2023年6月8日-9日

マールブルグ病 赤道ギニア WHO
炭疽 ベトナム(ハエや蚊による皮膚炭疽感染)
◎ ボツリヌス症 欧州、トルコから ECDC
マレーバレー脳炎 オーストラリア

● 髄膜炎菌性髄膜炎 オーストラリア
PRO/EDR> Meningitis, meningococcal - Australia (04): (SA) sg B, RFI
Archive Number: 20230609.8710489
 情報源 The National Tribune 2023年6月7日
metropolitan Adelaide の53歳男性の侵襲性髄膜炎菌性疾患例 A case of invasive meningococcal disease が確認され、現在危険な状態となって入院中である。原因菌は serotype B と特定されている。保健当局 SA [South Australia] Health により、この患者との接触者が複数確認されており、うち2名が抗生物質治療 clearance antibiotics を指示された。
2023年、South Australia 州では9例の感染 cases of invasive meningococcal disease が報告されているが、2022年同時期には5 cases であった。
2023年の9例中8例が serogroup B で、1例が serogroup W による感染例である。
2022年の累計患者数は14例で、12 were serogroup B, 1 case was serogroup Y, and 1 case was not serogroupable であった。
South Australia under national and state funded programs 予防接種プログラムにより the meningococcal B vaccine はinfants at 6 weeks, 4 months, and 12 months and in adolescents in year 10に無料で提供されている。
The ACWY vaccine is available for infants at 12 months and in adolescents in year 10.
関連項目
Meningitis, meningococcal - Australia (03): (VI) grammar school staff 20230606.8710449

● マールブルグ病 赤道ギニア WHO
PRO/AH/EDR> Marburg virus disease - Equatorial Guinea (11): outbreak ended, WHO
Archive Number: 20230608.8710487
 情報源 WHO Africa 2023年6月8日
赤道ギニアにおけるマールブルグ病アウトブレイク The outbreak of Marburg Virus Disease in Equatorial Guinea は、最後の患者が治療を終え退院してから42日間感染が報告されなかったことをもって、本日 [8日] 終息した。2023年2月13日に宣言された今回のアウトブレイクは同国にとって初めてのものである。合計17例 laboratory-confirmed cases と12 deaths が記録された。All the 23 probable cases死亡した。感染後回復した患者は4人で、心理学等の回復後支援プログラムを受けている。Five districts in 4 of Equatorial Guinea's 8 provinces で発生があり、もっとも深刻な被害のあった Bata district in the western Litoral province では11例 laboratory-confirmed cases が報告された。報告された症例のうちの多数が、社会的な集会やネットワーク上の、もしくは地域的に密接な関連が認められた ... 
関連項目
Marburg virus disease - Equatorial Guinea (10): (KN,WE) resolved 20230519.8710134

● 炭疽 カザフスタン、ロシア、ベトナム
カザフスタン
PRO/AH/EDR> Anthrax - Kazakhstan: (ZM) livestock suspected, human confirmed
Archive Number: 20230608.8710486
Four laboratory-confirmed cases of anthrax detected in the Zhambyl region
 情報源 Kazinform [in Russian]
住民ら residents of Tamdy, Talas and Koltogan Zhualyn districts of Zhambyl region の間で炭疽感染の患者 Cases of anthrax infection が確認されていると報じられた。当局 the Committee for Sanitary and Epidemiological Control of the Ministry of Health of the Republic of Kazakhstan によると、3例についての聞き取りで病気の家畜との接触が示唆され、獣医学的診察を受けずに家畜を世話し、牛肉の摂取が感染の要因とされている。
これより前に、the detection of anthrax in cattle in the Kostryakovsky rural district of the Fedorovsky district of the Kostanay region を受けて検疫措置が実施されていた。
参考項目 2022
Anthrax - Kazakhstan (05): (QS) cattle, WOAH 20220929.8705866

ロシア
PRO/AH/EDR> Anthrax - Russia (08): (TB) livestock quarantine initiated
Archive Number: 20230608.8710483
Center of anthrax [infection] of animals identified in the Tambov region
 情報源 OnlineTambov.ru [in Russian] 6月8日
6月7日、村内の動物の炭疽感染による検疫実施 the establishment of quarantine for anthrax [infection] of animals in the village of Shacha Molokanskaya in the Bondarsky district (municipal district) について地域当局者 the head of the Tambov region が署名した。文書によれば、1か所の農場 a pasture located at a distance of 3 km [1.86 mi] from house No. 52 along Shkolnaya Street が、家畜の炭疽感染流行発生地 an epizootic focus [epicenter] for anthrax [infection] of animals であったと宣言された。
[Mod.MHJ- 最近アウトブレイクが発生していたのか、今後の発生の可能性に対する予防的決定なのか、判断が難しい。The last outbreak in this region was posted in 2006, listed below in the see also section.]
参考項目 2006
Anthrax, human, bovine - Russia (Tambovskaya) (02) 20060830.2472

ベトナム
PRO/AH/EDR> Anthrax - Viet Nam (03): (DB) human without known contacts, conf
Archive Number: 20230608.8710470
[1] 情報源 VN Express 2023年6月6日
北部国境の農村地域 The remote northern border province of Dien Bien において、謎の多い炭疽アウトブレイク mysterious anthrax outbreaks により6月だけで14例の患者が確認され、新たな患者の感染源が不明であるため問題となっている。最新の患者は Tuan Giao District の2歳女児で、発熱で発症後、皮膚に水疱や潰瘍が現れると同時に嘔吐が始まった。はじめは知人による薬草治療を受けたが効果がなく、地域医療センター the Tua Chua District medical center, 次いで総合病院 Dien Bien General Hospital を受診し、肺炎および炭疽と診断された。The Dien Bien Center for Disease Control (CDC) は6日、女児の状態は改善しつつあり、厳重に管理されているとしている。当局は女児の感染源を確認できていない。家族はバッファローやウシの肉は摂取しておらず、摂取したのは豚肉と野菜のみと報告している。炭疽患者との接触もなかった。6月の Dien Bien において14例目の感染例となっている。
これ以前に地方当局 the provincial Department of Health は3件の炭疽アウトブレイク anthrax outbreaks in the province を報告し、合計13人が感染している。患者はすべて、バッファローまたはウシのと畜や肉の摂取を行っていた。皮膚の水疱、潰瘍、頭痛、胃痛、下痢、呼吸困難などの症状がみられたが、これまでのところ死亡は確認されていない。感染した患者の接触者132人について当局が健康監視を続けている。
[2] 投稿者 印・(Retired) Professor, Departments of Clinical Microbiology and Virology, Christian Medical College, VelloreT Jacob John 6月6日
炭疽感染のある地域 anthrax-prone regions では時々、ハエや蚊 horse fly, stable fly, even mosquitoes of _Aedes_ species などが、機械的ベクター 'mechanical vectors' となって感染が伝播されることがある。炭疽感染のある動物は非常に高用量の菌血症 very high bacteraemic loads となっており、吸血昆虫が血液を吸った際に炭疽菌も摂取する。このような昆虫類が(感染動物の吸血後)すぐにヒトを刺咬すると炭疽菌が注入され、皮膚炭疽を発症させる可能性がある。
参考文献 Mechanical transmission of _Bacillus anthracis_ by stable flies (_Stomoxys calcitrans_) and mosquitos (_Aedes aegypti_ and _Aedes taeniorhynchus_). Infect Immun. 1987; 55(8): 1859-1861; doi: 10.1128/iai.55.8.1859-1861.1987.
アジアやアフリカのある村で、皮膚の潰瘍、硬結、浮腫、痛み、発熱などの症状のあと死亡した1例があって、ほかに患者がない場合、正確に皮膚炭疽と診断される可能性はほぼ0といってよい。もし血液培養が行われていれば診断につながるかもしれない。皮膚病変のスメア smear examination が行われたかどうかの情報はない。
自身は、健康な動物にも病気の動物にも一切接触がなかったヴェジタリアンの女性の、弧発例の皮膚炭疽を診察したことがあり、女性は1日前のハエ a fly (horsefly, most likely) による刺咬を記憶していた。血液培養で炭疽菌が陽性となった。
[Mod.MHJ- Professor John raises a very fair point for an alternative hypothesis for the source of this 2-year-old child's cutaneous lesion]
関連項目
Anthrax - Viet Nam (02): (DB) human without known contacts, susp 20230606.8710431

◎ ボツリヌス症 欧州、トルコから

PRO/EDR> Botulism - Europe (04): ex Türkiye, iatrogenic, ECDC
Archive Number: 20230608.8710481
 情報源 Eurosurveillance 2023年6月7日
原著タイトル A large travel-associated outbreak of iatrogenic botulism in 4 European countries following intragastric botulinum neurotoxin injections for weight reduction, Türkiye, February to March 2023. Euro Surveill. 2023;28(23):pii=2300203.
Background
ボツリヌス症 Botulism とは、一部のクロストリジウム菌 [certain] _Clostridium_ species により産生されるボツリヌス神経トキシン the botulinum neurotoxins (BoNTs) による弛緩性下行性麻痺 a flaccid descending paralysis をいう。
Between 2012 and 2021 の期間に欧州圏内 in European Union (EU) countries において、年平均94例のヒトボツリヌス症例 cases of human botulism が報告された。
The neurotoxins は8種類 serotypes, A to H に分類されている; botulism in humans の原因としては serotypes A, B, E, and F が多く報告されている。Serotypes は a number of subtypes or mosaic forms (たとえば A1 to A8) の形をとり、アミノ酸レベルでは最大36% の相違がある。
Each serotype はシナプスタンパクの異なるアミノ酸結合を開裂 cleave a distinct amino acid bond in the synaptic proteins synaptosomal-associated protein, 25kDa (SNAP-25), vesicle-associated membrane protein (VAMP), and/or syntaxin, essential components of the soluble N-ethylmaleimide-sensitive fusion protein (NSF) attachment receptor (SNARE) complex することで、the formation of the SNARE complex を阻害する。Formation of the SNARE-complex は、神経伝達物質小胞 neurotransmitter-loaded vesicles とシナプス膜との融合の重要なステップである。結果として、BoNT による開裂 cleavage of SNARE-complex proteins によって神経伝達物質の放出が妨げられ、innervated muscle 支配筋の麻痺につながる。ターゲットとなるタンパクのアミノ酸配列と開裂作用の相違にも関わらず、all toxin serotypes による臨床症状に変わりはない。
ボツリヌス症の主症状 Hallmarks of botulism は顔面筋の麻痺で、眼瞼下垂 ptosis, 複視 diplopia, 視力障害 blurred vision, 構音障害 dysarthria, and 嚥下障害 dysphagia の症状が現れる。麻痺が下行すると四肢の筋力低下  hypotonia of the extremities と呼吸困難 dyspnea を生じる。臨床経過は2~3日間悪化することがあり、治療が行われなければ生命の危険がある。症状に対し集中治療と機械的人工換気による治療が行われ、抗毒素 botulism antitoxins によって運動ニューロンでのさらなるトキシン取り込み further uptake of BoNTs at the motoneurons が阻止できる可能性がある。
ボツリヌストキシン The BoNTs は7種類のクロストリジウム菌 species of the genus _Clostridium_: _C. botulinum_ Group I to Group IV, _C. baratii_, _C. butyricum_ and _C. sporogenes_ が産生する。Each species は異なる生育環境 different growth habitats and conditions にあり、芽胞の耐熱性 the (heat) resistance of their spores にも違いがある。
ボツリヌス症は3病型 forms に分けられている; 欧州で最も多く見られるのは食品由来 food-borne botulism で、食品中の産生されたトキシン preformed BoNTs in foods による中毒である。このほか、乳児ボツリヌス症 infant botulism は腸管機能が未熟な乳児の体内に細菌が定着しトキシンが放出されるもので、創傷ボツリヌス症 wound botulism は創部感染である。
ボツリヌス神経毒製剤 Botulinum neurotoxin (BoNT)/A- and BoNT/B-containing preparations は、眼瞼けいれん blepharospasm やその他の顔面ジストニア other facial dystonias, 片頭痛 migraine or うつ depression など、神経学的および非神経学的疾患に対する治療薬として適用 licensed pharmaceutical use (various brand names and companies) を次々に増やしている。治療効果と優れた安全性が、他の用途(美容目的)や適用外使用につながっている。
the BoNT-containing drugs の中でも、BoNT/A1 preparations は半減期が数ヶ月あることから最も頻繁に使用されている。有効成分として BoNT/A1 が含まれていても、すべての製造会社が特定の治療目的の承認を得ているわけではない。BoNT complex proteins や賦形剤 excipients に関しても各社の配合は異なっている。力価 The stated potency in units は、用いられるアッセイによって決まり、各メーカーで違っている。その結果、the units は互換性がなく not interchangeable、各製品ごとに異なる、その製品のみの用法用量が決まっている。
眼瞼けいれん治療 the treatment of blepharospasm には、25-80 units per eye depending on the brand が推奨されており、下肢スパスム lower extremity spasticity の用量 doses は(製品によるが)600-1500 units となる。いずれの製剤にも、肥満患者治療のための使用 the use of BoNT/A preparation は認められていないが、several clinics offer intragastric injection(胃内注射)with BoNT/A with 100-500 units per treatment が行われている。
少量の接種 the minute amounts of BoNT injected であっても、接種部位近傍の神経 and/or 筋に影響があった個々の症例の中で、軽症から中等症の医原性ボツリヌス症 iatrogenic botulism (IB) が認められている。
Outbreak detection
2023年3月3日、ドイツ・ロバートコッホ研究所 the German National Consultant Laboratory (CL) for neurotoxin-producing clostridia at the Robert Koch Institute (RKI) in Berlin は、国内の病院からボツリヌス症とみられる患者に関する相談を受けた。2023年2月後半にトルコ・イスタンブールにおいて、胃内視鏡操作下に胃内ボツリヌス神経毒注射 intragastric botulinum neurotoxin injections (IBNI) を受けていた。さらに複数の症例が報告されたことを受け、トルコとドイツの公衆衛生当局に通知された ... 
Subsequently, both Türkiye and other European countries reported more cases constituting a large and international outbreak of IB in Europe in at least 5 countries.
Methods
Results
4月3日の時点で34 botulism cases : 9 confirmed and 21 probable cases in Germany(ドイツ), 2 probable cases in Switzerland(スイス), and 1 probable case each in Austria(オーストリア)and France(フランス)が報告されている。合計31例が発症前に IBNI を受けており、3例はイスタンブールで食品関連のボツリヌス症に感染したもので gastric BoNT injection は受けていないと主張しているものの、トルコから提供されたドイツ在住の治療患者リスト the list of IBNI-treated persons に含まれている。32例はイスタンブールの1か所の私立病院で治療を受けていた。1例はイスタンブールで治療を受けていたが病院名は不明で、1名はイズミルの病院 a private hospital in Izmir で治療を受けていた。治療行為はすべて減量目的に行われており、1人の患者は胃内バルーンも挿入されていた。
患者らが IBNI を受けたのは1回で、2023年1月14日から2月28日までの間に1000-2500 units BoNT/A を接種したと報告し、診療記録には1500 units が使用されたことになっている。1人の患者は以前に何度か治療を受けていて、有害事象は経験したことがなかったと述べている。男性9名、女性25名で、年齢は20-52歳(中央値36.5歳)で、30人中27人はトルコ人またはトルコの背景を持っていた。BMI は from 25.9 to 39.2 (median: 35) before IBNI であった ... 症状、死亡例は報告されていない。
Outbreak control measures
Discussion
Conclusion
Resting botulism surveillance on both laboratory and physician notification requirements, as is the case in Germany and France, has been effective in detecting IB, for which laboratory confirmation is likely to fail by standard laboratory tests. The current outbreak highlights impressively the great promise of modern endopeptidase assays in diagnosing even minute amounts of BoNT remaining in serum. These assays may at some point be able to replace the MBA, provided that comprehensive validation studies become available.
[Mod.LL- The following is an accompanying editorial about the outbreak (Lessons from a recent multicountry iatrogenic botulism outbreak. Euro Surveill. 2023;28(23):pii=2300280.... 原文参照願います。]
関連項目
Botulism - Europe (03): ex Türkiye, iatrogenic, Turkish cases, ECDC 20230404.8709326

● ノロウイルス 米国
PRO/EDR> Norovirus - USA (04): cruise ship
Archive Number: 20230608.8710480
 情報源 The Independent 2023年6月5日
the CDC によると、ノロウイルス感染症アウトブレイク a norovirus outbreak により、175人以上のクルーズ船の乗船者が体調を崩した。
乗船客152人 of 2144 passengers on the Celebrity Summit ship とクルー 24 crew members が during its [15 May 2023] voyage で体調不良を訴えた。主な症状は、下痢、嘔吐、腹痛、頭痛とされている。traveling to Bermuda and South Carolina の航行中だった。
対応策 the ship's outbreak prevention and response plan に則り、クルーによる increased cleaning and disinfection procedures を徹底し、乗船客らに衛生遵守を呼びかけていると述べられている ... 
 
● サルモネラ感染症 米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis - USA (05): (IL) ground beef, alert
Archive Number: 20230608.8710479
 情報源 Illinois Department of Public Health 2023年6月7日
イリノイ州公衆衛生当局 The Illinois Department of Public Health (IDPH) は関係各局 local health departments, the CDC, and the Department of Agriculture's Food Safety and Inspection Service (USDA-FSIS) と協力し、牛挽肉に関連するサルモネラ感染症アウトブレイク an outbreak of _Salmonella_ infections の調査を行っている。牛挽肉の感染源は特定されていないが、市民に対して、挽肉の調理や摂取の際の安全な食品の取り扱いを呼びかけている。内部温度が 160°F 以上となるよう必ず a food thermometer チェックすることが必要としている。
Illinois public health officials により26例 confirmed cases in Illinois が確認されており、Chicago as well as Cook, DuPage, Kane, Lake, McHenry, and Will counties で報告された。発症日は4月25日から5月18日までの期間で、他の州の少数例についても調査が行われている。患者の一部が、加熱不十分であった牛挽肉を摂取したと報告している。

● 梅毒、淋菌感染症 英国
PRO/EDR> Syphilis, gonococcal disease - UK: (England) rebound post COVID pandemic
Archive Number: 20230608.8710474
 情報源 Medical Xpress 2023年6月6日
昨年 [2022] England において記録的な淋菌感染症 a record number of gonorrhea cases と数十年ぶりに最多の梅毒症例 the highest level of syphilis in decades が確認され、性感染症 sexually transmitted infections (STIs) が急増していると、英国保健当局 the UK Health Security Agency [UKHSA] が6日明らかにした。82 592例の淋菌感染症例 gonorrhea diagnoses in 2022 は1年前から50%の増加で、記録を取り始めてから最多の年間発生数であったと述べられている。同時に、感染性梅毒の診断 infectious syphilis diagnoses も8692例と15%増加し、1948年以来最多の年間症例数であったとされている。
さらに広げると、39万2453例の新規性感染症 new STIs が2022年にイングランド市民 residents in England の間で確認されており、1年間で1/4近い増加となった。the COVID pandemic で2020年のほとんどがロックダウンを課されたことによる a drop-off in STIs  のあとの、2021年の an uptick in cases に続く増加となった ... 

● マレーバレー脳炎 オーストラリア

PRO/AH/EDR> Murray Valley encephalitis - Australia (11): (NT)
Archive Number: 20230608.8710473
 情報源 ABC News 2023年6月3日
Key points:
 - 7 infections and 2 deaths have been recorded in the territory this year [2023].
 - the Northern Territory (NT) Health says the high case numbers are likely related to heavy rain and flooding.
1年間として最多の患者が記録されていることを受け、州保健当局 NT Health が地域 the territory 内でマレーバレー脳炎アウトブレイク an outbreak of Murray Valley encephalitis (MVE) 発生を宣言した。2023年、the NT [Northern Territory] において7例の感染が確認されており、乳児 an infant in the Katherine region と成人女性 an adult woman in Darwin の2人死亡している。過去5年間の感染者数は2例で死亡は発生していない。2023年、少なくとも2例の乳児の感染があり、一方最新の患者は4月から5月までの間に the Top End で感染したとみられ、現在も入院し危険な状態にある。
MVE は蚊族により伝播されるウイルス the MVE virus による死亡のおそれのある疾患で、頭痛、発熱、意識障害、振せん、けいれんなどの症状を発症する。重症例ではせん妄 delirium, 昏睡, 永続的な脳の障害がみられることもある。同じく蚊が媒介する日本脳炎と同様の症状で、日本脳炎も最近 in the NT で確認されている。保健当局者 NT Health medical entomology unit director は、洪水や豪雨など蚊の発生につながる気象の発生後に患者 cases of MVE が増加することが多いと説明している。the NT において、重篤な蚊媒介性疾患のリスクが高い時期は2月から6月末までと述べ、現在の MVE cases の増加は今年初めからの豪雨が関係する可能性が高いとしている。現在も繁殖が続く蚊がいなくなる7月末まで感染リスクは続くとしている。
関連項目
Murray Valley encephalitis - Australia (09): (NT) 20230512.8710019

● メタノール中毒 カンボジア
PRO/AH/EDR> Methanol poisoning - Cambodia: (PO) adulterated rice wine, fatal
Archive Number: 20230608.8710472
 情報源 Khmer Times 2023年6月5日
北西部 northwest Cambodia's Pursat [Pouthisat] province において自家製アルコール rice wine 摂取後に1人が死亡、ほか27人が入院となった。高濃度のメタノール Methanol が含まれていた疑いがあると現地保健当局はみている。
当局者 deputy chief of Pursat Provincial Health Department は4日、1日夜に行われた Morth Prey village under Krakor district における住民の葬儀で、問題の酒 the tainted rice wine が振る舞われたと述べた。患者らは、眼の刺激 eye irritation、胸痛、呼吸困難、めまい、頭痛、疲労感などの症状を発症したとされる。カンボジアの農村部では低価格である Rice wine が好まれている。2022年10月にも Kampong Cham province's Stung Trang district において、homemade rice wine containing dangerous levels of methanol を飲んだ3人が死亡し、ほか66人が入院となっている。

● 水疱性口内炎 米国、ウマ・ウシ
PRO/AH/EDR> Vesicular stomatitis - USA (01): (CA) horse, cattle
Archive Number: 20230608.8710482
[1] California (San Diego County): Vesicular stomatitis in 4 California horses
 情報源 EquiManagement 2023年5月19日
[2] California (San Diego County): Ramona horse among 6 in San Diego County to test positive for vesicular stomatitis virus
 情報源 San Diego Union-Tribune 5月23日
[3] California (San Diego & Riverside Counties): Calif. vesicular stomatitis virus cases prompt notice
 情報源 BloodHorse 5月24日
[4] California (Riverside, San Diego, San Bernardino, Orange Counties): 18 new VSV-affected premises in California
 情報源 Horse and Rider 6月7日
参考項目 2020
Vesicular stomatitis - USA (15): (MO) horse 20201017.7868253

● アフリカ豚熱 ロシア WOAH
PRO/AH/EDR> African swine fever - Europe (15): (Russia) wild boar, domestic, WOAH
Archive Number: 20230608.8710451
[1] ロシア Russia (Primorye): domestic
 情報源 WOAH-WAHIS (World Animal Health Information System) 2023 6月6日
The event started on 10 May 2023 and was confirmed on 13 May 2023. A total of 2 outbreaks (submitted) were reported up to 6 Jun 2023. ASF was detected in domestic swine in 2 farms in RusAgro Leninskoe-1 and 2, Ussuriyskiy rayon [district], Primorye.
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン接種
ブタ Swine / 103 179 / 3460 / 1730 / 40 127 / 0
[2] Russia (Krasnoyarsk): domestic
 情報源 WOAH-WAHIS (World Animal Health Information System) 2023 6月6日
The event started on 13 May 2023 and was confirmed on 19 May 2023. A total of 1 outbreak (submitted) was reported up to 6 Jun 2023. ASF was detected in domestic swine in a backyard premise in Motorskae, Karatuzskiy rayon [district], Krasnoyarsk.
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン接種
ブタ Swine / 1 / 1 / 1 / 0 / 0
[3] Russia (Nizhegorod): wild boar
 情報源 WOAH-WAHIS (World Animal Health Information System) 2023 6月6日
The event started on 29 May 2023 and was confirmed on 30 May 2023. A total of 1 outbreak (submitted) was reported up to 6 Jun 2023. ASF was detected in wild boar in a forest in Vostok, Sharangskiy rayon [district], Nizhegorod.
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン接種
イノシシ Wild boar / - / 1 / - / 1 / 0
[Mod.CRD- 参考文献:African swine fever in the Russian Far East (2019-2020): Spatiotemporal analysis and implications for wild ungulates. Front Vet Sci. 2021; 8:723081; 
Conclusions
"Our results demonstrate the emergence of the ASF virus in the Far Eastern areas of the Russian Federation has led to the rapid spread of the disease over a large territory and support a hypothesis of multiple routes of viral introduction into the region.  ... ."]

● 水疱性疾患、ウシ ベネズエラ
PRO/AH/EDR> Vesicular diseases - Venezuela: (BO) cattle
Archive Number: 20230608.8710469
 情報源 El Aragüeno [in Spanish] 2023年6月6日
4 municipalities of the Bolívar State の畜産部門 Livestock production units が、ウシの水疱性疾患 an outbreak of vesicular diseases のため検疫措置の対象となっており、肉、ミルク、チーズの生産・販売が危ぶまれている。地域の動物衛生当局者 representative of the Venezuelan Foundation for Animal Health Services (FUNVESA) in the Guayana region, specified only in the areas of Campo Bolivariano and El Llamal in El Manteco, Piar municipality は、発生のあった3 units において25から30頭感染が確認され、他にも La Pastora and Caicara del Orinoco (Cedeño), Tumeremo (Sifontes) and El Palmar (Padre Pedro Chien) でアウトブレイクが発生していると説明した。
水疱性口内炎 vesicular stomatitis か口蹄疫 foot-and-mouth disease であるかは判明していないとしている。

● ウマ伝染性貧血 フランス WOAH
PRO/AH/EDR> Equine infectious anemia - France: (AC) WOAH
Archive Number: 20230608.8710450
France - equine infectious anaemia
 情報源 WOAH-WAHIS (World Animal Health Information System) 2023 6月6日
Started: 9 May 2023
Reason for notification: recurrence
Last occurrence: 4 Sep 2020
Causal agent: equine infectious anemia virus
location: La Cave, 24260 Le Bugue, Sarlat-la-Caneda, Dordogne, Nouvelle-Aquitaine: other
種/個体数/感染/死亡/廃棄/と畜/ワクチン接種
Equidae / 2 / 1 / - / - / - / -
Affected population: Privately owned hobby horse with no clinical symptoms.