2007年2月25日

鳥インフルエンザ、ヒト ラオス 疑い
デング熱 パラグアイ、インドネシア

● 鳥インフルエンザ、ヒト ラオス 疑い例
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (41): Laos, susp 20070225.0688
 情報源 Vientiane Times、2月25日。
Laos: 1st suspected human case of avian influenza
2007年 2月25日、ラオス政府は同国内で初めて鳥インフルエンザ Avian influenza の感染患者が疑われるが、確定には詳細な検査が必要であると発表した。公衆衛生大臣は、患者が 15才で2週間前に鳥インフルエンザの感染流行が発生していたと緊急の記者会見で述べた。「彼女は、2007年 2月15日に Setthathirath 病院を受診した。頭痛と体部痛を発病し、鼻汁と咳を伴っていた。全ての症状から感冒と思われた。」と述べた。2月17日に、タ イの Nong Khai 県の病院に両親が連れて行き、バンコクへ検体が送付された。「タイ側からウイルスがH5亜型であることは明らかで、H5N1型であるかどうかは未だ不明である」との連絡があり「ラオスから検体採取のためタイへ医師を派遣した」と述べた。
少女はニワトリと遊んではいなかったとビエンチャンの衛生部長は説明した。2007年 2月16日に鳥インフルエンザ感染流行が確認された、Xaysettha および Sisattanak 地区の 20の村の 7800世帯の健康調査を行った。こうした中で「150人のインフルエンザ様症状を示す患者のうち、絞り込まれた 1人の少女が鳥インフルエンザ感染を疑われている」と述べた。
[ModCP- 過去数日間に、インドネシア、フィリピン、ロシア、トルコ、英国で、ヒトでの鳥インフルエンザ感染が疑われる例が報告されているが、いず れも確定されていない。2006年中旬には、ラオスにおいて家禽での最近の感染流行はが発生しているが、患者と家禽との接触がないと見られ、この1人が陽性と確認される可能性は低い]
地図

● デング熱 パラグアイ、インドネシア
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2007 (10) 20070225.0683
[1] パラグアイ:Playfuls.com、2月23日
パラグアイのデング熱感染流行により、1万人以上の患者が発生している。2007年 2月23日の新聞は、激しい頭痛、高熱、下痢、嘔吐と重度の関節痛を発生させる疾患の、新たな 650人の患者の報告を行った。ワクチンや治療法のないこのウイルスによって、4人以上が死亡した。
[Mod.TY- ProMED は、感染流行によるこれまでのデング熱およびデング出血熱患者数と、ベクターであるネッタイシマカの生息場所の除去対策の情報が提供され ることを希望する。非公式な上記の数字が正しいとすれば、当局は感染流行制圧のため、膨大な仕事を最優先で行わなければならない。前回投稿された、2月 19日の全米保健機構とパラグアイ保健省からの最新状況報告では、制圧のための一斉作業が開始されたとのことであった]
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[2] インドネシア (全国):ReliefWeb Geneva, Switzerland
インドネシアで 2007年 1月以来、季節性のデング熱による死者の合計は 330人に達し、患者 23000人に上ることが、2007年 2月20日、保健省 から発表された。Jakarta,West Java, Central Java, East Java および East Kalimantan など多数の州で患者が発生している。雨期に拡大する、蚊族に媒介されるこの疾患による死者の数を減少させるべく、保健省は対策に当 たっている。
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[3] インドネシア (西ジャワ州):The Jakarta Post、2月23日
西ジャワ州 Indramayu において、デング熱感染流行は北部の海岸に沿って拡がり、特 Indramayu と Cirebon で 患者数が増えてい る。Indramayu と Cirebon 当局は対応に当たっている。2007年2月の Indramayu のデング患者数は 138人で、2006年の同時期 にはわずか 60人であった。 Cirebon の患者数は 120人に達し、病棟やベッド不足に陥っている。

● 鳥インフルエンザ クウェート、パキスタン
PRO/AH/EDR> Avian influenza (42): Kuwait, Pakistan 20070225.0687
[1] クウェート、動物園 Kuwait on alert after bird flu detected
 情報源 AFP via Presstv.ir、2月25日。
クウェート政府当局は、2007年 2月25日、家禽と鳥類において致死性の鳥インフルエンザを確認し、国内唯一の動物園を閉鎖したと発表した。タカを中心とした鳥類で、20件の H5N1 型鳥インフルエンザウイルスが確認された。全国的な非常態勢が布かれ、全てのトリの輸入禁止、クウェート動物園の一時閉鎖とトリ市場の閉鎖などが含まれている。接触者らの血液検査は現在進行中である。クウェートはペルシャ湾岸協力委員会 6カ国のうちの 1つで、鳥インフルエンザの発生しているアジアやヨーロッパの国からの、トリ、家禽、および産品の輸入禁止法を採択したところである。最後にクウェートで鳥インフルエンザが確認されたのは、2005年 11月であった。
[Mod.AS- 感染源が、輸入されたトリ(アジアのタカ)であるかに関心が集まる。追加のデータが得られるまで、疑いのままである]
[2] パキスタン 動物園、クジャク由来? Peacocks spread flu at Pakistan zoo
 情報源 DPA via Bangkok Post 、2月25日
新たな鳥インフルエンザの感染流行が、パキスタンの首都イスラマバードにある動物園に被害をもたらせ、贈られた一群のクジャクが、園内展示用のトリたちを発病させたと責められている。Marghazar 動物園は、アヒルとガチョウが H5N1 型ウイルスにより死亡したことが検査で確定したことをうけ、一時的に閉鎖されている。「 5羽のクジャクを処分し、残りの群れはワクチンを接種した。小屋全体に噴霧消毒を行った。」と、園長が述べ、84人のスタッフには健康監視が続けられている。約 200羽のトリのうち 24羽が、2007年 2月12日に贈られたクジャク 7羽が動物園に到着後、死亡した。新たな鳥が到着した際には、健康監視員は、健康証明書以外与えていなかった。このウイルスは、Margalla Hills の麓にある、葉の生い茂った動物園のひな鳥の一区画で飼育中の、アヒル、ガチョウ、クジャクといったありふれた種にのみ感染した。ワシ、フクロウ、さえずるトリなど他の種のトリの H5N 1型の検査は陰性であった。複数の国でヒトでの鳥インフルエンザ感染が発生しているが、パキスタンでのヒトの感染報告はない。しかしムクド リstarlings やスズメ sparrows のような動物園の地面にいる野鳥が感染し、ウイルスを100万人が住む市内の他の場所へ運ぶことが危惧される。以下、対応策、同時に確認されたパキスタン北西辺境州のクジャクの感染例など。
[Mod.AS- 上記報告からは、クジャクが国内から来たものか、外国から来たかについてははっきりしない。もし輸入されたものであれば、由来または経由した国もしくは国々の名前が判明すれば有用であろう。クジャク (_Pavo cristatus_) は、過去にもH5N1型に感染したことが知られており、それは2006年5月のデンマークにおいて発生した。上記の感染流行は、いずれも動物園において発生した。動物園での予防 H5N1 型ワクチン接種に関する勧告については、20070221.0646 → 2月21日にある] 

● インフルエンザ A ウイルス 遺伝子配列
PRO/AH> Influenza A viruses: genome sequences (03) 20070225.0685
 情報源 NIH News, Press release、2月21日
US NIH: 2000 Influenza Virus Genomes Completed and Now Available
2000 種類のインフルエンザの全遺伝情報の解読が完了し、公開されてアクセス可能となっている。治療やワクチンの開発にとって、不可欠な情報である。NIH の基金により、世界中から採取され た、2000 種類以上のヒトと鳥のインフルエンザウイルスの全遺伝情報が解析され、公開のデータベースに開示された。

● Ganglioneuritis、アワビ オーストラリア
PRO/AH/EDR> Ganglioneuritis, abalone - Australia, (VIC Victoiria) 20070225.0684
 情報源 The Age.com.au、2月25日
Mystery virus wreaks havoc

● 原因不明の大量死、マガモ カナダ
PRO/AH> Undiagnosed die-off, mallard ducks - Canada (AB) (02) 20070225.0682
 投稿者 P.N. Nation 、2月23日。
カルガリーの Bow 川の水禽の大量死の調査には参加していないが、カルガリーの真北にある Airdrie の、現在は閉鎖されたアルバータ州動物衛生研究所で調査された、以前の水禽の死亡例に関するいくつかのコメントを行うことが出来る。Bow 川は、冬の間はほとんど、カルガリーにおいて一部が結氷しないため、渡りをしない水禽が棲んでいる。穏やかな冬が続き問題は発生しなかった。しかし、例年にない寒さの冬には、解氷部分が減少し、水禽が狭い面積に密集することとなり、エサが制限因子となる。冬の終わり頃には、やせた水禽がしばしば認められた。2月末の突然の寒波は大量の死亡につながることとなる。この冬アルバータ Alberta 州は、平均気温を下回る月が2ヶ月あり、現在降雪を伴って、週半ばには平均気温を下回った。Bow 川の水禽の密度が、飢餓の原因となったためで、感染症ではない可能性がある。
関連項目 20070222.0651