それらの複合である。残った医療従事者には，身近で話せる信頼のおける同僚や得られる専門知識が減り，仕事だけが増えていく。"これまで，最も重症の ICU 患者 1人については 2人の看護師が担当していたが，今は看護師 1人が 4人の患者を担当している" と an ICU nurse in Texas は話し，"患者に必要なことをすべて行うことは無理"と明かした。
The System ... 以下,原文参照願います。　
[6] WHO: daily new cases reported (as of 7 Jan 2022)
　情報源 WHO 2022年1月7日https://covid19.who.int/table
[7] Global update: Worldometer accessed 7 Jan 2022 18:09 EST (GMT-5)
　情報源 Worldometer 2022年1月7日
Total number of reported deaths: 5 497 048
Total number of worldwide cases: 303 781 056
Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 2 928 548
[A 7-day series of cumulative data reported by countries, territories]
関連項目　
COVID-19 update (08): co-infection, young adults, Pfizer, omicron, pandemic plan 20220107.8700716