2007年2月27日

狂犬病 インドネシア
原因不明の死亡 ウガンダ

● 狂犬病 インドネシア
PRO/AH/EDR> Rabies, canine, human - Indonesia (Flores) 20070227.0708
 情報源 Indomedia.com, 2007年2月25日
Indonesia: fatal case of rabies in Ruteng
(Flore)
Satar Mese 亜地区 Ponggeok 村のイヌ咬傷をうけた 15才の少年が、6日間の治療の末病院で死亡した。切迫窒息、恐水症など多様な症状を示していた。両親から狂犬病のイヌによる咬傷を受けたとの情報があり、診断が確定した。2006年11月に左腕を咬まれていた。Pongook 地区の保健センターで 4回の VAR (抗狂犬病ワクチン) の接種を受けていたが、先週状態が悪化し、基幹病院に搬送された。この狂犬病による死亡のすぐ後にも、別の狂犬病のイヌによる被害者が入院してきた。3歳の少女で、すでに重篤な状態であった。2007年1月13日に、母が雇用している従業員のイヌに下唇をかまれた。
以下、咬傷を受けた場合の応急処置の説明、狂犬病犬の撲滅対策の困難さ、ワクチンが不足している現状など。 
Manggarai では2005年に狂犬病で 9人が死亡している。2006 および 2007年、さらに 2人が死亡した。もうひとりの狂犬病患者が治療を受けている。
[Mod.CP- Flores の 2人の狂犬病患者の治療が成功していないことから、狂犬病の動物との接触があった後、なるべく早く狂犬病ワクチンを接種する必要性が強調される。現在の組織培養および鶏卵培養の抗狂犬病ワクチンは何れも予防効果を示すが、技術と接種間隔が重要である。WHO は最近、暴露前および暴露後の抗狂犬病ワクチン接種の包括的な更新を発行した。この内容は、2007年 2月23日の WHO/WER (vol62(8): 6-68) にも掲載されている。飼育されている動物と野生動物を処分し、代わってウイルス清浄なイヌを導入することによって、ヒトでの狂犬病対策とする試みが、Flores におけるヒト狂犬病患者の減少には、つながらないと思われる。別の施策が望まれる]

● サルモネラ感染症 米国、ピーナッツバター
PRO/EDR> Salmonellosis, serotype Tennessee, peanut butter - USA (08) 20070227.0706
[1] 世界への流通 (配送)
 情報源 Manufacturing.net、2月27日。
全米 50州のうち 41州でサルモネラ感染症 Salmonellosis を発生させたピーナッツバターは、このほか 3大陸の 60カ国以上と、カリブ海および太平洋の島々でも販売されていると、生産者が述べた;イラク アイスランド, インド, 米領および英領バージン諸島, オランダアンティル諸島、韓国、シンガポール、ブラジル。ベリーズ、アフリカ、ヨーロッパ、南米。製造元である ConAgra Foods 社の広報は、世界で売られている、"2111" で始まる番号のつい たPeter Pan および Great Value label は、全製品回収すると述べた。週末、中国でもピーナッツバターの回収が発表された。2つの商品の 3包装単位 (742ケース) が、2006年 9月から2007年 1月にかけて中国に入っており、北京では少なくとも 156ケースがすでに販売されている。疑われているコードがついていたが、今のところピーナッツバターによる患者の報告はない。
(→2月28日)
[2] ペルー
 投稿者 アラバマ大学 David Freedman 、2月23日。
メディアや ProMED では、米国から WHO の食品安全計画 INFOSAN に、ロット番号 2111 の商品が世界 70カ国以上に流通しているとの報告が行われたというニュースが、取り上げられていないようである。筆者は個人的に、2007年1月26日、ここペルーのリマ Lima において、当該ロットのビンを購入した。現在中身の培養作業中である。本日 2月23日に、購入した店を再び訪ねたところ、Peter Pan はどの棚にも置かれていなかった。販売先に情報が流され、直ちに撤収されたように見える。しかし、製造者もしくは販売者から消費者へ広く知らされることは、いまだ行われていない。消費者の中には、汚染された商品を自宅に保有しているものもあるかも知れず、ProMED-mail は、このような情報の伝達に有用であると考えられ、読者らは関連するサルモネラ感染症患者に注意すべきである。
関連項目 (07) 20070223.0665

● C型肝炎 スペイン、1998年
PRO/EDR> Hepatitis C, single source outbreak, 1998 - Spain (02) 20070227.0705
 情報源 Typically Spanish, Spanish News, 2007年2月26日。
スペイン: バレンシアのC型肝炎事件が司法の場へ
1990 年代後半のバレンシア地方で、276人に C型肝炎ウイルスの集団感染を発生させたとして唯一罪を問われている麻酔科医師 Juan Maes oは、無罪であり釈放すべきだと主張した。彼は、La Fe 公立病院、およびプライベートクリニックである Casa deSalud, Virgen del Consuelo, and Clinica Quiron において、手術の際に患者らを感染させた罪を問われていた。Maeso は、まもなく判決が下される公判の最終日に発言した。18ヶ月間に、患者、病院スタッフ、専門家ら 350人以上が証言に立った。弁護士 111人など 157人の法律関係者が関わった。モルヒネ中毒である Maesco は、自分と患者に同じ注射針を使用していた疑いがかかっている。32巻の症例記録がある。有罪となれば、禁固 2000年超の判決を受ける可能性がある。
関連項目 20000314.0356

● 原因不明の死亡 ウガンダ 
PRO/EDR> Undiagnosed deaths - Uganda (Masindi): RFI 20070227.0698
 情報源 All Africa、2月26日
Uganda: Masindi killer disease is not meningitis

マシンジ Masindi の医療当局は、Kibanda 郡 Mutunda 準郡で最近発生した複数の死亡の原因は、髄膜炎ではないことを確認した。約3週間前に Kajebe 村で感染流行が発生して以来、一家族および近所の 5人を含む、7人死亡した。「この地区で、2例の髄膜炎が発生して、いずれも Kiryandongo 病院で治療回復中であるが、現在死者の発生している疾患の正体は不明で、非常に感染性が高い」と、2007年2月24日に地区衛生担当官が述べた。対策委員会には、監視、患者管理、物資移動、社会的動員、共同作業部門が包括され、活動中である。ウエストナイルおよび Kotido 地区で、2007年 2月初めの流行開始以来、約 3000人の髄膜炎患者報告があり、最大 110人が死亡している。学校等の閉鎖が実施されている。
(→3月1日)
[Mod.MPP-ウガンダでの予期せぬ死亡に関連した症候群の情報がない中、可能性ある病因を鑑別診断する試みはかなり危険である。見識ある流行に関する追加の情報を歓迎する]
地図 Masindi は Albert 湖の東にある

● ニューカッスル病 中国
PRO/AH> Newcastle disease, poultry - China
Archive Number: 20070227.0709
 情報源 China Husbandry and Veterinary News [translated]、2月20日
産卵鶏におけるニューカッスル病と腎病原性感染性気管支炎の合併
[Mod.AS-ニューカッスル病と感染性気管支炎は世界中の家禽に普遍的に見られるが、中国でのデータは入手できることが少ないので、読者から中国農業誌に最近掲載された記事を翻訳/送信されたことに深謝する]
ND に対するワクチン接種が広く行われるようになり、散発的な非定型例が増える傾向にある。ND ウイルスに感染すると、抵抗力が低下し、感染性気管支炎ウイルスに感染しやすくなり、大量損失につながる。発生と症状、2007年 1月9日河北省 Qiu 郡 Xiangchenggu で飼育されていた 1000羽の産卵鶏:Marek 病、ND、感染性気管支炎、infectious bursal disease、感染性喉頭気管炎のワクチンを受けていた。以下、発生状況(感染/死亡個体数など)、症状(白色下痢、呼吸困難、食欲低下と口渇など)、治療 (飲用 AMPC、スルファメトキサゾールなど)など。

● ブルータング ヨーロッパ
PRO/AH> Bluetongue - Europe (04): BTV-8 20070227.0707
 情報源 Bluetongue Serotype 8 Epidemic Bulletin by EFSA Epidemiology WorkingGroup; Bulletin 15, 02 Feb 2007, last updated 2月6日。
2007年 2月1日までの感染流行

● 鳥インフルエンザ 中国(香港)、ベトナム
PRO/AH/EDR> Avian influenza (43): China (HK), Viet Nam 20070227.0699
[1] 中国(香港):Xinhua via Chinaview 、2月26日。
香港の農漁業保護局は、2007年2月26日、2羽のトリでH5N1型ウイルスの検査結果が陽性であることが確認されたと発表した。感染していたジュウシマツ chestnut munia [_Lonchura atricapilla_ ] は、2007年 2月18日、市民の通報により、KowloonのPrince Edward Road WestにあるSt Teresa's Hospital近くで、局の職員によって捕獲された。scaly-breasted munia [_Lonchura punctulata_ ] の死骸は、翌2月19日に Happy Valley の Sing Woo Road と Wong Nai Chung Road の交差点で発見された。当局は、個人の衛生遵守を呼びかけている。
[Mod.AS-香港(特別行政区)は、鳥インフルエンザ監視および予防に関して、模範となる対策を実施している。集められた野鳥の死骸の獣医学検査室での検査結果は、AFCD のウェブサイト で見ることができる。2007年 2月26日の最新状況において、2007年はじめから、10種 12羽の野鳥が H5N1型陽性となっている。内訳は、 scaly-breasted munias 2羽, 2 house crows 2羽, 以下の種各 1羽ずつ: crested goshawk, Japanese white-eye, white-rumped munia, peregrine falcon, blue magpie, silver-eared mesia, common kestrel そしてジュウシマツ chestnut munia 。2006年、11種からなる 17羽の野鳥が感染したと報告されており、すべて2006年 1月10日から 3月22日までの冬季間のことであった。野鳥の個体群内で、同ウイルスが土着感染を起こしていることが明らかであるにもかかわらず、家禽およびヒトでの感染流行を発生させない当局の成功ぶりは、賞賛に値する。
地図 野鳥の発見場所
[2] ベトナム (Hai Duong):Thanhnien News.com 、2月26日。
北部 Hai Duong 省で鳥インフルエンザが発生し、2007年 2月16日には、Thanh Mien地区の約 60羽のニワトリが死亡したと、現地の衛生当局者が同 25日に述べた。同省動物衛生担当部署の責任者は、直ちに 10500羽すべてを処分したと述べた。2006年 12月にメコンデルタ地帯で発生した H5N 型ウイルスは、1ヶ月以上の間、沈静化していた。2003年以後、ベトナムでは、インドネシアに次ぐ数の H5N1型関連の死者が発生していたが、2005年 11月以降はヒトでの患者は出ていない。