2022年3月27日

トリパノソーマ症 スペイン ラテンアメリカから
黄熱 ケニア

● トリパノソーマ症 スペイン ラテンアメリカから
PRO/AH/EDR> Trypanosomiasis - Spain: ex Latin America
Archive Number: 20220327.8702253
 情報源 ConSalud [in Spanish] 2022年3月26日
スペイン国内で 5万人以上が寄生虫感染症のシャーガス病 the parasitic Chagas disease [South American trypanosomiasis,南米トリパノソーマ症] に感染している live with と,バルセロナの研究機関 The Barcelona Institute for Global Health (ISGlobal) が中心となった調査で明らかになった。このうち 623人が小児であったと,25日発表された。医学誌 'Travel Medicine and Infectious Disease' で,中南米の 21カ国で endemic となっている寄生虫のトリパノソーマ _Trypanosoma cruzi の感染症についての解析結果が示された。主にベクターの昆虫 the vinchuca insect [?] の刺咬により感染する。しかし人々の移動に伴い,non-endemic areas でも 'まれ' ではなくなりつつあり common,そこでは主として母児感染による先天性シャーガス病 congenital Chagas となり,より少数例として輸血や臓器移植を介する感染が起きている。スペインは,南北アメリカ以外では最も疾病負荷が高い国で,"多数のラテンアメリカ移民 Latin American migrants" がその理由であるが,研究者らによると,イタリアやスイスなど他の欧州諸国でもシャーガス病が確認されている。スペインでは,260万人いる endemic countries からの移民のうち,5万5367人が感染しており,うち 54% が "very high" の蔓延状況にあるボリビア Bolivia からの移民と推定されている。さらに約 80万人以上の移民女性が生殖可能年齢であり,2018年の感染数は 2万3382人であったが,スペインにおいては未診断率が高く 70%程度と考えられている。
参考項目 2009
Trypanosomiasis - Spain ex Latin America 20090209.0592

● 黄熱 ケニア
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (04): Kenya (IS) WHO
Archive Number: 20220327.8702247
 情報源 WHO Disease Outbreak News 2022年3月25日
 厚労省検疫所 FORTH 
概要
2022年1月12日から 3月15日までの間に,Isiolo county, central Kenya から合計 53例の黄熱疑い例 suspected yellow fever cases が報告され,うち 6例が死亡している。検査された検体のうち,2件RT-PCR 検査で陽性となり,6件ELISA 法で検査陽性となったため probable yellow fever cases とされた。ケニアで最後に黄熱アウトブレイクが報告されたのは 2011年のことであった。 
Outbreak overview
... 47例が男性88.7%),平均年齢は約 28歳(3-78歳)。11 の地域 wards within Isiolo county で感染が確認: Chari (21; 39.6%), Cherab (14; 26.4%) and Garba Tulla (5; 9.4%) ... 行われた検査と結果の詳細,ケニアの黄熱ワクチン接種状況(接種キャンペーンは行われておらず,生後 9か月での定期接種に組み込まれているのは Isiolo と接していない北西部の 4郡のみ,対象人口の推定定期予防接種率は 7%) ... 
Epidemiology of yellow fever
黄熱は,流行傾向をもつワクチンによる予防可能な蚊族媒介性疾患で,感染のあるヤブカ aedes および haemagogus 属の蚊の刺咬により伝播される,アルボウイルスの1種 an arbovirus が原因となる。アフリカ 34カ国と南米 13カ国の 47カ国が,国内またはその一部の地域が endemic とされている。2021年9月以降アフリカ地域の 9カ国(カメルーン,チャド,中央アフリカ共和国,コートジボワール,コンゴ(民),ガーナ,ニジェール,ナイジェリア,コンゴ共和国)が,過去に感染伝播とアウトブレイク発生のあったハイリスクとされている地域でのヒトの確定感染例を報告した。これらのアウトブレイクが発生した地域は,西部および中央部アフリカの広大な地理的範囲に及んでいる ... この中には,過去に大規模な一斉接種キャンペーンを行ったが,継続的な定期接種による免疫の保持が欠落したり,ワクチン接種のない人の流入などでギャップが生まれている地域も含まれる。
Public health response
WHO risk assessment
WHO advice
関連項目 
Yellow fever - Africa (03): Kenya (IS) WHO 20220317.8702038