2022年2月9日


● ウシ結核 米国 乳牛
PRO/AH/EDR> Bovine tuberculosis - USA (02): (MI) dairy cattle
Archive Number: 20220209.8701373
 情報源 Feedstuffs 2022年2月8日
ミシガン州獣医学当局者 Michigan state veterinarian から,Oscoda County でのウシ結核の発生確認 the discovery of a bovine tuberculosis positive herd を受けて以下の発表があった。
 "Bovine TB was recently confirmed in an Oscoda County dairy herd, located in Michigan's Modified Accredited Zone. On 25 Jan 2022 the National Veterinary Services Laboratories confirmed the presence of the disease in one of the animals from this herd.

● 鳥インフルエンザ 米国 シチメンチョウ
PRO/AH/EDR> Avian influenza (39): Americas (USA) turkey, HPAI H5N1
Archive Number: 20220209.8701372
[1] 情報源 Reuters 2022年2月9日
米国農務省 The US Department of Agriculture は 9日,国内の商業的飼育施設としては 2020年以来となる,シチメンチョウの鳥インフルエンザ感染 an outbreak of highly pathogenic avian flu in an Indiana turkey flock について明らかにした。
[2] 情報源 APHIS (Animal and Plant Health Inspection Service) 2022年2月9日
米国農業当局 The United States Department of Agriculture's (USDA) Animal and Plant Health Inspection Service (APHIS) は,インディアナ州の商業的シチメンチョウ飼育施設 a commercial turkey flock in Dubois County, Indiana において,高病原性鳥インフルエンザ presence of highly pathogenic avian influenza (HPAI) を確認した。
This is the first confirmed case of HPAI in commercial poultry in the United States since 2020.
参考項目
Avian influenza (36): Americas (USA) wild bird, HPAI H5N1 20220208.8701339

● 狂犬病 カナダ イヌ,イランから

Rabies, Canada
PRO/AH/EDR> Rabies (04): Americas (Canada) ex Iran, dog, human exp, OIE
Archive Number: 20220209.8701369
 情報源 OIE-WAHIS (World Animal Health Information System) 2022 2022年2月9日
感染開始時期 11 Jan 2022
Reason for notification: recurrence of a listed disease
前回流行時期 [12 Jul 2021]
病原体 rabies virus,Serotype: RABV
新たな感染流行(1)
Outbreak location: Ontario, Toronto: Other
種/暴露数/個体数/感染/廃棄/と畜
Dogs / - / 1 / - / 1 / - 
Affected population:  28 Jun 2021 にイランから輸入。2022年1月11日に発症し,同26日に殺処分された。
Epidemiology
Source of the outbreaks(s): legal movement of animals 合法的な取引(移動)
Epidemiological comments: 遺伝学的解析により,イランおよびイラクで報告されている a canine rabies virus variant の感染と確認された。カナダ国内において,1960年代以降で 2例目のイヌの狂犬病感染 the 2nd case of dog-mediated rabies reported in Canada since the 1960s; 2例とも,この 7か月間にイランから輸入されたイヌで確認されている (date of last occurrence then 12 Jul 2021).

● キャサヌール森林病 インド
PRO/AH/EDR> Kyasanur Forest disease - India (02): (KL)
Archive Number: 20220209.8701366
 情報源 The Hindu 2022年2月9日
ケララ州 the Panavally area under the Appapara Family Health Centre (FHC) in Thirunelly grama panchayat in Wayanad district [Kerala state] から,キャサヌール森林病感染例 A case of Kyasanur Forest disease (KFD), also known as monkey fever が報告された。サルなどが持つダニを介してヒトに感染するウイルス性疾患である。患者は,近郊の森での採取業 collecting minor forest produces に従事する 24歳男性で,Mananthavady の the Government Medical College Hospital で治療を受けており,1月29日に入院後,状態は安定している。男性の検体は the Public Health Laboratory at Sulthan Bathery に送られ,a case of KFD と確定診断された ... 

● ウマ伝染性子宮炎 英国
Contagious equine metritis, United Kingdom
PRO/AH> Contagious equine metritis - UK: (England) horse, OIE
Archive Number: 20220209.8701362
 情報源 OIE-WAHIS (World Animal Health Information System) 2022 2022年2月7日
感染開始時期 24 Jan 2022
前回流行時期 5 Jul 2020
病原体 _Taylorella equigenitalis_
新たな感染流行(1)
Outbreak location 1: Cotswolds, Gloucestershire, England
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜
Equidae / 26 / 1 / 0 / 0 / 0 
Affected population: Equestrian stables with 26 horses in total.

● COVID-19(44)妊娠 母体の抗体

PRO/AH/EDR> COVID-19 update (44): pregnancy, maternal Ab, booster, WHO
Archive Number: 20220209.8701365
[1] 妊娠: 合併症 COVID complications
 情報源 CIDRAP (Center for Infectious Disease Research and Policy) News 2022年2月8日
COVID-19 感染の妊婦は,非感染妊婦に比べ,重症合併症や死亡が発生する確率が 40% 高いことが,JAMA 掲載の研究報告で示唆されている。この後ろ向きコホート研究 The retrospective cohort study では,from 1 Mar 2020 through 31 Dec 2020 に米国内の 17施設で分娩した 41 104人の女性の,2021年2月までの転帰について調べられた。2352人COVID-19 に感染し 11 752人が感染しなかった。COVID-19 検査陽性となった妊婦の 80.1% が妊娠第3期 the 3rd trimester に感染し,17.6% が第2期に,2.3% が 第1期に感染していた。103人 (4.4%) は出産後(平均 18日目)に初めて検査陽性となった。検査陽性となった妊産婦のうち,58人 (2.5%) は産後 2週間以上陽性が続いた。最重症 critical に分類されたのは 59 patients (2.5%),以下,重症 severe in 180 (7.7%), 中等症 moderate in 347 (14.8%), 軽症 mild in 728 (31.0%), 無症状 asymptomatic in 1038 (44.1%) だった。感染のなかった患者(妊婦)と比較して感染のあった妊婦は,妊娠高血圧産褥出血他の呼吸器感染などにより,死亡または重症化する割合が有意に高かった (13.4% vs 9.2%) 。妊産婦死亡はすべて COVID-positive women だった。
中等症から重症 COVID-19 の症例は,無症状および軽症例と比べ,帝王切開 (45.4% vs 32.4%), 集中治療室入院 (12.8% vs 1.2%) および死亡 (26.1% vs 9.2%) との関連性が高かった。無症候性および軽症例では,表層もしくは深部の術創部位感染,高血圧性妊娠異常のリスクがより高かった。(重症例に対して?)非感染妊婦に比べ多くみられたその他の合併症として,機械式人工呼吸,低血圧に対する血管収縮薬治療,心筋症,静脈血栓塞栓があった。ECMO extracorporeal membrane oxygenation が必要だったのはすべて感染妊婦だった。
新生児 14 471 newborns についても調べられており,2297人は感染妊婦から,12 017人は非感染妊婦から生まれた児だった。SARS-CoV-2 exposure は,妊娠 37週未満の流早産 (17.7% vs 14.1%) と新生児集中治療室  neonatal ICU 入院 (22.0% vs 17.8%) により高い関連性があった。COVID-19 感染妊婦の流早産のほとんどは,医学適応による早産か,自然の早期陣痛の結果ではないものだった (58.8%)。医学的適応による人工早産となった感染妊婦のうち,COVID-19 がその適応であったものは 8.3% だった。感染妊婦から生まれた生産児 1323人中,1.2% の新生児が,退院時までに検査陽性となった ... COVID-19 に感染した妊婦の一部は,経腟分娩を選択できないほど症状が重かった。子癇前症 preeclampsia のような状況では,胎児も経腟分娩に耐えることはできない。
 [2] 母体からの抗体 Maternal antibodies
 情報源 CIDRAP News 2022年2月8日
JAMA 掲載の,マサチューセッツ州の病院での小規模の研究において,妊娠中に COVID-19 に自然感染しワクチンを接種しなかった妊婦から生まれた児に比べ,(母親が)妊娠中にワクチン接種した後に生まれた児の抗体はより長期間持続することが示された。77人のワクチンを接種した妊婦と,妊娠中に症状のあった  symptomatic SARS-CoV-2 infection 妊婦について調査した:用いられたワクチンはすべて vaccination series with mRNA vaccines で,妊娠 20週から 32週までの接種が完了していた。接種した妊婦から生まれた児は,分娩時の臍帯血および生後 2,6か月の採血のいずれにおいても,かなり高値の免疫グロブリン抗体 significantly higher immunoglobulin G (IgG) antibodies が認められた。生後 2か月の時点で,ワクチン接種の妊婦から生まれた児の 98% (48/49) では IgG が確認でき detectable levels,6か月でも 57% of infants detectable antibodies を有していたが,一方,自然感染の妊婦から生まれた児で(IgG が確認できたのは)わずか just 8% であった。
[3] ブースター接種 Booster dose
 情報源 The New York Times 20222年2月9日
米国内には,ワクチンの 2回接種完了後の追加接種を受けていない人々が多数いる。喫緊の課題は追加接種を受けていない高齢者で,1月中旬の時点で,65歳以上の対象者の約 14% が受けられていない。より年齢層が若い世代でも,ワクチンによる免疫が低下し発病するものがある。The New England Journal of Medicine 掲載のイスラエルの最近の研究では,高齢者も 40-59歳の年代でも,2回のワクチン接種完了者よりも,追加接種を行った人々はより重症化や死亡が少ないことが示されている ... The Washington Post ... なぜ米国ではブースター(追加)接種が不十分なのだろう。答えは 2つあると思われ,いずれも米国の医療保険システムが関係している。1つは,米国の医療保険制度が,評判が悪いほど細分化されていること。台湾のように集約化された記録システムもなければ,カナダやスカンジナビアのような皆保険制度にもなっていないため,追加接種が必要なことが人々に伝わらない。保険システムへの定期的なアクセスも持っていない。2つめは米国内の他の COVID-19 対応にも関係することだが,専門家らが一般人口とのコミュニケーションに苦労していることにある。科学的な探求には重要かもしれないが,世界中が緊急事態にあるときには逆効果を生むような,ほんのわずかな不確実な部分を強調してしまっている。公衆衛生を阻害するほど慎重な態度を取っている。
[The Washington Post for an editorial]
[4] WHO: daily new cases reported (as of 8 Feb 2022)
 情報源 WHO 2022年2月8日
[Data by country, area, or territory]
[5] Global update: Worldometer accessed 8 Feb 2022 19:54 EST (GMT-5)
 情報源 Worldometer 2022年2月8日
[A 7-day series of cumulative totals reported by countries, territories, and reporting entities]
Total number of reported deaths: 5 781 987
Total number of worldwide cases: 400 533 286
Number of newly confirmed cases in the past 24 hours: 2 440 062

● COVID-19(43)動物 米国 シカ
PRO/AH/EDR> COVID-19 update (43): animal, USA, wild deer, omicron
Archive Number: 20220209.8701357
 情報源 Nation World News 2022年2月8日
Staten Island のシカ 1頭 A white-tailed deer が,オミクロン株ウイルス the highly transmissible omicron variant of the coronavirus に感染していることが確認された。野生動物で同変異株の感染が確認されたのは初めてのことである。white-tailed deer は新型コロナウイルスに感染しやすいとの数々の証拠に新たな知見が加わった。米国内の広い地域でヒトに近い場所で生息するシカが,ウイルスを保有し新たな感染源となることが懸念される。2020年後半にアイオワ Iowa 州で,2021年はじめにはオハイオ州 parts of Ohio において,シカの間で COVID-19 感染が拡大していると報告されていた ... 研究により,シカはヒトからウイルスに感染し,その後シカの間で感染が拡がったと考えられている。逆にこれまで,動物からヒトに感染したとの証拠は得られていない ... 

● 口蹄疫 イスラエル ウシ
PRO/AH> Foot & mouth disease - Israel: (HM,HZ) cattle, st O, OIE
Archive Number: 20220209.8701353
 ... 
4. Outbreaks (2)
a. Outbreak 1
Location: Maale Shomeron
1st administrative division: HaMerkaz
Started on: 1 Feb 2022
Epidemiological statistics:
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン
Cattle / 93 / 80 / 0 / 0 / 0 / 93
b. Outbreak 2
Location: Kefar Yehoshua
1st administrative division: HaZafon
Geographic coordinates: 32.680227,35.150894
Started on: 3 Feb 2022
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン
Cattle / 800 / 20 / 0 / 0 / 0 / 800