2022年2月17日


● 腸チフス 南アフリカ
PRO/EDR> Typhoid fever - South Africa
Archive Number: 20220217.8701519
 情報源 Outbreak News Today 2022年2月16日
南アフリカ国立感染症研究所 The National Institute for Communicable Diseases in South Africa が,the Western Cape and North West において複数の腸チフスアウトブレイク multiple outbreaks of typhoid fever が発生したと報告した。現時点の報告は以下のとおり;64 cases of enteric fever in the Western Cape in 3 separate outbreaks, 18 in North West, 45 in Gauteng, 12 in Mpumalanga, 9 in KwaZulu-Natal, 7 in the Eastern Cape, 4 in the Free State and 4 in Limpopo南アフリカにおいて腸チフスの原因菌であるチフス菌 _Salmonella [enterica_ serotype] Typhi は endemic で,年平均 150 cases の発生がある。

● コレラ ナイジェリア
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update (07): Africa (Nigeria)
Archive Number: 20220217.8701498
 情報源 The Eagle Online 2022年2月17日
The Nigeria Centre for Disease Control は,2021年のコレラアウトブレイクの致死率が高率となった原因は報告の遅れである,としている。2021年111 062例の感染と 3604 death と,2020年を上回った。各州当局は,コレラが貧者の病気であると信じ,報告することで何らかの制限を受けるとして関わろうとしない,と述べられている ... 

● 鳥インフルエンザ,ヒト 中国
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (07): Asia (China) H5N6
Archive Number: 20220217.8701493
 情報源 Outbreak News Today 2022年2月15日
香港保健当局 The Hong Kong Centre for Health Protection (CHP) of the Department of Health は,本土の鳥インフルエンザ患者 human cases of avian influenza A(H5N6) 2名をモニターしている,と発表した。1例目は広西チワン族自治区 Baise City in Guangxi 在住の 50歳男性で,生きた家きんとの接触があった。1月12日に発症し,13日に入院治療を開始したが,現在危険な状態にある。2例目は江蘇省 Zhenjiang City in Jiangsu Province 在住の 35歳男性で,発症前に生きた家きんを扱う市場を訪れていた。1月15日に発症し,19日に治療のため入院となり,現在危険な状態となっている。2014年以降これまでに,67 human cases of avian influenza A(H5N6) が Mainland health authorities から報告されている ... 
関連項目 
Avian influenza, human (06): Asia (China) H9N2, H5N6 20220131.8701114

● COVID-19(51)余命短縮 ワクチン関連心筋炎

PRO/AH/EDR> COVID-19 update (51): life-years lost, vacc & myocarditis, mask relaxation, WHO
Archive Number: 20220217.8701520
[1] CIDRAP news scan
 [A] COVID-19 life-years lost 余命の短縮
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research and Policy) 2022年2月16日
parts of England and Wales における COVID-19 発生後 1年間の,超過の余命短縮 excess years of life lost (YLL) を比較した新たな研究において,貧困地区 economically deprived areas は裕福な地域 affluent regions の 3倍(の短縮)となり,英国の貧困地区の若年成人 young adults (15-44 years old) では,新型コロナウイルスによる死亡の可能性が 11倍になることが,PLOS Medicine の研究で示された。パンデミックの指標として超過死亡 excess deaths が用いられてきたが,the University of Manchester の研究者らは,超過余命短縮 excess YLL は,社会的に異なるグループにおいて人々が死亡した年齢の違いを表し,あるコミュニティがどれほど深刻な影響を受けているかのより正確な目安になる,としている。from 27 Dec 2014 until 25 Dec 2020 の期間に England and Wales で登録された 3 265 937 deaths の死亡統計を用いて,YLL に対するパンデミックの影響を検討した。London and northwestern England を含む最も貧しい地域では人口 10万人あたり平均 1645 YLL であったが,一方 916 YYL per 100 000 people in the most affluent parts であった。全死亡原因について,貧困地域では若年層の死亡が多かったが,85歳以上については,富裕地区と差がなかった ... 
 [B] ワクチンと心筋炎 COVID vaccines and myocarditis
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research and Policy) 2022年2月16日
心臓の画像診断において COVID-19 ワクチン関連心筋炎は,他の原因による心筋炎と同じであるが,異常所見は重症度が低く,その結果として機能障害も小さい less functional impairment ことが,15日の Radiology 誌掲載の論文で報告された。University of Toronto の研究者らが,from December 2019 to November 2021 に心臓 MRI cardiac magnetic resonance imaging 検査で,1つ以上の異常所見 one or more T1 and T2 abnormalities を指摘された 92人の成人患者の電子記録を後ろ向きに検討した。22% がワクチン接種から 14日以内に心筋炎と診断され,11% が COVID-19 感染後に心筋炎と診断された。66% は他の原因による心筋炎と診断された (non-COVID-19 infection in 31%, 自己免疫異常 13%, 薬剤性 10%, 高好酸球性血液異常  5%, and other/unknown in 41%)
ワクチン関連性心筋炎の患者では,81% に MRI で心筋傷害を意味する後期ガドリニウム増強 late gadolinium enhancement (LGE) が認められ,左室機能障害 left ventricular dysfunction は 29% で確認された。左室駆出率は高く higher left ventricular ejection fraction,年齢,性別,発症日で補正した LGE の範囲はより狭かった less extensive。中隔病変 Septal involvement の頻度も低かった。57% が the Moderna COVID-19 vaccine 接種後,43% が Pfizer 接種後であり,Most cases (81%) が the 2nd dose 接種後だった。平均年齢は 31歳で男性が 81% を占めた。14人のワクチン関連心筋炎患者が平均 3日間入院した。すべてのワクチン関連心筋炎患者の症状が平均 22日間で軽快し,合併症はなかった ... 
[2] Implications of mask relaxation on immunocompromised
 情報源 MSNBC 2022年2月16日
 ... 4 blue states (New Jersey, Connecticut, Oregon and Delaware) announced an end to indoor mask mandates, including in schools.  ... 原文参照願います。
[3] WHO: daily new cases reported (as of 16 Feb 2022)
 情報源 WHO 2022年2月16日
[Data by country, area, or territory for 16 Feb 2022]
[4] Global update: Worldometer accessed 16 Feb 2022 19:56 EST (GMT-5)
 情報源 Worldometer 2022年2月16日
[A 7-day series of cumulative data reported by countries, territories, and reporting entities ]
Total number of reported deaths: 5 869 003
Total number of worldwide cases: 418 163 037
Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 2 145 001

● ウシ流行熱 オーストラリア
PRO/AH/EDR> Bovine ephemeral fever - Australia (03): (NS) cattle
Archive Number: 20220217.8701511
 情報源 News of the Area 2022年2月15日
1月中旬 the Hunter Region において,ウシ流行熱 Bovine ephemeral fever (3-day sickness) の発生が確認された。near Maitland での確認以降,through the Lower Hunter in areas including Dungog, Stroud, Gloucester, Barrington, and up the Hunter Valleyn に感染が拡大した。ウシとバッファローのウイルス感染症で,発症数日前に,突然発熱,泌乳量の大きな減少や摂食量低下が認められる。

● ナシ フィトプラズマ イスラエル
PRO/PL> Pear decline phytoplasma - Israel: 1st rep
Archive Number: 20220217.8701510
 情報源 European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 01/2022/014 2022年1月
The NPPO of Israel は,国内でははじめてとなる '_Candidatus_ Phytoplasma pyri' (EPPO A2 List) を報告した。During 2020-2021,北部で果樹の症状 symptomatic trees of アーモンド almond (_Prunus dulcis_), モモ peach and ネクタリン nectarine (_Prunus persica_), ナシ pear (_Pyrus communis_) が確認された。葉の検査で,'_Ca._ Phytoplasma pyri', subgroup 16SrX-C, in commercial orchards of nectarine and pear in some areas と確認された ... 

● ヘンドラウイルス ウマ オーストラリア
PRO/AH/EDR> Hendra virus - Australia: (QL) horse, new variant
Archive Number: 20220217.8701509
 情報源 The Maravi Post 2022年2月15日
原著タイトル Novel Hendra virus variant detected by sentinel surveillance of horses in Australia. Emerg Infect Dis. 2022; 28(3);
クイーンズランドの 1頭のウマ a horse in Queensland から,通常の検査では確認できない,新型ヘンドラウイルス a novel Hendra virus (HeV) variant を分離・確認した ... 

● ダニ脳炎 ドイツ

Early start of tick activity in Munich, Germany
PRO/AH/EDR> Tick-borne encephalitis - Germany: (BY)
Archive Number: 20220217.8701508
 投稿者 Bundeswehr Institute of Microbiology ・ Drs. Lidia Chitimia-Dobler and
Gerhard Dobler 2022年2月16日
ミュンヘン市内公園において,ダニ活動性の異常な高まりが観察されている。この公園は 2021年に,多数のダニ a number of ticks of the species _Ixodes ricinus_ がダニ脳炎 tick-borne encephalitis (TBE) ウイルスを保有していることが確認され,ウイルス感染源 natural focus of TBE virus と認識されている。少なくとも 1名が感染し,発症した。2022年の第 1回目のダニ採集作業を 2月14日に行ったところ,36匹のダニ _I. ricinus_ ticks (15 nymphs, 10 females, 11 males) が捕獲された。1年中のこの時期にこれほど多数の生育段階が異なるダニ(が捕獲されるの)は異例で,以前なら(この時期の)夜間の気温は 0℃以下となっている時期であった。一方,年間を通じて例年どおりのダニが採取されている市外の感染源地域 a TBE natural focus において,同日午後にダニ採取を行った結果,採取されたのはわずか 3匹 _I. ricinus_ ticks (1 nymph, 2 females) に留まった。2022年,市内 in the inner city におけるダニの活動が著しく早期に開始し,一方,郊外の発生地域のダニの活動性非常に低調とみられる。すでに TBE ウイルス感染のリスクは存在しており,(ダニの)早期の活動開始により,感染伝播の期間が(例年に比べ)数週間長くなる。早期の活動開始は,基本的に市外に比べて市内の環境温度が高いことと,2022年が暖冬であることが関係しているのかもしれない。ダニが活動的となるのは the _I. ricinus_ activity in Germany は,例年3月中旬から 3月末以降である。
参考項目 2020
Tick-borne encephalitis - Germany (03): (BW, BY) 20200924.7808054

● COVID-19(50)香港 エストロゲンとリスク 母体へのワクチン接種

PRO/AH/EDR> COVID-19 update (50): Hong Kong, estrogen risk, maternal vaccine benefits, WHO
Archive Number: 20220217.8701501
[1] 香港 Hong Kong: surge in cases
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research and Policy) 2022年2月
香港の 1日あたりの感染者数が,14日はじめて 2000人を超えた。検査体制の整備が遅れる中,2071 cases, with about 4500 preliminary positives が報告され,15日から本土の企業が検査の迅速化のための臨時検査施設を稼働させると, the South China Morning Post が報じた。公立病院の隔離用ベッドの占床率90% に達し,さらに病院スタッフの感染により保健システムに負荷がかかっている ... 
ニュージーランドも 14日に 981人の感染を記録したが,Prime Minister は驚くべき数字ではなく 1日あたりの感染が 1000人から 5000人の範囲内であれば,phase 2 に留まる,と説明した。(Radio New Zealand) 
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 ... 原文参照願います。
[2] エストロゲン Estrogen and COVID risk
 情報源 CIDRAP  2022年2月15日
高年女性のエストロゲンレベルが,COVID-19 による死亡リスクに関係し,このホルモンレベルが高ければ感染の重症化を防ぐ効果がある可能性がある,と 14日の BMJ Open 掲載の研究で示された。観察対象となった COVID-19 に感染したスウェーデンの 50~80歳の閉経後の女性 14685人を 3つのグループに分けた: (1) 乳がんの内分泌治療中 (エストロゲンレベル減少 decreased estrogen levels), (2) ホルモン補充療法中 (エストロゲンレベル増加 increased estrogen), and (3) いずれの治療も受けていないコントロール群/227 women in group 1 (2%), 2535 in group 2 (17%), and 11 923 controls (81%)。対象となったすべての女性は,from 1 Feb 2020 to 14 Sep 2020 の期間中のいずれかの時期に COVID-19 感染と診断されていた。
COVID-19 感染後の死亡についての未調整オッズ比 the unadjusted odd ratios (ORs) for death following COVID-19 は,2.35 (95% confidence interval [CI], 1.51-3.65) for group 1 and 0.45 (95% CI, 0.34-0.6) for group 2 であったが,the adjusted OR for death について統計的有意差が認められたのは,group 2 [ホルモン補充療法], with an OR of 0.47, or a slightly more than 50% reduction [50% をやや上回る減少] だった。死亡の絶対リスクは,コントロール群の 4.6% に対して,エストロゲン減少群は 10.1%,エストロゲン増加群 2.1% という結果だった。過去の研究を顧みると,年齢は感染による死亡に大きく関係しており,1歳増えるごとにリスクが 15% 上昇するとされている。各持病による死亡リスク増加は 13% である。
"薬剤服用によるエストロゲンレベルが,閉経後女性の COVID-19 重症化抑制に影響する可能性がある。randomised control trials が望まれる"と結論づけられている。
[3] 母体のワクチン接種 Maternal vaccination: baby benefits
 情報源 CIDRAP 2022年2月15日
妊娠中にワクチンを接種することで,妊婦の入院と重症化を減らせることが知られているが,出産児についても生後 6か月まで防御効果が期待できるかもしれない。(https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7107e3.htm) 他の研究では,the omicron variant surge により,小児,特にワクチン接種対象ではない 4歳以下の入院 COVID-19 hospitalizations が急増していることが示されている。(https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7107e4.htm)
2021年7月から 2022年1月までの期間の,17州の 20カ所の小児病院の乳幼児の入院状況に対する,妊娠中のワクチン接種の影響を調べた。この研究には参加していない CDC 関係者,すでに臍帯血や胎盤内では(母体のワクチン接種による)SARS-CoV-2 antibodies 抗体の存在は確認されていたが,母親由来の抗体が出生児に防御効果を与えるかについては判っていなかったところ,"今回,生後 6か月までの乳児における実際の効果が示された" と述べた。2 doses of an mRNA vaccine ワクチンを接種された母親から生まれた児は,接種していない母親から生まれた児に比べ,COVID-19 による入院が 61% 抑えられる less likely than ことを明らかにした。期間中に入院となった 176人の乳児のうち,84% の児の母親はワクチンを接種していなかった。ICU 入院となった 43例の乳児のうち,88% の母親がワクチンを接種していなかった。1人が死亡し,ワクチンを接種していない母親の出産児だった。妊娠 20週までの早い時期にワクチンを接種した場合は 32% と,後期に接種した場合の 80% より効果が低下したが,信頼域が幅広く解釈は慎重にすべきとしている。CDC も,ワクチン接種の妊娠時期による評価を行うには対象の数字が小さすぎると述べ,接種勧奨に変更はなく,ワクチンを接種する妊婦は増えつつあるが十分ではないとしている。母親へのインフルエンザウイルスや百日咳などのワクチン接種が乳児を守ることが示されていたが,COVID-19 ワクチンがこれに加えられた ... 
[4] WHO: daily new cases reported (as of 15 Feb 2022)
 情報源 WHO 2022年2月15日
[Data by country, area, or territory for 15 Feb 2022]
[5] Global update: Worldometer accessed 15 Feb 2022 20:04 EST (GMT-5)
 情報源 Worldometer 2022年2月15日
Total number of reported deaths: 5 856 747
Total number of worldwide cases: 416 019 385
Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 2 041 781
[A 7-day series of cumulative data reported by countries, territories, and reporting entities ]
関連項目 
COVID-19 update (49): Eurosurv., transm.&screen., long COVID, mRNA omicron, WHO 20220216.8701479

● 口蹄疫 カンボジア ウシ
PRO/AH> Foot & mouth disease - Cambodia: (SR) cattle
Archive Number: 20220217.8701492
 情報源 Cambodia News Watch 2022年2月10日
Five districts in Svay Rieng province において,口蹄疫 foot-and-mouth disease (FMD) の発生が確認されている。動物衛生当局者 Department of Animal Health and Public Health director は: "We have vaccines for about 25% of the 3 million cattle in the country for FMD."と述べた ...