2007年3月9日

食中毒 パラグアイ
ヒ素中毒 米国、アルメニアから

● 食中毒 パラグアイ
PRO/EDR> Foodborne illness, milk - Paraguay (Alto Parana): recall 20070309.0840
 情報源 Reuters Alert Net、3月9日
2007年 3月9日、乳製品を扱うイタリア Parmalat グループの現地法人は、パラグアイで 300人以上の食中毒患者が発生した低温殺菌乳を回収したことを明らかにした。この 2日間、南米にあるこの国の Alto Parana 地方の病院は、食中毒患者であふれかえっている。会社の代表は、商品の冷蔵に関するトラブルで、生産工程との関連はないと考えていると述べた。代表的なスーパーマーケットは当局の指示に従い、棚から疑われる乳製品を撤去したと述べた。患者らの症状は、ミルクの飲用の数時間後におこった、嘔吐および下痢などと伝えられている。
[Mod.LL- 不十分な冷蔵の低温殺菌乳に関連すると見られている、起因菌についての記述がない。短い潜伏期間から考えると、ブドウ球菌性エンテロトキシンによる疾患が考えられる]

● 黄色ブドウ球菌 (MSSA) カナダ 
PRO/EDR> Staph. aureus (MSSA), NICU - Canada (ON Ontario) 20070309.0839
 情報源 Toronto Globe and Mail、3月9日
深刻な細菌感染が発生した結果、トロント Toronto 最大の NICU が閉鎖されている。強毒菌がすでに最大限の患者を収容していた病棟に持ち込まれたのは先週のことと考えられている。大学病院 Women's College Hospital には、この地域の、最も抵抗力のない未熟児が収容されているが、MSSA (メチシリン感受性ブドウ球菌) の集団発生の沈静化の見込みがつかないため、今週ハイリスク妊娠の受け入れを停止し、他院の未熟児の受け入れも断っている ... 一因には、病室が過密状態であることがあげられている。NICU には時代遅れの建物内に 41 のベッドがあり、それぞれの児は、最小限の推奨される面積 9.3平方メートルの 1/3以下の、わずか 2.8㎡に押し込められている。スタッフらは 2007年 1月初めに第 1例発生に気づき、患児の隔離、手袋着用などあらゆる策を講じてきたが、効果が見られず、やむなく一時閉鎖に至った。最小は 500gの同病院の児の多くが、膿瘍、肺炎、眼の感染、血液感染を発症した。オンタリオ州には、常時監視とケアを擁する未熟のための、"レベル3" のベッドがおよそ 200しかなく、Women's College の41ベッドの閉鎖は深刻な問題である。

● ノロウイルス 米国
PRO/EDR> Norovirus, students - USA (NJ) (02) 20070309.0838
情報源 6abc Action News; Associated Press report、3月8日。
270人近くの学生が感染した、ノロウイルス流行が発生した大学が、まもなく春休みに入る。大学側は、症状が見られた学生は、すぐに自宅へ戻るよう促し、中間試験は後日受験することができると説明した。24時間 [* で回復する] ウイルスがキャンパスを襲ったのは先週のことで、2007年 3月1日と2日に多数の学生が発病した。
[Mod.CP- 感染源は今のところ確定されていないが、2日間に限定されているところより、1つの共通した感染源が存在したことが示唆される。新規の患者に大学から帰るようにいうことは学校の管理上有用であるかもしれないが、帰宅した町で新たな問題が発生する可能性もある Mod.MPPも、school-brought-home outbrea kの予測に同意見である]
関連項目 20070306.0799

●  ペスト ウガンダ
PRO/AH/EDR> Plague - Uganda (Masindi) (03): pneumonic 20070309.0835
 情報源 New Vision、3月8日
Mutunda 亜郡の住民 9人以上が死亡した Masindi 地区の肺ペスト Plague は制圧されたと、保健省が発表した。19人の患者のうち、過去 2週間で 11人が退院した。この間、新たな患者は報告されていない。しかし、保健省は住民らに対し、感染封じこめのための、ノミ対策とネズミの駆除を行うよう勧めた。
[Mod.LL- 以前の投稿の1つに腺ペストと記載されていたものがあったが、前にも述べたように肺ペストであったことが判明した。腺ペストは保菌する (通常はげっ歯類の) ノミの刺咬によってヒトに感染し、他のヒトへの感染はおこらない事を再度確認しておくことが必要である。肺ペストは、腺ペストからペスト菌 Yersinia pestis_ 菌血症によって肺に拡がり発生する場合 (二次性肺ペスト) と、ペスト菌の呼吸器疾患型に感染した他の患者からの飛沫感染による、一次性肺ペストがある]
関連項目 (02): RFI 20070302.0736

● サルモネラ感染症 米国
PRO/EDR> Salmonellosis, serotype Tennessee, peanut butter - USA (12) 20070309.0834
 情報源 CDC、3月7日
2007 年 3月7日、サルモネラ菌 Tennessee 型の感染流行による患者は、44州の 425人とCDCに報告されている。医学的情報の得られた 351人の患者のうち、71人 (20%) が入院を要した。感染による死亡の報告はない。発生時期が判明している 301人は、2006年 8月1日から2007年 2月16日までで、このうち 67%は2006年 12月1日以降の発生であった。以下、州ごとの患者数の詳細。
[Mod.LL- 前回 2007年 2月27日の発表から、新たな 2つの州が加わり、全体では 55人の患者が増加したが、2月16日以降に新たに流行に関連して発症した患者の報告はない]
関連項目 (11) 20070304.0755

●  コレラ ソマリア、スーダン、アンゴラ、世界各国
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2007 (11) 20070309.0833
[1] コレラ - ソマリア (Lower Shabelle, Gedo)
 情報源 AllAfrica.com and Shabelle Media Network (Mogadishu)、3月5日
2007 年 3月4日、首都モガディシュの南にある、Banadir 母子病院に、40人以上の子供が、コレラ関連疾患で入院している。院長は、20から 40人の感染した小児が入院していると話した。2007年 3月5日に、多くは子供である 37人が水様性下痢症で運ばれてきたとし、モガディシュの住民に対して周囲の環境整備を行うよう促した。3月4日、Gedo の集落で 5人の小児が水様性下痢で死亡した。大勢の子供が感染に見舞われている一方、年長者にも死亡が発生している。3月3日、高齢女性と子供 4人が下痢症で死亡した。
[Mod.LL- ソマリアのコレラ患者はしばしば"水様性下痢症"と表現される]
[2] コレラ-スーダン(Upper Nile)
 情報源 United Nations Mission in Sudan (UNMIS) News Bulletin、3月4日
Malakal の衛生状況は、コレラが疑われている急性下痢症によって依然として多くの死亡者が発生し、患者 81人と死者 11人となっている。Jonglei 州へ流入するナイル川の堤防沿いと Malakai の水源付近の衛生状況の改善が必要である。
[Mod.LL- いつからいつまでの事かわからないこの記事は、West Darfur 下方の流行について書かれている。Malakai はスーダン東部 Upper Nile 州の州都で、Jonglei 州は Upper Nile の南にあたる]
[3] コレラ-アンゴラ(Huila)
 情報源 AllAfrica.com and Angola Press Agency (Luanda)、3月2日
公 衆衛生流行対策局は、南部 Huila 県で過去 48時間に 15人のコレラ患者が発生したことを確認した。2007年 3月2日の発表である。県都 Lubango 市と、Chibia 地区で患者が発生している。2006年 4月以来、5000人以上のコレラ患者のうち、約 221人が死亡した。
[4] コレラ-アンゴラ(Luanda)
 情報源 Angola Press (ANGOP)、3月7日
2007 年 1月から 3月6日までの間に、Luanda の Cazenga 衛生区分地域で、約 610人のコレラ患者のうち、10人が死亡した。連日15-20人の患者が入院していると述べられている。水たまりが患者のアクセスを妨害し、危険な状態 の患者搬送に時間を要している。当局は、Vila da Mata, Calowenda および Curtume 区を中心に、感染拡大の恐れがあるとしている。過去 24時間の入院は 9人であるが、死亡は報告されていない。
[5] コレラ-世界各国:WHO WER
 情報源 World Health Organization (WHO) Weekly Epidemiological Record (WER)、3月9日
Notifications of cholera received from 2 to 8 Mar 2007
国名 / 期間 / 患者数 / 死亡者
アフリカ
ギニア / 1 Jan-4 Feb 2007 / 27 / 3
ルワンダ / 1 Jan-10 Feb 2007 / 599 / 13
コートジボワール / 1 Jan-11 Feb 2007 / 2 / 1
シエラレオネ / 2 Jan-10 Feb 2007 / 211 / 11
ザンビア / 20 Jan-7 Feb 2007 / 416 / 8
ジンバブエ / 5-11 Feb 2007 / 9 / 0

● ヒ素中毒 米国 アルメニアから

PRO/EDR> Arsenic poisoning, bottled water - USA ex Armenia: recall 20070309.0832
 情報源 FDA (US Food and Drug Administration) News, press release、3月7日
食 品医薬品局 (FDA) は、消費者に対しアルメニアから輸入された一部商品のミネラルウォーターが、ヒトでの発ガン性が知られている有毒なヒ素に汚染されている可能性があるた め、飲用しないよう注意を呼びかけている。急性ヒ素中毒では、摂取された数時間以内に、吐き気、嘔吐、下痢、胃痛などの症状が発生する。数日間から数週間 経過後、腎臓、肝臓、皮膚、心血管、神経系に障害を及ぼす。大量に摂取されると発ガン性や致死性となることがある。以下の商品が全米に流通しており、回収 の対象となっている。
* カリフォルニア州 Pico Rivera の Zetlian Bakery, Inc.製の以下のラベルのついた商品: "Jermuk Original Sparkling Natural Mineral Water Fortified With Natural Gas From The Spring", "2006 Jermuk Mayr Gortsaran CJSC", および "Imported by: Zetlian Bakery Inc."
* カリフォルニア州ロサンゼルスの Importers Direct Wholesale Company 製の以下のラベルのついた商品: "Jermuk Sodium Calcium Bicarbonate and Sulphate MineralWater", "Bottled by ARPI Plant, Republic of Armenia"および "Exclusive US importer and distributor: Importers Direct Wholesale Co., Los Angeles, CA".
* カリフォルニア州グレンデール Glendale の Kradjian Importing Company 製の以下のラベルのついた商品: "Jermuk, Natural Mineral Water Sparkling",
"Bottled by Jermuk Group CJSC"および "Sale Agent Kradjian Importing Co. Inc. Glendale, CA".
FDA は 500ml入りのグリーンのガラスビンを検査し、この問題を発見した。他のサイズやパッケージについても、問題がないか調査している。FDA によるこれらの水の検査で、1リットルあたり 500-600マイクログラムのヒ素が検出された。FDA のビン入りウォーターの認可基準は、1リットル中 10マイクログラム以下となっている。現時点で、疾患の報告はされていない。この水を飲用したり、不安がある消費者は、医師に相談するよう勧める。市場か らこれらのビン入りウォーター全商品を回収するよう努めている。
[Mod.TG- 確かに高レベルのヒ素で、摂取後かなり短時間で、胃腸症状を起こす可能性がある。この発表では、肝、皮膚、腎臓と心血管系や神経系にも数日以内に臓器障害があることが示されている。症状発現までの時間経過には個人差があり、また、摂取された水の量にも左右される。究極的に、大量摂取によって、発ガンや死亡という結果も起こりうる。さらに詳しいヒ素の人体への影響や、検査および治療については、ブルキナファソのヒ素中毒に関する20061230.3651を参照されたい]
[Mod.MPP- 輸入された製品であるということは、世界中の他の輸入した国々にもリスクがある。複数国における商品回収の可能性がある]


●  鳥インフルエンザ  ロシア、ベトナム、中国
PRO/AH/EDR> Avian influenza (51): Russia, Viet Nam, China
Archive Number: 20070309.0844
[1] ロシア Russia (Adygeya):Adygeya で危険な鳥インフルエンザウイルス確認
 情報源 Mary Marshall、3月9日
ロシア Adygeya の Ulyap と Jambechyi 村で採取された鳥インフルエンザ Avian influenza 検査の検体は、Krasnodar とモスクワに送付され、H5N1 鳥インフルエンザウイルス陽性となった。Adygeya 共和国の獣医学局の上席専門官は、対策が実行され、2007年 2月27日以降新たな鳥インフルエンザ発生していないと述べた。
[Mod.AS- 20070222.0658 と同じか、別件であるか不明である。Adygea (または Adygeya) 共和国, 旧 Adyge 自治区は、立憲性共和国で、Krasnodar 地区の飛び地である]
[2] ベトナム Vietnam isolates Hanoi bird flu site, virus strikes south
 情報源 AFP via Yahoo.com、3月9日
2007年 3月9日、メコンデルタの南部で、3週間のうちに 5カ所目の H5N1発生があったため、ベトナム保健当局者はハノイの鳥インフルエンザ制圧活動を開始した。今週初め 2000羽のニワトリが死亡または処分されたハノイ市の北の郊外にある、いくつかの養鶏場で、職員らが防護服を着用して噴霧消毒を行った。約 2000羽のワクチン接種を行った、Dong Anh 地区の郊外の Hau Duong 部落に、 警察などが 24時間の検問所に配置された。2007年 2月後半以降のベトナム 5番目の発生地は、ホーチミン市の南西 170km の Can Tho 市の 2ヶ月のアヒルの群で発生した。2007年 3月7日、ワクチン接種を受けていない約 100羽のアヒルが H5N1で死亡し、400 羽が破棄された。同ウイルスは、2006年 12月から 2007年 1月に相次いだ南部の感染流行に続いて、この数週間に北部 Ha Tay および Hai Duong 省と南部の Vinh Long 省でも発生した。
[Mod.MPP- 北部のハノイ市近郊から南部のホーチミン市付近まで全国に拡大している]
[3] 中国 (香港)、野鳥:Hong Kong confirms virus
 情報源 Independent OnLine、3月9日
新たに香港のトリが H5N1鳥インフルエンザウイルス検査陽性となったと、2007年 3月9日と当局が発表した。人口密集地の Hung Hom 地区で 2007年 3月 3日に死亡して発見された long-tailed shrike オナガモズ [_Lanius schach_, 目: Passeiformes, 科: Laniidae, 属: Lanius] が、H5N1に感染していることが政府農水産保全局により確定された。同ウイルスに感染した野鳥の最新の症例である ..... 生物学者らは、このウイルスに感染して死亡した在来種の野鳥は、初めてヒトに感染する変異を起こした中国本土の、感染したトリの群との接触により感染したと考えている。香港では、1997年に、世界で最初のヒトでの鳥インフルエンザ集団感染が報告され、6人死亡した。
[Mod.AS- 香港政府は鳥インフルエンザの監視と予防の模範的な対策を行っている。野鳥での土着感染にもかかわらず、当局が家禽やヒトへの感染を阻止に成功していることは称賛に値する]
[4] 中国 (広東省 * 原文は Guandong) 動物の輸送
Upsurge in live chick transports from Guangdong to other parts of China.
 情報源 Xinhuanet via Yangcheng Evening News [translated]、3月8日
暖冬のため、広東省のヒヨコの繁殖が早期に開始し、多数が育っているため、省内のみならず国内各地に空輸されている状況の説明。

● 炭疽、ウシ ウクライナ
PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - Ukraine (Ivano-Frankovsk) 20070309.0843
 情報源 News Agency "Regnum" [translated]、3月8日
Anthrax has been found in a Ukrainian meat-packing plant

ウクライナ非常事態省は、イバノフランコスク Ivano-Frankovsk 地方の精肉加工場において、炭疽 [sic] が発見されたと報告した。伝えられている情報によれば、2007年 3月7日、同地方の獣医科学研究所が、1頭のウシの死体を検査したところ炭疽菌が確認された。3月6日、同地方の Bogorodchanskiy 地区 Starunja 村の住民が " Ol'va " という会社の精肉場にこの死体を売却した。7人がこの死体と接触している。現在医療監視下にあり、予防的な治療を受けている。ウクライナ非常事態省は、感染したウシが出た地域において、疫学衛生局と獣医科学行政局の専門家らが、感染流行および人獣感染症対策に当たっていると述べた。

● 口蹄疫、ウシ 北朝鮮
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, bovine - North Korea (P'yongyang-Si) (02) 20070309.0841
 情報源 OIE web-site, WAHID、3月9日
20070307.0803 で、ウシの輸入元の国について情報提供を呼びかけたが、オリジナルの OIE のサイトに以下のような情報が公開されていた。
感染した種 中国遼寧省鉄嶺 Tieling 市から輸入された子牛、輸入後農場内で一部に臨床症状が見られていた