2022年7月25日

原因不明の肝炎(26)小児 英国 アデノ随伴ウイルス AAV2

● ランピースキン病 インド
PRO/AH/EDR> Lumpy skin disease - Asia (14): India (GJ) cattle, spread
Archive Number: 20220725.8704667
 情報源 Indian Express 2022年7月24日
グジャラート州内各地 14 out of the 33 districts of Gujarat のウシや水牛が,ウイルス感染症のランピースキン病 The Lumpy Skin Disease [LSD] に感染し,州内で約 1000頭の家畜が死亡したと,24日農業相 Agriculture Minister が明らかにした ... 

● 炭疽 カナダ バイソン,疑い
PRO/AH/EDR> Anthrax - Canada (02): (NT) bison, susp
Archive Number: 20220725.8704662
 情報源 Cabin Radio 2022年7月25日
自然公園内 inside Wood Buffalo National Park で発生中の炭疽 an outbreak of anthrax により,確認されている(5000頭が生息する)バイソンの死体 bison carcasses が 47体となっていると,公園管理当局 Parks Canada が 発表した ... 
 
● 原因不明の肝炎(26)小児 英国 アデノ随伴ウイルス AAV2
PRO/EDR> Hepatitis, undefined, global (26): children, UK, adeno-assoc virus 2 role 2021-22
Archive Number: 20220725.8704655
 情報源 The Daily Mail 2022年7月25日
COVID-19 それ自体は,小児の原因不明の肝炎アウトブレイク the mysterious hepatitis outbreak の原因ではないが,(COVID-19 の)パンデミックに対し行われたロックダウンにより,通常は無害であるはずのウイルスが,英国で 200人が罹患し 1ダースの患者の肝移植が必要となった異例の肝疾患の主な原因となったと,科学者らが指摘した。2件の独立する研究が,2型アデノ随伴ウイルス adeno-associated virus 2 (AAV2) が重要な役割を果たしているようだと,結論づけている。このウイルスは通常は病気を引き起こすことはなく,英国民のほとんどは 10歳までに感染する。AAV2 は(ヒトに)感染しても,ヘルバー病原体 a "helper" pathogen,たとえば単なるかぜ症状しか起こさないアデノウイルス  an adenovirus など,がなければ複製できない。免疫が弱まっていた子ども達の集団が(ロックダウンが解除され)プレパンデミックの混合状況に戻ったことにより,アデノウイルス感染が急増し,同時に肝炎クラスターが発生した,と専門家らは考えている。以上のことから,英国の研究者チーム a UK Health Security Agency-backed team of academics は,2種類のウイルスの二重感染 dual infection が,(原因不明の肝炎の)アウトブレイクの原因として最も可能性が高い,と説明している。これまで,COVID-19 そのものや,アデノウイルスの変異が原因とする説などが出されるなど,混乱が続いていた。
2件の研究対象全体で数十例の英国内の小児の中で,原因不明の肝炎を発症した小児の 96%高レベルの AAV2 に感染していたことが確認されている。対照的に健康な小児 healthy youngsters では,AAV2 検査で陽性となったのはわずか 4% で,かつ,かなり低いレベルだった。筆頭著者の医師は,ロックダウン COVID-19 lockdowns and restrictions により "much reduced circulation of seasonal viruses(季節性ウイルスの感染循環が著しく抑制された)"と述べている。子どもらの間でパンデミック以前の交流が再開し, An "equilibrium(「感染の」平衡状態 )" が再構築され,様々なタイプのウイルスの感染循環が起きたと説明されている。この原因不明の疾患の患者は主に 5歳未満で,初期症状は下痢,嘔吐,腹痛で,その後に黄疸を発症する。一部は 1から 11週間後に肝炎のため入院となり,このうち 40% が集中治療室に入院した ... 
The 1st study, led by the MRC-University of Glasgow Centre for Virus Research (CVR) は,Scotland の平均年齢 4歳の 9人の肝炎が認められた子どもについて検討。(患児らは)between 14 Mar 2022 and 4 Apr 2022 の期間に平均 10日間 under NHS care として入院した。肝移植を必要とした症例はなかった。血液,肝臓,便,咽頭から採取された検体の DNA 遺伝子を抽出し,結果について 58人の健康な小児と比較した。AAV2 は,肝炎の患者 9例すべて検出されたが,コントロール群で検出されたものはなかった。もう 1つの別の解析として肝炎の患者の遺伝子を調べたところ,一般人口では 16% の割合で認められる特異的なヒト白血球抗原遺伝子 a specific human leukocyte antigen gene [HLA] が,肝炎の小児では 89% に確認された。このことが,小児の重症化についての説明の一部となるかもしれない,と述べられている(遺伝子にエンコードされるウイルスレセプターを介する免疫性肝炎に関与するとの仮説)... 
The 2nd study, led by Great Ormond Street Hospital (GOSH) and the UK Health Security Agency は,英国内の肝炎の小児 28名について検討した。肝移植が必要となった 5例の肝組織と,移植を受けなかった残りの小児の血液検体を解析したところ,ほぼすべての小児が AAV2 検査で陽性だった。一方,患者グループ以外では,AAV2 は "only very rarely(ごくまれにしか)" 存在せず,健常児ではわずか 6% と述べられている。肝組織検体の遺伝子解析において,AAV2 は臓器全体で確認された spread within the organ
いずれの研究においても,肝炎の原因として過去の COVID-19 感染否定されている。肝炎の患者で COVID-19 抗体が確認されたのは 2/3 にとどまり,同時期のスコットランドの小児の蔓延状況と同等であり,肝組織内のどの部位にも(SARS-CoV-2)ウイルスは確認されなかった。ワクチンを接種していた小児はいなかった。
研究者らは,今も肝炎アウトブレイクが継続している理由については答えを見いだせていない。しかし,ロックダウン(解除)後の一般人口でのアデノウイルスの感染ピークが,(肝炎アウトブレイクに)関係している可能性があった "may have contributed." と述べている ... AAV2 itself が原因であるかもしれないし,あるいは,肝炎の背景となっている可能性のある直近のアデノウイルス感染の有用な指標 a "useful biomarker"として機能する可能性がある,と述べた ... 
[Mod.LL- Following is the 1st of the pre-print manuscripts mentioned. I was not able to locate the 2nd.
原著タイトル Adeno-associated virus 2 infection in children with non-A-E hepatitis. medRxiv. 2022; 
AAV2 was previously reported in the UKHSA Technical Briefing 2 on 6 May 2022  ... ]
関連項目 
Hepatitis, undefined, global (25): children, WHO, UK, USA, adenov susp, 2021-22 20220719.8704500

● 鳥インフルエンザ 米国 野鳥
PRO/AH/EDR> Avian influenza (153): Americas (USA) wild bird, HPAI H5N1
Archive Number: 20220725.8704657
[1] Massachusetts: swan
 情報源 NBC Boston 2022年6月29日
[2] California: goose and pelican
 情報源 Corning Observer 2022年7月23日

● ハンタウイルス パナマ
PRO/AH/EDR> Hantavirus - Americas (24): Panama
Archive Number: 20220725.8704654
 情報源 MENAFN 2022年7月24日
保健省 The Ministry of Health は,死者 1名を含む 17名のハンタウイルス感染例 confirmed cases of hantavirus について発表し,the province of Los Santos が最も多く患者を報告している the highest rate of confirmed cases (13) と明らかにした ... 
関連項目 
Hantavirus - Americas (22): Panama (LS) 20220713.8704399

● 黄熱 ケニア

PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (10): Kenya
Archive Number: 20220725.8704651
 情報源 KBC 2022年7月24日
政府当局が Isiolo County as well as parts of the neighboring Garissa County において,10日間の黄熱ワクチン接種キャンペーン a 10-day mass vaccination campaign against yellow fever disease を開始した。2022年3月に in parts of Isiolo でアウトブレイクが発生し,これまでに 71人の感染と 7人死亡が報告されている。the mass vaccination drive は生後 9か月から 60歳を対象に実施される。Acting Director General for Health 当局者は,すべての地区 all the 3 sub counties of Isiolo が黄熱感染を報告し,Merti and Garbatulla の状況が最も深刻であると述べた ... 
[Mod.TY Isiolo county において,少数例ではあるが黄熱ウイルス感染伝播継続している。2022年1月12日から3月15日までの期間について,合計 53例 suspected yellow fever cases, including 6 deaths が報告されていたが,現在 71, with 7 deaths と報告されている。周辺地域を含めた緊急ワクチン接種キャンペーンが開始された ... ]
関連項目 
Yellow fever - Africa (07): Kenya (IS) 20220410.8702523

● キャッサバの病気 ザンビア
PRO/PL> Brown streak, cassava - Zambia: alert
Archive Number: 20220725.8704650
 情報源 QFM Radio 2022年7月20日
感受性のある品種 susceptible varieties において 100% の損害が発生する可能性があるとして,cassava brown streak disease への懸念を農業省 The Zambian Ministry of Agriculture が表明した。南部アフリカのキャッサバ生産の大きな問題の 1つ a major constraint と説明されている ... 

● サル痘(38)各国発生状況

PRO/AH/EDR> Monkeypox update (38)
Archive Number: 20220725.8704644
[1] ラテンアメリカ Cases in Latin America
 情報源 CNN en Español [in Spanish] 2022年7月23日
The WHO reports more than 16 500 monkeypox cases in 74 countries of the world. 
In Latin America, there have been cases reported in at least 10 countries as well as cases in the USA and Canada.
Here are the monkeypox cases reported in Latin America:
 ブラジル Brazil: 592,ペルー Peru: 143,メキシコ México: 52,チリ Chile: 20,アルゼンチン Argentina: 18,コロンビア Colombia: 10,エクアドル Ecuador: 2,コスタリカ Costa Rica: 1,パナマ Panamá: 1,ベネズエラ Venezuela: 1
[2] 米国 USA, California, 下水 sewage
 情報源 MIT Technology Review 2022年7月23日
2022年6月,下水中のコロナウイルスを監視するネットワーク Stanford's Sewer Coronavirus Alert Network, or SCAN は,連日行われる下水中監視対象サル痘 monkeypox も加えると明らかにした。その後,SCAN が検査を行った下水システムのうち,11カ所中 10カ所でサル痘(ウイルス)が検出され,この中にはカリフォルニア州内の複数都市 Sacramento, Palo Alto, and several other cities in California's Bay Area も含まれていた ... 原文参照願います。
[3] 英国 United Kingdom, Scotland
 情報源 BBC 2022年7月24日
公衆衛生の専門家は,スコットランド Scotland 住民のサル痘ウイルス感染のリスクは低いと述べている。(イングランドとの)国境の北側でこれまでに少数例しか確認されていない上,軽症の疾患であり,ワクチンも存在すると説明されている。5月23日以降にスコットランドで確認された確定診断例は 54例である ... 
[4] カンボジア Cambodia ex タイ Thailand
 情報源 Channel News Asia 2022年7月24日
タイ初のサル痘症例と確認された後逃亡していたナイジェリア人男性が,23日プノンペン Phnom Penh で発見され入院となったと,カンボジア保健省が明らかにした。タイでのビザがオーバーステイとなっていたこの 27歳の旅行者は,18日にプーケット the resort city of Phuket でサル痘と診断されていた。滞在中の接触者 142人のウイルス検査が行われており,女性 1名と unprotected sex を行っていた... 
関連項目 
Monkeypox update (37) 20220724.8704627