2023年1月16日

ブルセラ症 仏領ギアナ 新種

● ブルセラ症 仏領ギアナ 新種
Novel species of brucella causing human brucellosis, French Guiana
PRO/AH/EDR> Brucellosis - French Guiana: novel species
Archive Number: 20230116.8707811
 情報源 Emerg Infect Dis 2023 1月14日
原著タイトル Novel species of brucella causing human brucellosis, French Guiana. Emerg Infect Dis. 2023; 29, 2.Feb [date cited]. 
要約
 ... 南米の北東部沿岸にある仏・海外領の仏領ギアナの町  distinct towns of French Guiana において入院となった,2例の男性ブルセラ症患者 cases of brucellosis in male patients について報告する。両者ともアマゾンの熱帯雨林の金鉱山の違法労働者 clandestine gold miners として働くブラジル人 citizens of Brazil だった。分離された 2株の菌の特徴 Characterization of the 2 bacterial isolates から,新種のブルセラ菌である可能性 a potentially new species of _Brucella_ が示された。この地域の野生動物との接触に関係する(症例を取り扱う)医療従事者は,この病原体の存在とヒトの感染について知っておくべきである ... 
Introduction
ヒトのブルセラ症は,非特異的な臨床症状の亜急性もしくは慢性疾患である。インフルエンザ様症候群を呈し,農業国を中心に多くの途上国で endemic の状態にあり,殺菌処理されていない乳製品の摂取に起因することが多い。感染動物との直接の接触によっても感染し,先行する野生動物との接触のある患者が報告されている。 
ブルセラ症の起因菌はグラム陰性通性細胞内細菌のブルセラ菌属 Gram negative, facultative intracellular bacteria of the _Brucella_ genus で,臓器および軟部組織に感染する。40年間に発見されたのは 6種のみで,家畜およびヒトでもっとも多く見られるのは 3種: _B. melitensis_ (goats ヤギ), _B. abortus_ (cows ウシ), and _B. suis_ (swine ブタ, reindeerトナカイ, and hares ウサギ) であった。しかしこの 10年間に,ブルセラ菌属とその動物宿主の種類は急速に拡大し,ほ乳類から両生類や魚類にまで感染の範囲が拡がった。最近記述されたものとして,_Brucella_ species include _B. ceti_ (cetaceans クジラ), _B. pinnipedialis_ (pinnipeds アシカ), _B. inopinata_ (humans ヒト), _B. microti_ (voles ハタネズミ), _B. papionis_ (baboons ヒヒ), and _B. vulpis_ (foxes キツネ) があり,一部の菌が,げっ歯類,カエル,爬虫類,魚類,コウモリから分離された。
ブルセラ菌属の遺伝学上の分類
classical species --_B. melitensis_, _B. abortus_, _B. suis_, _B. canis_ (dog), _B. ovis_ (sheep), _B. neotomae_ (desert rats), _B. ceti_, _B. pinnipedialis_, _B. papionis_, and _B. microti_--and so-called atypical species ... 
仏領ギアナは,国土の大部分(95%)がアマゾン熱帯雨林 the Amazon rainforest に被われている。最近,家畜のブタから感染したとみられる,ヒトの _B. suis_ bv1 感染例が報告された。
We report 2 cases of human brucellosis in 2 patients hospitalized in distinct towns in French Guiana. 
Genome analysis revealed that 2 bacterial isolates represent a potentially new species of _Brucella_.

● 口蹄疫 ヨルダン,イラク
ヨルダン
PRO/AH> Foot & mouth disease - Jordan (03): livestock, st O, genotyped, control, RFI
Archive Number: 20230116.8707809
 情報源 Nabd News [in Arabic] 2023年1月14日
ヨルダン Jordan のヒツジとウシの飼育業者らは,2022年末に農業省 the Ministry of Agriculture が開始した,初めての全国的な口蹄疫 foot and mouth disease [FMD] ワクチン接種の成功を認めている。適切な対応を行わなかった少数の業者らで,わずかな感染が記録されるに留まる効果をもたらせたとしている ... 

イラク
PRO/AH> Foot & mouth disease - Iraq: (NI) livestock, spread, RFI
Archive Number: 20230116.8707801
 情報源 IQ News Agency [in Arabic] 2023年1月14日
Nineveh の獣医学医療施設 The veterinary hospital の責任者が 14日,地域内で口蹄疫 "foot and mouth" disease [FMD] がウシやバッファローからヒトに感染することはないと明確に説明した ... 

● エキノコッカス症,ムース ノルウェー
PRO/AH/EDR> Echinococcus canadensis - Norway: (IL) moose, 1st rep
Archive Number: 20230116.8707808
 情報源 Mattilsynet (Norwegian Food Safety Authority) [in Norwegian] 2023年1月9日
the Innlandet [county] で死亡して発見された 1頭のムース a moose の,寄生虫エキノコッカス The parasite echinococcosis (_Echinococcus canadensis_ G10) の感染が確認された。捕獲動物処理施設 at a game slaughterhouse で検体が採取され,問題のエルク elk は廃棄処分された。ノルウェー Norway のムースでこの寄生虫が確認されたのは今回が初めて。この成獣のムースは処理の際に,肺内の液体が充満する複数の水疱以外に異常は認められなかったが,通常の手続きとして the Norwegian Food Safety Authority に検体が提出され,最終的に _Echinococcus canadensis_ G10 (a parasite within the _E. granulosus_ sensu lato group) であることが確認された。エキノコッカス属には複数の異なる種があり,最もよく知られているのは the fox's dwarf ringworm (_E. multilocularis_) であるが,今回国内のムースで発見されたものとは別の寄生虫である ...