2007年3月12日

鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア、 エジプト WHO

●  鳥インフルエンザ、ヒト エジプト,インドネシア(2件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (51): worldwide, WHO 20070312.0878
[1] エジプト Egypt - confirmation of 24th human case
Egypt: Avian influenza situation - WHO Update 8 更新 8
 情報源 World Health Organization (WHO), CSR, Disease Outbreak News, 3月12日
2007 年3月12日、エジプト保健人口省は、新たなヒトでの鳥インフルエンザ A(H5N1型) ウイルスによる感染患者を公表した。この症例は、エジプト中央公衆衛生研究所と米国海軍第3医科学研究ユニット (NAMRU-3) の検査により、確定された。Ad Daqahliyah 行政区在住の 4才の少年である。彼は、2007年 3月7日に発症し、3月8日に入院した後、病状は安定している。少年は、2007年 3月初めの 3日間、病鳥に曝露していた。少年の接触者は健康であり、厳重な健康監視が行われている。エジプトでこれまでに確定された24人の患者のうち、13人が死亡した。
[2] Worldwide - Cumulative number of confirmed cases and fatalities
 情報源 World Health Organization (WHO), Cumulative number of human cases of avian influenza A/(H5N1), 3月12日
2007年 3月12日、H5N1型鳥インフルエンザがヒトに感染した国の数は 12に増加した。
以下は、WHOに報告された確定患者数の累積である。
国名と発生年
2003 / 2004 / 2005 / 2006 / 2007 / Total
アゼルバイジャン
患者数: 0 / 0 / 0 / 8 / 0 / 8
死亡者数: 0 / 0 / 0 / 5 / 0 / 5
カンボジア
cases: 0 / 0 / 4 / 2 / 0 / 6
deaths: 0 / 0 / 4 / 2 / 0 / 6
中国
cases: 1 / 0 / 8 / 13 / 1 / 23
deaths: 1 / 0 / 5 / 8 / 0 / 14
ジブチ
cases: 0 / 0 / 0 / 1 / 0 / 1
deaths: 0 / 0 / 0 / 0 / 0 / 0
エジプト
cases: 0 / 0 / 0 / 18 / 6 / 24
deaths: 0 / 0 / 0 / 10 / 3 / 13
インドネシア
cases: 0 / 0 / 19 / 56 / 6 / 81
deaths: 0 / 0 / 12 / 46 / 5 / 63
イラク
cases: 0 / 0 / 0 / 3 / 0 / 3
deaths: 0 / 0 / 0 / 2 / 0 / 2
ラオス
cases: 0 / 0 / 0 / 0 / 1 / 1
deaths: 0 / 0 / 0 / 0 / 1 / 1
ナイジェリア
cases: 0 / 0 / 0 / 0 / 1 / 1
deaths: 0 / 0 / 0 / 0 / 1 / 1
タイ
cases: 0 / 17 / 5 / 3 / 0 / 25
deaths: 0 / 12 / 2 / 3 / 0 / 17
トルコ
cases: 0 / 0 / 0 / 12 / 0 / 12
deaths: 0 / 0 / 0 / 4 / 0 / 4
ベトナム
cases: 3 / 29 / 61 / 0 / 0 / 93
deaths: 3 / 20 / 19 / 0 / 0 / 42
合計
cases: 4 / 46 / 97 / 116 / 15 / 278
deaths: 4 / 32 / 42 / 80 / 10 / 168
患者数には、死亡者数も含まれている。WHO は、検査室で確定された症例のみを報告している。
[ModCP- 2007年になってから、ヒトでの H5N1型感染が報告されていないのは、アゼルバイジャン、カンボジア、ジブチ、イラク、タイ、トルコ、ベトナムである]

PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (50): Indonesia 20070312.0872
 情報源 Xinhua News Agency、3月12日
[インドネシア保健省は、2007年 3月12日、20才女性の鳥インフルエンザウイルス感染が確定され、国内の感染例は 85人となったと報告した。]
東ジャワ East Java 州出身のこの女性は、ニワトリとの接触歴があると、同省鳥インフルエンザ対策担当者が述べた。「近所の人が死んだニワトリを捨てた場所の掃除をした。」患者は Mojokerto Regency 病院に 2月28日に入院し、3月8日に州都 Surabaya の病院に移送された。インドネシアでは、鳥インフルエンザに感染した 85人のうち、64人が死亡している。
[Mod.CP- インドネシア保健省が H5N1陽性と確定した患者数と、WHO が認定している患者数に違いがある。2007年 3月12日の時点で、WHO のリストには、確定された患者 81人、死者 63人となっている]

● 炭疽 英国
PRO/AH/EDR> Anthrax, human - UK (Scotland) 20070312.0877
 情報源 Dailyrecord.co.uk、3月7日
Villagers' Fury At Anthrax Clean-Up; US firm set to decontaminate hall
炭疽菌騒ぎのあと専門家チームが清浄化のために介入した。保健当局は、男性 1名が炭疽で死亡したことを受け、2006年 11月にコミニュティセンターを閉鎖した。Borders の NHS 当局は、調査のためニューヨークの専門業者 Sabre を雇い、炭疽の感染源が、Roxburghshire、Hawick 在住の ミュージシャン Christopher Norris がドラムの教室を開催していたホールであることを突き止めた。50才になる彼は、ドラムの製作に使用した炭疽菌に汚染された皮から感染したものと見られている。業者は、tarpaulin の "膜" でセンターを被い、2007年3月8日、二酸化塩素 chlorine dioxide ガスを建物内への注入を開始した。以下、ケルソー Kelso 近郊の小さな町 Smailholm の一部の住民は、男性の死亡からホールの閉鎖 までの間に多くの使用者があったにも関わらず、発病者がいないことから、米国業者への支払いを税金の無駄遣いだとして、この取り扱いに腹を立てていること など。
[Mod.MHJ-住民は的を射ている。ドラム教室の生徒に感染がなく、その後数ヶ月間のホールの使用者にも感染が発生していないのであれば、もし芽胞が存在したとしても、リスクは小さいか取るに足りないものであろう。2006年 11月17日に遡ると、NHS の広報はこのように述べていた: 現行の調査の一環として、Borders のいくつもの場所から検体を採取した。それらの検体の検査から、Smailholm 村のホールで炭疽芽胞のわずかな痕跡が認められた。予防的措置として、この建物の適切な消毒方法が決定されるまでの間、ホールは閉鎖する。スコットランドの官僚的決定はどこよりも遅い。2006年 11月に素早い行動を起こしていれば受け入れもよく、住民はクリスマスや新年の祝いの行事にこのホールを使用することができたはずだ。haggis [* スコッ トランドの肉の入ったプリン]、ウィスキー、Robbie Burns の祈り、バグパイプ、ダンスで祝う、伝統的な新年の祝いが奪われた。代わりに、Lent [* 受難節: 復活祭の前のキリスト教の行事] に、Sabre (消毒を請け負う米国の会社) を与えられた]
関連項目 (2006) 20061122.3326

●  タリウム中毒 米国 ロシアから
PRO> Thallium poisoning - USA ex Russia 20070312.0881
 情報源 LA Times、3月10日
Poison victim believes it was accident

中毒がどのようにして起こったか患者らにインタビューした内容、長文。
関連項目 20070310.0850

●  豚熱(豚コレラ)クロアチア: OIE
PRO/AH/EDR> Classical swine fever - Croatia: OI 20070312.0880
 情報源 OIE Disease Information, WAHID Vol. 20 - No. 10、3月8日
Report type: Follow-up report No. 11
感染発生時期 2006年7月17日
前回発生時期 2002年6月15日
原因ウイルス Classical swine fever virus
感染源 合法的な動物の移動;排水の飼料、媒介物(ヒト、乗り物、エサなど)
[Mod.PC- 感染拡大が発生しているとの報告である。2月19日から28日の間に、10件の感染流行が発生している。2006年7月以降、報告の更新がなかった]

●  炭疽 ロシア
PRO/AH/EDR> Anthrax, porcine - Russia (Orenburg) 20070312.0879
 情報源 News agency "Regnum" [trans.]、3月12日
Anthrax reported in the Orenburg region
Orenburg 地 方の家畜のブタ1頭の炭疽 Anthrax 感染が報告された。Orenburg 地方 Grachevskiy 地区 Kuzminovka 村の私営農場で炭疽感染発生が疑われているとの一報が、Orenburg 地区のロシア非常事態省中央行政委員会に到着した。動物において、臨床症状を示したブタの、強制処分が同日執行された。炭疽菌の細菌学的同定は、2007 年3月11日に通知された。
[Mod.NP- オレンブルグ地方の炭疽は、再三報告 されている。この地方の Dombarovskiy 地区 Istemas 村の住人が、2006年の夏に炭疽で死亡したヒツジの死体の処理後に炭疽を発病した。同じ村で 2004年には、数頭の感染した動物が処分後に精肉処理され、汚染された肉が近郊の Orsk 市で売られたため、9人の住民が発症し、同じく発病した Orsk の市場の運搬業者のうち 1人が死亡した。オレンブルグはウラル山脈の南の山麓にあり ... 周囲の地勢の説明]
[Mod.MHJ- ブタは口腔咽頭炭疽に感染しやすく、一度見れば二度目の診断は容易である。ブタは、汚染されたエサや、感染した死体の一部 (内臓など) を エサとして与えられて、感染する。従って、非常事態省の発表が示した以上の大きな問題が潜んでいる可能性が十分にある。(記事に、"The pig farm premise (養豚施設) has been burnt [sic] "とあったのを受けて) 焼却されたのが死体だけであって、農場ごと焼かれたのではないことを祈る]

● 鳥インフルエンザ 中国・クウェート・アフガニスタン
PRO/AH/EDR> Avian influenza (52): China (Tibet), Kuwait, Afghanistan 20070312.0871
[1] 中国 (チベット)
 情報源 India eNews (from correspondents in Beijing, China)、3月11日
中国南西部チベット Tibet の首都ラサ Lhasa の市場の、家禽の鳥インフルエンザウイルス感染が確認されたと、中国農業部が 2007年 3月6日に報告した。農業部情報局によると、これらのトリは 2007年 3月1日に死亡し、国立鳥インフルエンザ委託検査所における H5亜型の検査が陽性となった。専門家と当局者らは、鳥インフルエンザウイルス対策と地域内の感染拡大防止策を開始した。ウイルスは、東アフリカから西アジアへ移動する渡り鳥により持ち込まれたものと考えられている。市場の閉鎖、市場内のトリの処分、家禽市場の調査、野鳥の監視などの、鳥インフルエンザ感染拡大防止策が盛り込まれている。2007年 3月初め、福建省(中国)の家禽 325羽および野鳥 20羽に対して行われた検査で、野鳥 3羽と家禽 2羽の、H5亜型ウイルス検査が陽性となった。福建省では、2007年 2月に女性 1名が鳥インフルエンザに感染し、現在重症であると当局は伝えている。
[2] クウェート Kuwait
 情報源 People's Daily online, Xinhua Agency report、3月9日
2007年3月9日、地元紙 Arab Times は、クウェート政府が、新たに H5N1鳥インフルエンザの発生を確認したと伝えた。2007年 2月後半以降、この湾岸国における 53件目となった。保健省の広報担当医師は、同ウイルスが確認されたのは 3月8日で、クウェート市の南 120kmにある Wafra 地域のニワトリにおいてであったと述べた。「Wafra は、鳥インフルエンザ症例発生報告が最も多い場所で、チームを派遣し感染拡大に努めている」 症例の多くは、養鶏場ではなく、庭先飼育のニワトリで発生しているとし、2007年 2月後半の感染流行以降もヒトでの感染は発生していない点を強調した。 「発生件数は徐々に減少しており、まもなく清浄化されるものと期待している」 と述べた。OIE がクウェート保健省に協力している。
[3] アフガニスタン Afghanistan
 情報源 Pak Tribune、3月10日
アフガニスタンは、首都で発生した数件を含めた 13件の H5N1鳥インフルエンザの感染が確認されたことを受け、処分を開始したと、国連機関当局が発表した。UN FAO (食料農業機関) のアフガニスタン広報担当者は、最新の感染流行の内訳は、東部 Nangarhar 県の自宅で飼育されていた家禽の 6件、カブール Kabul の 4件、東部 Kunar 県の 3件であると述べた。「これらの地域から採取して、検査した検体はすべて陽性となった。」と述べ、政府がどれだけの数のトリを処分するのか明らかにしていないことと、隔離およびワクチンによる対策も行われることを付け加えた。OIE はすでに、Nangarhar の庭先飼育の家禽の群れと、Kunar のシチメンチョウにおける H5N1 型感染流行を確認している。2007年のこれまでに確認されている感染流行の数は 17件となっている。2007年 2月、アフガニスタンは、鳥インフルエンザウイルス感染拡大防止の目的で、家禽の輸入を禁止していた。2006年、アフガニスタンの4つ以上の県で、家禽の H5N1型感染が確認され、数千羽の処分が行われたが、ヒトでの死亡は発生していない。アフガニスタンは、主にパキスタンから、大量の家禽を輸入している。輸入禁止法は、H5N1型感染が発生した、英国、トルコ、インドネシアなどの他の国に対しても適用されている。アフガニスタンは、中央アジアと南アジアの中継点で、多く種類の野鳥の渡りのルート上にある。
[Mod.PC- チベットでの感染流行は、以前から報告されているが、確定情報や決定的な詳細情報は、まだ、OIE に提出されたり、他の形で公式に公表されていないようである。[* クウェートでは] 症例のほとんどが庭先飼育の家禽であるが、2000羽 couple thousand の鳥の群れの感染や、動物園のタカまでが感染している。記事では、感染数の減少が示唆されているが、クウェートではこれまで感染拡大に波があり ebb and flow、ひきつづき、厳重なバイオセキュリティの実行と集中監視の継続的努力が必要である]