COVID-19(52)4回目接種 long COVID 欧州 南アジア
● ポリオ ギニアビサウ
PRO/EDR> Poliomyelitis update (05): Guinea-Bissau, cVDPV, RFI
Archive Number: 20220218.8701539
情報源 Observer [in Portuguese] 2022年2月17日
2019年に根絶が宣言されたギニアビサウ Guinea-Bissau に,間違いなくポリオ polio が戻ってきた。保健当局者 The director-general of Guinean Public Health Promotion は17日,すでに小児 4人の感染を確認していると述べた。the Pasteur Institute of Dakar で行われた検査で確認された 4例は,ワクチン由来の症例で,過去にあった野生株によるものではない,と説明されている。近隣国である Guinea-Conakry, Gambia and Senegal などでも再び発生しているため,注意喚起を行う理由はないと述べている。3月にワクチン接種キャンペーンが開始される。
● COVID-19(52)4回目接種 long COVID 欧州 南アジア
PRO/AH/EDR> COVID-19 update (52): 4th dose, long COVID, Eurosurveillance, South Asia, WHO
Archive Number: 20220218.8701538
[1] 4th COVID vaccine dose
情報源 MedRxiv 2022年2月17日
原著タイトル 4th dose COVID mRNA vaccines' immunogenicity & efficacy against omicron VOC. medRxiv. 2022;
要約
BNT162b2 or mRNA1273 4th dose in an open-label, clinical intervention trial の免疫原性,有効性,安全性について
(方法)安全性と免疫原性を一次エンドポイントに,SARS-CoV-2 感染および発症予防への有効性を二次エンドポイントとし,3 BNT162b2 doses を完了した医療従事者で IgG 抗体レベルが ≤700 BAU を対象として,IgG and neutralizing titers, direct neutralization of live VOC(variant of concern)s, and T-cell activation を評価した。また1週間ごとに感染スクリーニングを行った。
(結果)1050人の医療従事者のうち,154 and 120 がそれぞれ BNT162b2 and mRNA1273 を接種し,426 age-matched controls を設定した。いずれのワクチン接種者においても,接種から 2週間以内に IgG and neutralizing titers は 9-10倍に増加し,live omicron VOC neutralization に 8倍の増加がみられた。Breakthrough infections は多く認められたが,ほとんどがきわめて軽症であった。ただし,高ウイルス量であった。感染に対する有効性は BNT162b2 and mRNA1273 でそれぞれ 30% と 11% であり,全身性の副反応は 80% と 40% に報告された。
(結論)The 4th COVID-19 mRNA dose により,抗体価 antibody titers は 3回目接種後のピーク値にまで高められたが,オミクロン株による軽症もしくは無症候性感染予防に対する有効性は低く,ブレイクスルー感染例からの感染の危険性があることから,すみやかな次世代ワクチンの開発が望まれる ...
[2] Long COVID:ワクチン接種の有効性
The effectiveness of vaccination against long COVID: a rapid evidence briefing
情報源 UK Health Security Agency 2022年2月17日
Key messages
- 2022年1月12日時点で,long COVID に対するワクチン接種の有効性を報告した 15 studies が確認されており:7 studies では感染前のワクチン接種による long COVID の症状の軽減もしくは発生の抑制について,7 studies では long COVID の患者に対するワクチン接種による long COVID 症状の軽減もしくは治癒効果について,1 study では双方について検討されている。
- 感染前のワクチン接種についての研究の 8件中 6件で,1ないし 2回のワクチン接種により,その後の感染後 4週間以内,12-20週間後,6か月後以降,のそれぞれの期間の long COVID 症状が軽減されることが示唆されている。対象が感染例のみであることから,感染そのものを抑制する効果は含まれていない。すなわち,long COVID に対するワクチン接種の効果の全体像は表していないが,より高く評価されるべきである。 ...
- long COVID の症例に対するワクチン接種の効果に関する研究では,4件中 3件で接種前後の症状を比較し,接種後すみやかにあるいは数週間かかって,より多くの症例での改善を報告している。しかしながらいずれの報告においても,一部の患者の接種後の症状悪化も報告されている。
- 3 studies において,初感染時にワクチン未接種であった long COVID の症例で,その後にワクチンを接種した群と,その後も接種しなかった群が比較されている。いずれの研究でも,long COVID の患者の中で,感染後にワクチンを接種しなかった群に比べ,ワクチン接種直後からその後長期間にわたって long COVID symptoms の報告が少なかった。COVID-19 の診断後のワクチン接種の時期を検討した 1件の研究では,ワクチンを接種しない群に比べて,特に診断後すぐに接種した患者では,long COVID の症状を訴える割合がかなり少なかった。
- long COVID の患者の接種前後の症状の変化を報告した 3 of the 5 studies において,症状の変化がないと報告した患者の割合が高かった(最大 70%)。
[3] Mental health
情報源 The New York Times 2022年2月16日
社会的隔離,経済的ストレス,愛するものの喪失,その他のパンデミック禍の葛藤が,不安や抑うつなどのメンタルヘルスの問題の増加の原因となっている。しかし,COVID-19 それ自体によるメンタルヘルス発生リスクはないだろうか。16日の the journal The BMJ の報告の中で,the Veterans Health Administration system のおよそ 15万4千人の COVID patients の記録の分析により,感染後 1年間について非感染者と比較を行った。COVID-19 による死者の脳の剖検所見を含め,COVID infection により脳内の炎症または微小血栓の形成が起こり,結果として大小の脳梗塞が発生する可能性が示唆された。一部の患者では,ウイルスに対する免疫反応が感染消失後もうまく終了せず,炎症の火種となりうる,と説明されている。炎症性マーカーは脳が多方面に機能することを妨げ,この中に気分や睡眠に重要なセロトニン形成が含まれる,と述べた。このような変化が精神医学的問題の原因になるかどうかは判らないが,脳が 100% 機能しないことで,ストレスへの対処が難しくなるかもしれないとしている。
[4] Eurosurveillance
情報源 Eurosurveillance 2022年2月17日
Rapid communication
Risk reduction of severe outcomes in vaccinated COVID-19 cases: an analysis of surveillance data from Estonia, Ireland, Luxembourg and Slovakia, January to November 2021. Euro Surveill. 2022; 27(7): pii=2200060;
Surveillance
COVID-19 mortality, excess mortality, deaths per million and infection fatality ratio, Belgium, 9 March 2020 to 28 June 2020. Euro Surveill. 2022; 27(7): pii=2002060;
Research
SARS-CoV-2 testing in patients with low COVID-19 suspicion at admission to a tertiary care hospital, Stockholm, Sweden, March to September 2020. Euro Surveill. 2022; 27(7): pii=2100079;
[5] Regional update: ProMED-SoAs
[A] バングラデシュ Bangladesh
情報源 The Daily Star 2022年2月17日
3539 new infections and 20 people died from COVID-19 [17 Feb 2022]
[The temporal distribution of cases and deaths attributed to COVID-19 in the country, from 17 Dec 2021 to 17 Feb 2022]
[B] インド India
情報源 The Times of India (TOI), Times News Network (TNN) 2022年2月17日
[17 Feb 2022] reported 30 757 new COVID-19 cases and 541 deaths in the last 24 hours
[C] ネパール Nepal
情報源 The Himalayan Times 2022年2月10日
[17 Feb 2022] as 364 people tested positive for the infection in the past 24 hours.
[D] パキスタン Pakistan
情報源 The Dawn 2022年2月15日
[14 Feb 2022] the country reported the lowest number of COVID-19 cases since 11 Jan 2022 and the national positivity rate remained at 5.62%.
[E] スリランカ Sri Lanka
情報源 The Daily Mirror 2022年2月18日
4回目接種の検討は時期尚早。
[6] WHO: daily new cases reported (as of 17 Feb 2022)
情報源 WHO 2022年2月17日
[Data by country, area, or territory for 17 Feb 2022]
[7] Global update: Worldometer accessed 17 Feb 2022 22:32 EST (GMT-5)
情報源 Worldometer 2022年2月17日
[A 7-day series of cumulative data reported by countries, territories, and reporting entities]
Total number of reported deaths: 5 881 656
Total number of worldwide cases: 420 292 788
Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 2 128 402
関連項目
COVID-19 update (51): life-years lost, vacc & myocarditis, mask relaxation, WHO 20220217.8701520
● レプトスピラ症 アルゼンチン
PRO/AH/EDR> Leptospirosis - Argentina: (SF) rat infestation
Archive Number: 20220218.8701535
情報源 UNO Santa Fe [in Spanish] 2022年2月17日
The communication from the UPCN [Unión del Personal Civil de la Nación, i.e., Union for Civil Servants/Public Workers in Argentina,公務員労働組合] によると,ネズミの糞だらけの職場環境が改善されない中,3人がレプトスピラ症 leptospirosis に感染した ... 2月第 1週に 2人が発症し,残りはこの数日間に発病した。3年以上建築中のまま放置された建物内で感染した。
● ポリオ マラウイ
PRO/EDR> Poliomyelitis update (04): cVDPV2 (Mozambique, Nigeria, Somalia), WPV1 Malawi
Archive Number: 20220218.8701529
[1] Global as of 16 Feb 2022 - GPEI/WHO cVDPV2 (AFP Mozambique, Nigeria, Somalia; ES Djibouti)
Poliovirus Weekly Update 16 Feb 2022, World Health Organization
情報源 Global Polio Eradication Initiative (GPEI)/WHO 2022年2月17日
New wild poliovirus isolates reported this week:
Acute flaccid paralysis (AFP) cases: 0
Environment: 0
Others: 0
New circulating vaccine-derived poliovirus (cVDPV) isolates reported this week:
AFP cases: 19
Environment: 20
Others: 14
Summary of new polioviruses this week:
- ジブチ Djibouti: 2 cVDPV2 positive environmental samples
- モザンビーク Mozambique: 2 cVDPV2 cases
- ナイジェリア Nigeria: 16 cVDPV2 cases and 18 positive environmental samples
- ソマリア Somalia: 1 cVDPV2 case
[2] マラウイ Malawi WPV1 ex Pakistan
[A] WHO/AFRO
Malawi declares polio outbreak
情報源 WHO/AFRO 2022年2月17日
首都リロングウェ Lilongwe の幼児の感染が確認され,マラウイ政府保健当局は,野生株 1型ポリオウイルス感染の発生 an outbreak of wild poliovirus type 1 を宣言した。アフリカで野生株ポリオウイルスの感染が確認されるのは,5年ぶり以上となる。アフリカ大陸ではすべての型の野生株ポリオウイルスが排除されたことを受け,2020年8月にポリオ清浄化が宣言 declared free of indigenous wild polio されていた。マラウイで確認されたウイルスの解析により,パキスタン Sindh Province in Pakistan で感染循環するウイルスと関連することが示されている。アフガニスタンとパキスタンは今も endemic の状態にある。パキスタンからの輸入感染例であるため,アフリカのポリオウイルス清浄地域の指定には影響しない ...
[B] Malawi ex Pakistan
情報源 Science 2022年2月17日
パキスタンからアフリカ大陸に飛び込んだウイルスにより,Malawi の 3歳女児が麻痺を発症し,同国では 1992年以来の野生株ポリオウイルス感染となった ... 2013年にはパキスタンからのウイルスが,シリアでアウトブレイクを発生させている ... ワクチン由来のポリオウイルスによるアウトブレイクの発生はあるものの,アフリカ大陸における野生株ウイルスの発生は,2016年のナイジェリア Borno state in Nigeria の症例が最後であり,2021 [2020?] 年8月にアフリカ大陸のポリオ清浄化が宣言された。ポリオウイルスの拡大は急速かつ目立たない-感染した小児の 200人に 1人しか麻痺を発症しない-ため,たとえ 1例でもウイルス感染が確認されればアウトブレイクと見なされる。ただし GPEI はこれまで,輸入感染 imported outbreaks に対してはただちにワクチン一斉接種キャンペーンによる沈静化を計るべく,感染が拡大する前の 6か月以内の伝播停止を目標にしてきた。リロングウェ在住のこの女児は,2021年11月19日に麻痺を発症した。the U.S. Centers for Disease Control and Prevention (CDC) and the regional reference lab in South Africa においてウイルスを解析し,2019年10月にパキスタン Sindh province in Pakistan で感染循環していた 1型ウイルス a relative of wild type 1 poliovirus に感染していたことが判った。その後も気づかれないままこのウイルスの感染が継続していたことを意味する。いつマラウイに到着し,どの程度感染が拡大しているのかについては判らない。マラウイのポリオ監視体制は,COVID-19 パンデミックにより衰えている。マラウイからは,モザンビーク,ザンビア,タンザニアへの頻繁な人の移動があることから,他国への感染拡大リスク,またワクチン接種の状況についても評価されている。マラウイは今 a "wild-polio-affected country" と考えられているが, 12か月以上のウイルス感染循環が起こらないかぎり,アフリカ大陸は free of wild poliovirus のままである ...
[C] Malawi ex Pakistan
情報源 ReliefWeb 2022年2月17日
the Global Polio Laboratory Network (GPLN) サーベイランスにより,Tsabango, Lilongwe, Malawi の,2021年11月1日発症の麻痺のある 3歳女児のポリオウイルス感染が確認された。2019年にパキスタンで確認された WPV1 と遺伝学的関連性が認められている。11月26,27日に採取された便検体の検査で確認された。
参考項目
Poliomyelitis update (03): WPV1 (AFP Afghanistan), cVDPV2 (AFP; ES Djibouti) 20220212.8701429
● クロノバクター症 サルモネラ菌症 米国 粉ミルク
FDA Warns Consumers Not to Use Certain Powdered Infant Formula Produced in Abbott Nutrition's Facility in Sturgis, Michigan
PRO/AH/EDR> Cronobacteriosis, Salmonellosis - USA: powdered formula, alert, recall, fatal
Archive Number: 20220218.8701527
情報源 FDA 2022年2月17日
the FDA は 17日,新生児のクロノバクタ-およびサルモネラ菌症 _Cronobacter sakazakii_ and _Salmonella [enterica_ serotype] Newport infections についての消費者からの苦情に対応していると発表した。すべての症例は,Abbott Nutrition's Sturgis, Michigan facility の乳児用粉ミルクを摂取していたと報告されている。
The FDA は,以下の条件を満たす乳児用粉ミルク Similac, Alimentum, or EleCare powdered infant formulas を消費しないようよびかけている:
- the first two digits of the code are 22 through 37; and
- the code on the container contains K8, SH or Z2; and
- the expiration date is 1 Apr 2022 (April 2022) or later.
3つの州の新生児 4人が発症し入院となり 1例については_Cronobacter_ が死亡の原因であった可能性がある。